高校生で漫画原作なTVアニメ動画ランキング 155

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の高校生で漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月04日の時点で一番の高校生で漫画原作なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.8 1 高校生で漫画原作なアニメランキング1位
先輩はおとこのこ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (124)
318人が棚に入れました
男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。 ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。 「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。 しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ! さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。 可愛いものが大好きな、まこと。 まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。 まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。 3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

まこと君とは一体何だったのか?トランスジェンダー的な問題をギャグに落とし込むのは、やはり無理がある…。

 最終話(12話)まで観ました。2024.10.03

 8話あたりから咲はめでたく空気になりました。母親と義母(咲の婆ちゃん)との間に確執があり、家族が微妙な感じなのですが、そんなん珍しくもありません。高校生にもなって、何を言ってんのか!

 咲が空気になったのは、まことのせいでもあります。結局まことは何者なのかが、上手く描けていないため、周りの人物達もボヤケてしまっています。

 性自認は男性?女性?性指向は?竜二と付き合ってみたり、咲に手を出そうとしたり、バイセクシャルなの?

 まことは、高校生活の最初の方で、女性として生活しており、男だとバレて女子コミュニティから排除された描写がありましたが、女子生徒を危険にさらした高校の責任はどうするんでしょう?高校を騙して女の子として入学したの?高校は実は男の子でしたで、そのまま在籍させるの?猥褻目的で女性に化けていた可能性もありますよね?恐らく、こんな簡単な話では済まないと思います。

 まことの祖父が出てきたりしますが、この人も性自認や性指向が謎です。可愛いもの好きで化粧したり女装したりしますが、趣味レベルなの?

 このアニメは、非常に色々なモノから逃げています。ヤバくて、描写出来ないなら、そもそも題材に選ばなければ良かったのです。

 まことは高校生なので、トランス女性になるとかそういった話はまだ無い様です。まことの性的対象が不明なのも、未熟な高校生だから!で逃げています。まことは結局、トランスジェンダーなのかさえ怪しいです。

 実に換骨奪胎したアニメです。原作もそうなのかもしれませんが、端から覚悟が足りていません。昨今のLGBTQを巡る社会情勢や議論等をつまみ食いしただけの、社会問題ファッションアニメでしか無かった様です。

 好きな物を好きでいたい!まことが結論として言っていることは魔法少女マジカルデストロイヤーズのオタクヒーローと同レベルの浅さを感じました。

 母親も、「息子がアブノーマルだったとは、こういうことだ!」と叫びながら、ランバ・ラルなみにガラスを突き破って自爆するくらいの気概が欲しかったです。

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 4話まで観ました。2024.27.30

 どうも、デフォルメパートで分かり易い感情表現(興奮して鼻血を出したりするテンプレ表現)を多用するせいで、LGBTQに寄り添った意識高い系アニメとは、一概に言えない感じがします。

 まこと君がトランスジェンダーなのは間違いなさそうですが、性自認と性的な嗜好がボヤかされているので、単なる女装好きっぽくも見えます。

 私は自分と可愛い物が大好き!女は可愛い!私は可愛いので女装したい!三段論法的な邪悪さも感じます。

 また、まこと君は性的に中性的で、美少年兼美少女なので親友の竜二も単純にゲイと言うわけではなさそうです。

 まこと、咲、竜二の関係も、咲がドチビの性的に未成熟な少女として描かれているので、三角関係が成立しておらず、まこと君の性的魅力(フェロモン)に惹きつけられている蟲2匹といった関係性です。

 物語が進展して、竜二が咲を意識する展開になれば、話は変わっていきそうです。そうはならないかな?

 何となく敷居が高そうでしたが、まぁ、深いことは考えずに気楽に観ても大丈夫そうです。

 しかし…まこと君、トイレやシャワーはどうしてるんでしょうね?高校にはトランスジェンダー専用のがあるんでしょうが、外ではどうしているのか?その辺も曖昧にしています。

 お馴染みの新宿二丁目のゲイ達は、見た目が邪悪で禍々しい連中です。醜男が女装して醜女になっていると、警戒されるのに、美少年兼美少女だと許されるんか?

 この作品に通底するルッキズム臭は、キャラクターがアニメとして動くと更に強調されますね。咲の反応でもそうですが、見た目が良ければ女子風呂、女子更衣室等々に入ってきてもラッキースケべでOK!的な…。

 咲も別に深いキャラではなく、単なる面食いでメス犬ムーブをかますビッチに見えなくもないのが残念です。

 ガワだけでなく、キャラクターの掘り下げがもっとあることに期待しています。

 特に咲は吶喊色ボケアスペの変態娘にしか見えないので、今後のキャラクターとしての成長に期待大です。

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  3話追記 2024.07.29

 4話をレビューする前に、昭和の知識で誤ったレビューを更新しなければなりません。

 まこと君と蒼井咲が衣装を交換することに対する違和感は、私のファッションセンスが古いから感じる可能性はもちろん否定出来ません。服飾の専門家ではありませんので、認識の限界はあります。

 しかし、ユニセックスやフリーサイズというのは、そんなに万能な概念ではありません。

 男女兼用の衣服は、身体の線を出さないワイドシルエットが中心の様です。これは、民族衣装的な発想です。これなら、少ない資源で色々な体形の使用者に適用出来ます。

 しかし、作中で咲の着用しているドレスは、どう考えてもワイドシルエットではありません。身体の線を強調するデザインっぽいです。

 また、フリーサイズと言っても、まこと君はバスケで活躍出来る位の身体能力を持っている描写がありました。おそらく、身長も人並みにあるのでしょう。

 バスケは身長依存スポーツです。NBAでは2メートルでも低身長と言われている昨今、日本の高校生が授業でやっているバスケであっても、活躍出来るなら平均身長以下とは考えにくいでしょう。まこと君はチビのヒョロガリではありません。

 さらに、竜二は咲をちびっ子と呼んでいます。男性はあまり女性をチビとは認識しないのですが(男性より基本的に身長が低いから)それでもちびっ子と称しているのだから、女性の中でも小さい個体なのでしょう。

 そんな性差も体格差もある個体同士が着衣の交換が出来るとは思えません。

 また、オシャレの基本は身体のサイズに合ったものを着用することにあります。着用出来れば良いというものではありません。

 サイズが合っていなければ、チャップリンの生み出したキャラクター、小さな放浪者の様なギャグキャラになります。

 このキャラは、一応、紳士のスタイルだけど、靴もズボンもブカブカ、上着はピチピチの何かおかしい人物、道化の極みとして、今でも世界中で愛されています。

 当然、そんな描写は作中にありませんので、すさまじい個体差があっても似合う衣服を咲は着用していたことになります。

 こんなオーパーツみたいなのが、実在するんでしょうか?車が空を飛び、メタンが吹き出す軟弱地盤の地獄の大地にカジノや万博会場が作れる今の技術力なら、ラフォーレ原宿付近には実在しているのかもしれませんが…。

 しかも、咲は逃げ上手の若様の諏訪頼重ばりに未来を拾って先輩とドレスを交換することを予知して備えていたんでしょうか?

 普通は自分のドレスを他人(しかも男)が着るなんて想定しないはずですが?

 しかも、ユニセックスの難しい点は、チャップリンを引き合いに出すまでも無く、男女兼用でどちらにも合う、ダサくならないデザインを追求しなければならない点にあります。

 そのため、普通の衣服よりデザイン料が上乗せされ、値段が高くなりがちです。咲はワザワザそんなのを用意してたなんて、もはや出演するアニメを間違っています。

 アベンジャーズに日本代表のサイキッカーとして登場した方が、活躍出来ます。スーサイド・スクワッドでも良いですね。

 で、なければ咲は極虎一家の枢斬暗屯子さんみたいにワイルドセクシー系女子なんでしょうね。この辺が少女漫画的なルッキズムなんだよ!小柄な可愛い系女子が舐めんじゃね〜!(# ゚Д゚)

 レビューはあくまで作品に対する個人的な見解であり、本来的に正解や誤りはありません。レビューアーがそう感じたら、そうなのです。

 作品に対する愛は理解しますが、過度な擁護は自由な感想
の表明を萎縮させ、結果的に作品の魅力を減じる結果となるでしょう。

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 3話まで観ました。2024.07.24

 ラストは違和感を感じます。性自認は各自の自由だとしても、肉体は言うことを聞きません。

 感動的な海岸でのラストシーンですが、現実ではギャグになります。先輩は絶対に蒼井咲のドレスを着ることは出来ません。

 どんなに華奢な男性でも、肉体はドッペルイクスとは違います。赤ん坊の頃から男子は肩幅があって、逆三角のフォルムのため、どんなにビッグサイズの女性モノ衣装でも、第二次性徴以降は肩が入りません。

 蒼井咲がラッキーシモノビッチみたいに肩幅1メートル超えの女子高校生なら話は別ですが、あり得ない描写に、所詮はこの程度、少女漫画的なルッキズムなのか…と感じます。

 精神と肉体との折り合いがつかない状態が悲劇なのです。現実味が薄いのはフィクションなので仕方ないですが、過度の期待は禁物の様です。

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 2話まで観ました。2024.07.18

 なかなかコミカルで面白い雰囲気はあります。主人公につきまとう後輩の蒼井咲も、一線を越えた嫌がらせはしてこない、わきまえた女子ですし、親友の大我竜二も良い青年です。

 2話では、3人で遊びに行ったりするのですが、なんか良い感じです。

 ただ…、肝心なのはこれからですね。主人公はこれからどんどん男になっていきます。私も経験ありますが、自分でもわかるんですよ…。男として肉体が完成していくのが…。

 私はトランスジェンダーではないので、筋肉がゴリゴリついていく自分の肉体がとても愛おしかったですが、主人公にとってはどうなんでしょう?

 また、親友と後輩は所詮他人なので、ジェンダー規範を逸脱した主人公に好意的ですが、これから関係を深めていくと、主人公の母親みたいに闇堕ちするのでは?

 これからどうなるのか、とても楽しみです。

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 初回観てのレビューです。2024.07.06

 コミカルな感じで、ギャグとしては中々面白そうです。ただ、虎の尾を踏む危険性があります。

 後輩は、モラトリアム期女子に発病しがちなライト百合っぽいですが、先輩はガチのトランスジェンダーの様です。

 多様性への理解が進んだとは言え、女装して登校するのはかなりのプレッシャーです。周りのノーマル達がどんな酷いことをしてくるか分かりません。単なる二重人格のサイコパスや女装趣味で片付けられる問題ではありません。

 最近、会社同僚の女性社員が男性になりました。胸と子宮を手術で除去し、男性ホルモンを投与してやっと、裁判所に性別変更を認められたそうです。

 この方は地方出身なんですが、上京して初めてカミングアウトしたそうです。他人に基本的に関心を示さない東京じゃないと、場合によってはトランスジェンダーは死を意味します。

 肉体が男性ならリンチ、女性なら輪姦される危険が高いそうてす。性的、社会的に世間様から期待される役割から離脱する人間を田舎の地域社会は許しません。

 男性支配の強い社会だからなのか、田舎の同調圧力なのか不明ですが、LGBTQが普通に生きられる地域は日本でも限られています。

 我が社でも、一部の幹部が扱いに困ると嫌がってひと悶着ありました。一応、先進的な取り組みをしている事業所っつーことになっているにも関わらずですよ…。

 ふたなり男の娘AV をライトにした様な、ちょっとエッチな感じの作品にする気なのかもしれませんが、危険すぎます。

 こんな地雷を上手くアニメ化出来るのか?すごく気にはなります。

 注 最初のレビュー時は、性同一性障害と記述しましたが、否定的なニュアンスがあるので、トランスジェンダーに修正しました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

幼なじみはふつうのこ

女の子の恰好をして過ごすまことを中心として、まことに惹かれる幼なじみの男の子と後輩の女の子、3人の心の機微を見事に描いた作品、私は今季1位に推したい
原作未読ですが、アニメのクオリティはとても高いです

この作品の一番素晴らしいところは「不安」の描き方、3人が何に悩んでいるのか、どうして悩んでいるのか、どうしたら救われるのか? それがとても丁寧に描かれているんですね。丁寧な心の描写で、自然と共感できるんです。

3人の心情とお互いにかけがえのない関係性を描くのがとても上手ですね、綺麗な絵、声優の演技、間の取り方、それを邪魔しないでしっかりムードを盛り上げてるBGM、その演出の繊細さに自然と3人の気持ちに共感して何度も涙が出てきました。
3人がお互いに大切に想っていること、悩んでしまう理由、ひかれあう理由、関係性が深まっていくきっかけが丁寧に描かれていて、ずっと3人が一緒にいられたらいいなって思います

~各キャラクターについて~
【まこととまことの父母について】{netabare}
まことは女の子の服は着たいけど、女子になりたいわけじゃないんですよね
お風呂に男子と普通に入ってることから(たぶんお手洗いも)、性自認が女なわけではない(まだ結論が出てないだけかもだけど)
でも竜二の好意にも咲の好意にもドキッとする、恋愛対象は男なのか女なのか?それとも恋愛感情とは別の感情なのか?

この部分を簡単に結論出さずにゆっくりまことの心の変化を描いているのがいいですね、「僕は可愛いものが好きだけど、男になりたいわけでも女になりたいわけでもない、自分らしく生きたい」って、ヒトは男か女の2つに単純に分けられるものじゃないんですよね、女の子みたい?男っぽい? 男だから女の子の咲が好き? 女っぽいから男の竜二が好き?
そんなことは他人が決めることじゃない、僕はかわいいものが好きだ、竜二が好きだ、咲が好きだ
とても共感できるシナリオでした。

例えば3話では男の恰好をしているまことに好意向けてくる羽川さんの表情が描かれてないですけど、4話でまことが羽川さんに謝って、その時に表面的なことだけじゃなくてちゃんと心で向き合ったことで、はじめて羽川さんの顔がちゃんと描かれたんですね。これはまことがクラスメイトの女子Aじゃなくて羽川さんとしてちゃんと向き合ったことの表現だと思う。
まことも「どうせ相手は本当の僕を見てくれてない」と自分から心の壁を作っていて、相手の事をちゃんと見てなかったことに気づいたっていう描写だと思う、こういうところが緻密で好きですね

2話と11話で女の子の服をウインドウショッピングする描写がありますが、2話の時はまだ恥ずかしがってる様子あるけど11話の時は周りの眼を気にせずにお買い物しています、前を向いて生きてきた成果ですね。
これは母親にも言えることで、2話の時に可愛いハンカチを見つけて取り乱してたけど、この時、お母さんは結婚指輪しないのかな?って思ってたら11話では結婚指輪してるんですね。手元が強調されているので意図的な表現だと思うんですが
2話時点では、まことにかわいいものを好きにさせないようにしていて逃げていたのを、まことに向き合っていこうっていう前向きな気持ちが表れていると思います。

疑問に思ったのは、女装が好きなお爺ちゃんと血のつながりがないまことの父はお爺ちゃんと連絡とりあってるみたいなのが違和感あるのと、やけにまことのこと受け入れてるのも違和感がある
これもステレオタイプだけど、男の子の女装趣味って男親のほうが理解ないようにおもうから、理解ある父親ってのが不思議だった
ここまで父親の心理はあまり描かれていませんけど、肩に触れるなどまこととの接触も多い。
もしかしてお父さんにも女装の趣味があるのか、それともまことのことを性的に見てるかどっちかじゃないかな?って思った。
勘違いだったらごめんなさい

「かわいいものが好き、女の子の恰好するのが好き」それははっきりしていたので、過去は周りの眼、それからそういうものを嫌悪する母との葛藤がありました。
母親はまことのこと全然見てない酷い親なのかと思ったらそんなことなくて、ちゃんとまことのことを見てたんですね。
母だって自分のトラウマと息子の気持ちの間で長い間葛藤して、ありのままのまことを受け入れたい気持ちもあるところが中盤でも描かれていました。自身のトラウマも簡単に切り捨てられないからこそ、思い悩んだのでしょう。母だって人なのだから当然です
父のような女装趣味にさせてはいけないっていう気持ち、まことの気持ちに寄り添いたい気持ち。その葛藤はまことのことを第一に思っての事でした。

まこともそんな母の葛藤を知らずに自分の中でありのままの自分を受け入れて欲しいと勇気を振り絞って向き合ったのが心の成長だし、最後は母とまことがお互いに正面から向き合える形で1期が終わってとても良かったです
{/netabare}
【竜二】{netabare}
自分の好きがはっきりしているまことよりも、竜二のほうが複雑だと思った

まことの可愛い見た目に惹かれたのか、まことの人間性に惹かれたのか
相手は男で幼なじみ、自分の恋愛対象は男なのか、女なのか、まことが特別なのか?

彼は他の女子や男子に惹かれている描写がまったくないんですね。
これも恋愛対象が男なのか女なのかあえて描かないことで2期があるならそこを描いていくのかな?って思います
たぶん、まことが特別なだけで、男性女性とか見た目とかじゃなくてまことという人間に惹かれたんだと思いますけど

まことのほうは竜二に親愛の気持ちは強いと思うんだけど、たぶん恋愛対象として惹かれているのは咲だと思う、細かい描写を見て受けた印象だけど。
竜二くんにとってはこの先つらい展開になっていくんじゃないかなー?って思って、これだけいい人なのに悩み多くて大変ですね

タイトルも「先輩はおとこのこ」 つまり咲とまことがメインの話なんですよね。一期だけだと竜二とくっつくようにも見えるけど

この先、咲が先輩への想いにどう決着つけるかわからないけど、竜二とくっつくと「やっぱり性自認も女なの?」ってツッコミになりそうで
シナリオのメタ的にどっちかを選ぶってなったら分が悪いなあって・・・
でもこれだけ繊細な心を丁寧に描いている作品なので、そんな単純な構図にはらないと期待しています。

そんなわけで私は竜二くんを応援してます!

{/netabare}

【咲】{netabare}
圧倒的な孤独を抱える咲ちゃん、この子にも共感できるところが多かった
誰にでも好かれるキャラを演じて明るく振舞ってるけど、ホントは特別な人が欲しいんですよね、自分のことをちゃんと見てくれる。
3人で星空を眺めるシーンとかケガした足を二人が気遣うシーンなどから、まことと竜二が自分にとっての特別になっていくのが丁寧に描写されていますね。
素直に心が温まりました。ずっと二人と一緒にいられたらいいねって

まことと服を交換する描写あるけど、これは日ごろからそういうシチュエーション思い描いてたんじゃないかな? 先輩がこれ着たら可愛いだろうなーっていう感じで
可愛い服を美少女が着ているところを想像するだけで楽しい感覚は男性にもわかりますよね??
2話でショッピングした時に竜二から「大きいだろ」ってツッコミされてたけど、これは間違えたんじゃなくて、たぶん先輩でも着れそうなサイズをあえて試着してるんだと思う、試着する前にふつうはサイズ見てから持っていくし
おそろいの服を着たいとかそういう願望もあったのかも

咲は自分の気持ちが「先輩を性的に好き」なのか「友達として好き」なのか「孤独を埋めてくれる相手」ならいいのかわからず悩んでいました。
竜二も咲のことをちゃんと見てくれていて特別な人と咲は認識しているようですが、竜二に対する態度とは違うのでやっぱり恋愛なんじゃないかな?
二人に対してどういう感情に落ち着くのでしょうね?

一期の間ではその辺がまだ結論出てなさそうだったけど、ここからどう彼女の気持ちが動いていくのか気になりますね
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 11

tomledoru さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

とっつきにくいテーマですが奥は深いと思います。

「先輩は男の子」

とある男子高校生が女装趣味があり,可愛いものが大好で,それを身に着けるという設定です。 それを貫くという話なんです。

結論から言うと,女性の男性化は,現在のジェンダーの柔軟化に伴い,世間でも割と敷居が低いのですが,男性の女性化とてもハードルが高いのです。

カウンセラーの立場でものを見ると。 意外と男性で女装癖の方はいるものです。しかし、他人にバレないようにしているのが普通で,結婚している方もたくさんいます。

それがばれて離婚問題に発展したこともある事例を知ってますが,つまるところ、個人の趣味趣向の範囲なんで,それで離婚できるとは限りません。

ここで勘違いされて方がたくさんいると思うんですが,同性愛と。 女装趣味と,男性であるにもかかわらず、心が女性であるということは全く違うということです。 女装癖があっても,性的な対象は女性であることがほとんどです。

私も保育園時代に思いました。 どうして女の子の下着とか洋服にアクセサリーがあって特別なんだろう? なんであんなに可愛いキラキラしたものをつけてるんだろう? と。ちょっとうらやましいなあと思ったことはあります。

それで一度だけ,駄菓子屋さんで,おもちゃのヘアピンを買って大切にしていましたが使い道がなく,結局、同い年の近所の従妹にあげてしまいました。 男女では服装が違うことは、刷り込みによって何も感じなくなってしまっていました。

女子の制服は,ブレザーとズボンまたは,学校によってはオリジナルの上着もあって,セーラー服とスカートの両方から選択できる所はとても多くなりましたが,男子の制服には,選択の余地がありません。

ランドセルの選択についても同じです。 女の子は何色を選んでも、それほど違和感がないのに対して,男の子選ぶ色は,限られているという概念が世の中には流布しているようです。

乳児から幼児にから小学校~での洋服選びをする時に女の子の物のほうが選択肢が多くて,男の子用は全体の三割位という数しかないです。やはり洋服の選択についても女の子有利ですね。

これは当然、商業的な利益を追求するためですが,大人になっても。 レディースの服の方がメンズの服よりも相当に数が多くて選択肢も多いです。

男子にセーラー服の選択制を認めている学校はいくつあるのでしょうか?私は見たことも聞いたこともありません。ジェンダーフリーを唱えるならば明らかな逆差別です。

もともとはセーラー服に,ズボンというのは,米国アニメの「ポパイ」のように大方「海軍」の水兵さんのユニフォームです。伝統的な黒っぽい男子学生服は「陸軍」の制服です。学校というところは,軍隊のなれの果てなんですよ。

女性が男性に取って代わってどんどん社会に進出することで,日本の経済を活性化するので,政府としては大変ありがたいことなんですよね。 しかしながら,

一方で少子化対策と銘を打って男性の育児休業やら,妊娠した女性への援助や補助など段々と拡充はしていますが,それらは必要充分であるとはまだまだいえません。 それはテレビや新聞が語っている通りです。

私が現役だった数年くらい前までは,私の知ってる限り,周りで男性が育児休暇を取った人間は一人しかいませんでした。 今でも将来に影響があるとか、昇進に支障がきたすとかという妄想があるのか,そう考えるのでしょうか?

女性の育児休暇についても。 とりにくいという話をまだまだ耳にすることがあります。 政治の面では,本気で出生率を改善しようというつもりはないのではないかと私は勝手に思ってます。

私の娘たちは平成一桁生まれなんですが,給料から税金やら社会保障費などを引かれると,手取りのお金が少ないと言って嘆いてました。 これでは子供を産もうと思っても産めないわけですよ。 結婚すらできないです。若い世代ほどお金はありません。

これからは(生成)AI+ロボットの時代ですので,百年も経ったら,人間が働く場面は限られてくるのではないかと勝手に思ってます。 これは妄想ではなくて,ユーチューブなどの情報源,最近テレビで放映されたドキュメンタリーや○○○スペシャルなどの番組からと,平成の中頃,大学院で学んだことをもとに推測して言っているのです。

政府は,少子化問題と経済の発展を天秤にかけたなら,必ず経済発展をとると思います。 人生百年時代というのも眉唾ものです。確かに長生きする人は増えました。つまり健康寿命が尽きるまで働けということなんでしょうね。

私の周りには,ワーカホリックやいろいろな病気で六十代までに亡くなった人間が,中学の同級生二百四十人の一割足らずいます。 「人生百年時代」は,当面人手不足解消するための,政府のプロバガンダ的なスローガンと言ってもよいと思います。年金の先細りが見えていますし。

男性が女性化することに対して社会的に認められないのは,一昔前までのアメリカの男性像,つまるところ,ハリウッド映画に出てくるヒーローのような男性が素晴らしいと,いまだに社会全体に根付いているに違いありません。

理想の男性とは,会社などでバリバリと働き,良い成績を上げ,出世し,高い収入を得て,一方,家庭では,良き夫,良き父親として家族を支えて,娯楽を提供する。

さらには,いざというときには体を張って,妻や女性や子どもを守るという,まるで「スーパーマン」を絵に描いたような男性が,真に男らしいという神話を作り上げているのです。

実はこの神話は,明治時代以後に作られたものであって,男性が男性であることから逸脱するのは,情けないとか,「差別用語ですがあえて」女々しいとか,男らしくない,とかという言葉で虐げるわけです。

これでは男性は逃げ場がなくなってしまいます。 事実。 年間の自殺者が二万人から二万五千人いますが,その七割は中年から壮年の男性です。 女性の割合は三割ほどです。

新聞でよく取り上げられる学生とつく年代の自殺は年間で,百人から二百人程度です。 割合としてはとても少ないのです。これはゼット会出版の「九十年代の青春」という本に基づいています。

未来があるのに惜しい,いじめが絡むことが多いということで,マスコミが大々的に取り上げるので、いかにも多いように感じる、そういう仕組みになっています。男性が男性であることをやめるのは命を絶つくらいにつらいことなのです。

もちろん女性も。 社会に進出して男性に取って代わって仕事をするので,そういった役割の人たちは相当のストレスを感じていると思います。

男性と同じ責任やノルマを持って仕事をしていれば,男性原理の神話に憑りつかれて,行き詰まれば死ぬしかないでしょうね。 落伍者のレッテルを貼られるの屈辱ですから。 大人の自殺は自己責任という冷たい社会でもあるのです。

ましてや。 結婚して子育てをして。 なおかつ仕事も続けたいという人は。 想像絶する苦労と苦悩が待っているのだと思います。

それは今の社会の原理が自由主義,資本主義経済という枠組みの中で,働けば働いただけ,能力をあれば能力があるだけ収入が得られるという夢物語を語っているからに違いありません。

しかし,それは男女がお互いに歩み寄った結果ではなくて。 男性原理の社会の中に女性が入り込んでいったという現象に他なりません。 私はもっと,優しく包み込むような,命を生み,そしてはぐくむという女性原理の社会「世の中」ができないものかと常々思っています。

中には男であるという本能丸出しにする「ふとどき者」もいて困りますが,男性が保父さんや幼稚園の先生になってもいいと思いますし,男性の看護師がもっといてもよいと思います。もちろん主夫もOKです。

男性の介護職やケースワーカー。 障がい者や性的少数者へのサポート,様々な悩みを持っている方へのカウンセラーに,男性がもっとなっても良いと思ってます。最近は男性の逆ハラスメントがたくさん報告されています。

長文読んでいただいてありがとうございました。謹んで感謝いたします。私の専門分野なんで。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 4

67.2 2 高校生で漫画原作なアニメランキング2位
村井の恋(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (43)
138人が棚に入れました
様子のおかしい男子高校生・村井は担任の田中先生に恋をしている。 しかし一方の田中は乙女ゲームの推しキャラクター「春夏秋冬(ヒトトセ)」に恋をしている。 そんなことはつゆ知らず、田中に告白をする村井だったが、「黒髪ロン毛は恋愛対象外」と一蹴されてしまうーーところが翌日、髪型を一新して現れた村井は田中の”推しキャラ”そのものの姿となっていた。 激しく動揺する田中と猛烈にアプローチをし続ける村井、果たしてこのおかしな恋の行方はどうなっていくのか...!? 「次にくるマンガ大賞2019」Webマンガ部門で2位に輝いたエクストリーム胸きゅんラブコメ「村井の恋」が待望のアニメ化!

tomledoru さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

プレミア作品の扱いですが,その価値はあるんでしょうか?

原作とかが大変に評価が高くて、いわゆる「鳴り物入り」でアニメーションになった作品だと思います。

鑑賞できる環境が地上波ではなくて。ほかの動画配信サイトなどでも、プレミア扱いされていることが多くて、課金しないと見れないというサイトもあるようです。

BS日テレかなんかで確か、録画して見てますが,それほど、気合の入った作品とは思えませんでした。

今の高校生や、若い人たちが。どんな恋をするのか、私にはちょっと想像がつきませんが,年上の先生を好きになっても、それはそれで結構なことだと思います。「村井」には、彼なりのアプローチの仕方があって,そこは面白いです。

教師と生徒が恋に落ちて。問題になることがありますが。それは,どちらか片方が?下心があったり、いい加減だったりする場合だと,私はそう思っています。

私が知ってる限りで,周りの大人も公認が前提で,教師と生徒がひそかに付き合っていて,結婚できる年齢になってから籍をちゃんと入れて,真っ当に暮らしてるというカップルを結構知ってます。

歳が上とか下とか、そんなことは恋愛には関係ありません。人を好きになってしまえば。全てが許されるわけです。相手の魅力も。相手の欠点もすべて受け入れる。真剣な覚悟で付き合っていくのが恋です。

いかにも若い人に気に入ってもらえるようなアニメーションに仕上がっていますが,果たしてそれだけの値打ちがあるのかどうか。

かえって視聴率を下げてしまって。円盤も売れずに、半年経ったら忘れ去られるようなアニメになるような気がして。残念な気がします。

もっとオープンに。誰しもが見られるような設定であれば、きっと多くの人が楽しんで見られるアニメーションだと思うのですが。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

2.5次元の誘惑(村井)あるいは日笠劇場

実写化もされたLINE漫画原作。
あからさまに低予算ながらしっかり面白い。

OPED・映像楽曲ともに勢いがあって良き。

自身の推しキャラにそっくりな村井に猛アタックされる高校教師田中。彼らを取り巻く愉快な一般人やらオタクやらと紡ぐ妄想純愛ドタバタラブコメ。口パク動画で枚数を減らしたぶんカット数を増やして勢いよく畳み掛けるテンポよいギャグ時空が心地よい。そのうえ日笠氏の怒涛のムッハー芸を畳み掛ける職人技のキレの良さ。エフェクトをピカピカ光らせてたりコマ数増やしてヌルヌル動かしたりCGをグリグリと回転させたりさせずとも面白いアニメは作れることを示してくれる秀作。抜けた作画だからこそのアニメならではの味わいが楽しめる。しかし30分枠だとやや冗長。メイン2人以外の出番が増えないとキツイかも。

02
低予算ながら引き算として成立、安っぽさも嫌味もない。

しかし話の内容的には特に新しさはないのであとはノリと勢いとの相性次第。次回以降周囲のキャラにも存在感が出せないとダレてくる一方だと思う。美少女アニメではないのでキャラの魅力ガー掘り下げガーなのかもしれないが、ぼざろ的な演出の良さは感じられると思う。ラブコメではあるが美少女アニメではない一般向けアニメ。

勢いと演出というかノリが全て。相性次第ではただの低予算アニメでしかないか。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

田中の恋で観るか 村井の恋で観るか

1話観て。作画がなかなか雑ですね。
と第一印象。そして今期保留作品決定してました。
先日、2話から一気見で観てゆくと、、、6話で続きが気になる作品となりました。
作画もね、その物語の堅くない雰囲気に合っているかなと今は思います。

皆さんは田中の恋で観ますか村井の恋で観ますか?
先生設定からのグイグイ来る可愛い生徒に攻め込まれる田中の恋。
生徒設定からの一目ぼれした先生に告白して断られも攻めてゆく村井の恋。
両方の視点で進んでゆくので、若干どちらかに寄りながら、観てしまいます。
〇ojimaはこの年になると、もう恋なんてしない年なのですが、
敢えて言うなら「攻め込まれる恋」側で観ています。体力ないし。
田中先生応援してますよ。

原作知らないので終盤の展開、楽しみな作品です。
いい感じで終わらせるなら、もう少し作画変えてくるのかなぁ。
(2024/11/16)

観終わって。面白かったです。
{netabare} 田中先生も村井君も昔から出会っていたのでした。
この終わりを見たら、1話目の村井の表情をを見返したくなる!
黒髪ロン毛は田中先生の好みだと思っていたわけね。でも!!! {/netabare}
というわけで、2周目視聴中。  だって♪なんで♪恋でーす♪

投稿 : 2025/03/01
♥ : 16

67.8 3 高校生で漫画原作なアニメランキング3位
2.5次元の誘惑(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (200)
436人が棚に入れました
「リリエーーール!!!」 3次元の女子に興味無し! 漫画研究部部長・奥村は今日も部室でひとり、画面の向こうに映る愛してやまない2次元のキャラクター・リリエルの名を叫んでいた……。 そんな奥村のもとへやってきたのは「リリエルになりたい」という3次元女子・天乃リリサ。彼女は、漫画の中に登場する女の子のエッチで可愛い「衣装」が大好き。 そして、奥村に負けないくらいリリエルを愛する仲間(オタク)だった! 奥村に秘密の趣味がコスプレであることを明かしたリリサは、コスプレの写真や動画が詰め込まれた「ROM(ロム)」のコレクションを見せて伝える――。 「私っ……これを作りたいんです!!」 ふたりきりの部室で始まるコスプレ活動! リリサが変身(コスプレ)したリリエルは奥村が衝撃を受けるほど本物(リアル)で!? 熱意に押された奥村もカメラを手に!? 真摯に熱くコスプレに向き合う彼らが、「何かを熱烈に愛している」全てのオタクへ贈るコスプレ青春ストーリー、開幕!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

11話 アニメのクオリティ不足。話も挫折が無さすぎ。中断します。

1話 ヒロインのコスプレ姿に全集中?ご都合主義妄想展開だけど面白そう。

{netabare} なんと言ったらわからないくらいのご都合主義。童貞妄想全開サイコーだぜ…という感じです。まあ、導入なので評価はこれからかな、というスタートでした。

 ヒロインは結構可愛いです。ポイントはそこですね。作画や背景美術は必ずしも高レベルではないですが、ヒロインのコスプレ姿が非常に丁寧で作画もいいし、お前らこういうのが見たいんだろ?というニーズを拾い上げている気がします。キャラ造形も、無垢系無自覚エロオタクで、コスプレの露出に羞恥心はないけど恥ずかしがる…というのが最高ですね。そう、ヒロインの描写に全集中といってもいいかも…少なくとも1話はそんな感じでした。

 当然「着せ恋」と比較したくなるわけですが、本作の方が相当軽い感じです。ヒロインもギャル系の「着せ恋」に対して、本作はオタク系なのでその対比も面白そうです。女原作・男原作の差なんでしょう。

 主人公は一応個性はあるっぽい無個性男子なのも王道ですね。そしてどうやらハーレムものっぽい雰囲気もありますね。

 部活ものっぽいし、ビッグサイト系のコスプレものらしいし、凝った部分はなさそうなので、普通にニヤニヤしながら見せてもらいます。
 OPEDを見る限り登場人物が多そうで話がごちゃつかなけばいいのですが…という不安はありますが、一方でヒロインと主人公のイチャイチャで終わらないストーリー展開も予感させます。
 テンポや演出は過不足無い感じで雰囲気的に思っていたよりも面白そうな気がします。

 そうそう、本サイトのキービジュアルはちょっとなあ、という感じですが、本編はそれよりも全然いいです。(訂正 キービジュアル大きな画像だと頑張ってました…が頭と体のバランスというか…ちょっと違和感は残りました。なんでしょうね?){/netabare}


2話 ダブルヒロインのエロ作画に命をかけられないなら、断念候補です。

{netabare} テンプレハーレムものの構造?美少女幼馴染モデルって…コスプレはどこ?と思わなくはないですが、EDを見る限り2人のメインヒロインの三角関係でまだ今はキャラ紹介かな。これでモデルの子もコスプレになるのかどうかですけど…その先は考えてもしょうがないので保留です。

 で、肝心の作画…いや、はっきり言って美少女の作画がなあ…モブとかは手抜きで全然いいです。いっそ黒塗りとかシャフトみたいな線でいいです。ですが、せめてヒロインには200%の力で取り組んでほしい。あるいはエロ…立体の魅力です。裸体の表現はもうちょっと何とかなりませんか?骨みたいで全然魅力がないです。この作品の本質は魅惑されるような2.5次元の魅力のはずです。それを視聴者が共有するためにはそこは譲ってはいけません。

 正直話は面白くないことはないです。そもそも期待してませんし、その低い期待よりは少し上かなとも思います。ですが、作画です。美少女エロ作画が本作の命だと思いますが、制作者はどう考えているのでしょう?むしろそのためにあらゆるリソースを投入してください。

 ダブルヒロインの作画が悪いなら次週切ることになりそうです。(最後の1,2分は作画まあまあだった?一応労力・リソースの配分はしてるみたいですけど…){/netabare}


3話 話が動きだして面白くなってきました。でも衣装は普通そうやって引っ掛かりませんよね?

{netabare} 話が展開して思っていたよりも面白かったです。コスプレの衣装づくりに重点を置かないことで「着せ恋」との差別化はできてますね。普通1晩じゃ出来ないでしょう。リアリティを重視するなら自分用に作った衣装の直しとかでしょうけど、そうしないのはそこは設定で乗り切る、という宣言なのでしょう。
 本作はプレイ…写真撮影に主眼が置かれる感じ…というと作品の説明ではその通りなんですけど、その裏にもう1本本筋がありそうです。

 エロコスプレで魅せるのでしょうけど、その裏にラブコメのラブ要素をコスプレの対象となる作品にオーバーラップさせていました。それで主人公が現実とコスプレの間で自分の心情が理解できない感じとか、そんな展開になりそうです。
 リリサがタイトルにもなっているヒロインである以上はリリサエンドなんでしょうけど、まあ、1クールではどこまで行くかわかりません。

 そうそう「衣装がからまっちゃって」「胸パーツが引っ掛かって」はやりすぎですけど、まあ、その手のサービスも忘れないということですね。やりすぎなければその微エロをコメディにしている感じで良いのではないでしょうか。

 作画は相変わらずの紙芝居でしたが、比較的女子の描写は頑張っていたのでそこも2話よりも良かったです。この感じなら十分に視聴継続ですね。来週もさらに展開があるみたいなのでちょっと楽しみになってきました。{/netabare}


4話 失敗イベントの出来や来週への引きが良かった。面白いですが作画がなあ…

{netabare} 話が動くとやっぱり面白いです。初めてのイベントで失敗というドラマと客観的な評価を得るエピソードですね。単純な流れですが失敗が上手く「みんなのイベント」という感じがちょっといいエピソードになりました。

 全体的にオタクあるある的な服選び、居場所、女性のリードのような流れも上手く描けていたので、今回も面白いという評価で良いと思います。来週の引きに期待できそうですので、1クール目の前半のピークは5話になるのでしょう。
 今時まだCD-ROMなんだ…と思わなくはないですけど。デバイスをみんな持っているのでしょうか?

 で、やっぱり作画です。動かないなあ…本当にもったいない。この作品2クールだそうで。だったら、もっと予算使ってクオリティ上げないと後半にまで視聴者が残るか心配です。
 話は面白そうなのに、一番大事なコスプレの魅力が表現できないまま終わりそうです。早急に改善した方がいいと思います。{/netabare}


5話 右肩上がりで面白くなってきました。

{netabare} やっと始動という感じですね。エロ関係で来るのかなあと思っていたら、ちゃんとコスプレで行くんですね。これなら十分面白いです。今週はリリサの作画も可愛かったし。

 初イベント、小さな失敗、レイヤー仲間のコミュニティと交流など、やはり「着せ恋」と話の構成が重なるところがありますが、一つのキャラを推して行くとか、恋愛がコメディ寄りになっているなど、差別化はできていると思います。ROMという軸もありますし。

 右肩上がりで面白くなっているのでここから先も期待が持てそうですね。{/netabare}



6話 サブの男が活躍する作品は期待できそう…と思ったら四天王と廃部問題かあ…

{netabare} それとサブに目立つ男キャラを入れられる話はちょっと期待できますね。カメラマンとして主体的にかかわっていくというのはいい視点だと思います。

 ですが、四天王とは…そうきましたか。バトル展開になるの?たぶん1話冒頭に出てた子たちですよね。

 で、部の要件問題かあ…そのテンプレはいるの?キャラを増やす伏線でしょう。ヒントになるのはEDのキャラ集合のシーンでしょうね。美花莉が入部して、メガネの先生が顧問になって…あと1人新キャラかな?生徒会の女性2人が結構中心の目立つ場所に配置されていたので入部するのでしょうか。

 で、その集合シーンの配置なんですけどメガネの美人先生の立ち位置がコスプレのアダルトチームと並列なんですよね。しかも特大のサイズで。つまり先生はかなりの主要キャラになるのでしょう。だから、廃部ではなく顧問&部活存続と見当が付きます。

 まだ世界観というかキャラが展開しきっていない導入が続いている感じです。

 それにしても、作画さえレベルが高ければなあ…もっともっと注目作になったと思います。{/netabare}


7話 さわちゃん先生そのままでしたけど、まあいいでしょう。

{netabare} まゆら=先生は想像よりもコミカルなキャラでした。もっと真面目な感じをイメージしてました。ですが、重くなるのかなと思っていた展開が軽めの話でいきそうですね。本作ではその方がいいでしょう。序盤で無駄に重くする必要はありません。

 顧問就任の経緯は美人新任で、モテモテで人気があって、過去の記録で脅されて…というのが「けいおん」のさわちゃん先生の設定そのままの気もします。オマージュというにはちょっと似すぎている気もしました。
 そもそも「けいおん」がオリジナルかもわからないのでそこはいいでしょう。キャラとしての人間関係の広がりという点では本作の方が工夫がある気がします。

 結局リリサが古参のコスプレイヤーを次々と篭絡していく話になるのでしょうか?{/netabare}


8話 視点は面白いですが、不安要素も。あとは作画だなあ。

{netabare} 面白い視点でした。コスプレはサブカルチャー=メインじゃない故に人からは認められない趣味という視点ですね。もうえなこさんなどの活躍でメインに近づきつつある気配はありますので、古い認識の気もしますが、まだまだ実際にコスプレを人前でするというのは一般的というにはほど遠いのも事実でしょう。

 趣味に貴賤はない。一般的ではないけど真面目に人生をかけてやっているから部活として認めてもらいたい。一見正しいように見えます。

 が、本作のROMを販売は、いくら趣味に貴賤はないにしても、女性が主体的に肌をさらして、それを販売しお金に換える行為でもあります。奇異に、不快に、部活動としてふさわしくないと思う人がいるのも事実でしょう。

 本作は、企業活動としてプロのコスプレイヤーを出すことで、その辺も見せていました。この娘はまさにえなこさんでしたね。えなこさんはきわめて頭がいい冷静な印象がありますので、ちょっとキャラが違う気がしますけど、オマージュはしているでしょう。
 コスプレが女性の性的な部分で注目を集め利益を得ているという性消費の側面があるという事実をどこまで描くかですね。

 キャラ愛かコスプレという行為そのものを愛することの違いは何か、という視点もありました。

 と、問題提起はいっぱいあるんですけど、どう展開するんでしょうか。面白いとは思いますが、理に走っている気もします。物語になるか説明になるか。楽しみであると同時に不安でもあります。また、あのロケットの中の写真が奥村に見えなくはないのですが、幼馴染的な展開も予想されその辺はどうなることやら。
 
 あと、やっぱり作画なんとかしてください。今週はちょっとひどかった気がします。{/netabare}


9話 演技過剰、説明過多。闘志は内に、以心伝心、涙は秘めるが大事では?

{netabare} 演技過剰、説明過多なんですよね。これをやるから2流になります。まあ、私は原作者でも制作の専門家ではなく視聴者側からの意見なので、作っている側の理屈もあると思います。しかし、見ている側からすると過剰なものはこちらの気持ちを萎えさせるということは言いたいです。

 別の言い方をすれば、過剰なものはこぼれ落ちるだけです。拒否反応でフィルターがかかります。闘志は静かに、涙は描かず、相互理解は以心伝心。その方が受け入れやすくなるし、行間も読めますので情報以上のものが伝わってきます。

 展開は面白いとは思いますので、その辺の文句はありませんが、不満点はそこですね。あとは作画なんとかして。{/netabare}


10話 バトル形式の勝敗をカメラ小僧の数で表現してるのは面白い。ただ、アニメのクオリティが辛い。

{netabare} バトルマンガの形式を囲みの数でやるんですね。そこにリアリティがあるかは別にして発想としては、一つの工夫かなと思います。数による可視化は安易で本当はクオリティの表現ではなく大衆迎合なんですけど、昨今の「いいね数」をはじめ「数=質」あるいは「数=勝ち」という理屈をとる人もいますので有りなんでしょう。アニメ(マンガ)ではわかりやすいのでしょう。

 SNSとも組み合わせやすいし、そうなると「パリピ孔明」をはじめ「音楽もの」「配信者モノ」の再生数などとも同じマインドなんでしょう。本来そこに質の評価は何もないんですけどね。

 あとは753のコンプレックスからの自己表現・自己実現の手段としてコスプレに走ったのは、前回のコスプレ愛についての言説と相反する気もしますが、そこにリリサへの嫉妬のような感情を入れることで、内面の描写は良かったと思います。

 ただなあ…話は面白いんですけどアニメ作品として見ると、やっぱりアニメのクオリティが低すぎて辛いです。異世界転生ならそういうものだと流せるんですけど、美しさが重要な作品ですからね。

 要するにカメラ小僧の感動=我々の感動にならないといけないわけで、その点でこの作品で外してはいけないのが、美少女コスプレのアニメ表現としての完成度です。それがこのクオリティだと辛いなあ。
 うーん…ちょっと休もうかなという気がしてきています。毎週レビューするような中身でもない気がしてきましたし。

 中断にはしませんが、3,4話…あるいは最後終わったらまとめてみようかなという気がしてきました。本当は原作の方がいいかなという気もしていますが…うーん。いつのまに断念にする可能性もありますね。{/netabare}


11話 話ではなくアニメとしてのクオリティ不足。中断します。

 話は悪くないんですけど、11話のクオリティで力尽きました。あと、少し原作を読む機会があったんですけど、このクオリティでは明らかに原作者はお気の毒だと思います。ヒロインのコスプレのすごさが全然伝わってきません。故に10話11話の話に説得力が全くないです。

 ただ、手放しでストーリーが褒められるかというと、やっぱり善人ばかりの暖かい世界の話はちょっと飽きますね。
 753のキャラをもっと工夫できなかったのかなと思いますし、部活がそのまま継続というのも挫折がない一直線の物語だということもあります。つまり、今後の展開はあきるかなというのが中断の理由です。

 それと1クールじゃなきゃ12話は見ますけど、2クールなんですよね?あと1クール見る気にはなれません。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『着せ恋』と比較されがちだが、少年誌らしい切り口で差別化は図られていた

【レビューNo.159】(初回登録:2024/12/22)
コミック原作で2024年作品。全24話。


(ストーリー)
ある高校の、たった一人しか部員がいない漫画研究(漫研)部部長・奥村正宗
は、昔母に捨てられたことがトラウマになっており、3次元女子が好きになれず、
2次元キャラへ愛情を向けるようになっていた。
そんな彼ののもとに、新入生の天乃リリサが入部してくる。
共に漫画のキャラクター「リリエル」が好きな二人は意気投合し、リリサの趣
味であるコスプレ撮影を始める。
また奥村の幼馴染で現役人気モデルの橘美花莉が登場、彼女は奥村にずっと好
意を抱いていた。
そして「コスプレ=奥村攻略の近道」と考えた美花莉もコスプレに関わるよう
になっていく。


(評 価)
視聴前に抱いた率直な感想は
「コスプレ分野には『着せ恋』という強敵がいるのに大丈夫なんか!?」
という心配ですね。
正直「コスプレという世界の奥深さや面白さ」という点に関しては、『着せ恋』
には及ばないかなという印象ですが、本作は本作で少年誌らしい切り口で差別
化は図られており、違った面白さがあるのかなっと感じました。

・王道的なバトル展開や仲間との熱い友情のドラマ
 「いかにも少年誌連載(少年ジャンプ+)らしい」
 と感じたのは、リリサ自体は
 「好きなコスプレをやれるだけで幸せ」
 という無欲なキャラなのですが、周りの状況は
 {netabare}・「コスプレ四天王!」
  → 一人欠員が出た、NEXT四天王は誰なのか!!
   (また「次に来る5人の新星レイヤー」のランキングとか)
 ・イベントの写真撮影会、囲みの輪が大きいのはどっちだ!!
 ・「拙者はこのコスプレイヤーに惚れこんだ!2人で頂点を目指すでござる!!」
 なんやかんやとバトル展開的な要素が盛り込まれているんですよね。
 リリサにその気がなくても、彼女の注目度が上がっていけば自然とその渦中
 の人物となっていきますし、彼女を推している奥村にも
 「リリサの『リリエル』にもっと多くの人が注目して欲しい!」
 という望みも生まれてきますし。
 こういう視点がいかにも少年誌っぽいなっと。{/netabare}

 また後半クールから活動仲間が2名増えますが、
 {netabare}・コミュ障であったためすれ違いを繰り返すも、最後には勇気を出して分か
  り合えたNONOAの物語であったり
 ・父親を捜すためにコスプレを始めたアリアに皆が協力する展開だったり
 こういうところにも少年誌らしい友情の熱さを感じるんですよね。
 またアリアの物語には実は奥村の過去も関係していて、こういうもう一段掘
 り下げたところに原作者のセンスを感じましたし。{/netabare}

 「コスプレ」というニッチな分野を扱いながらも、少年誌読者層ウケしそう
 な要素を上手く取り入れているなという印象ですね。


・ラブコメ要素は意外と適切だった!?
 2話でいきなり「奥村先輩ラブ♡」の美花莉が投入されますので、
 「早くも(ご都合主義的な)三角関係ラブコメ勃発か!?}
 と、やはり安っぽい作品なのかなって否定的にみてたんですよね。
 序盤は結構ラッキースケベ的な展開も放り込んできますし。

 しかし3話で2人のコス併せをすると、以降は
 {netabare}・リリサの初イベントだ!
 ・奥村のカメラマンレベルアップだ!
 ・「漫研」の存続ピンチだ!
 結構コスプレ活動が忙しく、ラブコメ度はかなり薄くなります。
 それに後半は上述の通り、新キャラとの友情物語がメインになりますし。
 そういう意味ではちょっと意外な構成でしたね。
 ラブコメとして大きく動き出すのは、終盤
 ・アリアの物語で自分のために奔走してくれた奥村にフォーリンラブ♡
 ・最終話でドカーン
 って感じですね。{/netabare}

 この最終話がかなり秀逸で、ヒロイン側の心情だけでなく、奥村の心も動か
 してきます。
 {netabare}奥村は上述の通り、過去のトラウマで3次元女子を拒絶していたのですが、
 そんな奥村に顧問の羽生がアドバイスを送ります。
 「お前に関わろうとする人間を恐れるな。」
 「心はたった一人の中に生まれない。自分以外の誰かがいて初めて生まれるんだ。」
 等、ある意味原作者の哲学を代弁しているような感じがあり、結構心に響く
 んですよね。
 この会話劇で作品が一気に引き締まって終わるという感じですね。{/netabare}


まあ根本的な話として
{netabare}・(紆余曲折があったにしろ)高校の部活としてコスプレが許容されているの
 はどうなんだ!?
・しかも顧問は実は伝説のコスプレイヤーだった!!{/netabare}
とツッコミどころもありますが、この辺も前半パートのエピソードとして一応
丁寧に描かれていますし、後半はキャラを増やして世界を広げて上手く展開し
てきたなと思います。
最終話もしっかり作品を引き締めつつ、ラブコメも進めて今後に期待を持たせ
る形で終わりますし。

ぶっちゃけ
「『着せ恋』との格の違いを晒して惨敗するやろ」
という事態も想定していましたが、「王道の少年漫画展開」で予想以上に健闘
してたかなという印象ですね。
やはり連続2クールで、後半ギアが上がってくる展開まで一気に観せてくれた
ことが大きいですね。
順当に2期も決定ということで。

ただ作画は『着せ恋』のクローバーワークスがハイレベルだっただけに、どう
しても見劣りしてしまいますね。
まあ比較なしでもヒロイン達はもう少し頑張って欲しかったというのはあるん
ですが。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 14
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

忘れていた、コスプレは楽しいってことを!

アニメとしてのデキは決していいとは言えないし優しい世界過ぎてリアリティがない
ラブコメとしては掛け合いが微妙だし、オタク男子の妄想?って感じの都合の良さ
万人に評価されるアニメじゃないけど、私はとても楽しめています

コスプレ愛が詰まった素敵な作品、やっぱり「好き」をひたすら追求した作品は素晴らしい!
万人に刺さる必要なんてないんです、好きな人にクリティカルヒットすればそれは最高の作品だ
最初はただのえっちなハーレムアニメに見えたけど、思ったよりずっとマジメな話でした
これだけ真剣にコスプレをテーマに描いた作品はなかなかない

まず、コスプレやリリサを上げるために誰かを下げようとしないところが好感持てます
レイヤーさんも生徒会長もいい人ばっかりだし
先生の対応が神すぎて子どものやりたいことを尊重しつつ、リスクから守ってあげるのがカッコいい大人だと思います
こんな優しい世界ねーよってのもわかるけど、現実の厳しさよりもコスプレの楽しさをこの作品は描きたかったのでしょう
ランキング1位を狙うとか、勝ち負けとかどうでもいいことだけど、誰だって比べられて負けなんて気分悪いのは当たり前
でも、大事なのは楽しむこと「コスプレは勝負じゃない」「レイヤーはみんな同じものが大好きな仲間」こういう作品のコンセプトが好き

リリサは衣装へのこだわりももちろん、作中の細かいシーンを全部覚えていて、一つ一つポーズから表情まで忠実に再現していくのが素晴らしくて
私が一番好きなタイプのレイヤーさんですね、ほとんどのレイヤーは有名なフレーズとかシーンの再現をいくつかできればいい方なんだけど
原作の細かいカットを一つ一つのポーズに取り入れれるのは本当に愛がないとできない、リアルでこんなレイヤーいたら絶対好きになる

ただコスプレ楽しいー!!ってだけじゃなくて、コスプレが好きなのにできなくなる事情、プロレイヤーの事情、レイヤーの抱える悩みも余すことなく描かれていました
レイヤーさんって人によってだいぶスタンスが違うんですよね、仕事で良く知らないコスをするのも、好きなキャラを徹底的に追及するのも、最新のアニメをみたらすぐやりたくなるのも、形は違うけど、コスプレを愛する気持ちは一緒だと私は信じたいです
{netabare}
「コスプレだって芸術なんだから、もっと自由でいい、私はどんな信念を持ったコスプレも等しく愛している」ってセリフがすごく心に刺さった
レイヤーなら必ず抱える悩み「いつまでもできるわけじゃない」「コスプレへの偏見が怖い」にもしっかり向き合って「好き」を堂々と主張する良いシナリオだと思います
「誰だってなりたいキャラクターになれるのがコスプレの良さ」って言葉もいいですね
{/netabare}
もちろん似合うキャラクターになるのがベストだけど、好きなキャラクターになりたい!って気持ちが一番!
好きなキャラクターになりたい! 好きなキャラクターを撮影したい! グッズ買って応援したい! 人に伝えたい! 自分だけでこっそり楽しみたい?
表現の方法なんてなんだっていいんです、一番大事なのは愛する気持ち、「好きなだけ」でいいんです

【レイヤーあるある?】{netabare}
リリサが古いアニメのコスプレしてコスプレ会場でみんなの注目をかっさらいましたが、コスプレあるあるですね
最新アニメのコスはもちろん大人気なんだけど、古いアニメでも細部までこだわりきった衣装は同じレイヤーさんやカメコのかたにはわかるのでわらわら人が集まってきます

男装レイヤーさんは更衣室で着替える時にすごく気を遣う方が多いみたいです
作中のように女子更衣室に男性が入ってくるように見えて着替えてる女子が落ち着かないのもそうだけど、イケメン男装レイヤーさんの女性ファンは多いので
ファンの夢を壊しちゃいけないから着替えには気を遣うって人もいます
レイヤー同士のレイヤーあるあるの話面白かったし、カメコさんの写真の専門的な話も参考になりました、ただ撮影するだけじゃないんですよね
コスプレって用意するものすごく多いし、会場によって細かいルールが全然違うしルールの数も多いので「これわすれた!!」はレイヤーあるある
更衣室は激混みでできるだけ速やかに退場するのがマナーだけど、トラブルがあったら助け合うのもレイヤーのたしなみ、レイヤーのリアルをすごく良く描けていると思います
レイヤー同士のコミュニティってニッチだから気が合う同士は凄く仲が良くて、イベントで仲良くなると一気にコミュニティが広がります、レイヤー同士の交流はレイヤーやってて良かったと思える瞬間の一つですね(交流が嫌いなレイヤーさんもいるけど)
{/netabare}

【一晩でコス衣装作る?!】{netabare}
ミリエラの衣装を1晩で作ってたけど、布面積よりも細かい装飾多いほうが難しいし時間もかかる
リリサの3話のセリフから、見た目だけじゃなくて角度による見え方とか細かい質感までこだわっているようですし
ウィッグもブーツも特殊だから既製品をベースにするにしてもすごく時間かかると思う
かなり難易度高い衣装だと思います、必要な材料を調達するのも大変だし、一晩じゃ無理ですね
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 18

75.4 4 高校生で漫画原作なアニメランキング4位
【推しの子】第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (321)
981人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

漫画のメディアミックスの光と闇

『かぐや様は告らせたい』などの赤坂アカ(原作)、『クズの本懐』などの横槍メンゴ(作画)による原作漫画は、『週刊ヤングジャンプ』と『少年ジャンプ+』(集英社)での連載が終了(全16巻、既読)。
アニメ2期は全13話(2024年夏)。1期から制作体制に変更なし。監督は、『私に天使が舞い降りた!』、『恋する小惑星』などの平牧大輔。制作は、『イエスタデイをうたって』、『NEW GAME!』などの動画工房。3期の制作が決定(以上、Wikipedia参照)。
(2024.7.1投稿 10.12 「全体の感想」 12.26 「原作漫画の感想」を追記)

【あらすじ】
自らの作品に強いこだわりを持つコミュ障漫画家・鮫島アビ子(CV.佐倉綾音)は、自ら描いた漫画「東京ブレイド」が「2.5次元舞台」としてメディアミックスされるほど大人気であった。
しかし、あがってきた舞台の台本を見たアビ子は、その内容に納得できず脚本家を「この人、ちょっと創作者としてのセンスが…」と全否定。2期は、こうした漫画のメディアミックスの光と闇を中心に描かれていくことに…

なお、今回も1期の「恋愛リアリティショー」と同様に、本作の内容と類似していて、なおかつより悲惨な事件が直近にリアルでも生じていました。
もっとも、本作は、そういう問題がなぜ生じてしまったのかを、漫画家からの視点だけではなく関係者の様々な言い分を代弁するような形で解説するような内容にもなっていると思います。


【漫画のメディアミックスの光と闇】
2期の冒頭は、作中で人気漫画とされる『東京ブレイド』の「2.5次元舞台」で実際に行われているという演出のキャスト紹介から始まります。いきなりド派手な演出です。

当然、このシーンは原作漫画にありません。なぜなら、漫画とアニメは、同じ二次元ではあっても、無音声で静止画(漫画)と有音声で動画(アニメ)とで表現形態が異なるからです。

仮に漫画原作者が、このシーンの細かいイメージを持っていたとしても、漫画では表現できません。そこをアニメ制作者が原作者の意図を忖度して必要な動き・音などの情報量を付け足し、そのイメージをどこまで再現できるのかが腕の見せどころだったりします。

もっとも、漫画とアニメは、表現形態が違うのですから、漫画のシーンをアニメでもできるだけ同じように再現することだけが必ずしも「効果的な表現」とはいえない場合もあります(例えば、動画の強みを生かすため、バトルシーンを加えたり長くしたりするなど)。そうすると、同じシーンでも原作者と監督との間で表現者として異なる解釈の余地も生じてきます。

加えて、アニメの場合は、時間的な尺の問題もあるので、原作漫画の内容をカットする必要も出てくる。そして、カットした内容と辻褄を合わせるため、原作の内容自体にも修正が加えられることに…


本作の内容は、漫画を2.5次元舞台化する際の舞台裏を赤裸々に描いているわけですが、面白いことに『【推しの子】』という漫画をアニメ化する際にも同じ現象が起こっているという「二重構造」になっています。

というわけで、特に原作ファンにとっては、アニメが原作漫画をしっかりアニメ化出来ているかどうかも見所の一つかもしれませんね(笑)


【音楽】
オープニングは、『呪術廻戦2期-懐玉・玉折』オープニング「青のすみか」などのキタニタツヤと元SexyZone現timeleszの中島健人のユニットGEMNが歌う「ファタール」
エンディングは、『呪術廻戦2期-渋谷事変』エンディング「more than words」などの羊文学が歌う「Burning」

オープニングの「ファタール」は、フランス語で致命的、運命的という意味。特にオープニングは、歌詞が本作の内容とリンクしてます。


【全体の感想(※2024.10.12追加)】
{netabare}私は原作漫画のファンですが、2期は原作漫画をしっかりアニメ化出来ていたと思います。なんなら原作以上のクオリティであったとすら思います。
もっとも、そう思う一番の理由は、舞台という題材自体が漫画よりアニメ向きだったということに尽きると思います。

例えば、漫画で「役者の感情表現に依存した演技」と書いたところで、その部分の表現について、声と動き、なんなら音楽まで情報が加えられるアニメの表現に情報の少ない漫画が敵うとは思えない。ただ、アニメ制作者が補ったそれらの情報が適切であることが前提にはなりますが…

でも、本作のアニメ制作陣は、こちらの想定をはるかに超える情報を補っていたので、リアルで『東京ブレイド』の舞台を作るつもりで取り組んでいたんじゃないかと思うほどのクオリティでした。本当にそこはすごいと思いました。
(※ちなみに、本当にリアルで『東京ブレイド』が年末に舞台化されるそうです)。


あと、2期は、アイを殺害した犯人を追うミステリー部分がかなり後退してしまった内容だったのですが、漫画家自身が漫画のメディアミックスの問題を漫画化したことに意味があると思ってます。

実際はアニメよりもっとひどいのかもしれないし、そうじゃないのかもしれませんが、メディアミックスに関わる様々な人たちのリアルな一面が見れたことが、アニメのレビューを書く私にとっても参考になる部分がありました。

小説や漫画をアニメ化する際、多くの関係者が初めから駄作を作るつもりなんかなくても、本作の伝言ゲームのようなディスコミュニケーションが生じることで、いわゆる「クソアニメ」ができてしまう。

原作自体は、アニメ化されるくらいなんで、多くの人から支持される面白さがあったはずなんですけどね…


さて、2期は単行本8巻までのアニメ化でした。実は、原作漫画が16巻で終わることと3期の制作決定が発表されたので、3期は今まで通りのペースだと2クールで一気に最後までできることになります。

個人的には、結末がどうなるかにもよりますが、最後まで一気にやった方がよさそうだとは思っていますがどうなるでしょうか。
ちなみに、私は漫画とアニメで結末を変えるのもアリだと思ってます。{/netabare}

【アイで始まった物語はアイで終わるべきだったのでは?(※原作漫画の感想 2024.12.26追記)】
{netabare}初回90分の特別版から始まった本作は、YOASOBIの『アイドル』のヒットもあって瞬く間に社会現象に。私もその熱に浮かされて、考察を始めたり漫画を全巻揃えたりしました(笑)私が考察した部分は、ほぼ明かされなかったのですが、楽しかったんで真相がわからなくてもいいです(笑)
その頃の盛り上がりを考えると、若干寂しい終わり方だったかなと思います。

私はネットで漫画を買う方が多いのですが、『推しの子』は数少ない紙媒体で買っている作品。持った瞬間、「なんだこれ、すごい厚いし重いぞ(笑)」値段もちょっとお高くなってました。

まあ、これが本作のラストを端的に表しているかなあというのが読む前の印象で、読んだ後も大きく変わらなかったです。

最終巻は出るまで詳しい内容をシャットダウンしていたのですが、ネット社会から漏れ出てくる情報で、あまり評判がよろしくないというのと結末がどんな感じかというのはなんとなく把握してました。

個人的にラストは良くもないですが悪くもないと思ってます。最初の期待値が高かったので、それに応えようと色々と試行錯誤した結果があの本の厚さになってしまったのかなと思いました。

ただ、個人的にケチをつけるとすれば、「アイで始まった物語はアイで終わるべきだったのでは?」というところでしょうか。

最終巻ではアイが早々に退場して、アクアのルビーに対する想いが中心になっていきます。そういう流れだとしても、【推しの子】ってやっぱり星野アイの物語でもあると思うんです。
そこが消化不良気味だったので、「アクアのルビーへの想い」、「ゴローのさりなへの想い」がちょっと唐突に感じた。

というわけで、「アイで始まった物語はアイで終わる」のがきれいな終わり方だったんじゃないかというのが個人的な感想です。
{/netabare}



【14話の感想】
{netabare}まあ、売れた作家に文句言える人って貴重ですよね。
そんなに文句言うなら、あなたが書けばいい、どうせあなたの感性で書いても売れやしないって言われるわけですから…。

いいシーンでした。{/netabare}

【15話の感想】
{netabare}前半は、「原作者VS脚本家」
お互いがリスペクトを持てば分かりあえるかもという1つの理想像。まあ、話し合ってもお互いに譲歩する気がなきゃまとまるものもまとまらないので、確かに博打です。

後半は、「幼馴染VS今カノ」
他人の境遇を想像して泣くことができるやつに悪いやつはいねえ!
私は、有馬かなより黒川あかね派!だけど、アクアの楽しい思い出のほとんどは、「かな」とのものばかり(笑){/netabare}

【16話の感想】
{netabare}目の星が黒くなったり白くなったりする演出が、1期と比べてパワーアップ。ダークサイドに落ちると次第に白から黒になっていって、感情表現の一つみたいになってますね。

あと、東京ブレイドの公開初日。吐息が白くなる描写がすごい。

2期は、物語上、特にアイの影が薄いのですが、オープニングにも出てくるし、アクアのトラウマとして、ちょいちょい存在感を発揮。【推しの子】は、やっぱりアイの物語でもあるなあと。

そして、「幼馴染VS今カノ」ラウンド2「開幕」です。{/netabare}

【17話の感想】
{netabare}劇中劇である「東京ブレイド」が開幕しちゃいました。

舞台は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメの方が表現しやすいと思うわけですが、その分、補わなければいけない情報が増えるので、原作漫画をどうアニメ化するのかを個人的に注目していました。

そんな中、上で書いたように「漫画では表現できないアニメならではの表現満載」で、アニメの良さが出ていたと思います(まあ、「キャラの原作の再現度が高い」っていわれても、そもそも「東京ブレイド」知らねーよとは思いましたが(笑))

あと、今回は黒川あかね役の石見舞菜香さんが推す鳴嶋メルト回。メルト推しが増えそうな内容でしたね(笑)

※劇中劇であるはずの「東京ブレイド」のレビュー動画を発見。コメント欄も秀逸です。上で「東京ブレイド」知らねーよと書いた自分が恥ずかしくなりました。天才っているんですね。
https://youtu.be/jLh1sONIDYY?si=TkaTCkL870QwZDuR
{/netabare}

【18話の感想】
{netabare}個人的には、舞台とあかねの過去の回想シーンとの繋ぎがよかった。
回想シーンって、物語に違う物語が入ってくるので、繋ぎが難しい。そこを冗長にならずに緊張感を保って元の物語に戻っていったように感じました。間の取り方が上手いというか。

あとは、原作漫画では、役者の感情演技に依存した脚本と書かれていただけのところを、実際に声優さんたちが実演していくところが見処に。特に石見さん、普段からはちょっと想像つかないような声で、別人かって思うくらい頑張ってます。{/netabare}

【19話の感想】
{netabare}前回が黒川あかね回で今回が有馬かな回。

対比されて描かれることが多い二人。演技の方向性。幸せな家庭で育ったあかねと不幸な家庭だったかな。
最終的に、アクアをダークサイドから救い出すのはどっちなんでしょうか。

もっとも、かなは、自分の本性を抑えて周囲に合わせるキャラを演じてきたところがアイと似ているといわれています。が、この舞台限定ではあるものの、かなは本来の性格を取り戻しています。アクアもかなによって本性を取り戻すんでしょうかね。

さて、次回からは、舞台の打ち上げが始まって、おそらくアイの敵討ちの話もようやく少し進むはず…{/netabare}

【20話の感想】
{netabare}アイの声優である高橋李依さんが久々の出演。これもアニメならではの表現ですよね。

舞台の表現は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメ向きだと思うので、アニメ制作は色々と補充する情報が多くて大変だったと思います。
でも、その困難を乗り越えて、これから本当に舞台「東京ブレイド」が作られることになるんじゃないかというくらいのクオリティでした。特に最近の技術と融合した舞台の進化もわかって興味深かったです。きっと漫画原作者陣も喜んでいるはず(笑)

さて、ようやくアイの敵討ちに関するミステリーも進行。原作が佳境を迎えているので、3期があるとして結末まで描き切った方がよさそうというのが個人的な見解ですが、どうなりますか。

【劇中劇「東京ブレイド」舞台化決定!】
20話の感想で「東京ブレイド」舞台化されるのでは?と書いたら、本当に舞台化されるようです。キャストの見た目だけですが、気合入ってますね。
https://www.marv.jp/special/theater_lalalai/{/netabare}

【21話の感想】
{netabare}朝帰りをして、ルビー、有馬かな、黒川あかねから心配されるアクア。愛されてるねぇ。アクアの正妻候補は、一応、この3人(※一人『ヨスガノソラ』がいますが(笑)、ルビー(さりな)のB小町再結成の回想シーンも含めて、これからの展開の前振りになってます)。

アイの敵と思しき人物が既に死んでいるとわかり、復讐という宿命から解放され、アクアの「右目に宿る星」が昇華して消滅するというアニオリ演出。

もっとも、物語は、これからアクアをめぐるラブコメも本格化するのですが、ミステリーの方もこれで終わりというわけではなく…むしろ結末に向けて盛り上がっていくはず…

まあ、まずは原作漫画の結末がどうなるか。そして、『【推しの子】』の場合は、アニオリ結末もありっちゃありだと思ってます。というか、漫画とアニメの結末をあえて変えるくらいはやってきそう。{/netabare}

【22話の感想】
{netabare}前半は有馬かなとのデートで、後半は黒川あかねとのデート。どっちも、そのままお持ち帰りできそうだったんですけどね(笑)

2期は、こんな感じで有馬かなと黒川あかねの対比が多かった。前半は、少女漫画が始まったのかと思いました(笑)後半は、あかねと別れようとしているというのもあるとは思いますが、かなと比べてアクアの態度がちょっとあかねに対して冷たい感じもする。でも、これは、二人の恋人としての関係値があがっているからこそとれる態度ともとれると思うんですよ。

さて、誰がアクアの正妻の座を射止めるのでしょうか。

最後のシーンで出てきたアクアに似た謎の男、エンディングで「サングラスの男:???」となっていましたが、隠しきれない大物オーラというか…宮野真守しかいないだろ!(笑){/netabare}

【23話の感想】
{netabare}今回はアイドルMVの作り方。未成年は深夜働いてはダメとか(ブラックな職場の代表格だった芸能界も「コンプライアンス」が浸透ですか(笑))、地下アイドルは大手事務所所属アイドルの10分の1以下でMV作ってるとか、ちょいちょい取材の成果らしき「リアル」を挟んでくる。
本作のテーマである「汚い現実」を「きれいな嘘」で覆い隠したのが芸能界。個人的には、こういう社会派的なところ好きです。

あとは、アクアの前世である雨宮吾郎の生い立ち。吾郎は父親が誰かわからないのですが今のところ手がかりはなし(物語に関わってくるかも不明)。ルビーの前世である天童寺さりなとは、母親からの愛情に恵まれなかったところが共通点。おそらくアイの本来の子供は、「魂がなかった」と言っているので死産だったと思われます。

1期ほどの盛り上がりはなかったですが、2期も概ね好評だったので3期もあるとは思うのですが、おそらく原作漫画が、原作陣が長期休養などに入らない限り、1年以内に終わりそうなので、まずはそっちを見届けたいと思います。{/netabare}

【24話の感想】
{netabare}今話でアクアと黒川あかねがキスしていましたが、あかねって『東京ブレイド』の「鞘姫」がそうであったように「負けヒロイン」感が満載なんですよね…。個人的には、あかねとアクアとの関係を原作漫画の最終回に向けてどう決着させるのかが注目点だったりします(ほっぺを膨らませるあざとさなどで、女性人気はあまりないようですが(笑))。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 11

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

やっぱ「赤坂アカ先生」話創るの上手いなあ~

【レビューNo.154】(初回登録:2024/11/22)
コミック原作で2024年作品。全13話。
1期のレビュー書いたので、2期も書いておこうかなっと。

(ストーリー)
1期の終わりにアナウンスされていた「2.5次元舞台編」から。
人気漫画「東京ブレイド」の舞台(2.5次元舞台)に出演することになった、
アクアやかなやあかね。
「劇団ララライ」のメンバーと共に稽古が始まるが、稽古の見学に訪れた
原作者・鮫島アビ子が「脚本に納得できない」と脚本家・GOAの降板を要求。
更に自ら脚本を描くと言い出し、それが通らなければ許諾を取り下げるという
事態に発展して・・・


(評 価)
ネットで「『2.5次元舞台編』はあまり面白くない」という前評判も目にした
のですが、たしかに立ち上がりの鈍さに少し不安を覚えたものの、終わって
みれば2期もよかったのでは。
全体を通じて「やっぱ『赤坂アカ先生』話創るの上手いなあ~」というのを
改めて感じましたね。


・2.5次元舞台編(本番前)
 メインは鮫島アビ子の「原作者vs脚本家の対立構図」問題ですね。
 現実でも例の事件がありましたが、(原作で)それに先んじて本テーマを
 取り上げている辺り、やはり先見の明がありますね。
 原作者・赤坂先生らもまさに当事者でもあるわけで、そういった面からも
 ネタとしては身近な問題だったのかも。

 アビ子は直情型で暴走気味になりますが、誰かを悪者にするのではなく
 ・脚本家やプロデューサー側もきちんと描写して、この問題を客観的に提示
 ・この険悪な空気を一転して、アビ子の師匠吉祥寺頼子との掛け合いでコメ
  ディに着地させたのは本当に見事
 その後の「GOA×アビ子」のオンライン会議までの流れもスムーズで、この
 2人共同作業をアップテンポでみせ、難しい題材を綺麗に描ききったなっと。
 この手腕は評価できるのではないかと思います。

 
・2.5次元舞台編(本番)
 個人的には「普通の舞台ではなく何故『2.5次元舞台』だったのか」という
 疑問があったのですが、その答えは1期のレビューで書いた
 「最初からメディアミックス化を意識していたかのような計算された構成」
 にあったのかなっと。
 映像化された場合をイメージして、最も映えるのは・・・ここまで見越して
 の「2.5次元舞台」だったように感じました。
 アニメとの親和性が抜群でしたね。

 また本作では「人間」や「役者」としてアクアやかなというキャラの掘り下
 げが描かれましたが、ここでもあかねを上手く使っていましたね。
 ・かなの掘り下げにあかねの過去回想を加え、あかねという視点からもかな
  を描いていく
 ・アクアの掘り下げにあかねのプロファイリングを加え、あかねという視点
  からもアクアを描いていく
 こういうキャラのみせ方が赤坂先生はホント上手いですよね。
 1期のレビューでも書きましたが「使えるキャラはとことん使い倒す」というw


・B小町/アクアの復讐劇
 「2.5次元舞台編」で大分尺を使いましたが、B小町の活動も忘れていません!
 バズりを意識した新曲をしっかり準備していましたね(笑)

 しかし驚いたのはアクアの復讐劇でしたね。
 率直なところ
 「どうせ(申し訳程度に)手がかりを辿るも空振りで終わるんやろ」
 と高を括っていたのですが・・・
 DNA検査から始まり、上述B小町の新曲PVロケエピソードに絡めて、まさか
 の衝撃の展開が待ち受けていようとは!!
 しかもルビーまで復讐劇に巻き込んできましたよ。

 でも話が進んだものの、何故だろう・・・思った以上に面白みが感じられな
 かったんですよね。
 なんというか、サスペンス要素って個人的にはアクアが芸能界に関わるフッ
 ク的なもので、アクアやかな達の面白い掛け合いが見られれば、復讐劇なん
 てどうでもいいやみたいな!?
 この辺りは話が進むとまた評価が変わるかもなので、保留ですかね。


2期も安定の面白さで、赤坂アカ先生の巧みさが随所に垣間見れたかなっと。
ただ「お気に入り登録」するには何かが足りないという感じなんですね。
少し間延び感を覚えてしまったというか・・・
とはいえ3期の制作も決まり、原作も最終回を迎えたようですね。
でも(ネタバレしたくないので内容は確認していませんが)かなり評判悪いん
ですよねえ。
赤坂アカ先生、話を展開していくのは上手いですが、畳み方に難があるんでし
ょうか。
まあその辺は3期以降で確認ということでw

投稿 : 2025/03/01
♥ : 17
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

9話 本筋を外れたエピソードはいらない。アイを描けないならもういいです。

 この舞台に9話かけましたか…これは完結まで行きそうにないですね。断念にしておきます。

 私は、作品の個々のエピソードというのは本筋を構成する要素になっていなければ、作品として成立していないという意見です。もちろんジャンルにもよりますが、本作はアイの「嘘と愛」を知るためのサスペンスと私は読み取っています。つまり犯人捜しが表のテーマでアイが裏のテーマになっている、1つの事件を追う推理ものの要素が強い作品であり、その推理を助けるための他の要素はノイズになるだけです。その点で2.5次元はひどかったですね。

 本作アニメ版は、大幅におかしくなってしまった原作以上に「原作者の日頃思っていること」が入ってきてしまいました。この部分まで原作を読んでいたので話は知っていましたが、むしろアニメの制作はここを大幅にカットすべきでした。舞台の具体的な描写とか本筋にまったく関係がありません。

 いくらサブエピソードの内容がテーマ的に深かったとしても、そんなのは本筋の物語を味わうのには邪魔なだけです。そして本作の2.5次元のエピソードは別に社会のアナロジーになっているわけでなく、狭い世界の対立関係の問題点だけでした。その後は舞台の作画を頑張りましたね、だけです。

 つまり、2.5次元舞台のエピソードの途中に出生の話があったとしても、2.5次元の舞台をやる意味はまったく別の話として分離してしまっています。犯人の正体と動機がどうやってアイの「嘘と愛」とかかわってくるのか?以外の要素は、付け足しでしかありません。
 この舞台の作中の制作者の誰かがアイの事件の真相にかかわっていて、舞台の内容がアイの件を示唆する何かになっていればまた違ったとは思いますけど。

 アクアの医者であった設定が、正直言えば転生の意味を全く活かせてないですよね。

 アニメ1話、1巻の出来に感動して、ここまで引っ張られてきましたが、やはり原作者は出落ちの人でしたね。アイというキャラが素晴らしかったので、設定やキャラを作る才能は否定しませんが、これ以上期待するとガッカリするのは目に見えているので、原作の方で結末だけ確認します。




2話 軸足の置き場所を間違えて、名作になりそこねないか心配です。

{netabare} レビューは全部見てからと思いましたが、この2話までみて思うところです。原作との改変具合が原作で危惧した方向性を強めている気がしました。

 この作品は内容が重層的でそれが良いという面もありますが、話の本質の軸足がどこにあるのかわからなくなっていっている感じです。5つくらいのレイヤーがあると思います。

 1つめが、星野アイとはどういう少女だったか。彼女の嘘と愛とは何か?2つめが星野アイを殺した犯人は?なぜ殺した?3つめ「転生」の意味は?なぜあの2人が転生したのか?4つめは芸能界のあるある、裏話、問題点。5つめはアクアとルビー、重曹ちゃんを中心とした芸能界の恋愛・ヒューマンドラマ

 結果的にこれらが融合して一本の筋になってゆけば、名作となるのでしょうが、今の「芸能界ネタ」に限って言えば、本当に必要なのか?という疑問が付きまといます。
 特にこの2.5次元のところまで既読で、このパートは必要なの?と思いました。というかここでつまらなくなって原作はやめた(8巻くらい?)のですが、私が知りたいのは1つめのレイヤー「星野アイ」です。星野アイの過去、同時代、裏表、そして死後に生きる人たちがその存在に振り回されつつ何か本質的なものを知る話が結末であってほしいと思います。

 その他のレイヤーはそのゴールにたどり着くための素材に留めたほうが良かったのでは?という点からいえば、2期の頭は「芸能界もの・芸能界時事」に軸足を置きすぎだし1期の半ばから「星野アイ」よりも「芸能界の問題・あるある・裏側」を描きたいという方向性に創作意欲が移ってしまったのかな?と思います。

 それでは面白い作品、興味深い作品にはなれても名作にはなれない気がします。原作は読まずに寝かしてありますので、ぜひそっちの方向に行ってほしいなあ。 {/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

78.5 5 高校生で漫画原作なアニメランキング5位
いぬやしき(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (716)
3199人が棚に入れました
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。

自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?

強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

声優・キャラクター
小日向文世、村上虹郎、本郷奏多、上坂すみれ、諸星すみれ
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

残酷描写は嫌いだが最後は感涙した

冴えないおじさんが大活躍する作品。さえないおじさんが活躍する作品は自分の好みになることが多いかもしれないと思ったけど、主人公が冴えないおじさんの作品があまり思いつかない。実際、この作品すごく好き。おじさんかっこよすぎる。
{netabare}娘の麻理を助けるときと最後自爆して地球を救うシーンは涙ちょちょぎれた。かっこよすぎる。あの一家に完全に感情移入しちゃった。今までぞんざいに扱っていたのに掌返しは虫が良すぎる気がしないでもないっていうのは内緒。最初は犬だけだったもんな、犬屋敷壱郎に懐いていたのは。家族の会話はないし、癌の宣告受けたことを誰かに伝えたくても全く取り合ってくれない。だからこそ余計引き立つ。{/netabare}

同時期に機械の体になった獅子神は犬屋敷壱郎が人助けで生を実感するのとは対照的に人を殺すことで生を実感している。そのシーンを描いている2話がしんどかった。{netabare}適当に選んだ家に入って母親を惨殺。風呂に入っていた父を撃ち抜き、一緒に入浴していた幼い息子は死んだ父の重みで水から出られずに窒息。極め付けは最後に帰ってきた娘に脈絡なくワンピースの話を持ち出した挙句、射殺。ここが耐えられないポイント。母にそういったことをしていたと知られ、絶望で自殺され、悲しみからさらに暴走する。そんな彼を愛するしおんの登場や犬屋敷壱郎との戦闘で最後はさすがに更生している。途中、人助けもしている。{/netabare}

OP
My Hero 歌 MAN WITH A MISSION
映像がなんか色々凄い。泣いた顔とか。
ED
愛を教えてくれた君へ 歌 クアイフ
この曲は獅子神のほうに焦点を当てているように感じる。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 犬屋敷壱郎
老人のような見た目の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎。念願のマイホームを建てるも愛する家族に疎まれ、やるせない日々を送っていた。そんな犬屋敷を末期の胃がんという更なる悲劇が襲う。家族にもがんの事を言い出せず途方に暮れていた犬屋敷はその夜、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ、兵器ユニットを搭載した機械の体に生まれ変わる。 「私は、私ではない…私は機械…」人間ではなくなってしまった犬屋敷。自分の存在に悩む犬屋敷は偶然、男性が少年たちに襲われそうな場面に遭遇する。勇気を振り絞り助けに入った犬屋敷を少年たちはバットで殴りつける。犬屋敷が意識を失ったその時、彼の体に眠る人智を超えた力が目覚めて…。

2. 獅子神皓
生まれ変わった機械の体で人を救っていくことに自身の存在意義を見出した犬屋敷。 一方、犬屋敷と同じく機械の体に生まれ変わった高校生・獅子神皓。獅子神は家族や親友以外の人間にはまるで思い入れを持たず、機械の体の力で無差別に殺人を繰り返していた。彼は犬屋敷とは逆に人の死を間近に感じることで、生の実感を得ていたのだ。 ある日の夕方、学校帰りの獅子神は軽い足取りで適当な民家に立ち入ると、そこに住む住人一家を機械の力で容赦なく皆殺しにする。獅子神の凶行を察知した犬屋敷は急いで民家へと向かう…。

3. 安堂直行
殺したはずの犬屋敷が無傷で立ち上がったことに獅子神は動揺すると、その場から飛び去った。その姿を見て、犬屋敷は獅子神が自分と同じ機械の体であることを確信する。その翌日から犬屋敷は飛行能力や治癒能力など新たな能力が使えることに気づくと、その能力を駆使して更に人助けを行っていく。一方、獅子神はなぜ犬屋敷を倒せなかったのか戸惑いながらも、親友である安堂直行をいじめの標的としていた不良グループと対峙する・・・。

4. 鮫島
全身に入れ墨をまとった極悪非道な暴力団員・鮫島は気に入った女性を見つけると拉致し、薬漬けにした上で乱暴することを繰り返していた。弁当屋で働くふみのは背は小さいが美人で、恋人の悟ちゃんからのプロポーズを受け、幸せな日々を思い描いていた。しかし、ある晩、ふみのは鮫島に目をつけられ、手下たちによって拉致されてしまう。ふみのは何とか鮫島の元から逃げ出して、悟の家に逃げ込むが、そこに鮫島たちが押し入ってくる。ふみのを守ろうと立ちはだかる悟の首に手をかける鮫島。その時、鮫島の凶行を察知した犬屋敷が駆け付けるが、鮫島に銃弾を撃ち込まれて昏倒してしまう…。

5. 獅子神優子
連続民家襲撃事件が大きく報道され、獅子神の犯行を唯一知る安堂は苦悩する。そんな安堂は偶然目にした「各地の病院で治療困難な患者が回復している」というニュースから、獅子神と同じ能力を持った人物がもう一人いるのではないかと仮説を立てる。安堂が助けを求めるウソの声を上げたところ、安堂の家を大慌てで犬屋敷が訪れた。犬屋敷がニュースで報じられていた重病人を回復させている人物である事を聞いた安堂は、犬屋敷を本物のヒーローだと称賛し、獅子神を止めて欲しいと懇願する。一方獅子神は、離婚して別居している父親の家から帰宅した獅子神は、最愛の母から末期のがんに侵されていることを告げられる…。

6. 2chの人たち
十人以上の警察から逃れた獅子神であったが、直後、連続民家襲撃事件の容疑者として全国に指名手配され、母との幸せな時間は終わりを告げた。行き場を無くした獅子神は、彼に好意を寄せるクラスメイト・渡辺しおんの家に身を寄せる。一方で犬屋敷は安堂のサポートを得て、機械の体の能力を使いこなしつつあった。そんな折、獅子神の母・優子がテレビで謝罪する姿を見た犬屋敷と安堂は、獅子神の動向に不安を感じる。 獅子神も優子の身を案じていてニュースをチェックしていたが、「連続民家襲撃事件 犯人の母親が自殺」と速報テロップが入る。獅子神は上空へと飛び出すと、終わらない慟哭を響き渡らせるのであった・・・。

7. 渡辺しおん
獅子神は自身の無実を信じるしおんに自分の体が機械になったこと、また生を実感するためにこれまで多くの人の命を奪ってきたことを告白する。「もっともっと人を殺す…この国の人間を全部…」しおんに無情な宣告をする獅子神。しかし、しおんはそれでも獅子神に置いていかないでほしいと懇願する。これまで獅子神が奪った人にも未来や大切な人がいたと泣き叫ぶしおんに獅子神はある提案をする・・・。

8. 犬屋敷麻理
侵入した特殊部隊から銃の乱射を受ける獅子神。獅子神は銃撃の巻き添えになり倒れたしおんとしおんの祖母を抱え、何とかその場を脱出する。気絶した2人を安全なところに避難させると、しおんとの幸せな生活に別れを告げ、涙を流し飛び去る。 別の日、獅子神や安堂のクラスメイトで犬屋敷の娘、麻理は偶然にも犬屋敷と安堂が一緒に病院に入るところを目撃し、彼らの後を追う。彼らが入っていった病室の様子を窺うと、そこでは麻理には信じられない出来事が起きていた。その後、犬屋敷が火災現場へと飛び立っていく姿を見て呆然とする麻理。同じ日の夜、深い絶望に打ちひしがれた獅子神は復讐を決意し、警察署を襲撃する・・・。

9. 新宿の人たち
獅子神による警察署襲撃事件が大きく報じられる中、獅子神は各地の街頭ビジョンをジャックし、日本に対し宣戦布告をするとともに「今から100人殺します」と宣言。手始めに新宿で無差別に殺人を開始する。獅子神が携帯電話を通して無差別殺人を行っていることに気づいた安堂は、犬屋敷の能力で携帯を使用しないよう緊急警報を発信し、人々を携帯から遠ざけることに成功する。携帯からの殺人を邪魔された獅子神だが、今度は街頭ビジョンを通して引き続き発砲を行い、100人を殺害すると「明日から1日1000人」殺害すると宣言し姿を消す。獅子神の凶行を止められず肩を落とす犬屋敷。あくる日、獅子神はまたも非情な行動に出る。

10. 東京の人たち
新宿での無差別殺人を行った翌日、より多くの人を殺害するために獅子神が取った行動は、都内に飛行機を次々と墜落させるという非情なものだった。安堂から連絡を受けた犬屋敷は墜落を阻止すべく、能力を駆使して何機もの飛行機を操り、ギリギリのところで無事に着陸させることに成功する。更に犬屋敷は、飛行機墜落による火災で高層ビルに閉じ込められている麻理の救出に向かおうとするが、そこに現れた獅子神から攻撃を受ける。一刻の猶予も無い中、必死で麻理のもとへ向かおうと飛ぶ犬屋敷とそれを追う獅子神。同じ機械の体を持つ者同士の戦いは熾烈を極めていく・・・。

11. 地球の人たち
新宿で多くの人を救い、自宅に戻る犬屋敷。犬屋敷は帰宅を待っていた家族に自身が機械の体である事を告げ、家族のもとを去ろうとする。しかし、家族は機械になった彼の存在を受け入れ、涙を流して抱き合う。一方、犬屋敷との戦いで両腕を失った獅子神は安堂のもとを訪れていた。安堂は獅子神の来訪に戸惑うが、獅子神を激しく断罪する。大切に思っていた親友に強く存在を否定された獅子神は、失意の中、安堂の前から姿を消す。犬屋敷は自分を受け入れてくれた家族と幸せな時間を過ごしていたが、巨大隕石が直撃する未曽有の危機が地球に迫っている事を知る。世界中が絶望に暮れる中、犬屋敷は家族を守るという決意とともに隕石に向けて飛び立つのだった・・・。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人は悪い事をしながら善いことをし、善い事をしながら悪事を働く妙な生きもの

漫画原作の全11話、ノイタミナ枠。
昨今の深夜アニメには珍しくなりつつある、青年誌連載の原作だが、
やや過激な描写もある中で目立った規制も無く、
何かとうるさいこのご時世、概ね原作に忠実にアニメ化した事にはあっぱれと言いたい。
後に実写映画が控えているというノイタミナ特有の事情もあったのだろうが、
青年誌原作はアニメ化されずに実写化されるものが大半なため、
この流れは素直に歓迎したいところだ。

☆物語&感想☆

58歳見た目老人で、家族や周囲から疎まれている冴えないサラリーマン犬屋敷と、
今時のイケメン高校生獅子神が、ある日突然機械の体にされてしまった絶望から、
他人を救うことでのみ自身が生きていると実感する一方、
無慈悲に他人を殺すことでのみ生を実感するという正反対な2人が、
自らのアイデンティティ、存在意義と向き合っていく様が描かれる。

公式のイントロダクションには最後に、「人間の本質は善なのか悪なのか…?」とある。
物語のメインテーマ、煽り文句としては、まさしくこの一文が相応しいとは言えるが、
2人の顔が合成され一つの顔になった背景が表しているように、どんな人間にも善と悪、
表裏一体でどちらの側面も持ち合わせた存在であることは言わずもがな、
100%完璧な善者も居なければ100%の悪者も居ない。
犬屋敷が善で獅子神が悪、というのは明らかではあるが、
人間の本質が善、又は悪という二者択一でないという点はふまえて観なければいけない。

犬屋敷が正義感が強く善人であることは、機械の体になり神の領域の力を得て人を救ったから、
ということを抜きにしても言えるとは思うが、
そもそも世間の彼を見る目はどうだったか?
作中での何気ない人物の一言一言は妙に生々しく、
その多くは本人が自覚しているかどうかは別として、
差別や偏見、悪意のあるものではなかったか。

この、何気ない生々しい言葉の中に込められた悪意は、犬屋敷に向けられたものだけではなく、
作中の随所で垣間見ることが出来る。
子供、若者~社会的地位のある医者、
掲示板の中の人間や偏向報道を垂れ流し印象操作をするマスコミ、某国の大統領に至るまで、
世間には悪意のある言葉、差別や偏見が満ち溢れているのがよく分かる。
(作者自身も確信犯的にディスったりパロってるのは少々タチが悪いが、ブラックで面白くこの辺は青年誌ならでは)
しかしながら、言ってしまえばこれも人間の本質、悪の側面であるのは明らかで、
むしろ自然といえば自然。
人間が100%の善でないから、犬屋敷のようなヒーローに憧れたりその行為に感動するのだろう。

で、仮にこの物語が犬屋敷がヒーローとして、
悪を成敗し、自らの命を掛けて地球存亡の危機を救う、というような単純な勧善懲悪&ヒーローものの物語であれば、
エンタメ的によくある他愛無い作品に成り下がっていただろうが、そうならなかったのは、
獅子神の存在があったからというのは言うまでもない。

この物語が優れているところは、タイトルにも同義の事を書いているが、
「人は善いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら善いことをする」
という、池波小説がテーマに掲げた人間の本質、性を如実に表していると受け取れる所だ。
その代表は本作で言うところの獅子神のことであるが、
先に挙げた悪意のある言葉を発するごく普通の一般人全てに於いても当てはまる。

自分は犬屋敷のような人間は本当に素晴らしい、もはや聖人と言っても過言ではないとは思うが、
心の何処かで「こんな奴居るか」と思っている自分も居る。
一方の獅子神の方が、むしろある意味正直で人間味、人間臭さがあるのではないか、とさえ思う。
無論、獅子神が行った虐殺はいくら機械の体になった事に絶望し、
他人を殺すことでしか生を実感できないとしても、養護できるものではないし、
改心して他人を救ったとしても、償えるものでもない。
ただ、他人の虐殺に関しては共感できなくとも、
自分が招いた自業自得とは言え、彼の境遇や心情的には同情できる部分は多い。
母親の自殺によって世間に対し復讐の鬼と化す様や、
犬屋敷と対峙した際に、本来は「ワンピース」を読んで涙するような自分が悪役であり、
犬屋敷がヒーローだと悟った時の悔しさ、
唯一の親友と思っていた安藤に、最後に言われた言葉...彼の胸中を察すると胸が苦しい。

彼は自分のことしか考えてない、自分に関係のない人間がどうなっても良い、
と言った趣旨の発言をしており、尊敬できる人間でないのは明らかではあるが、
程度の差こそあれ、どこかで大抵の人間心の中では皆同様のことを思っているのではないだろうか。
もし自分が彼と同じ立場に立った時、どういう行動を取るか...
他人を殺さないと生を実感できない、かどうかは分からないが、
少なくともその力を他人を救うためだけに使う、というよりは、まず自分のために使うだろう。

人はよく「性善説」「性悪説」と言った言葉で語られることがあるが、
共通しているのは、好き勝手に欲望のままに道徳を顧みずに生きれば人間は悪行を働くということ。
獅子神は人間として成熟した大人ではなく、まだ子供だということもあるが、
道徳心という面では大きく欠落しており、他人の痛みが分かる想像力を持ち合わせていなかった。
自分を愛してくれる存在に気付き、一時は改心したが遅すぎた。
自分が殺した人間全て、自分のように愛し愛される人が居る、という想像力があれば...

結末は獅子神が行った方法、アイデアがなければ人類を救うことは出来なかった。
愛を与えてくれた人が離れ、唯一の友人にも見放され天涯孤独、絶望の淵に立たされた彼が、
もうあれ以外の選択肢は無かったとはいえ、
他人を虐殺することのみでしか生を実感できない者が、自分の守りたい人間だけを助けたいというエゴによって、
結果的に全ての人を救うことになったのは、何という皮肉だろうか。

☆声優☆

ノイタミナお決まりのキャスティングに癖が出た感があるものの、
犬屋敷に関しては声優でもなかなかこういう役がビシッと合う人は、
考えてみると今はあまり居なさそうだし、ハマる人が思いつかない。
演技自体の声優っぽさが薄いぶん、逆にリアルで良い味を出していた。
安藤は本物の声優がやってんのかな、と全く違和感を感じることもなく普通に上手かった。
獅子神だけがやはり少々勿体無い。
若干宮野真守っぽい声質なので、これやったら宮野でエエやん、って。。
無機質な所は気にならなくても感情を込めた台詞の演技にはやや物足りなさがあった。
演技がもう少し上手ければ、獅子神の心情がより観てる者に伝わったかもしれない。

☆キャラ☆

感想の所と重複するので簡単に。
家族や周囲から疎まれている冴えない58歳、見た目老人の主人公という設定は秀逸。
否応なく観る者にその悲哀を感じさせるもので、その活躍ぶりにはより一層胸が熱くなる。
犬屋敷を中心にこの物語を観てもエンタメ的には面白いが、
やはり獅子神が居ることで作品における人間の本質、善悪というテーマ性が浮き彫りとなった。

☆作画☆

キャラに関しては原作準拠だと思うが、
麻里以外の女性キャラが不細工でリアル笑
深夜アニメを見慣れてると、萌えを全く意識してない(目が不必要にデカくない)
女性キャラには新鮮さを覚えますが、内容を鑑みると妥当。
目を見張るのは作画と3DCGとの組み合わせが違和感無くとても自然だったこと。
アクション面での出来は素晴らしかった。

☆音楽☆

ノイタミナは電通絡みのゴリ押し系アーティストがOP,EDに採用されることが多く、
作品ありきの曲や歌詞じゃない、と感じることが多いものの、今回に限っては文句無し。
特にEDアニメーションと曲、歌詞の相性は特筆すべき点で毎話視聴後の余韻が残った。
獅子神への鎮魂歌であるのは一聴してすぐに解るが、
FULLで見てみると後半は犬屋敷や家族への詞でもあると解釈できる。
個人的には秋アニメ屈指の名曲と評価したい。

作中BGMもとても上手く緩急が付いており良い出来。
アクション時や緊迫感のあるシーンは打ち込み系のBGMで迫力を出しつつ(ちょいちょいチープな音もあったが)
静かなパートはギターやピアノのアコースティックな美しいメロディが絶妙で胸に迫る、
対比が素晴らしく聴き応えのあるもの。
ラストも盛り上げてくれて、お手本となるような演出は見事。


解りやすいエンターテイメント性だけではなく、高いテーマ性を備えた本作の内容は、
ノイタミナの真価を示したとも言えるもので、
2017年を締めくくるに相応しい観ごたえのあるものとしてオススメしたい。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

serius さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今この時のために僕は生まれてきた。

タイトルは主人公である中年のおじさんの名前。
それがそのままアニメのタイトルになってる。

僕がいいなと思ったのは、各話のタイトルが登場人物の名前になってること。
これめっちゃ分かりやすい。
その話がどの人物を中心に展開されるか分かるし、予想しながら観れるのが良かった。

話しの大筋は、まあダブル主人公っていうのか、中年のおじさんと男子高校生の中身がロボットになって人を助けたり殺したりする。

また、主人公視点だけじゃなくて、他の重要人物の視点でも話が進められていくため、飽きることがなかったし、話がすんなり頭に入ってきた。

最後もキレイに締めてたし、1クールものとしてはかなり高水準のアニメだと思う。

分かりやすい勧善懲悪が描かれているので、胸糞悪いシーンもあれば、スカッとするシーンもある。

表現を軽くすれば普通のヒーローものなんだろうけど、主人公と過激なシーンの応酬でいい具合に歪な作風になっていて見応えがある。

主人公の2人は共に同じ能力を持ってるんだけど、その使い道がまるで違っていて、{netabare}壱郎は決して人を殺すことがなかった。{/netabare}何のために力を使うのかでその人物の本性を表しているところはすごく良かったと思う。

{netabare}壱郎が「今この時のために僕は生まれてきた」って言うところと、最後の目のスイッチを押すと同時にEDが流れ始めるところは本当に感動した。そのあとの、家の風景と家族の姿が映されるシーンと、宇宙に爆散した壱郎のカケラが浮かんでるところもグッときた。{/netabare}

全11話で観やすいし、観て損はないアニメなのでぜひ。


以下雑な感想
{netabare}一話を観たときから、最終的に壱郎が家族から見直してもらえればいいなぁと思ってたから、良かったといえば良かった。

マリが漫画を描いてたと発覚してから、その漫画が何らかの賞をとるっていうオチは想像できたんだけど、やっぱその通りだった笑

壱郎とひろが自滅するってのも予想できたし、話の展開的には王道というか、別段変わったことはなかったかな。
意外とすっきり終わったよね。

各話のタイトルのやつもそうだけど、かなり分かりやすく作られていてよかった。

壱郎とひろの能力は、自分がそうしようと思えば何でも出来る能力。
でも、壱郎は必ず誰かを助けたいという気持ちをもって、その気持ちがキーとなって力が発動してたよね。そこがよかったなぁ。

全般的な感想
・ふみのちゃんかわいい。金元寿子すごい。
・渡辺しおんが実は一番やばい。
・飛行機の女性特に重要じゃなかった。
・この時のために生きてきたに感動
・缶ジュースをひろに与えた子達影のヒーロー
・新婚旅行の思い出を語るシーン感動
・最後のEDが流れ始めるシーン感動


各話を追っていくと、

2、3話 
まあ、アトムの歌で飛ぶのは笑ったよね。
思ったよりも出来ることに幅があることに驚いた。

4話 鮫島
冒頭やべぇ。規制入ってたぞw
ふみのちゃんかわいい。確かになんでさとるとって思うね。
でも普通に幸せそうでいい。
よくあんな格好でタクシー乗れたなw 運転手無頓着ってレベルじゃないぞ。
殺すか殺さないか。ひろとの差はここだな。
金元寿子はすごい。俺ずっと思ってるからね。

5話 獅子神優子
渡辺しおん ひろに好意あり。ちんげ。
ひろの親は離婚してるらしい。複雑なんだな。
そしてがん。そしてソッコー治す。引っ越す。
力を持つと欲が無限大になるね。
警察きた。これ安堂がチクったのかな?

6話 2ちゃんの人たち
渡辺ひろの肩を持つ。まさかの家にかくまう。
なぜか同じグレーの服を着てる。
撃とうとしたけどもう殺さないって言ってたしな。
この時点で安堂とか壱郎を疑っていいと思うんだけど。
母親自殺しひろが狂う。
2ちゃん男ばっかだなw

7話 渡辺しおん
こんなひろでも居場所が必要なんだな。
ここにきて伏線回収。自殺を見た時の事。
ずっとひろのターンだなここ2,3話。
渡辺に打ち明ける。人を殺すことで生きていると自覚できるらしい。
これからは殺した分救うんだってさ。それじゃダメでしょ。
でも渡辺は納得してる。こいつも大概やな。
中尾さんのがんが治ったのはうれしかったし、体調良くなると美人だった。
なんでも治せる力があったらどんなにいいか。
なんかきた。渡辺とおばあちゃん撃つ必要あった?共犯扱いか。
野次馬がいっちゃんうぜえな。

8話 犬屋敷麻理
麻理回きた。やっとひろ回からの脱却。
中華料理屋の会話なんだったん?異星人かと思ったわ。
織田君登場。漫画家の息子。麻理は漫画家志望らしい。
安堂といるとこ発見。飛ぶとこ見られる。
壱郎が麻理の夢に理解を示し、ちょっと見直す。
やっぱ渡辺死んでなかったか。
弟いいキャラしてんな。
警察ボコボコ。

9話 新宿の人たち
いかれた野郎ばっか。
結局知ってる人以外は顔なんだよね。
こっから最終決戦かな。
宮根が宮野になってるやんおいww
飛行機の謎の女性。結局なんでもなかった。
たまにそこまで重要じゃない人をクローズアップするねこのアニメは。
まり新宿行くなよ。

10話 日本の人たち
まさか飛行機を墜落させて殺そうとするとは。
壱郎すげえ。
話してないで、麻理を助けにいけよ。
ガチンコ対決。だけど麻理の安否のほうが気にかかる。
麻理、、、、、。
顔が妙にリアル。
諦めかけたけど、なんとか蘇生に成功。蘇生だけは時間かかるっぽい。
てか、普通に泣いた。
他の人たちも助けに行く壱郎。
この時のために生きてきたんだって言葉が胸にささる。
後から考えると、ヒロに缶ジュースやった子達が真のヒーローなのかもな。

11話 地球の人たち
家族に打ち明ける。
共有できる思い出があるっていいな。
これだけ覚えてることだけでも壱郎の人となりがよくわかる。
弟がラスボスになるかと思ったけどそうでもなかった。
ジャンプ好きすぎだろ。
隕石問題をすっかり忘れてた。
ひろ自爆。そして壱郎も自爆。地球を救う。
最後の壱郎が目のスイッチを押してED流れるシーンで泣いた。
麻理のマンガが入選。
完結。{/netabare}



声優問題にも触れとくべきか笑 
ひろ出てきた時、お前どうした!?って思ったよねww壱郎のほうは良かったと思うんだけど、ひろは違和感しかなかったな。
それでも慣れてくれば、これはこれで味があっていいかって思えたんだけど。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15

86.1 6 高校生で漫画原作なアニメランキング6位
その着せ替え人形は恋をする(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (774)
2676人が棚に入れました
雛人形の顔を作る、「頭師(かしらし)」を目指す男子高校生・五条新菜(わかな)。 真面目で雛人形作りに一途な反面、同世代の流行には疎く、中々クラスに馴染めずにいる。 そんな新菜にとって、いつもクラスの輪の中心にいる人気者・喜多川海夢(まりん)はまるで別世界の住人。 けれどある日、思わぬことをきっかけに、海夢と秘密を共有することになって……!? 決して交わるはずのなかった2人の世界が、動き出す――! 『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)にて連載中・福田晋一による大人気原作を、CloverWorksが待望のアニメ化! 豪華スタッフが贈る、コスキュン? ストーリー!
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

メタモる者は幸いである。天国は彼らのものなればなり。

もうずいぶん前にアメリカに住む友人から聞いた話なので、
いまはひょっとしたら事情が変わっているかもしれないけれど、
アチラの方々はコスプレをするに際して
  『自分のなりたいキャラになって楽しむ』
という信念をお持ちの方が、かなり多数おられるようであります。

大きなイベント会場に足を運ぶと、
ビヤ樽みたいなおなかを突き出したキラ・ヤマトなんか可愛い方で、
ケツあご筋肉もりもりのおっさんがセ-ラ-ムーンのコスをして、
嬉しそうに『OSHIOKI YO!』とか叫んでポ-ズとってるとか。
いやもう、サバトっすよマジで、心から嫌そうにその友人が言ってました。

  最近は日本でもそういう方がおられるようで、
  まあ、やりたいようにやればいいと思うのですが、
  いやはや、なんだかなであります。

ちなみに、若い頃からいろいろやらかしているワタクシではありますが、
コスプレは経験ありません。
やれと言われたらたいがいのことはやる性格なので、機会がなかっただけですが。

その代わりと言っちゃなんですが、女装は十代後半のときに経験あります。
ただまあ、正直、作品にまるっきり関係ない話なので、
ネタバレで隠しときますね(開く必要ありません、マジで)
{netabare}
男女六人ぐらいで宅飲みしているときに、
部屋主の女の子が「フリは女装したら絶対かわいくなる」と言い出し、
じゃあまあやってみましょうか、みたいなノリになりまして。

  出来の方は、なんと言うかその……
  シャレにならなかったというか、
  『リアルことりちゃん』みたいになっちゃいました。

自分が『女の子顔』をしていることは薄々気づいていたんですが、
(小学校卒業するまで時々女の子に間違われてた)
いやまさか『かわいこちゃん』になるとは……
笑いをとるはずが、怪しげなチェキ会みたいな空気になってしまい、
ノリノリでポ-ズをとってみたり、翌朝、酔いがさめて恥ずか死んだり。

もちろん、それで何かに目覚めることもなく、
いたって平穏かつノーマルに今日を迎えております。
てか、僕のタッパ(180)で女装癖あったらアウトではないかと。
{/netabare}

マクラが長くなってしまいました(自分語りが多い男ってやだわ)。
さて、本作はそんなメタモルフォーゼ、コスプレを題材にした、
ウンチクありいのお色気ありいのといった、ラブコメであります。

人づきあいが苦手なジミ夫くんがクラスのリア充花形女子に引っ張られ、
という感じの作品はかなりたくさんありますが、
この作品はそのなかでも出色のできばえではなかろうかと。

  なんと言っても引っ張られるきっかけが
  『お裁縫の技術目当て』
  というのが、わかりやすくて良き。

コスプレがしたくてたまならいけど自分も周囲にも裁縫力がないヒロインが、
ひな人形職人見習で縫製技術のある同級生(新菜=わかな)と知り合い、
コス衣装をお願いして作ってもらう、というのが物語の骨子であります。
{netabare}
ひな人形が好き、という自分の嗜好を恥ずかしく思っていた新菜が、
そのことをあたりまえのように認めてくれたヒロインに感動し、
彼女の『好き』を叶えてあげたくて奮闘するうち、
自分もコスプレの楽しさにハマりだし、
共同作業を重ねるうちに二人の距離も縮まっていく、という展開ですね。

  この『二人の距離の縮まり方』も、
  なかなか繊細で良き。

新菜には、恋愛感情だの下心だのはありません。
自分の『好き』を初めて認めてくれた『いい人』のお役に立ちたくて、
一所懸命にやっているだけ。
(えっちな夢や妄想はあるけれど、そこは若い男の子だからお目こぼし)

最初に恋愛感情を抱くのはヒロイン、海夢(まりん)の方です。

ただし、最初はほんとに、クラスメイトに無理なお願いをしてるだけ。
 ・参考に渡したエロゲーを真剣に、最後までプレイしてくれた。
 ・めちゃくちゃ細かい三面図を作り、買い物にも付き合ってくれた。
 ・軽く言った言葉を真に受け、寝る時間も削って衣装を作ってくれた。
 ・その衣装が素晴らしい出来で、夢が叶った。
なんてことがあっても、気持ちは『感謝』『いい友だち』のままなんです。
ほんと、全12話のうち5話の終わりまでそんな感じ。

まりんって見かけは「学校にそんなパンツ穿いてくんなよ」的バカ女なんですが、
このあたりの身持ちの堅さ、良きです。
ちょい助けられたとか秘密を守ってくれたとかでホイホイ惚れてしまう、
そのへんのご都合ラブコメヒロインとは一線を画しています。

……が、

新菜が大切にしていた『きれい』という言葉を自分に向けてくれた途端、
彼を異性として意識し始め、
それまでの感謝や友情だった気持ちのベクトルが一斉に恋愛感情へと方向転換することになります。

この『身持ちの堅さ』と『チョロさ』の同居が、実にリアルで良き。
てか、いかにも女の子っぽい。
体温の感じられる、いいキャラクター設定ですよね。

  ただ、ですね……実をいうと新菜くん、
  ウィッグ屋のスワローテイルを訪れたとき、
  わりと簡単に『きれい』とか心の中で思っちゃってるんですよね。

  脚本家は同じ人だから、ミスではなく確信的な演出として。

  だからまあ、それほど深刻に『重い』言葉でもないわけなんですが
  そこはほら、モノローグだから、まりんにわかるわけもなく。
{/netabare}

ちなみにこの作品、メインとなる登場人物は、
主人公の新菜とヒロインのまりん、
そして先輩コスプレイヤーのジュジュと妹で撮影担当の心寿(しんじゅ)の四人のみ。
新菜の師匠であるおじいちゃんとかも出てくるものの、
あくまでも物語を成り立たせるためのサブキャラなんですね。
(いやあ、音響費が安くあがって制作大助かり)

そのジュジュと心寿が登場するのも六話以降。

それまでの丸々五話、ほとんど100分を費やして、
若菜とまりんの人間性やコスプレ、衣装づくりに関する蘊蓄が、
けっこうえっちなイベントやギャグを織り込みながら楽しく語られていきます。

   へえ、コスプレイヤーさんってこんなふうに衣装作ってるんだ、
   そういうニッチな知識が得られるのも良き。

お話的には、六話にジュジュと心寿が登場してきてからは、
さらに深いコスプレのウンチクと写真ウンチクなんかも散りばめられて、
見る人を飽きさせない作りになっています。

  さすがにネタが尽きてきたのか、
  十一話以降はふつうのラブコメに落ち着いてきた感があり、
  もしも二期があるんならどうやって引っ張るんだろうといらん心配もしてみたり。



おすすめ度としては、お気軽ラブコメとして堂々のAランクです。

なんと言っても『大真面目にコスプレをやっている』というのが好感度大。
妄想ラブコメのモチ-フとしてコスプレを拝借するのではなく、
コスプレが主軸で、ラブ要素はそこから二次的に派生しているんですよね。
はあ? コスプレって何なん?
という方にも是非ご覧いただきたい、楽しい作品です。

惚れ要素のないダメ夫に美少女がいきなり寄ってきてキャッキャウフフ、
という『妄想アニメ』に辟易している方も、
この作品ならば、ある程度は納得していただけるのでは。

そもそも新菜くんって、実は『ダメ夫』じゃないんですよね。
性格は確かに地味で内向寄りですが、
『高身長』『明確な夢をもって努力』『真面目で誠実』と、
なにげに高スペックだし、顔も悪くないし。
ゲ-オタと違い、将来設計もきちんとしている優良物件ではないかと。

ヒロインのまりんも、見てくれはバカ女っぽいアレですし、
エロゲ好きだの読モだの既視感ばりばりな設定もナニなんですが、
中身の方は『さばさばしてて、行動力のあるヲタク』に過ぎません。
料理・裁縫などはポンコツですが、
家の中は一人できちんと片づけてますし、女子力がないこともなし。
{netabare}
  ツ-ショットでのエロゲト-クやラブホはOK、
  同じくツ-ショット、しかも室内できわどい水着や衣装、ノーブラもOK。
  全身のサイズをくまなく知られるのもOK。

  いやあんた痴女でしょと思いきや、下着見られるのは恥ずかしいとか、
  破天荒な線の引き方も、一周回って個性としてアリかな、と。

  ナウシカ的な高度清廉性を求める方には無理っぽいけれど、
  一般的には「いやあいつバカだから」の一言でたいてい済まされる、
  わりとどこにでもいる『親近感の持てる女の子』設計なんですよね。
{/netabare}

ジュジュ姉妹、ロりっ子と巨乳美少女も登場しますが、
二人ともオトコよりコスプレ、という『狭い方々』ですので、
変なハ-レム展開にならず、安心して見ていられます。


映像も、時々乱れるものの、全体的にはかなり良き。
ヒロインのまりんのキャラデ、斬新です。
下品と感じる方がいるかもですが、こういう思い切り、大切ですよね。

  ボディラインだの襟足だの、
  オトコゴコロをくすぐりたいところはしっかりくっきり。
  アニメ-タ-さん、魂込めてます。
  かと思えばひな人形の顔がものすごく精緻に描かれていたり、
  要所要所をきっちり締めて、物語に芯を通しています。


お芝居についても、
キャリアの少ない役者さんが多いのに及第点。
みんながんばってます。

  新菜役の石毛翔也さんは、ゴジラSP以来、ほぼ二本目の主演作。
  ただし、劇団四季出身でいまは鈴村さんの事務所に所属するなど、実力は充分の方。
  事務所移ってから確実にお仕事増えているみたいだし、
  スターダスト離れたのは正解だったような。

  まりん役の直田姫奈さんは、アニメではこれが初主演ですよね。
  バカっぽいのびのびした演技が印象的でした。
  ただ『静』の部分の表現は若干の改善余地があるような。
  これからいい役を引ければ、化ける可能性があると思います。
  芸を磨きたいなら、バンドリと縁を切った方がいいんじゃないかしら。

  心寿役の羊宮妃那さんは、セレプロ以来、二本目の主演。
  青二ジュニア所属、期待の若手さんですね。
  上田麗奈さん同様の、ブレス多めのウィスパーボイスが印象的。
  表現力はまだまだ上田さんに遠く及びませんが、
  この基礎声質は需要が多く、研鑽を積めば、重宝されると思います。

  ジュジュ役の種﨑敦美さんは、この中では『別格』かなと。

  あと、劇中劇の『フラワープリンセス烈!!』で、
  桑島さんと宍戸さんという『時代に合わせた』キャスティングに拍手。
  画面アスペクトも4:3だし、いやあ、芸が細かい。


音楽は、劇伴・OPは楽しくて、世界観にも合っていて問題なし。
EDはちょっと甘々に振りすぎたかな、と。
演出もいささか『狙い過ぎ』と感じられたので、評価がちょい低めです。
ベタ甘にしない方が、作品に芯が通ったと思うんだけど、
まあ、そこはあくまでも好き好きの話で、良し悪しではありません。


ちなみに本作の原作マンガって、
えっちいシーンがやや多めで基本は男性向けかなと思いきや、
女性ファンが三割もいて、さらに増え気味なんですってね。日販調べ。

  もちろん『服飾』がメインモチ-フというのもあるでしょうが、
  決してそれだけではなく、
  やっぱ『共感できる人物造形』ができていることがミソなのでは。

  以前レディコミの編集者さんに教えてもらったのですが、
  女の子にだって性欲も好奇心もあるし、どきどきもしてみたい。
  だけどそこに至るには、結果だけを求めるオトコと違い、
  ちゃんとした『プロセス』と『理由』、
  つまり『エクスキューズ』が必要なわけであります。

  この作品は、そこをしっかり押さえています。
  だから「はあ? このオンナなに発情してんの」的評価にならず、
  一緒にどきどきしたりゲラゲラ笑ったりできるわけで。
  (この辺、さすが原作者が女性だなあ、と)

そんなわけで、本作は性別問わず誰にでもお勧めできる逸品であります。
いささかお下品な部分がないこともないですが、
そこも含めて実に楽しい、お気楽に見て笑える仕上がりになっております。

  ラブコメという名のオタ妄想に食傷気味なあなた、
  コスプレという名のあやしい趣味に懐疑的なあなた、
  洋裁の実習や宿題にトラウマをお持ちのあなた、

  そんな方にもご覧いただきたい、素敵な娯楽作品なのでありますよ。


************************************************************


ええと、ここからは本編に関係ない洋裁のウンチクをば。

作品では、ひな人形の衣装づくりをしている新菜くんが、
ドレスみたいな制服を仕上げますが、
和装と洋装では縫製技術が根本的に違うんですよね。

リアルに考えると『ムリ』『できたら奇跡』みたいなものなんですが、
そこはほら、アニメだからできちゃうわけで。
それにしても新菜くん、ほんとよくがんばった。

で、何がどう違って難しいのかを、簡単に解説してみようかな、と。
本編にはあまり関係ないのでネタバレで隠しておきますね。
ほんとムダ知識なので、興味のある方だけ、どうぞ。
{netabare}

 和服って、畳んだらぺたんと平面になるけれど、ドレスはなりませんよね。
 (だからハンガーで吊るすわけですが)
 これは、服そのものが立体的になるよう縫われているからなんです。

 具体的には『いせ込み』という技術。
 (ギャザーやタックについては、ややこしくなるから除外します)
 わかりやすく言うと、
 長さ10㎝の布Aと9㎝の布Bを、
 始めと終わりがぴったり合うようにAを押し込みながら縫う技法です。

 これ、ひきつらないよう縫うのは初心者レベルだとかなり大変です。
 この技法というか、概念そのものが和裁にはありませんから、
 新菜くん、縫い合わせるだけでも相当苦労したことと思います。

 そして、ただ縫うだけでも難しいのに、
 その何倍も難しいのが、縫う前のパ-ツ、パターン(型紙)の作成です。

 世間では『立体裁断』なんて言葉が使われていますが、
 平面である布地を立体的に切ることなんか、もちろんできません。
 要するに『縫い合わせたときにきれいな立体になる』よう、
 各パ-ツのいせ込む量を計算して型紙を起こし、裁断することなんです。

 単純なタイトスカートでさえ、狙ったシルエットを出すためには
 プロのパタンナーでも、何度も別布で仮縫いを繰り返して調整します。
 ドレスというのはその何倍もパ-ツ数が多く、
 おまけに分量感の強弱が極端でシルエットも複雑なため、
 初めて手掛けるパターン作成がドレスって、ほとんど死亡フラグなんですよね。

 もう一つ、和装と洋装が決定的に違うのが『地の目』の概念です。

 布地というのは基本的に縦糸と横糸で織り込まれているのですが、
 これがどの部分でどの方向に走っているかによって、
 身体を入れたときにできるドレープ(布の自然なたわみ)が全く変わってきます。

 和裁は基本的に『使う布地量を最小にする』よう各パ-ツを切り出しますが、
 洋裁、特にドレスなどエレガントさが求められるものは、
 いかに自然で優雅なドレープを作るかを考えてパ-ツを切り出します。
 (求められるレベルによって、パ-ツの数も布の用尺も全然変わります)

 他にもクセ取りアイロンによる繊維の調整技術など、
 細かい違いを言い出したらキリがありません。
 要するに、そういうことをまるで知らない和装職人の新菜くんが、
 まともな道具も教えてくれる先生もなく、
 素人向けの本を一冊読んだだけでああいうドレスを作るっていうのは、

          かなりの『無理ゲー』なんです。

 特に最初のドレスは、
 トルソー(胴体だけのマネキン)もないから
 シ-チング(別布による仮縫い・型紙チェック)もできないわけで、
 それであんな難しいもんよく作ったなあ、と。
 まあ、そこは正直、アニメだからとしか言いようがなく。

   ちなみに『明日ちゃん』のお母さんによるセ-ラ-服作り、
   かなり正確な描写になっていました。
   洋裁慣れした人でも、ああしないと作れないんですよ、ほんとは。
   (気になる人は一話Aパ-トをチェック)


 もちろん、どこまでいってもコスプレ衣装。
 あくまでも趣味の範疇なわけですから、
 なにをもって『よし』とするかは人それぞれなわけです。

 僕が言ってるのは『製品レベル』の話であって、
 個人が作って個人が楽しむだけなら、極論、何だっていいわけで。

 本編でジュジュが出来栄えにほれ込んだという設定だから、
 『ある程度以上の出来だった』ということで、
 いやそれは洋裁初心者さんには難しいですよ、というお話に過ぎません。


 たださあ……

   お金を取って売ってる出来合いのコスプレ衣装って、
   正直「なにこれ?」ってレベルのものが多いんですよね。
   袖がペンギンとかフラップがひきつってるとか、マジありえない。

   個人が趣味で作るものと、
   企業が製品として市場に出すものは、
   やっぱ明確な違いが必要なのではと思うワタクシでありました。
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 36
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ギャルの定義は、「己を貫く生き様」 byマツコの知らない世界

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
純粋なラブコメでここまで面白いのは久しぶりですね。

ギャル系のヒロインは苦手なのですが、喜多川さんは、ギャル系のヒロインの中では、過去作で一番好きになりました。1800作品以上観てきて、記録更新です(笑)

そういうこともあり、久々にアニメを心から楽しめたので、「青ブタ」以来のお気に入り棚にinです♪ 当然、今期の覇権ですね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レビュタイですが、「マツコの知らない世界」という番組に、伝説のギャル雑誌『egg』を復活させた、ギャルのカリスマみたいな方が出ていて、「白ギャル」「黒ギャル」「清楚系ギャル」等紹介し、マツコさんが「今のギャルって幅広いのね」と言い、「ていうか、マツコもギャルだよ。ギャルって、周りが何を言っても、自分の好きなファッションとか生き方を貫いている人のことだから」という趣旨の発言をしていて、マツコさん(も私も)「なるほど」と腑に落ちていたことからとりました。

作者がそういう定義を知っていたかは分かりませんが、本作の作風とヒロインの設定がバチっと合っていて、それだけでも素敵なアニメだと思いました。

本作は、ラブとコメディのバランスがすごく良かったのが印象的です。

恋愛面では、「好きになる過程」がしっかり描写されていて、これは女性作家っぽいな~と感じました。男性作家の場合、「好かれる過程」を描いてる感じがしますし、なんなら「好かれた後」「どんな風に愛着表現されるか」がメインで描かれることが多いと思います。一方、少女漫画とかは、ちゃんと尺とって、納得感のある「好き」が生まれます。

特にそれを感じたのは、4話。池袋コスイベ前、喜多川さんの為に自分を追い詰めて衣装を作ったが、「実は焦らなくても良かった」と分かった時、全く怒らず、喜多川さんを責めず、即座に「良かった~」と言って安心した五条くん。彼の人柄、優しさがうまく表現され、ああいうところから好きになっていくのはとても自然だし、女性らしい視点だと思いました(そういう「さりげない素敵シーン」が随所にあったのが凄い)。

2人は全く真逆に見えて、「好きなものをちゃんと好き」で共通しているし、何より、他人の好きを否定せず、先入観を持たずに、相手の好きに興味を持つ。とても素敵な関係だし、2人が次第に惹かれ合っているのが納得できた。

一度好きになると、何でも好意的に捉えられ、「お祖父ちゃんとならめっちゃしゃべるじゃん、可愛い」とかは、ホント、男にはない発想だよなと感心した。

そして、恋愛が深まりそうになると、、、鮮やかにコメディでかわす。

しゅきーー!は、笑ったな~(笑) あれが似合い、ちゃんと萌えに繋がるのは喜多川さんだけな気がします。

凄く質の高いコメディを積み重ねてきただけに、ラストをシンプルな青春恋愛モノにし、美しい花火をしっかり魅せる演出が効いたのだと思いました。

基本、ラブコメはキャラが良ければストーリーは並でも良い、というのが私の持論です。私はとにかく、喜多川さんも五条くんもとても好きです!

今年のスタートで、お気に入り作品に出会えたことに感謝!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
人形職人の話? 凄いところに目をつけるな。岩槻、埼玉県にある人形の町なんだね。ごめん、痛くなかった?(笑) ラブコメ、良いね。どんなタイトルだよ(笑)

2話目 ☆4
初心者に凌辱系のエロゲを薦めるなや(笑) なんかこう、良いカップルだな(笑) 普通のラブコメ、楽しいな~。水着と下着は違わない(笑) 流石に恥ずかしい(笑) お祖父ちゃん、衝撃(笑)

3話目 ☆5
エロをちゃんとギャグに昇華しているのが良いですね。影から光へ手を引く。池袋駅前にこんな店あるのか。まあ、乙女ロード出来たしな。原作理解度(笑) バイトで金ためたとか、小さな好感度積み重ねるよな。既製品やプロに任せるところは任せる五条、それに素直に言うこと聞く北川さんも、んで、ラーメン食って帰るあたり、共に好感度高い。メトロポリタン口近くの地下通路w お互い、本音の言い合い。

4話目 ☆4
忙しいな~。キャパオーバーする経験も大事。俺も初めてそこで、人に頼ること覚えたし。人間、自分の為だけなら、100%までしか頑張れないしね。そこで他人を責めないのが、優しい人間。こういうのから惚れていくのは、説得力あるよな。その笑顔で、全て報われる。

5話目 ☆4
サンシャインのとこだよな。コスプレの世界は分からないけど、撮りたい人と撮られたい人の要求がばっちり合うわけだな。五条君が好きになる過程も良いよな。からの、「服脱げそう」(笑) 熱中症対策もエロくなる(笑)

6話目 ☆5
不意打ちにより、北川さん、惚れてまうやろ~(笑) からの、揺さぶり笑えない。シュキー(笑) からの女子力のなさ(笑) 「お祖父ちゃんとならめっちゃしゃべるじゃん、可愛い」の発想はないやな。やっぱこれ、原作者、女性? ライバルかな? そこでツルツル思い出すなや(笑) 所々の赤べこが良い(笑) そこで北川さん呼ぶのが五条くんの良さだよな~。ジュジュも良いキャラしてるな(笑)

7話目 ☆4
ちゃんと本業に跳ね返ってるの良いね。カラコンを気にする乙女心(笑) 幻滅してる(笑) こぼしてるのがリアル(笑) まあ、チキンライスまでは誰作ってもそこそこ旨いしな。そして、チャーハンだった(笑) 中学生で178cmは、スポーツ界も注目なんだけどな。

8話目 ☆4
真珠ちゃん、これまでいない、真っ直ぐなピュアキャラか? ちょい闇キャラか? ジュジュ様、いつもストレートだな。一目惚れ、大事だよな。ジュジュ様、ウブ(笑) え? え?(笑) 五条の世界が広がっていく、北川さんの行動力。超ワカメ(笑) そこでギャップの縞パンとかにしないで、黒レースなのが逆に良い。波の作画も頑張ってる。北川さん、勇気出したな~。

9話目 ☆3
水着をみて、色々あった(笑) 見せブラとの違いは、未だによく分からん(笑) そうか、中学生だったな(笑) そうでもない(笑)

10話目 ☆5
姉としての、正しい素敵な対応。好きになるポイントが、妹を大切にしてくれたから。本当は誰にでも色々ある。ホント、その通りだよな。焼きもち焼く北川さん可愛い(笑) 行動力!(笑) 男のロマン(笑) 健康的な下乳を見ると、健康的になれる(笑) 全部大好き過ぎる(笑) 恋は盲目(笑) めっちゃ普通にデートしてるな(笑) 北川さん、嬉しそう(笑) 

11話目 ☆5
シンプルに自分を認めてくれ、自分の可能性を広げてくれ、自分の背中を押してくれる。ちゃんと好きになる過程を見せた直後の、コメディのバランス。そこで、電マに反応するんだ、五条くんも(笑) ゴリゴリのノリツッコミ(笑) ナイスなボケとツッコミ(笑) あれだけ押しといて、乗っかるのが恥ずかしいとか、声出たのが恥ずかしいとか、この辺、北川さんだよな(笑)

12話目 ☆5
最終話は。あえてギャグを廃して作画に力入れ、恋愛面、青春面をフォーカスか。意図は分かるから、アリかな。花火綺麗だったし。
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 47
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

五条と海夢の凸凹コンビが絶妙で「コスプレ」も面白く魅せていた

【レビューNo.98】(初回登録:2023/12/10)
コミック原作の2022年作品。全12話。
リアタイで視聴してましたがこれも2期決定分ということで、2期に備えてレビュー
しておこうかなっと.

(ストーリー)
祖父の家が雛人形屋で、幼い頃から雛人形の頭師を目指す高校1年生・五条新菜は、
男子ながら雛人形が好きという趣味のためか、小学校からずっと友達がおらず、
ひたすら雛人形と向き合う毎日だった。
そんな五条の秘密の趣味を、クラスの喜多川海夢に知られてしまう。彼女はスクー
ルカースト上位に位置し、五条とは真逆の存在。しかし彼女は
・そんな五条の趣味を素直に肯定。(彼は初めて他人に認められた)
・彼女も実は重度のオタクでコスプレに挑戦中。でも衣装を作れる技量がなく行き
 詰っていた。
そして五条に衣装を作れる技量があることを知ると、「私のコスプレ衣装を作って
欲しい」とお願いしてくるのだった。
(五条は(人の着る衣装を作った経験はないが)雛人形の衣装作りで技術を磨いて
 いた)
突然の展開に戸惑いつつも、五条は海夢の依頼を了承。
こうして凸凹コンビによるコスプレ衣装制作が始まるのだった。

(評 価)
・五条と海夢の凸凹コンビが絶妙
 {netabare}・本作の魅力はやはりヒロイン・喜多川海夢の存在でしょう。
  (ギャル全開なところは好みが分かれそうですが)
  ・美人でスタイル抜群(しかもいろいろとエロいw)
  ・陽キャで皆の人気者。それでいてそれを鼻にかけることなく、五条のような
   陰キャにも分け隔てなく接してくれる。
  ・好きなことには正直で行動力もある。そして重度のオタク。
   (なので他人のオタク度にも理解がある)
  ・それでいて大雑把さや思い付きで軽率な行動を取ってしまうなど、愛すべき
   短所も兼ね備えているw
  と、ある意味「オタク男子の理想」を全て具現化したようなキャラ造形です。
  しかし個人的には、彼女の魅力の本質はそこではない。
  「相手に対し(一人の人間として尊重し)しっかり向き合っている」
  なんというか彼女をみてると、相手に対する親愛や敬意といった人間関係構築
  の本質的な部分がさりげなく描写されてるなあって感じるんですよ。
  これってある意味、原作者さんの人柄や卓越したセンスなんだろうなっと。
  ここにクローバーワークスのレベルの高い作画や「ギャル全開」の直田姫奈さ
  んの熱演も加わり「動いている喜多川海夢」はかなり魅力的です。
 ・一方の五条ですが、主人公ながらもどちらかといえば「動の海夢」をしっかり
  支えるサポート役的な(「静」の)描写が多いという印象ですね。
  ・自己評価が低く、引っ込み思案で自己主張も苦手。でも内にちゃんと秘めた
   るものを持っている。
  ・相手に対し真面目で優しく真摯に対応。そして細やかな気配り。
  ・コスプレという未知の分野にも研究熱心。加えて随所に垣間見れる職人気質。
  ・そして海夢のボケに対する完璧なツッコミw
  この正反対のキャラが絶妙に噛み合って、相乗効果を生み出している様は本当
  に素晴らしい。
 ・物語の構図としては
  ・陰キャのオタク男子のもとに突然ギャル天使が舞い降りた!
   → 自分の世界に閉じこもっていた五条の扉を海夢が開いてくれた
   という感じではあるのですが、むしろ1期では
  ・オタクギャルの夢を叶えてくれる王子様が現れた!
   → 海夢が輝くために五条が最強のサポート
   という色合いの方が強いかも。
  お互いにとって相手がきちんと意義のある存在になっている点が、観ていて微
  笑ましい関係性だなっと。{/netabare}
  
・「コスプレ」もちゃんと面白い
 {netabare}作品の題材となっている「コスプレ」もちゃんと面白く魅せてくれてるなっと。
 ・1-5話が最初のコスプレ衣装作成になるのですが、
  ・採寸
  ・図面起こし(三面図)
  ・素材選び
  ・縫製(はちょっと物足りなかったが)
  ・メイク
  ・初めての試着
  ・初めてのイベント参加
  までを意外と丁寧に時にはコミカルにエッチに、そしてトラブル発生の描写に
  加え、2人の関係性が構築されていく様を交えながら(見直してみたら思わず
  一気してしまう位に)面白く仕上がっているなっと。
 ・6話以降は「ジュジュ様」こと乾紗寿叶と妹でカメラマンの心寿が登場。
  ・「ジュジュ様」のコスプレ衣装作成
  ・コス併せ
  ・本格的な写真撮影
  等また新たなコスプレの魅力を紹介しつつ、新キャラとの関係構築を描きなが
  らストーリー展開に幅を出していくという感じですね。
 ・コスプレ=「究極のキャラ愛」という、オタクのこだわり的なことを語りつつ
  もあまりオタク道に寄り過ぎることもなく、一般ウケする範疇に上手くまとめ
  ている点もやはり原作者の技量の高さを感じますね。{/netabare}
   
・「ラブ」「コメ」「エロ」を上手く描き、テンポもいい
 {netabare}・「ラブ」については明確に恋心が芽生えた描写があるのは海夢だけですが、紗
  寿叶も五条とのやりとりで何か思うところがあるようで・・・
  この辺りの流れもご都合主義ではなく、丁寧かつ自然な感じで上手く描写され
  ているのかなっと。
  また五条はそういうことに疎いのか明確な恋心の描写はありませんが、海夢と
  の2人のシーンは「青春しててエモいなあ」って心に刺さるものがありますね。
 ・「エロ」は結構ぶっ込んできますwでも大体は「コメ」で落とすという形で上
  手く処理されるので、この辺も媚びた作品に成り下がらずにきちんと仕上げて
  いるなという印象ですね。
 ・実はかなりコメディ色の強い作品ですね。そしてこのコメディが非常にテンポ
  がよく、それが作品の面白さや視聴しやすさに繋がっているという印象ですね。{/netabare}

「『コスプレ』を題材にしたラブコメ」ということで、「どんな作品なんや?!」
って感じでしたが、
・丁寧な人物描写やテンポのよいラブコメ展開など基本事項はしっかり押さえつつ
・コスプレの面白さも一般ウケするレベルに上手く調整して乗せてきている
という非常にバランスの取れた作品だったかなと思います。
随所に原作者のセンスのよさを垣間見ることができたかなっと。
そしてクローバーワークスの作画のレべルも高く、作品の魅力を十分に引き出して
いたと高評価ですし。

2期制作も決定しており非常に楽しみですが、ただ「コスプレ」の部分は今後どうみ
せていくのかなっと。
1期で結構やり切った感もあるのでどう上積みしていくんだろうと。
(大きなイベント、新キャラ、ハロウィンで五条もコス挑戦とか?)
まあラブコメ展開はこの先が非常に気になりますし、五条の(人間的な)成長物語
にも伸びしろが十分あるので、作品全体としては期待大ですが。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 32

68.1 7 高校生で漫画原作なアニメランキング7位
義妹生活(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (169)
464人が棚に入れました
高校生・浅村悠太は父・太一の再婚をきっかけに、同い年の少女・綾瀬沙季とその母・亜季子と一つ屋根の下で暮らしていくこととなる。 互いに両親の不仲と離婚を経験しているがゆえに、男女関係に慎重な価値観の二人は、義理の兄妹として適切な距離感を保とうと約束する。 「私はあなたに何も期待しないから、あなたも私に何も期待しないでほしいの」 考えを述べあい、すり合わせを重ねることで、互いを理解していく悠太と沙季。 新たな生活に居心地の良さを感じはじめた時、二人の関係はゆっくりと、しかし確実に、変化をはじめて………… これは、いつか恋に至るかもしれない物語。 “他人”が“家族”へ、そしてその先へ。 少しずつ変わりゆく日々を映す、恋愛生活物語。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

キャラ全員が同じ人みたいな印象。終わってみれば演出が不快です。

 最後まで見られたのでその点は評価してもいいかなと思います。で、評価ですが本作で気になったのは2点。演出に内容(心理)が伴っていない気がしたのと、1人の独白をずっと聞いているような印象です。特に演出については作品を正確に読み取らせようという姿勢ではなく、ミステリアスなイメージ作りでしかなく正直これはどうよ?と思います。

 あのサイコロの目というか点字みたいなサインが何だったのかも私は読みとれていませんでした。沙季は音楽を聴いている=心を閉ざしている、現国が分からない=人の心が読めないという自閉症的な感じはしたものの、それがストーリーとリンクしているだろうか、突然悠太と同じアルバイトに面接に行ったり髪を切る衝動と結びつくだろうか、完璧主義と行動は言行不一致ではないだろうかなどと考えてしまいました。
 また、ジェンダー云々の発言も彼女の何を意図していれたセリフなのかはわかりますが、彼女を形作っている情報とか知識とはそぐわない気もしました。まして母親の水商売を旧父に対して論理的に擁護する立場ですからね。

 で、最後にギブアンドテイクかあ…人に聞くのが正しい勉強法でもないし、この辺はまだ沙季が幼く何もわかっていないと言いたいのか、物語としての主張なのかもよくわかりませんでした。

 最後の悠太の語りで結末はまとまった気もしますが、悠太と沙季がなぜ惹かれあったのかがやっぱり読み取れませんでした。同じ時間同じ空間を過ごしたからというには短すぎる気もするし、同類の親近感なのか、ルッキズムなのか、相手の弱さが愛おしいのか、家族という障壁が燃え上がらせたのか。その辺がよくわからない…というか、沙季も悠太も口で説明しかしてない気がしました。言葉と内面の不一致があってこそのラブストーリーだと思うのですが。そこがこの後、破局する物語ならわかるんですけど現状では保留という感じですね。

 一番気になったのが、この作品ってキャラの価値観の相対化ができていない気がします。やっぱり1人の人間が考えた道徳や恋愛観、社会、家族、男女などの一つの視点で見た世界観の中で、男女を配置して原作者の代弁あるいはコマとしてキャラが説明しているだけに見えました。大人の意見が大人に聞こえない、変わった人間設定の人間が変わっていない。准教授のところが顕著でしたが、やっぱり全部1人の口から出たセリフをキャラだけ変えて説明されているような印象が、特に後半では感じました。

 恋愛ものとしては「隣の〇〇」的なものの一種かな、という印象です。これは「都合の良く美少女と突然同居したら?」という作品です。原作をある程度読んだのでその印象は間違っていないと思います。演出の妙で心理劇のような印象を作ったのは、制作陣の上手さでしょうね。この作品をよくここまでもったいぶって作ったと思います。ただ、それは視聴者を裏切ったことにもなる気がします。

 テーマとして家族とは何か?も全く描けておらず、障害と義務としてしか機能していませんでした。そして障害としても低すぎるでしょう。それは父母を全く描けていないからだと思います。演出で重い感じを出していますが、雰囲気だけの演出はストーリーの邪魔にしかなりませんので、その点は一番頭にきています。

 なお、最終回の作画って結構崩れてました?別の作品かなと思うようなところがありましたが。

 点数はストーリーとキャラは2.0。演出はだましに近い気がするので作画に入れて1.5…ですが前半の作画は良かったので2.5にします。無音を使ったのはよかったので音楽は3.5にします。





11話までと原作4巻まで読んでのレビュー

 この原作の評価は、1人が考えた想像上の会話を聞かされている…という感じでした。「ゆっくり動画」の魔理沙と霊夢と言えばいいんでしょうか。情報や主義主張を語るだけでなく、一応プレゼンテーションとして会話劇にするという感じです。スマホでアフェリエイト狙いの冗長なブログとかとも共通しています。

 つまり、キャラが活き活きしていない気がします…というと情緒的すぎますかね。キャラが「ゆっくり」と同じように作者1人の言いたいことを代弁している様子が透けて見えるといえばいいんでしょうか。
 その印象の証拠として准教授が分かりやすかったですね。准教授と女子高生の会話への流れ、出会いすべて不自然です。なにか説明の場面を無理無理つくるために、ぽっと登場させたキャラであることが見え見えというべきでしょうか。
 で、准教授との会話が特に顕著なんですけど、知識人である大人と高校生の会話に見えないんですよね。「ちょっと勉強したんですけど聞いてもらえますか?」という説明を会話風にされている気分です。驚きも感動もない一般人の主義主張です。
 それを単に問答形式に2つの人間に分けただけで、会話にキャラ造形が透けてきません。言葉にバックグラウンドが感じられません。つまり作品のキャラがキャラ化できていないといえばいいんでしょうか。

 で、アニメなんですけど、恐らく監督か演出かわかりませんが、そこはちゃんと見抜いたんでしょう。軽くなりすぎる。キャラが活きない。だから、悠太の方の1人称を3人称の視点にして、意味深長な演出で心情がある風な演出にしたんだと思います。そうすると「深いかも?」という錯覚になるんだと思います。私もそうでした。

 義理の妹、兄を好きになる。それだけならアダルトコミックと変わりません。どんなテーマが入れられるか?ですが、うーん…ちょっと父母の言動といい、准教授といい「私の考えた主義主張」的な浅さがあるかなあ…やっぱり家族を解体させて、改めて付き合うとか何かが無いとなあという気がしました。原作評に近くなってしまいましたが、こんな感じでしょうか。

 一応もう1話でしょうから、12話を見て修正点があれば追記します。









1話 見てると息苦しくなりますが、それが2人の気分なんでしょう。

{netabare}  見てるだけで息苦しくなりますね。それが2人の気分を表していて、つまり演出意図だと思いますので、その点ではうまく描けていると思います。ちょっと主人公・ヒロインの言動が理に走りすぎかも、と思わなくはないです。今のところまだまだ原作者がキャラに乗り切れてないかな、という部分でしょう。

 ヒロインの目の中が賑やかすぎるのがちょっと違和感を感じますし、キャラデザは可愛いし作画もいいですが、正直「最近のラブコメヒロイン」のバリエーションでしかありません。その点で言っても記号的です。
 ここから感情が表現されて、作者の描きたいことが見えてきて、キャラの裏がみえてくるかどうかですね。そう…思いっきりドロドロして欲しいです。

 この時間競合する作品がないので、ちょっと見てみようかなと思います。作品がどう展開するか気になるので、3話までは確認して継続するかどうかでしょう。{/netabare}


2話 え、これは考察しろって言ってる?最後の方のあのシーンは何?

{netabare} あれ、何か超能力的なものがあるの?最後の方は何?雨が降るのが分かるというのと何か意味がかかっている?という感じでの最後でしたね。

 正直言えば全部セリフで説明してくれるので、せっかくいい雰囲気なのにちょっともったいないかなと思います。2人の距離がいきなり近すぎるのも若干不自然です。

 まあ、売りがどうのこうのというのは作品を重くする常套手段なので、うまく描かないとチープになるなあ、とは思います。見た目の問題も完璧に綺麗にするというのは、女性心理としては創作の中では意外性はありません。独立志向、家庭が嫌で独り立ちを急ぐ少女に普通にありそうです。

 が、何か仕掛けがあるならそこは作品の本質じゃないのでしょうか。あの壊れたイヤホンについて何か考察しろ?ということでOK?まあ、気になりますね。これは見ちゃう奴かな?{/netabare}


3話 面白いし雰囲気いいですが、全部セリフで説明しちゃった?それはどうなの?

{netabare} 2話の最後のトラックのシーンの意味がつかみかねていますが、タイムリープ的なものでなく、心ここにあらずだったのか、周囲が見えていないというアナロジーなのか。完璧であろうとしても実は隙があるとも読み取れます。

 通常、日付が丁寧に表示される作品は、推理ものかタイムリープものが多いので、その線で見てみましたが、3話の後半だと追想のためのタイムスタンプでしかないということみたいですね?

 会話のとき音声にエコーがかかったときは、ちょっとSF的なものを妄想しましたが、道路橋の下のシーンということだけでしょうか。印象的にはなりました。
 
 そして、その後半の追想の内容なんですけど、私は全く反対にとらえていたので意外でした。息苦しい家族生活とわかりすぎるほど自分のことがわかる義理の兄。拒絶のためのいい子だと思ってしまいました。それがジェンダー論と完璧な行動と容姿を保つ沙季のハリネズミのトゲ(つまりATイールド)だと思っていましたので。

 ですが、逆でした。想像よりも浅い方に行ったかなと思わなくはないです。ただ、ジェンダー論とかミソジニーとかその辺をどう使ってくるかです。ステレオタイプ的な見方で申し訳ないんですけど、この性格造形って、元父となんかあった?と思わなくはないです。そこまで鎧をまとうための完璧主義になるって…何かあったんじゃない?ということです。

 一方で、ジェンダーで男女の決めつけを嫌がるのに、母親の水商売を職業として受け入れるし、容姿を「女として」完璧にするところに矛盾は感じますけど。

 結構面白いし、雰囲気も独特のものを作っているし、方向性が分かるようでわからないのもなかなか良いですが、ヒロインの内面をあの形で見せるのはあまりよくないなあ…いわゆる「創作物」で一番大事なのはそこ…内面や感情の動きを説明しないで感じ取らせることではないかな、と。

 もうちょっとストーリーと演出で見せてほしいかも…ただ、ちょっとズルイですけど、沙季の叙述トリックかも…ちょっといくらなんでも説明しすぎですよね?もう1段奥に何かあることを期待して視聴継続ですね。

 そうそう、悠太の性格の裏にあるものがもっとドロドロしてそうですけどね。でも、やっぱり男にはあんまり興味がないかな。実はゲイでしたとか?むしろ女でした…もあり得そうですけど小説じゃないからそれはズルイか。 {/netabare}


4話 気になるのは音とイヤホン。なぜ、沙季のシーンだとBGMが消える?

{netabare} ヒロインのアウトラインが見えてこないです。思ったことを言うという性格でしたっけ?他人の気持ちが分からないということでアスペルガーなんでしょうか。イヤホンは音に過敏なのでしょうか?だから、トラックに気が付かないほどイヤホンから音楽を鳴らしていた?

 にしては悠太に対する距離の詰め方が急だなあというのと、新生活への適応力が高いなあということです。友人を連れてきたり、自分から裸で押し倒しかけるようなのってキャラがぶれている気がします。

 2重人格…ということではないと思いますが、結構不自然な感覚が強いです。沙季のシーンだとBGMが消えるので聴覚障害なのかな?とも思いましたが、横を向いて会話しているシーンがあるのでちょっと違います。先輩からもらった曲は多分意味が違うのでしょう。ここを見ると共感覚とかサヴァン症候群とかの可能性も考えてしまいますが、まあ、答えはわかりませんがやっぱり気になるのは音とイヤホンですよね。

 それと悠太が高額バイトを探しているという状況がイマイチ納得がいきません。自分でも探さないのはなぜでしたっけ?1か月も放置していたの?

 なお、現国のテストの点の取り方は気持ちが分かるかどうかじゃあありません。気持ちが分からないという状況に対して、あくまで読解力だしテスト上の技術だという指導が必要な気がします。沙季は人の気持ちがわからない、とエピソードで説明したいのはわかりますけどね。

 演出で気になったのが、冒頭に近い部分でソファに座っていた沙季が立ち上が手ふらふらと悠太に近づいてゼロ距離で「現代文を教えて」という行動がちょっと性格造形的にも良くわかりません。そういう娘でしたっけ?また、完璧主義なのに事前に対策をとっていない理由もわかりませんでした。

 一見、深い内面を描いているように見えますが、どうも全体…というよりヒロイン沙季の性格造形がチグハグしている気がします。やっぱりここが2重人格とか、何か別のものがあると「おお」となるのですが。

 文句ばっかりいってますが、沙季をどう描きたいのか?という点に興味があります。OPなどを見ると「子供のころ」というのも何かのキーになってそうですし。一体どんな物語にしたいのかが気になりますし、ちょっと楽しみです。{/netabare}


5話 なんか変なフラグが立ちました?あまり方向性が見えませんねえ…

{netabare} 先輩の告白については、偶然映画と自分の置かれた状況が一致したととる取り方と、どこかに連れて行ってほしいというおねだりの両方が考えられます。演出から判断すると不穏な方な気もしますが、この作品は辛気臭い演出が多いのでわかりません。そこは保留しますがいずれにせよなんらかのフラグが立ちましたね。

 それから悠太って、父親と同じように女性恐怖症だった…というか父親は克服したから結婚したんでしょうけど。わざわざ3話のあのシーンを入れたってことは彼は女性嫌悪か少なくとも女性が苦手という意味でとっていました。

 それなのに女性の先輩とレイトショー=デートに行くんだ…というのが意外でした。矛盾にも見えますが、どう理解すればいいのでしょうか?

 話の方向性が見えないですね。どうなって行くのでしょう?

 それと追試の対策には新しい参考書もましてや本も必要ありません。学校の教科書と参考書と小テスト・配布物を見直しましょう。{/netabare}


6話 最後の点字みたいなの何?もともと沙季は正常な人に見えませんが…

{netabare} 距離を近づけるだけだとイマイチかなという気はします。やはり沙季にもう1段何かの秘密がないと話としては成立しません。

 兄悠太の心の移りとか変化が少々急で不自然なように見えるのは、沙季の描写が少々作りすぎな気がするからかな、とも思います。

 幼少のころの思い出らしきものの心象風景と音・イヤホンの使い方から何か読み解けないかとは思ったりしますが、別にこのまま見てればいいかなとも思います。
 と、思ったら、最後の瞬間の点字のようなのは何?一応点字表をみると「め」が六個の点で「っ」が左中央に1個の点(付け焼刃で調べました)なので、「めっ」に読めますが本当でしょうか?

 目が見えない、耳が聞こえない…どちらも描写から判断するとちょっと不自然なんですけど、沙季がどうも視聴覚あるいは心理的に何かの異常がないとちょっと不自然な描写なんですよね。その辺どうなんでしょう。

 もうここまできたら、このままダラダライメージだけで終わらせても作品になるような気がしますけどね。文学的に作りすぎましたね。文学ということは、正直この作品は恋愛が成就するとお話にならないと思います。義理の兄妹故に悲恋で終わらないと正直今までの積み上げが無駄になると思います。折り返しにきましたので今後ですね。{/netabare}


7話 一番いやな予感がする話の展開になってきました。だとしたら馬鹿にされた気分。

{netabare} 前半の沙季のモノローグは全カットでいいです。本屋のバイトの面接のシーンその他でそんなのは読み取れます。それと最後の一言も。

 正直、義妹と結ばれるだけの話なら、もういいかなと思ってきました。なぜ、高額バイトを欲したのか?人の心がなぜ読み取れないのか?意味深な演出や記号はなんなのか。そういうのが、単なる「雰囲気づくり」の可能性がでてきました。

 だとしたら、こんなに馬鹿にした話はありません。思わせぶりな心象風景やらエピソードやら入れておいて、意味がないというのはあってはいけません。それは視聴者に対する裏切りです。
 さらに、全部説明してしかも「嫉妬」まで単語にするってなんなんでしょう?本屋の先輩の話はどうするの?

 うーん、あと1話チェックします。もし、義妹と結ばれてチャンチャンならこんなバカにした話はありません。最後「妹」をとるならドラマですけど。{/netabare}


8話 悠太の気持ちが見えないのが結論に活かされるかですけど…なんかなあ…

{netabare} うーん…1話の「相手に期待しない」を今更持ち出しますか。なんていうんでしょう雰囲気は作っているんですけど…
 すでに沙季は2回にわたり心情を日記で吐露する場面があったので、視聴者視点としては、悠太の戸惑いというか四苦八苦に乗れないんですけど、その辺物語としてどうなんでしょう?

 沙季が頑張りすぎている…ように見えないのもちょっと何が描きたいのかわかりづらいポイントです。視聴者からは悠太が頑張りすぎているようにしか見えないと思うのですが。

 沙季がヤキモチを隠すために反発しているだけなら、こんなダラダラ場面を見せることはないです。ビーフシチュー=悠太ってことを言いたいために1話かけたということ?
 演出や言動で内面を推し量る描きかたを沙季についてはしていないので8話は本当に茶番に見えてしまいます。
 一方で、言葉ではなく、過去の沙季から今の沙季につながる心情の変化が読み取れないんですよね。

 考えられるのは、悠太が沙季をどう見ているかだけは視聴者に隠しているポイントです。沙季の気持ちに反して悠太にとってはやっぱり家族だ、という物語なら今描いているのが目くらましとして機能するのでわからなくはないですけど。

 どうする気なんでしょう?本屋の先輩はどうするの?栞を拾ってくれた女の子は何?物語ならそういうところを放置してはいけません。それが悠太を描くのに役立たなければ物語になりません。

 結末をどう描くかは気になりますが、最後がっかりさせないでほしい。沙季の気持ちに反して悲恋なら成立すると思います。お願いですから安っぽいハッピーエンドだけは勘弁してください。

 そうそう、白河三兎氏の『私を知らないで』が……以下この小説のネタバレなのでを気を付けを。結構ストーリーの根幹です…{netabare}義理の姉弟になる悲恋です。恋愛感情がなかった幼さで、不幸だった女の子を救うために義理の姉弟になる話です。あとから恋愛感情に気が付きますがその女の子は主人公の友人と結婚します。 {/netabare}この結末が素晴らしかったのでどうしても比較してしまいます。{/netabare}


9話 居心地の悪い家族ゲームと恋愛に似た醜悪な何かを見せられている気分。

{netabare} 沙季が悠太に恋愛感情を抱いているという風に見えますが、私には理解できません。作品を通じてその描写をしている感じがまったくありません。あるとすれば、日記ポエムです。もちろん説明的な表現はありますけどね。それは心情の変化の描写ではありません。昔の家族から今の家族に移って、沙季は何が変化したのか?何故変化したのかさっぱりわかりません。

 それが悠太の行動とかやさしさだとしたら、笑ってしまいます。悠太は家族を演じているにすぎないように表現しているからです。偽物の悠太に惚れた気持ちが本物であっては恋愛物語にはなりません。

 まあ、何となく途中から演出と雰囲気は凝っている風ですけどありきたりな話になるのかな、と思っていたらやっぱりそうなんでしょうか。だとすれば昭和の少女漫画でしかありません。演出や場面が、心情の変化とリンクしていないならそれは不要な尺のばしでしかありません。高額バイトはなんだったの?

 居心地の悪い家族ゲームも何のために描いたのか。人間関係が崩壊する場面を描かなくていいのか。義理の母親に裏の顔はないのか。このままではキャラが全員、記号どころかコマに見えます。

 悠太からみた義理の母の気持ち悪さが感じられるので形だけの家族ゲームの総括をするか、父親のせいで男を信じられない沙季の恋愛感情が偽物であるとか、そういうものを期待しているのですが、どうもそういう感じじゃない感じです。

 正直このままくっつくなら「俺ガイル」で陽乃が言っていた醜悪な何かでしかない気がします。徹底的な破壊がどこかにないと、偽物の恋愛感情になるというところまで行きつかなければ、男女の性欲を否定した冒頭の話が単に純愛風味にするための言い訳になってしまいます。だったら、あそこで1回やってしまった方がまだ自然なストーリーでした。

 性的なものも描かない、家族ゲームも総括しない、悠太の裏も見せない、沙季の依存というか幼さ故の完璧主義の果ての身近ですませる恋愛で終わるのでしょうか?

 うーん、なんというか…だらだらずっと日記ポエムで恋愛感情を描写しているつもりなら、もういいかなという気がしてきました。9話ですから微妙ですけど、あと3、4話ですよね?うーん…思っていた100分の1くらい浅いなあ…

 まあ、すこし1話から振り返ってみて私の考え違いがないかチェックすべきかもしれませんが…あのかったるい演出に似たものが単なる雰囲気づくりなら時間の無駄ですからね。何とも… {/netabare}



9話まで中断時レビュー
「意味深長っぽい演出に騙された気分です。「義妹がいることとは?」の心情描写が薄すぎ」

原作1巻を読みました。本作を見ていて感じた違和感、主人公の視点はどう考えればいいのかがわからない理由がわかりました。1人称の小説を(神の視点ではなく悠太カメラの)3人称にしたんですね。そこが謎めいた演出につながって独特の雰囲気になったと。

 原作を読んだ印象は、キャラに実在感がなく、理屈をずっとしゃべっているだけに見えました。1巻が短くて夜這い的なところまででした。その先も入手してしまっているので読むかもしれませんが、今のところどうしようかなという感じです。

「お互い期待しない」のに「高額バイトを探して」と沙季が依頼する部分が代表ですが、いきなりお互いが干渉しあうんですよね。「期待しない」と「金で済ませる」をつなげれば、ドライな関係でいようということかもしれませんけど。

 ただ、完璧主義な人間がこういう言動をするのかなという違和感がやっぱり特に沙季側にあります。身体を売るなら売るで割り切って一人でさっさとやるでしょう。母がバーテンダーとはいえ夜職に理解があるなら「期待しない」義理兄に相談はしないし、まして身内に身体を売るなどという発想にはならないでしょう。
 ジェンダー論を勉強してそこにも完璧であろうとするなら、家父長制に反対すると思います。そして、母の再婚に抵抗しないところでジェンダー・フェミニズムの勉強も中途半端なんだと思います。英語の勉強=自立の準備という思考が安易です。悠太の身売り反対の理屈なんて正直言えばガキのたわごとで、童貞の妄想でしかないです。

 結果、自立というのが甘えにしか見えないです。単純に考えればあとわずかで18歳です。そこから独立するのに高額バイトで準備とか必要ないです。その沙季の甘えが描きたい部分かもしれませんが、それは読み手の妄想で表現されている部分からは読み取れません。沙季がどうやって変化していくのかが日記だけです。3人称にするならそこを丁寧に描いてほしいし、原作の弱いところなので補強しても良かったと思います。

 そして、じゃあ、本作が悠太のことが描けているかといえば、やっぱり聖人というか「僕の考えた理想のすごいキャラを形にしました」的な存在な気がします。この点は原作の方が義妹がいる戸惑いは描けていると思います。そう、義妹がいる戸惑い…どうやってふるまうかの思考ですね。これは1人称ならではです。
 これがあるので原作はまあまあ読めます。会話は説明くさいですけどね。本作は「義妹生活」のテーマであるだろう肝心な「義妹がいることとは?」がぽかっと欠落している気がします。ですので、原作勢は楽しめてもアニメ勢だと何が描きたいのかわからなくなっています。

 また、両親も本作よりかなりライトなノリでこの2人については家族問題の視点はほぼないといっていいでしょう。あとででるかもしれませんけど。

 いずれにせよ、本作に興味をもった演出のやり方ですけどそこに意味性はなく、意味深長に描いていますが単なる雰囲気だと判断しました。沙季の心情を丁寧にすくって音楽や場面が考えられているかと言えば、私はそうなっていないと思います。

 後付けで原作を読んだので余計頭にくるんだと思います。逆なら評価は変わるかもしれませんけど。
 たぶん買ってしまった原作を読んでしまいますのでレビューはこれくらいにして、結末後に追記するかもしれませんが、9話までですと正直期待外れもいいところでした。全部説明してしまっているラノベ故に、文学っぽい演出で心情を表現したいという意図はわからなくはないですが、演出意図に込められているものがほとんど読み取れません。その薄さ故に終わったときに1クールのアニメ作品として成立するかは微妙な気がします。結末は確認します。

 ただ、これは私の印象ですが、悪くとれば原作の1巻1巻の短さをカバーするために演出で引き延ばしたようにも見えました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「幸せな家族のやり直し」と「兄弟姉妹の恋愛」

三河ごーすとによる原作小説は、『MF文庫』(KADOKAWA)で刊行中(既刊11巻、原作未読)。
アニメは全12話(2024年)。監督は上野壮大。制作は、『ログ・ホライズン』シリーズ、『この素晴らしい世界に祝福を!(1、2期)』などのスタジオディーン。
(2024.10.23 投稿)

完全にタイトルからスルーしていた作品。どうせ親の再婚で年頃の連れ子同士が突然一つ屋根の下、お決まりのラッキースケベ展開なんでしょう?と思っていた時期が私にもありました(笑)
各レビュアーさんから、そうじゃないらしいとの情報を得て、さっそく視聴を開始することに。

予め確認しておきますが、血のつながりのある兄弟姉妹の結婚は、日本ではできませんが(※片親のみ血のつながりがある場合は、スウェーデンだけOKのよう)、連れ子同士の義理の兄弟姉妹の結婚は、血のつながりがないので、法律上、何の問題もありません(なお、血のつながりがある場合も、法律上の婚姻ができないだけで事実婚や恋愛まで禁止するものではありません)。

なので、個人的には、義理の兄弟姉妹が恋愛関係になるのはインセスト・タブーでも何でもないと思っているので、世間体があるとしても、「禁忌」というほどの忌避感はないんですよね(※本作に登場する奈良坂真綾(CV.鈴木愛唯)も、「3か月前まで他人で、兄弟姉妹だからといっても「義理」なんだから、恋愛関係を避けることもない」と言っていたので、私だけ変ということではないと信じたい(笑))。

もっとも、本作は、インセスト・タブーを理由として、お年頃の男女が自分たちの恋愛感情を押し殺そうとしているというお話でもないと感じたので、私の感想を書いていこうと思います。


【「幸せな家族のやり直し」と「兄弟姉妹の恋愛」(※ネタバレありの感想)】
{netabare}離婚の際、向こうに離婚の主な原因があるにもかかわらず自分勝手に幼い子供の養育を押し付けられても、それを快く引き受けてしまう人の好い親である浅村太一と綾瀬亜季子。
(※「人のいい人畜無害な男性役」(例えば、『イエスタデイをうたって』魚住陸生役)において私の中で定評のある小林親弘さんと、「幸の薄い女性役」(例えば、『わたしの幸せな結婚』斎森美世役)において私の中で「殿堂入り」を果たしている上田麗奈さんは、はまり役でした。)

もっとも、だからこそ、本作の主人公である浅村悠太(CV.天﨑滉平)と綾瀬沙季(CV.中島由貴)は、親という存在一般に絶望し期待しなくなると同時に、人の好い親の方にはついていこう、そして、こっちの親には、これから幸せになって欲しいと心底思ったことでしょう。

そんな親たちが再婚すると言ったとき、前回の結婚であんなにつらい想いをしたのに、また結婚するの?でも、こっちの親には感謝もしているし、幸せになって欲しい、私のせいで幸せになれないのは嫌だから早く家を出ようとは思ってた。それが少し早くなるだけ。と子供たちは思ったことでしょう。

しかし、初対面での太一の思いやりを感じるさりげない行動(※姓を別にした表札の準備、結婚指輪をしていないなど)に父親を期待してしまった沙季。息子も優しそう。諦めていた幸せな理想の家族が手に入るかも…
だけど、期待して裏切られるのは、もう嫌だという予防線から、悠太に「私はあなたに何も期待しないから、あなたも私に何も期待しないでほしいの」と言い放ってしまう沙季。

色々こじらせた結果、とても「面倒くさい女」になってしまった沙季(笑)。自らの美貌を過剰に周囲にアピールしなければ、確実にクラスカースト最底辺。

そして、沙季のさらなる誤算は、全く期待していなかったはずの義理の兄である悠太が「沙季のことを理解しすぎる」というところ…


本作は、一度幸せな家族を作ることに失敗した親子同士が出会って、前回の家族生活では手に入らなかった幸せな理想の家族を今度こそ手に入れられると期待したのだけれど、あろうことか幸せな理想の家族ならあってはならない兄弟姉妹が恋愛関係になってしまった。

そうすると、幸せな理想の家族を手に入れるためには、例え義理であっても兄弟姉妹が恋愛関係になってはいけないということになる。

もっとも、これは、前回の失敗した家族を初めからなかったことにして、今の家族で家族をやり直すのだという「虚構」を「現実」にしようとすることからくる「禁忌」(縛り)なのだとも思うわけです。
(※私がそう考えるのは、オープニングで悠太と沙季が実際に在りえないはずの一緒にバスに乗って、どこかへ行くシーンを描いていたこと。そして、沙季が幼いころの浅村親子の海での会話を録音したテープを聞きながら、自分もそこにいるような妄想をしていたことなどから。)

沙季があんなにこじらせてしまった原因は、前の不幸な「家族」なのですから、年相応の本来の素の彼女を取り戻そうとするなら、幸せな「家族」をやり直す必要がある。そして、それは育ててくれた親が望む幸福でもあります。

したがって、「理屈」で考えるなら、今までの過去を全てありのままに受け入れてしまえるのならば悠太と沙季は恋愛関係になることはできるでしょう。
しかしながら、手に入らなかった理想の家族、そして、本来の自分という虚構をあくまで追い求めるとするなら、二人が恋愛関係になることは許されないということになるでしょうか。

本人の気持ちは本人が一番わかっていると同時に、一番わかっていないのも本人なんてことはよくあること。二人は、これから上手く自分たちの気持ちを整理できるんでしょうか。2期に期待したいと思います。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 5
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品

【レビューNo.148】(初回登録:2024/10/20)
YouTube漫画原作で2024年作品。全12話。
ここのレビューでも散見されますが、タイトルからすると
「コメディ色の強いご都合主義のいつものやつ」
って思いますよね(笑)
リアタイで視聴していた時は「切るほどでもないが・・・」でダラダラ完走
したって感じでしたが、見返すと意外と悪くない作品だったかも。


(ストーリー)
「”義理の兄(妹)”はただの他人だ」
高校2年生・浅村悠太は父親の突然の再婚により、義妹となった派手な見た目
の同学年の綾瀬沙季と出会う。
2人は
・前の両親の不仲を見てきたために共に男女関係に慎重になっている
・今の両親に心配をかけて家庭を壊したくない
という思いから、都度”擦り合わせ”を行い、「適切な距離感」を保つことを
約束しあうのだった。


(評 価)
・タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品
 同クールに70本程度放映されるのが当たり前となったこのご時世、それこそ
 3話切りどころか1話切りされる恐れもある訳で
 ・序盤からテンポよく畳みかけたり、キャッチーな展開をブチ込む
 ・目を見張る映像美やヌルヌル動く作画など
 最後まで視聴してもらうために各作品も頑張っているようで。
 しかし本作はこのタイパ重視の今の風潮に逆行したような、ある意味挑戦的
 な作品だったのかなっと。

 特徴的なのは作画のカメラアングルですね。
 本作の悠太と沙季の会話劇(擦り合わせ等)なのですが、同じような引きの
 画がメインになっているんですよね。
 イメージ的には家に仕掛けられた隠しカメラで覗き見や観察するみたいな。
 この定点的な視点で、2人のやりとりから距離感等が変わっていく様を淡々
 と積み重ねていくという何とも地味な作品ではあります。
 色調も抑え気味ではありますし。

 その辺りの制作陣の意図に気付けば面白みもでてくるのですが、私もリアタ
 イ時は半分脳死で観てたので微妙な作品だなっと。
 たまたま見返す機会があったので、再視聴したらそういうことかと評価を改
 めたのですが、このご時世になかなか思い切ったことやってるよなっと。


・セリフ回しのセンスがちょっと合わなかった
 個人的に初見で没入できなかったのは、沙季に好印象を抱けなかったのが大
 きいと思います。
 最初の悠太との会話が
 {netabare}「そのユーモア、話し方、表情どれにも強い熱を感じない。~(中略)~
  私はあなたには何も期待しないから~(中略)~この意味あなたなら正確
  に理解できるよね。」{/netabare}
 これがラブコメ感あるツンデレなら可愛げもありますが、初っ端から地雷臭
 のする女だなっと。
 その後も
 {netabare}「こういう”擦り合わせ”ができるの地味に助かる。」{/netabare}
 とか何かと「面倒臭い女」という印象が序盤で定着しちゃったんですよね。
 この辺りは悠太のセリフ回しにも引っ掛かるところがあり、どうも原作者と
 の相性が悪いみたいですね。

 また作品の性格上モノローグが多いのも、「面倒臭い女」と感じる一因の
 ように思いますね。
 あとギャルの恰好をしているのは「社会を渡っていくための武装モード」
 とかいう謎理論も何なんだと。


・義兄妹の恋愛模様は・・・
 こういう題材を扱っていれば当然「義兄妹の恋愛」というのは避けて通れず、
 というかそれがメインだったりするわけで・・・
 本作も上述のように地味な積み重ねから、現時点での2人の”擦り合わせ”を
 描いて終わります。
 作品を通じて感じたのは、「2人の温度感」的なもの描きたかったのではと。
 はじめはぎこちなさがあり低温だったものが、徐々に温度が上がっていき、
 最後は触れ合って2人の体温で終わるみたいな。
 感覚的には「ピュアラブストーリー」というより
 ・「俺は本物が欲しい!」(by比企谷八幡/俺ガイル)
 という人の関係性の根源的なものを描きたかったのかなとも感じましたね。

 ただ総じて理屈っぽさが鼻につき、個人的にはあまり好みな描き方ではなかっ
 たかな。


率直なところ初見ではあまり刺さらなかったものの、腰を据えて見返してみれば
いろいろ気づきのある作品だったかなっと。
ただこれだけアニメが大量に制作される時代ですからね。
序盤からしっかり視聴者の心を掴む工夫がないと、せっかくのよさも伝わらない
のでは?とも思いました。
あと2人の会話劇以外のエピソードとか全体的に弱いのかなあ。


OP『天使たちの歌/fhána』
・OPから作品への期待感を高めるfhánaのこの安定感よ!
ED『水槽のブランコ/Kitri』
・これは作品の余韻をきれいに昇華してくれる良曲

 
(追 記)
これを言っちゃうと身も蓋もないのですが、両親も子供が高2なんだからこんな
微妙な時期に再婚せずに、高校卒業まで待てなかったんかいっと。
コメディ強めの作品ならそのドタバタ劇も笑って許せますが、シリアス度が高い
本作だと、その辺が引っ掛かってきたかな。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 14

90.3 8 高校生で漫画原作なアニメランキング8位
けいおん!(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★★ 4.2 (9692)
36988人が棚に入れました
私立桜が丘高校に入学した1年生の平沢唯は新しいことを始めようとするが何も思いつかず、2週間もの間部活の入部届けを書けずに日々を過ごしていた。同じく1年生の田井中律は幼馴染で一緒に入学した秋山澪と共に軽音楽部の見学に行こうとするが、部員が前年度末に全員卒業してしまったため、4月中に新入部員が4人集まらなければ廃部になると聞かされる。合唱部の見学に来るつもりで間違えて軽音楽部に来てしまった1年生の琴吹紬は、律と澪の掛け合いを聞いているうちに彼女達が気に入り、入部することに同意する。3人は部の存続のため、あと1人を入部させるべく勧誘活動を開始した。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、藤東知夏、米澤円
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

見ればわかるからっ!

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫

原作 - かきふらい (芳文社「まんがタイムきらら」連載)
監督 - 山田尚子
シリーズ構成 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
楽器監修 - 高橋博行
美術監督 - 田村せいき
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
編集 - 重村建吾
音響監督 - 鶴岡陽太
音響効果 - 神保大介
音楽 - 百石元
音楽制作 - ポニーキャニオン
アニメーション制作協力 - アニメーションDo
アニメーション制作 - 京都アニメーション
アドバイザー - 石原立也
製作協力 - ポニーキャニオン、ムービック、
京都アニメーション
製作 - 桜高軽音部、TBS
放送期間 - 2009年4月2日 - 6月25日
話数 - 全14話(本編12話+番外編2話)

(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫



私がまだアニメに興味を持ち始めるかなり前の話。
アニメに興味が無くても周りから聞こえてくる
「けいおん!」の名前。

ふーん、そういうアニメが流行ってるんだ。
なんかオリコンチャートで松田聖子さん以来の
なんちゃら…

アニソンって凄いんだね。

萌えって何⁇

そんな感じでした。

それから数年後、私の部屋のキャビネットの上に
唯ちゃんのフィギュアが鎮座する事になろうとは
私自身予想だにしませんでした。

人生ってわからないものですね…

アニメって基本的にストーリーの起承転結がしっかり
していて、喜怒哀楽を楽しむものだと思っていましたので、
この「けいおん!」を見た時の「怒」「哀」が抜けた
「喜」、「楽」だけの世界が異様に感じました。
多分、受け止め方は個人差があると思うのですが、
私にはその「喜」、「楽」だけの世界が異様でありながら
も心地良く、一緒に楽しんでる気持ちにさせてくれる
不思議な感覚が日常の生活でのストレスから解放させて
くれる魔法だったのかもしれません。

そんな、とある高校の軽音部を舞台に繰り広げられる
「けいおん!」
前年度の卒業生で部員数0となった桜が丘高校「軽音部」
このままだと廃部の危機。軽音部存続の条件は4人。
入部を希望していた田井中律ちゃんが発起人となり幼馴染
みの秋山澪ちゃんを強引に、合唱部と間違えやってきた
琴吹紬ちゃんを見事勧誘。
あと1人となったところで「軽い音楽をする所(口笛とか…)
」と思いのこのこやってきたのが、天然ドジっ娘の平沢唯
ちゃん。
この4人を中心に毎日お茶したり、おしゃべりしたり、また
お茶したり、たまに練習したり、たまにイベント。

後半になると新しい1年生新入部員の中野梓ちゃんも入部。
グダグダな先輩に喝を入れようと頑張る梓ちゃんだけど、
やっぱり彼女も流されグダグダな毎日。

はっきり言えば毎日グダグダな彼女達です。
でもなぜか彼女達だと不思議と許せちゃうんです。
むしろ見ていて楽しい。

その中にある言葉では上手く言えない様なキラリと光る
いくつもの宝石を見つけられるなら、きっとこの作品を楽
しめます。

作画は京都アニメーションならではの丁寧な作りで
主題歌も劇中歌を含め全てが魅力的な楽曲で構成されて
います。
視聴してみてオリコンチャートなんちゃらも納得。

ストレスゼロの魔法のような「けいおん!」の世界。
ゆっくりまったりと楽しみましょうね。



【mio's café】
視聴後に来てくださいね♪
お茶にしましょう(●'ω')_旦~
{netabare}
見ればわかるからって友達に言われ続けてきたけいおん
は、私にとって京都アニメーション製作の2作目の作品。
(1作品目がCLANNAD AFTER STORYでした。)

CLANNAD AFTERであまりにも号泣した為でしょうか、
どんなに友人に勧められても、見ようとしなかった
作品でした。

アニメを見るきっかけになったのが「とらドラ!」で
その次に見たのが「STEINS;GATE」
その後が「CLANNAD」シリーズでした。

ラブコメ王道からSFタイムリープ大作、涙腺崩壊話題作
どれもが面白くて感動して大好きな作品になりました。

そんな3作品を見てからのひらがなタイトルで

「けいおん!」???

ひゃっ…かるっ…
前に名前だけは聞いた事がある。

キャラは何となく可愛いけれど…

最初はこんな印象でした。

この時の私は日常系というジャンルのアニメを視聴した
事が無く、これといった感動も無くただのほほんとした
アニメかなぁという様な先入観だけで敬遠していました。

ある日、あまりの暇さと友人の根気強いプッシュに
そこまで言うんだったらちょっと、さわりだけでも
って感じで視聴開始。

そしたら、なんと!

かわいいんです♡

ジャケットのイラストだけではそこまでかわいいと
思わなかったのに、実際に動画で見ると動く彼女達、
お喋りする彼女達がいちいちかわいいんです。

ここ大事なので、2度言います。

いちいちかわいんです♡

随所に見られる笑いどころ豊富な小芝居もどきの
ボケとツッコミ。

彼女達がやるからこそなんです。

だから「いいんです!」

ストーリーは、はっきり言って頑張らない
グダグダな女子高生の毎日。

本当なら私でもちょっとイラっとくるくらいです。

だけど彼女達、たまに頑張るんです。

だから「いいんです‼」

彼女達だから「いいんです‼︎」

カビラさんがいっぱい出てきたぁ…
あーなんか訳分んなくなってきちゃったぞ〜

私はそんな彼女達に律ちゃん座長率いる

「放課後新喜劇」と名付けました。

本当に彼女達のやる事が秀逸なコントなんです。
原作が4コマ漫画だからかなぁ。

そんな彼女達のお話を見ていて私が最初に凄いと
思ったのはキャラの表情の豊かさはもちろんの事、
一人一人の脚の描写の多さでした。

その脚の形や動きでの個性や感情表現をする手法に
感動すら覚えるくらいでした。

妙に現実的な脚の太さと長さ。
決して良いとは言えないスタイルがまたかわいんです♡
ごめんね…リアルに健康的って意味なんだよ。

背景やキャラの作画もそこは京都アニメーション。
桜の咲く街並み、茜色に染まる校舎、
迫力のライブシーンなど、どれもこれも素敵です。

その中でも、私がすっごく好きなのは、ライブシーンで
唯ちゃんと澪ちゃんが歌う時の横顔の口の動きなんです。

すみません凄くマニアックで…

もう、本当に間近で熱唱している姿を見ている
ようなんです。

けいおん!を見て思ったんですけれど、
横顔の描き方が凄く綺麗だなって。
おデコから鼻、唇からアゴにかけてのラインとか。

そして特に目、しかも眼球なんです!

横顔の眼球の描き方、私的に凄いです。

すみません、またまたマニアックで…

多分、京都アニメーション:堀口さんのキャラデが
私的にピンポイントだったんだと思います。

そしてもうひとつ凄いなぁって思うのが
登場するキャラクターの層の厚さです。

主要5人のキャラ

田井中律、秋山澪、琴吹紬、平沢唯、中野梓

をとりかこむ通称:モブといわれるキャラのレベルの高さで
した。(モブと呼んでいいのかわからないけれど…)

その代表格が唯ちゃんの妹、平沢憂ちゃんです。
多分彼女は他のチームに移籍しても即クリーンナップを
任せられるでしょう。
唯ちゃんがエースなら憂ちゃんは正捕手。
憂ちゃん無しでは唯ちゃんの活躍はあり得ないくらいの
存在。
唯ちゃんとはまた違う癒しキャラです。

その次にやっぱりさわちゃん先生こと、山中さわ子先生。
神出鬼没の彼女、けいおん!の中で唯一の大人のキャラ
かもです。(隣のおばあちゃんを除いて。)
とにかくそのカリスマ性が凄いです。けいおん部OBで
伝説?のギタリスト&ボーカリスト。
どっちが生徒かわからなくなるような時があるけど、
こんな先生いたら楽しいだろうなぁ。

そして唯ちゃんの幼馴染みの、のどかちゃん。
真鍋和ちゃんは頭良くってマイペース。
でも、けいおん部相手に(特に唯ちゃんに対して)繰り出す
シュールな一言が以外と強烈で面白いです。

その他にも憂、梓の同級生の鈴木純ちゃん。
私的には1番のシンデレラガール!
などなどこのモブキャラの充実度は
のちのけいおん‼︎(2期)においてさらに開花していきます。
多分、1チーム作れるくらいです。
(特に3年2組のクラスメートの子達)

OPの「Cagayake!GIRLS」、EDの「Don't say "lazy"」
をはじめ、どの曲もこれがアニメの曲⁈っていうような
素敵な曲ばかりで、曲と一緒に流れるアニメーションも
とても手が込んでいます。
見ていて圧巻の映像で特に楽器の描き方とか凄いです。

律ちゃんのドラム、今日も走ってる〜♪
あずにゃんのカッティング今日もキレッキレだね♪
的な感じで私はいつも聞いてます。
ここが彼女達の音楽を楽しむ重要なポイント。
彼女達は確かにここに存在しているんです。

そんな、いっぱいある曲の中でもやっぱり、
私的に1番好きなのは「ふわふわ時間」かな♡
このタイトルと歌詞が一番彼女達を表現してる気がするし
桜高祭でのライブで何かにつけて思い出がある曲です。

1年生の時の桜高祭での「ふわふわ時間」。

この時は訳ありで澪ちゃんのリードボーカル。
唯ちゃんのコーラスには最初ビックリしちゃって
笑っちゃうけれど、ハスキー唯ちゃんも可愛かったよ♡
あんな状態でも頑張ってる感があって凄くいいです。

でも豊崎さん、凄いです。
どうやって、あの声出してたんだろう…?

澪ちゃんには怒られそうだけど、最後のハプニング!
「しましま時間」も良かったです♡

2年生の時の桜高祭での「ふわふわ時間」は、もうこれは
私のけいおん!の名シーンでも5本の指に入ります。

一言で言うならムギちゃんの超ファインプレー。
ナイスです、good jobです!

そして唯ちゃんの「もう1かぁ〜い」の時のカメラワークが
また凄いです。
あの臨場感がたまりません。
見ていて鳥肌たっちゃいました。

私がけいおんを大好きになった理由の一つが、彼女達と
時間を共有している気にさせてくれる演出でした。

彼女達が音楽準備室でお茶している時も、
合宿に行ってる時も、講堂でライブしてる時も、
いっつも同じ空気を感じれるんです。
同じ場所にいる気になれるんです。

彼女達と同じ空気を感じれる、本当に不思議です。
説明できない心地良さと共感できる世界観とはまでは
いかないけれど、空気というか雰囲気…

あ〜わかんないっ!

これが「日常系」と呼ばれるアニメの魅力の1つ
なのでしょうか。

「けいおん!」も何がいい、どこがいいって言葉で上手く
説明できない珍しい作品なんです。本当に。

だけど、

「いいんです‼︎」

だから、最後に私は声を大にして言いたいです。

とにかく

「見ればわかるからっ!」って。

結局、友達と同じ事言ってるし…



【主な登場人物・出演者】

平沢 唯 - (CV:豊崎愛生)
秋山 澪 - (CV:日笠陽子)
田井中 律 - (CV:佐藤聡美)
琴吹 紬 - (CV:寿美菜子)
中野 梓 - (CV:竹達彩奈)
山中 さわ子 - (CV:真田アサミ)
平沢 憂 - (CV:米澤円)
真鍋 和 - (CV:藤東知夏)
鈴木 純 - (CV:永田依子)


【主題歌】

オープニングテーマ
「Cagayake!GIRLS」
作詞 - 大森祥子 / 作曲・編曲 - Tom-H@ck
歌 - 桜高軽音部
2009年4月22日発売 オリコンシングル4位

エンディングテーマ
「Don't say "lazy"」
作詞 - 大森祥子 / 作曲 - 前澤寛之 / 編曲 - 小森茂生
歌 - 桜高軽音部
2009年4月22日発売 オリコンシングル2位


【挿入歌】

「ふわふわ時間(タイム)」
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - かきふらい/ 作曲・編曲 - 前澤寛之)
歌 - 桜高軽音部
2009年5月20日発売 オリコンシングル3位

「わたしの恋はホッチキス」
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 藤末樹)
歌 - 放課後ティータイム

「ふでペン 〜ボールペン〜」
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 川口進)
歌 - 放課後ティータイム

「Maddy Candy」
作詞 - KANATA / 作曲・編曲 - 小森茂生
歌 - DEATH DEVIL
2009年8月12日発売 オリコンシングル9位

{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 124
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

仲良く楽しく、それがけいおんの魅力

久しぶりにけいおん!を見たので、レビューを書きたいと思います。もう何回見たか覚えていませんが、想像以上に楽しめました。そして、レビューが想像以上に長くなってしまいました。すみません。


◆この作品で伝えたかったこと◆

この作品が描きたかったのは(今さら改めて言う必要もないと思いますが)、『たとえ女子校生でも、軽音を楽しむことができる』だと思います。

私は当時を知らないのではっきりとしたことは言えませんが、この作品をきっかけに、軽音を始める人が続出したみたいですね。ちなみに今でも尚、「けいおん!見て、軽音部に入ろうと思いました。」という話を耳にします(仕事柄)。ほんと、すごい人気ですよね。

私は昔から「aiko」や「ZONE」といった女性バンド(シンガー)を聞いていたのでそれほど驚きませんでしたが、たしかに女子校生がバンドをやるというのは、珍しかったのでしょう。しかもガチで練習しているわけではなく、ゆるふわな女子校生たちがお茶飲んで、おしゃべりして、ときどき練習して、と。

そんな楽しそうな雰囲気に、仲の良い演奏に、気楽にできる軽音に、多くの人たちが惹かれていったのでしょう。


◆この作品に対する批判◆

でもその反面、この作品には批判もあるみたいですね。

一つは演奏技術。あれだけしか練習してないのに、なんであんなに演奏が上手くなっているのか。私は演奏についてはさっぱりなのですが、聞いた話だと相当上手くなっているみたいです。

でもそれはどっちでもいい話で、この作品の、放課後ティータイムの魅力は「彼女たちの仲の良さから生まれる、楽しい音楽」だと思います。たしかに演奏の良し悪しの半分は、演奏技術で決まります。でも、その演奏が心に響くかどうかは、バンドメンバーの心の絆で決まると思います。彼女たちの何気ない日常が奏でる、ふわふわな音楽。そこからあふれ出す、けいおんの魅力。それらを味わえれば、いいんじゃないかと思います。

ちなみに、{netabare}『ふわふわ時間』はいい曲ですね。1期の放課後ティータイムの音楽性をよく表していると思います。新たな発見です。もう一度見返して、好きになりました。{/netabare}


もう一つは、リアル感のない人間関係。以前知り合ったアニメ好きの女性が、こんなことを言っていました。

『けいおん?私、好きじゃないんだよね。仲良いだけの女子なんて、実際はいないし。リアルの女子校は、もっとドロドロしているよ。』

正直、気持ちはとてもよくわかります。私も『Free!』という作品を見たとき、同じような感想を抱きました。

でも、これらにはちゃんとねらいがあると思います。この作品が描きたかったのはあくまで、「女子校生が仲良く楽しく軽音をやる」ということ。だから、「仲良く楽しく」ということに力点を置いたために、ドロドロした描写はほとんど描かなかったんだと思います。てか、そもそもけいおん!は日常系アニメなわけで、そういった要素を求めるべきではないのではないでしょうか。

ちなみに、{netabare}この作品は山田尚子さんが監督を務められましたが(なんと当時25歳)、「仲の良い女子校生」を表現するために、効果音や色彩などを女の子っぽくする工夫をしているように感じました。{/netabare}


◆好きなセリフ◆

{netabare}『わかるよ、みおの足音は』

第11話、りつのセリフ。いや本当に、りつとみおの仲の深さがわかるいいシーンでした。私も家族の足音聞き分けできるので、とてもよくわかります。だからこそ、その前の嫉妬やすれ違いがあるんですよね。演出の方も、重々しい雰囲気の中とても上手く表現していたと思います。(すれ違いの方)

『もう一回!』

第12話、ゆいのセリフ。文化祭でふわふわ時間が歌い終わった後の、アンコール宣言です。このまま終わりたくない、というむぎを初めとした5人の気持ちがよく表れていました。また、順番に演奏する演出のおかげで、それぞれの楽器の音をしっかりと聞けたのもよかったです。

『あっ、あずにゃん2号。どうしたの?どうしたの?あずにゃん2号』

第13話、あずにゃんのセリフ。まず、預かったねこに、「あずにゃん2号」という名前をつけちゃうあずにゃんがかわいい。そして、毛玉を吐き出してるだけなのに、焦っちゃうあずにゃんがかわいい。いや、そもそも、うたた寝しているあずにゃんがかわいい。そう、あずにゃんがかわいい。
{/netabare}


◆好きなキャラ ランキング◆

放課後ティータイム5人の、個人的好感度ランキングです。1期は性格よりも、作品に対する貢献度で決めさせていただきました。

{netabare}同率1位:ゆい
改めて見て、やっぱり主人公は「ゆい」なんだなっと思いました。ゆいがいたから、けいおん!がここにあるんだと思います。

同率1位:みお
あずにゃんの代わりに、1期を引っ張ってきた功労者。いじられキャラとしても、まとめ役としても、その存在感は大きかったと思います。

3位:むぎ
見直してみて、新たな魅力が一番発見されたのがむぎ。お嬢様ゆえの素直さと子どもっぽさが、とてもかわいらしかったです。

4位:あずにゃん
最初は、「あずにゃんのいないけいおん!は、イチゴのないショートケーキだ!」と思っていましたが、1期は1期で魅力がありました。2期以降の活躍に期待です。

5位:りつ
おそらく、2期になっても、映画になっても、この順位のままな気がする。他のキャラに比べて、かわいいポイントが少ないんでしょうね。残念。

ちなみに、ういやさわこ先生も大活躍でした。特に、1期でのういの存在は大きかったと思います。
{/netabare}


◆まとめ◆

正直、1期よりも2期の方がかなり好きです。だから、これまで2期に比べるとあんまり見てこなかったのですが、とても面白かったです。見返してみて、心からよかったと思っています。

私は「日常+音楽=けいおん!」ではなく、「日常×音楽=けいおん!」だと思っています。あれから多くの名作が誕生しましたが、今でも尚、けいおん!のもつ独自の輝きは失われていないと思います。

まだ見てない方は、1期からゆっくりとその独特の魅力を味わってもらえたら幸いです。好きな方は、いっしょに何回も見返しましょう。



今回はいつもより長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。(ちなみに、近々2期のレビューも更新する予定なので、よければ読んであげて下さい。)



◇余談◇

『新しいことに、チャレンジするということ』

{netabare}私がこの作品を見返して印象的だったのが、「ゆいの変化」でした。最初は緊張してぎこちなかったゆいが、最後にはのびのびとあずにゃんに抱きついている。そんなゆいは第12話で、こんなことを言っています。

『ねぇ、私。あの頃の私。心配しなくてもいいよ。すぐ見つかるから。私にもできることが、夢中になれることが。大切な、大切な、大切な場所が。』

中学生までは毎日をぐーたらに過ごしていたゆい。でも、勇気をふりしぼってけいおん部に入部した。怖かったけど。楽器は何もひけなかったけど。

でも、だからこそ、出逢うことができた。夢中になれることに、大切な場所に、大切な仲間に。

以前読んだ本にこんなことが書いてありました。この世の中には「福の神」がいて、その人の人生がより幸せになるような「素敵な出逢い」を与えてくれると。

そのための条件は別にあるのですが、一つは新しいことに挑戦していくことなのかなと思います。最初は上手くいかないことや失敗はあるけれども、ゆいのように一歩踏み出せば、そこに素敵な出逢いが待っている。


私もあにこれのレビューを再開してちょうど1ヶ月くらい経ちますが、本当によかったと感じています。少しですが、毎日の生活が楽しくなりました。これも、みなさんのおかげです。本当にありがとうございます。

これからも好き勝手なレビューを書いていきますし、飽きっぽい性格なのでいつまでで続くかわかりませんが、末永く末永くと願っています。


独りよがりで、恥ずかしい文章をまた書いてしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。これからもどうぞ、よろしくお願いします。


{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 28
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

軽い音楽やってお菓子を食べる、それが『けいおん』!!

10周年おめでとうございます!
10年前かぁ…。私はまだ学生だな。当時はこの作品を知らなかった(アニメ等を観てなかった)のでやたら周りにギター持った子や楽器やりだした子が多かったのはこの作品の影響なのかな?


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全12話【番外編13・14】・30分アニメ)


『唯』の軽音を「軽い音楽って書くから簡単な事しかやらない」って少し「なるほど」と思ってしまいました(笑)
ま、実際は違いますが。
それよりバンドスコア楽譜はともかく打ち込み譜面は難し過ぎません?『けいおん』の作品の楽曲って譜面がおかしい(汗)
てかこれ出来る『けいおん部メンバー』は凄すぎです。ま、私は鍵盤やギター等の弦楽器の譜面などは分かりませんが(苦笑)
…ギリドラム譜面とドレミファソラシドが分かるくらい(汗)(あ、唯と同じかも(笑))


さて、最初から脱線しましたが感想を書きます。

私はあまり片方の性別のみの作品は好まないのですがこの作品は楽しく観る事が出来ました。
正直他作品の『バ○ドリ』よりこちらの方が「音楽(バンド)をやってみたい!」ってなりました。
空気系の王道と言いますか、起承転結はあまり気にせずまったり観させながらも視聴者に音楽をやってみたいと思わせる様な作風はとても好感が持てました。ま、好きになった作品だから私が色メガネになってると思いますけど(汗)


少し簡単に書くと主人公『平沢 唯(ひらさわ ゆい)』が高校に入り部活動を探している時に『軽音部』のビラを見て「軽い音楽って書くから簡単な…」と軽い気持ちで軽音部に。が、その考えはすぐにブチ壊された。辞めようと思ったけど『秋山 澪(あきやま みお)』『田井中 律(たいなか りつ)』『琴吹 紬(ことぶき つむぎ)』の演奏を聴いて『唯』は「あんまり上手く無いですね」とバッサリ(笑)だが『唯』の琴線には触れたみたいで入部、軽音部に。
8話以降から『中野 梓(なかの あずさ)』を加え、ここからお茶菓子とティータイムとおしゃべりとたまに軽音をやる日々が始まる…って感じですね。

…それであの演奏出来るのは羨ましいな。


前に『澪』役の『CV日笠陽子さん』が言ってたんですが、アニメが始まる前、キャラを演じる前に歌収録が先だったらしいと聞きました。だからキャラがまだ分からないのに歌が先なのはどうやって歌えば良いのか…と。
それでED曲「Don't say "lazy"」を歌ったのは凄い+プロだなぁ。…今ではおしゃべりクソバ…あ、マズい(笑)


バンドものだけど別に挫折や成長とか恋愛要素とかジャ○プ作品みたいに熱い展開!とかは無くただただ少女達の日常を観る作品。一応最初の方で『律』が「武道館!」って言ってますが…ね。
ただ何だろう?ちょっと説明出来ないんですが不思議な魅力がありいつの間にか視聴が終わってました。観終わった後は心地良さもありこーゆー作品もあるんだなと。
OP曲、ED曲の良さがかなりのスパイスになってますね。OP曲は楽しさを(梓が後半からギターやコーラス加入)、ED曲はカッコ良さを感じさせて頂きました。
そして楽曲だけじゃなく作画の良さも◎ですね。流石丁寧な仕事をなさる京都アニメーションです。そこにキャラに合ったCVが作品を盛り上げてます!


結構学生の時にバンドやろうとしてる人って「モテそうだから」「楽そうだから」「歌なら歌える」とか色々軽い気持ちでやる人は多いのでは無いでしょうか?ま、きっかけはどんな事でも良いと思います。挫折も仕方ないです。ギターはFコードで躓くしドラムは四肢が別々に動かせないといけない。
ま、ベースとドラムはリズムがズレるとかなり目立つからそこも難しいかな。んでポジション的に目立たないという理不尽さ(苦笑)
でもこの作品を観て、楽曲を聴くとそんなポジションイメージは結構払拭してくれると思います。


キャラ達もサブキャラ含め良かったですね。
各キャラにファンは多そうだなってのが最初の印象ですね。『紬』のマユゲがたくあんて…(笑)
『山中 さわ子(やまなか さわこ)』先生は清楚で優しい人…だったのに。もう誰か貰ってやれよ(笑)
『平沢 憂(ひらさわ うい)』と『真鍋 和(まなべ のどか)』はとてもいい子!…だからなのか『唯』が…『唯』が!?…てか、『憂』は色々ハイスペック過ぎる。
『梓』はもうマスコットですな♪


一応テレビ放送分最終12話は『けいおん』らしい終わり方だと思います。お時間があったり、まったり観たい方にはオススメします。
10年前の作品なので表現が少し古く感じるかも知れませんがそれくらいではこの作品の魅力は崩れないと思います。


そういえば「Don't say "lazy"」は声優『佐倉綾音さん』がカバーしてましたね。事務所の先輩の曲を。
『佐倉さん』は事務所からカバーの資料を貰った時に「ん?バカかな?」と思ったらしいです(笑)
んで『佐倉さん』が『日笠さん』にカバーした事を報告すると『日笠さん』は「え!?あ、そう!良いよ!」と懐の深い先輩でしたと笑い話してました。
多分まだ動画サイトとかにあるので聴いたこと無い方はそちらでどうぞ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、ここからは作品の事ではなく少し今回の事を書こうと思います。作品とは関係ないのでお暇な方で興味がある方はどうぞ。

{netabare}
本当だったら『中野 梓』役の『CV竹達 彩奈さん』のご結婚おめでとうございます!『梶 裕貴さん』とお幸せに!
って書いて締めようと当初は思ってました。

そして文章を執筆してたらニュースが目に入りビックリしました。『京都アニメーション放火・殺人事件(2019年7月18日)』。

正直「は?」と思いました。
映像を観て嘘でない事が分かり絶句しました。
仕事があったので数日後に京都伏見に行ってきました。近場に行くと色々と嫌な臭いが鼻を刺激しました。何も出来ないけどせめて献花と手を合わせてきました。

後日クラウドファンディングに『京アニ支援』みたいな募金サイトで良いのかな?そこを見つけ微々たる物ですが少しだけ支援させて頂きました。どうか何かのお役にたててくれれば幸いです。

私はまだアニメ等を観だして数年でそこまで知識はありません。ですが京都アニメーションの丁寧な作画は当時名前も知らなかった私でも絵だけは知ってました。それだけ魅力があったと思います。

亡くなられた方々にはお悔やみ申し上げます。
重軽傷の方々は怪我の回復やメンタルケア等を。ただアニメーターとかって1種の職人みたいな物だから感覚とか利き腕とかありますしそこも心配です。
助かった方も数人いらっしゃるみたいですね。その方達もメンタルケアを大事にして下さい。
残った方も同僚を失うのは非常に辛かったですよね。

京都アニメーションの作品に携わった声優さんもコメントしたり出来なかったりしてますね。出来ない人は仕方ないとこもあると思います。著名人なので一般人とは違い発言力があるので言いたくても言えない場合があると思います。
その中でも『平野 綾さん』や『豊崎 愛生さん』はコメントやラジオで発信してましたね。
『豊崎愛生のおかえりらじお』では数分『豊崎 愛生さん』が声を震わせ、本当に辛そうなのに自分の言葉として発信して凄いと思いました。

今手掛けてる作品もあると思うしこれから手掛ける作品もあると思います。応援する事しか出来ませんが今は今出来る事を無理なくやって下さい。

最後にお亡くなりになった方にはお悔やみ申し上げます。重軽傷の方には1日も早いご回復をお祈りします。
{/netabare}


最後まで読んで頂きありがとうございました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13

88.7 9 高校生で漫画原作なアニメランキング9位
月刊少女野崎くん(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (3224)
16022人が棚に入れました
無骨な男子高校生の野崎梅太郎に恋をした女子高校生の佐倉千代は、ある日、勇気を振り絞って告白するのだが、想いは上手く伝わらず、気が付くと彼のとあるお仕事をアシスタントとして手伝うことに…。男子高校生でありながら人気漫画家である野崎君を中心に、個性豊かなキャラクターたちが織り成す少女マンガ家コメディー!

声優・キャラクター
中村悠一、小澤亜李、岡本信彦、小野友樹、木村良平、中原麻衣、沢城みゆき、三宅健太、小野大輔、川澄綾子、宮野真守、三宅麻理恵
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

こんなに女性を意識せずに接することができるのか?

原作は最初のほうのみ読んだことあり。

佐倉千代が恋した野崎梅太郎が実は売れっ子少女漫画家でというお話し。

出てくる人物のキャラクターがみな濃い。半端じゃない。

野崎くんは少女漫画を追求しているせいなのかどういったものがキュンとさせるのかを常に探求している。
結構、千代はドン引きしているんだけど、それでも好きでいられるなんてこれが恋の力なのか?
そんでもって野崎くんは女性に対して超近い距離に接近したり、思わせぶりな発言{netabare}いきなり千代を家に招くとか{/netabare}したり、若干デリカシーもないのでは?という行動も見られるわけだが、これって全く女性というものを意識していないからできることよな。一体どうなっているのだ。見ていて凄くもどかしい。
そう考えると女性に対してついかっこつけてしまう御子柴実琴に対しての好感度が高まる一方。なんか可愛い。

あと、結月もちょい苦手なキャラクターだった。あそこまで振り切るキャラクターってなんか凄いけど、個人的にはやりすぎかなあと。基本的には誰を幸せにしているか分からんし。{netabare}歌だけ若松を幸せにしているのだが。そこでカップリングか?{/netabare}

{netabare}鹿島遊と部長の奇妙?な無自覚だけど愛溢れる関係もなんか成就してほしいなとか思った。{/netabare}

編集者も強いキャラクターがいて人のアイデアを自分のものにし、勝手に自分好みの狸を登場させるってコラ。

本当にキャラクターの個性が強くて見ていてもどかしい気持ちにもなっていたが、いい感じの化学反応を起こしていたように思う。
ただ、基本的に千代以外の人間には対して僕は全く共感できなかったので、感情移入しにくかったなあ。主に野崎くん。
僕が女性を意識し過ぎているのかなあ?
男女平等であるべきだとは思うけれど、やっぱり性差は無視できんと思うんよねえ。{netabare}無理矢理コスプレさせようとするとか。あれって好意あっても無理強いされると冷める人もいるかもしれないと思うし、あとは最終話であったが、耳元で囁くなんて男同士でもやらん。まして女性に対してやるのってどうよ?{/netabare}
よく分かんなくなったので、この辺でこのレビューはやめます。

面白いとは感じられたので、見たことない人は見てもよいかも。


OP
君じゃなきゃダメみたい オーイシマサヨシ
ED
ウラオモテ・フォーチュン 佐倉千代(小澤亜李)
元気な感じ溢れるOPが良い。
EDのメロディも癖になりそう。さらに、EDの作詞・作曲・編曲はヒゲドライバーでなんと夫婦!この頃から付き合いがあったのだろうか?


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
無骨な男子高校生の野崎梅太郎に恋をした女子高校生の佐倉千代は、ある日、勇気を振り絞って告白をするのだが、想いは上手く伝わらず、気が付くと彼のとあるお仕事をアシスタントとして手伝うことに……。男子高校生でありながら人気の少女漫画家である野崎くんを中心に、個性豊かなキャラクターたちが織り成す少女漫画家男子コメディー!

創刊号 その恋は、少女漫画化されてゆく。
佐倉千代、16歳。無骨な男子高校生、野崎梅太郎に恋をした彼女は、ある日勇気を振り絞って告白するのだが、うまく想いを伝えることが出来ずに、なぜか野崎のサイン色紙を貰ってしまう。さらに言葉の取り違えから野崎の家に誘われた千代は、突然原稿を渡され漫画のアシスタントをさせられることに……。なんと彼は男子高校生でありながら、「月刊少女ロマンス」で連載中の人気少女漫画家だったのだ。

第二号 新(ニュー)ヒロインをよろしくね♪
野崎が心の中で「みこりん」と呼ぶアシスタントの御子柴実琴を紹介された千代。いったいどんな癒やし系が来るのかと思いきや、やってきたのは「みこりん」という響きからはほど遠いチャラチャラした男だった。挨拶もそこそこに千代に対して先輩アシスタントとして敬うようにと告げる御子柴。しかし、そんな御子柴には隠された一面があるのだった……。

第三号 バイオレンスVSプリンス
「恋しよっ」に新キャラを登場させたい野崎に結月を紹介した千代は、御子柴にも少女漫画のモデルになれそうな知り合いがいないかどうか尋ねる。御子柴が千代に紹介したのは、端正な顔立ちとキザな立ち居振る舞いから「学園の王子様」と呼ばれ、女子生徒に絶大な人気を誇る美男子……ではなく演劇部所属の女子、鹿島遊だった。

第四号 男には、戦わねばならない、時がある。
野崎の家でいつものように漫画の原稿を仕上げていた野崎、千代、御子柴の三人。一日分の作業が一段落したところで、今日はこのまま野崎のところに泊まっていくと言う御子柴。そんな御子柴が羨ましい千代は、二人でいつもどんなことをしているのかを尋ねる。すると御子柴は得意気に主に女のことで相談に乗ってもらっていると話すのだが……。

第五号 恋を「思い」「描く」男子。
ある日、千代が野崎の家を訪れると、部屋がいつもより片付いていた。思わず私が来るから片付けてくれたのかもと妄想する千代だったが、どうやら特に理由はないようだった。そんなとき野崎の携帯に一本の電話がかかってくる。電話に出た野崎は激しく動揺し、より一層部屋を片付けなくてはと慌て始める。どうやら電話の主は野崎の担当編集らしいのだが……。

第六号 魔法をかけて、あ・げ・る (ハート) 
体育館で結月の餌食となっていたのは野崎の後輩の若松だった。バスケ部の助っ人の結月によって散々な目にあっている若松は、野崎に不眠症であることを伝える。野崎は眠れないなら漫画の原稿を手伝って欲しいと告げるが、いざ原稿に向かうと野崎が間違ってかけてしまったローレライの歌声によって、若松は一瞬のうちに眠りの世界に誘われてしまい……。

第七号 漫画家脳野崎くん
めずらしく締め切りよりも早くに原稿が終わってしまった野崎は、漫画から解放された自分の無趣味さを噛み締めていた。そんな野崎を見かねて、千代はお休みっぽいことをしようと遊びに誘う。しかし気軽に誘ってみたものの、もしかしてこれはデートなのではないかとドキドキとほのかな期待を胸にショッピングモールに向かうのだが……。

第八号 学園の王子様(女子)の悩み
最近、堀が自分に対して冷たいと嘆く鹿島に、それはアピールが足りないからだと告げる御子柴。押して押して押しまくれという御子柴の助言に従い、堀を執拗に追いかける鹿島は、ある日、堀の鞄から「恋しよっ」を見つけてしまう。まさか漫画の手伝いのために持ち歩いているとは知らない鹿島は勝手な勘違いをし始め……。

第九号 ドキドキ、たりてる?
雨降りの放課後、傘を忘れてしまった千代と野崎は、少女漫画のシチュエーションを参考に、上着で雨をしのいで帰ろうと試みるが、すぐに雨に負けてしまい戻ってきてしまう。そしてぐっしょりと濡れた上着を脱いだ野崎は、再びこの状況で思いつく漫画のシチュエーションをぽつりぽつりと語り始めるのだが……。

第十号 強まるのは、絆と手綱。
剣さんに次の「恋しよっ」で、若松と結月がモデルになっているサブキャラクターの話を勧められた野崎。そんな野崎の元に「結月から映画のチケットをもらってしまい、どうすればいいのかわからない」と若松が相談にやってくる。野崎は気の進まない若松に対して絶対に行くべきだと思うと答え、若松と結月をデートへと送り出す。

第十一号 米しよっ(ハート) 
コのラブストーリーが展開としていまいち盛り上がらないと悩む野崎は、手伝いに来ていた千代に何かアイディアはないかと尋ねる。びっくりする展開やどっきりする展開はどうだろうかと答える千代。野崎は「実際に試してみるから感想をよろしく」と千代に告げ、学校でどっきりなことを仕掛けるのだが……。

最終号 この気持ちが恋じゃないなら、きっと世界に恋はない。
バレンタインデーに渡すことのできなかった野崎へのチョコレートを冷蔵庫の奥底で見つけた千代。バレンタインデーはとうの昔に終わってしまったけれど、このチョコレートには募り続けている野崎への恋心がつまっているのかもしれない。アシスタントとして一緒に過ごす毎日に満足していた千代の心が再び動き出す。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 17
ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あれ、おかしいぞ…!?

アオハライドよりこっちのほうがキュンキュンしてしまったおれは異常なのだらうか。
どっちも
何考えてるかよくわかんないクールな男子に惚れた女の子が奮闘する、って筋書きだけど
片方は少女漫画、もう片方はコメディだったのに。なぜコメディのほうがキュンときたのか。
きっと心構えの違いだな、うん。
アオハライドはそういう感じだってわかって観てるからそんなシーンになるのも想定内だけど
野崎くんは笑いながら観てたら合間合間で急に来るからね。
神出鬼没のラブコメシーン。
それと
たぶん洸はふたばのこと好きなんだろうなーってわかるけど
野崎くんは本心がよくわからん。
はいはい、どうせ漫画のネタ集めでしょ?…えっ、だよね?そうだよね?えっ、どっちだよ!?ただ一緒に帰りたかっただけって…えええ?!
って混乱する。まさに不意打ちだから千代ちゃんみたいにビックリしちゃうんだろうな


【夏アニメの中でもかなり万人受けするタイプ】
前期のマンアシが個人的には全くツボらなかった。SYD*は女性ボケの下ネタが斬新&ナイスつっこみだったから楽しめたんだなぁと改めて思った。
そんなこともあり、同じ漫画家設定のこれもダメだろうな…と思いつつ観たけど

面白い!そして面白い!!
…しょうもない偏見は一瞬で消え去った。
これは夕方に放送しててもキッズステーションで放送されても全く違和感ない。


少女漫画を読んだことがない人でも笑えるであろう少女漫画のifネタと学校を中心に個性的な登場人物が繰り広げる騒動。
いま何か面白いアニメやってる?って誰かに聞かれたときの答えやすさでは
ばらかもんと野崎くんがツートップの作品だろう。


☆声優
脇を固める有名な声優陣と真ん中にいる新人声優演じる主人公、という最近よく見る構成だけど
千代ちゃんがいい!
いい声してる!
キャラが立ってるというか生き生きしてる感じ。前田亜季…新人さんかな?聞いたことない名前だし、チョイスした人は有能。
萌え〜
あざと可愛い
ブヒイイぃ!って感じじゃなくて
キュートって表現が適している、そんな声です。

最近の若手声優とはまた違った感じで新鮮。

いわゆる日常系の作品は好きだけど、なんか主人公キャラが皆似たような演技になる気がする。
特に最近の作品(観た限りのやつ)はそれぞれ担当する声優が違っていても、どこかけいおん!の唯っぽい声質というか演技になりがちな印象がある。
といっても本作はコメディ作品だし、そもそも男の子に恋してる時点で最初から日常系のキャラとは性質が異なっている。だから演技や声が違っていて当然かもだけど。

公式HPの監督インタビューを見たら
今作が初のヒロイン役らしい。
普通に喋っているときの声が可愛いので、作った声でなく地声でもう一度演技してもらって小澤さんに決まったらしい。
なるほど、そりゃ自然な感じがするわけだ。



以下、印象的だった話の雑多な感想

{netabare}

前野さんめんどくせー!
なぜOPでたぬきが陵辱されているのか不思議だったがそういうワケか!
最近はジョジョ、黒執事、ばらかもんとわりとマトモなイケメン演技ばっか観てたのでこういう小野Dは久しぶりだった。みなみけの保坂以来かな
あれで編集クビにならないのがすごい(笑)
タヌキだらけのマンガも通しちゃうし、前野さんにはなにか不思議な力があるのかも。

少女マンガネタの中でも特に
夏休みスキップする少女マンガには笑った!そんな斬新なのあったら読んでみたい

6話
ローレライとバスケ少年の話はアンジャッシュのコントみたいだった。
あああああ…って身悶える野崎くんが面白すぎる!
この2人も野崎くんと千代ちゃんみたいにいいコンビなんだけど、全然ラブには至らなそう…。
あと鹿島&部長コンビも。
ローレライなのにがさつ過ぎる!鹿島といい、千代ちゃん以外の二人は男子以上に男らしいからなあ。
ローレライを唯一可愛いと思ったのも最終話の若松の想像の中の姿だったし(笑)


7話デート回(デートではありませんでした!)の千代ちゃんは可愛かった
恋する女の子の可愛さがいいね、観ててニヤニヤしてしまう。漫画脳野崎くんじゃ、ぜったいそうはならないとわかっていても
つい期待してドキドキしてしまう千代ちゃん。それが今期さいかわの所以!
凪あすもそうだったけど、やっぱ「恋する乙女」ってのがどんな属性より女の子を可愛くする要素だと思う。
それと、二人の身長差によって
千代ちゃんがいつも見上げる感じになっていて、上目遣いになってるのが可愛さを倍増させているな。

お泊まり回
そのお泊りは少女漫画化されてゆく。風呂上りに突っ立ってるだけで、「前髪下ろしたほうが可愛いよー」の図に変わったのは笑った!
たしかに部長さんは前髪下ろしてたほうがカッコよかったね。
それにしても野崎くんは漫画家の鏡だな。普段も周りの日常会話聞いて少女漫画化してるんだろうなー

友達ん家泊まったとき
24:30くらいの眠いピーク過ぎるとハイになる感じはリアルだった
そんで日が登るくらいに寝るんだよね

最終回

前半のチョコ騒動の話も面白かったし、アイキャッチのタイトル読みが女子ばらばらで男子はぴったり息合ってるのも笑った。でもそんなこと言ってる場合じゃない。
後半の夏祭りがヤバい
ヤバいヤバい!なんでこんなドキドキしちゃったんだよ。自分も千代ちゃんも
野崎くんが漫画脳だってわかってたはずなのに、もしかしてもしかして…?と期待してしまった。
浴衣姿見つめられたり、リンゴ飴食べたり、野崎くんの本心がわかんない〜ってなってからのあれだったし。
いや、もう回想のはさみ方がよかったよね。ジャングルジムの上に持ち上げられるシーンで
初めて出会ったときから今までのこと思い出して野崎くんへの想いが溢れて思わず好きって言っちゃう流れ!
少女漫画かと錯覚してしまうところだよ。あと最終回のタイトルにも見事にやられた!

「この気持ちが恋じゃないなら、きっと世界に恋はない。」
すごい良いタイトルだと思いませんか?
こんな素敵なタイトルを見せられたら、そりゃ何か起こるんじゃないかと期待してしまっても仕方ないですよね。結果は
好きだよ→花火のことかという王道の勘違いパターンでした。
思わず顔に縦線が入る千代ちゃんだけど、その後思わず笑い出してしまいます。
そういうところも含めて野崎くんが好きなんだろうなぁと伝わってくるとても素敵な笑顔でした。
いい最終回だった!

最後に野崎くんの弟っぽい男子が映されたなーわざわざ映したってことは…2期あってほしいな

{/netabare}

【OPED】
まずはじめに一言。
どちらも良曲!!
いやあ、今夏はアニメも音楽も豊作で嬉しいなー。

OP「君じゃなきゃダメみたい」/オーイシマサヨシ

ハナヤマタ、スペダンと並んで
「踊り出したくなるくらいテンション上がる今期三大OP」の一角。
アコギのじゃららんじゃららんというリズミカルさ。イントロからノリノリになれる曲で
野崎くんの周りの楽しい日々がリズムになったよう。
最後の消しゴムとペンで音量のイコライザーを表してるとこがお気に入り。

ED「ウラオモテ・フォーチュン」/佐倉千代(cv:小澤亜季)
♪キライの反対の反対の反対の反対の…
というサビが印象的なこの曲。去年多くの中毒者を出した「回レ!雪月花」と同じ人が作ったらしい。ええ、納得の中毒性です!
可愛らしいEDアニメーションと重なり千代ちゃんが花占いをしている姿が目に浮かびます。
先に述べたように、地声で演じているので歌も自分のままの声で歌っています。作ったキャラ声でこの曲を歌うのは大変そうだし、本当に彼女がオーディションに受かってよかったですね。
この先他のアニメに出るとしたら作った声になるのかな?
歌でも演技でも、できたらまた自然なままの声を聴きたいものです。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 38
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

千代の明るくて、でもちょっと寂しげな笑顔が、好印象

「怪物くん」は全く駄目でしたが、「野崎君」は全然大丈夫でした♪
・・・というより、ヒロイン千代ちゃんの、カラっと明るい感じで、でも何だかちょっと寂し気な、半分諦めたみたいな微妙な笑顔が、愛くるしくて・・・かなり好印象・・・。

これって、典型的な躁鬱質(同調質、循環気質ともいう)の人の表情ですね。
きっと、原作者(椿いづみ)さんが、そういうタイプの人なのか?それとも身近にそういう人がいるのか?・・・と色々と想像してしまいましたが、マンガ(と、それを元にしたアニメ)で、こういうタイプのキャラをここまで上手く描いている作品はなかなか思い浮かばないなあ・・・と。

--★解説コーナー★-----------------------------------------------

◎躁鬱質

デジタル大辞泉の解説
そううつ‐しつ〔サウウツ‐〕【×躁鬱質】

クレッチマーによる気質類型の一。
快活な気分と、憂鬱な気分とが交互に現れる気質。
循環気質。


◎循環質タイプ(Z型) wikipedia

このタイプの人は一般的に社交的で善良、親切で暖かみのある性格の人である。
気分が高揚しているときはユーモアがあり活発に行動する。
その反動からか周期的に沈み込む時期がある。
その状況に左右される思考は一貫性が見られず軽率+思慮が浅いといった面を持つ。
その反面、理解は敏速で自己の過大評価におちいらない限り、社会で最も成功をおさめやすいタイプである。
対人関係においてこのタイプの人は、ユーモアに富んだ性格で人に好かれやすい。
人の間に入って潤滑油的な役割をはたす。
(*参考に-太った体格)


◎循環気質 じゅんかんきしつ cyclothymia ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

循環性格,躁うつ質ともいう。
高揚 (爽快) と憂うつ (悲哀) の間を気分が循環して揺れ動き,精神テンポは活発と緩慢の間で波動的曲線をたどる特徴を示す気質。
ドイツの精神科医 E.クレッチマーの学説で,躁うつ病患者によくみられるが,そのほか正常人でも陽気なおしゃべり,もの静かなユーモリスト,情のある人,のんきな人,精力的な実際家などに多くみられ,一般にこの気質の人は太った体型である。


◎じゅんかんきしつ【循環気質】 大辞林 第三版の解説

クレッチマーの分類による気質の一。
同調性が高く親しみやすい。
陽気で活動的な躁の状態と憂鬱で優柔不断な鬱の状態との間で気分が変動したり、一方に傾いたりする。
肥満型の体型の者に多いとされる。
躁鬱気質。
---------------------------------------------------------------

この手の分類でいくと、野崎君の方は偏執質(※固い信念と強い自信によって支えられている自己中心的な性格。ひとつのことにトコトンこだわり妥協を許さないので、芸術家や技術者・学者として大成しやすい)になるのかな?

対する千代ちゃんの方は、自分の気持ちをいつも後回しにして、相手の気持ちを勝手に読み取り、その成就のために尽してしまうタイプ(※だから、「同調質」ともいいます)。
こういう人は、サポート役として最適なんだろうな。
千代のほかにも、野崎君の周りにはそれぞれ特技をもったサポート役がたくさん集まってきて、憎いなあ!このイケメン野郎!と叫びたくなりました。

そろそろ続編が制作されてもいいころなんですが・・・
何はともあれ、千代ちゃんに幸あれ!


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      椿いづみ(WEB誌『ガンガンコミックスONLINE』2011年8月-連載中)
監督         山﨑みつえ
シリーズ構成・脚本  中村能子
キャラクターデザイン 谷口淳一郎
音楽           橋本由香利
アニメーション制作  動画工房{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=============== 月刊少女野崎くん (2014年7-9月) =============
{netabare}
第1話 その恋は、少女漫画化されてゆく。 ★ 佐倉千代「夢野咲子」先生のアシスタントになる
第2話 新(ニュー)ヒロインをよろしくね♪ ★ 先輩アシ(御子柴君)、KY少女(瀬尾結月)
第3話 バイオレンスVSプリンス ★ 学園の王子様(鹿島さん)と演劇部部長(堀先輩)
第4話 男には、戦わねばならない、時がある。 ★ 御子柴と野崎の徹夜ゲー、御子柴(じゃなく鹿島)の合コン
第5話 恋を「思い」「描く」男子。 ★ 雑誌編集者(宮前剣さん・前野さん)と都ゆかり先生、マミコの気持を考える
第6話 魔法をかけて、あ・げ・る♡ ★ 野崎君の後輩・バスケ部(若松君)と結月、野崎君ダウン
第7話 漫画家脳野崎くん ★ 野崎君と千代の休日デート、美術部モデル(御子柴君)
第8話 学園の王子様(女子)の悩み ★ 演劇部の二人の勘違い、野崎君のドタバタお仕事
第9話 ドキドキ、たりてる? ★ 相合傘イベント、都先生の間抜けなお仕事
第10話 強まるのは、絆と手綱。 ★ 若松君と結月のデート、御子柴の演劇部手伝い
第11話 米しよっ♡ ★ 野崎君のドッキリな展開、男子お泊り会(野崎・堀・御子柴・若松)
第12話 この気持ちが恋じゃないなら、きっと世界に恋はない。 ★★ 千代の5ヶ月遅れのバレンタイン、夏祭りと入学式の思い出、花火{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)11、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3


OP 「君じゃなきゃダメみたい」
ED 「ウラオモテ・フォーチュン」

投稿 : 2025/03/01
♥ : 29

87.3 10 高校生で漫画原作なアニメランキング10位
絶園のテンペスト(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (2722)
15232人が棚に入れました
ある日、魔法使いの姫君が、魔法が使えない無人島に閉じ込められた。またある日、一人の少年が復讐のために魔法使いと契約した。復讐と魔法が織り成す前代未聞の戦いが始まる。

声優・キャラクター
内山昂輝、豊永利行、沢城みゆき、花澤香菜、小山力也、水樹奈々、野島裕史、諏訪部順一、吉野裕行、浅沼晋太郎
ネタバレ

サメロン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

悲しき一人の女性を巡る壮大な物語

キャラクターデザインが凄い好みで軽い気持ちで見始めました。

最初は言葉遊びが凄い印象に残る推理バトル物と思ってましたが
後半2クール目で物語りは一変して
{netabare}鎖部左門とかははじまりの木が世界を滅ぼすと言ってた通りになってしまい
文明がある一定の線を超えるとはじまりの木がそれをリセット(世界)してしまうということでした。
文明レベルは金属など人間が作り出した産物を鎖部の者が供物として捧げることで把握しているということ。{/netabare}
中々思いつくものではない、凄く良い設定だと思います。

実は愛花を殺したのは……
{netabare}絶園の木に選ばれた魔法使いであり、絶園の魔法使いだった不破愛花自身でした。{/netabare}
これには正直予想外過ぎてビックリしました笑
ここで愛花が関係していたのね!

だって
愛花が死ななければ、真広と吉野は葉風に会うこともなく、皆が協力してはじまりの木を倒すこともなかった。
それを瞬時に気づき{netabare}自分(愛花){/netabare}が犯人だと推理する愛花ちゃん凄すぎる!!

そして愛花ちゃんにどっぷりな自分は
死ななくても天下無双の愛花ちゃんが戦えば一人でも倒せるんじゃないのか?
死なないで吉野と平和にいつまでも愛し合っていてと終始考えちゃいました……w

いよいよ物語の最後は
{netabare}羽村がはじまりの木にトドメをさして、偽りの平和から世界が開放される。
愛花の墓参りに吉野と真広が向かう
その行きの電車の途中で愛花が2人に残したビデオレターを再生{/netabare}
もうここからはガチで泣かせに来ましたねw
愛花ちゃんが好きな方はガチ泣き必須なのでハンカチ用意です。
{netabare} 墓参りが終わり、丘から下を見ると吉野を追いかけて鎖部の里から家出して来た葉風がいた。
そして行ってこいと合図する真広
葉風の元に向かう吉野
愛花の声「始まりは終わり、終わりは始まり、では改めて始めましょう。」
    「それぞれが作る。それぞれの物語を」{/netabare}
~感動のフィナーレ~

いやーマジ最後は泣けました!!
愛花ちゃん可愛いし、葉風も可愛いし、二人の魔女を虜にする吉野が羨ましすぎる!!
王道の恋愛推理バトルものでしたね~最後まで見て良かったと思いました。
まあでもシュタゲと同じで最後まで見ないと作品の良さや楽しさは分からないと思います。

【絶園のテンペストをお勧めしたい方】
①現代魔法バトルが好き
②王道な恋愛が好き
③言葉遊びが好き
④シェイクスピアの作品が好き




以下からは各キャラクターの感動する場面&台詞を記載します。

【吉野目線で見てると感動する場面】
愛花ちゃんを思う、吉野の気持ちが嫌というほど伝わって来ました。

{netabare}葉風「大切な者を不合理に失ったのに、お前からは真広のような復讐の意志も激しい憎しみも怒りすらもろくに感じんではないか!」
  「お前の心はどうなっている?一体これまでどうやって生きてきた?」
吉野「復讐を望んで激しく憎んで怒り狂って何が変るんです?」
  「愛花ちゃんは生き返るんですか?」

~違う場面~

吉野「ええ、流石にお墓参りはきつかったですね。でも気持ちを隠すのは慣れてましたから。」
葉風「そうやって笑って、何もかも隠して、お前は幸せになれるのか?」
吉野「よく分かりません。ただ全てが終わるときは悲劇でない結末が訪れるようにと。」
葉風「とうに悲劇だよ、吉野。」
  「惚れた女を失って、普通に悲しむことができぬなど、悲劇と言わずなんと言う!」
吉野「普通に、悲しんだって、どうにもならないじゃないですか。」
葉風「どうにもならなくともやれずにおれんことがあるであろう!?」
吉野「何をやれって言うんですか?」
  「真広に全て話せとでも?愛花ちゃんは僕の彼女だったから、お前よりずっと苦しくて、悲しんでるとでも言えとでも?」
葉風「吉野……」
吉野「愛花ちゃんとのデートに行く直前に彼女の死を電話で知らされて、そこで座り込んで、動けなかったと正直に言えと?」
  「それが何のためになります?」
葉風「せめて私に怒れ!!」
吉野「葉風さんだって苦しんでるでしょ。そんな人をどうして怒れるんですか?」
葉風「相手の気持ちなど構うな!己の望みに正直になれ!!」
吉野「そんなもの……分かりませんよ!!幸せになれる?愛花ちゃんのいない世界で、わからないですよ!ずっと、ずっとどうしていいか分からない!!」
  「どうすれば愛花ちゃんは生き返るんですか!?」
  「どうすればこの不合理な世界は変るんですか!?」
  「葉風さんの首でも絞めれば全部取り戻せるんですか!?」
  「泣いたって、どうにもならないじゃないですか……」

~泣き崩れる吉野~

葉風「泣くがいい、それが自然だ。いくらでも泣くといいのだ。」{/netabare}

自分も吉野のように誰よりも愛する彼女を突然奪われたとしたら、この世界に絶望し、間接が外れてしまうと思います。


【真広目線で見ていると感動する場面】
愛花の墓の前で説教する真広には一人の女性としてではなく、妹として見始めたのが分かりました。

{netabare}真広「愛花、お前にとって人生は誰かに決められたシナリオ通りに演じ、その通り終わらせるもの。だからシェイクスピアの台詞をやたら口にしてたんだな~」
  「でも愛花。俺はお前が間違っていたと言う。お前はやっちゃいけない事をやったし、やるべき事をやらなかった。」
  「誰かのシナリオをなぞることしか出来なかったからお前は間違ったんだ。」
  「でもお前は俺の妹だ。お前の期待通り世界を救ってやるよ。」
  「お前の彼氏は新しい恋人でもできりゃー、完全に他人だが…俺はずっとお前の兄だからな。」
  「愛花、俺は誰かの舞台劇をなぞるような結末はつけねー!ハムレットでもテンペストでもねー!何十年先になるかわからねーが、俺の言葉で俺が決めた結末を描いてやる!」

こんな妹思いの兄がいたら、妹になる人は幸せだろうと思いました。{/netabare}


【愛花目線で見ていると感動する場面】
愛花ちゃんの達観した生き方には驚きましたが、全ては吉野と真広を思ってのこと
とても悲しかったです。

≪21話の愛花が死ぬ場面≫
{netabare}~自殺を止めようとする葉風を気絶させる~

愛花「やれやれ、上手く行かないものです。」
  「ホレイショー、この天地の間には人間の学問には夢にも思い及ばぬ事がいくらでも…あーこれはハムレットの台詞、また吉野さんが気を悪くします。」
  「ここはやはりテンペストからでしょう。近いうちに、差し向かいでご不信を解いてさしあげよう。そうすれば、ここでの出来事は全て、なるほどと納得なさるはずだ。それまでは、心楽しく何事も良いほうに解釈なさい。」
  「納得してくださいよ。吉野さん、真広。」

~目が覚める葉風~

葉風「いや!まだ間に合う!!」
  「頼む愛花、私に最後の機会をくれ!」

~不破家(自宅)で死んでいる愛花~

葉風「どうして?…どうしてこんな事になるのだ?…私が、私が信じて来た理とは、何だったのだ?…」
  「あー……何と呪われた因果か……」

~愛花の置き手紙を見つけた葉風~

愛花の手紙「姫宮へ、私の遺体が発見されたときこういう物は見つからなかったようですから、これは貴方が読み、手にしていることと思います。」
     「封筒の中には、吉野さんと真広へのメッセージが入っています。」
     「はじまりの木を倒して全てが終わった後に、2人に見せて下さい。」
     「ではお疲れ様です。貴方が屋敷に来たという跡を残さない様気をつけてお帰り下さい。不破愛花。」

~愛花のお墓になる場所に駆け出す葉風~

葉風「そうだ、分かっている!私は帰らねばならん!伝えねば…ならん。倒さねばならん。私は逃げることは出来ん…しかし今は…」

~泣き崩れる葉風~{/netabare}


≪24話(最終話)愛花が残したビデオレター≫
{netabare} ~ビデオを再生する吉野と真広~

愛花「ちゃんと映ってますか?」
  「改まって何か言い残すのはあれですが、残さないと真広辺りがうるさそうなので、こういう形で最後のメッセージとさせて頂きます。」
  「既にはじまりの木は倒せたとは思いますが、いくつものイレギュラーが起こっている状況では、その後が大変かも知れません。」
  「まあそこは吉野さんと真広が状況を乗り越える助けとなって下さい。」
  「ええ、それが可能と思うからこそ、私はこれから死ぬんです。」
  「吉野さん、私との付き合いには苦労をかけたと思います。私の性格があれな上に、真広みたいな兄がいたんですから(笑)、大変だったでしょう。」
  「でも、私はおかげで楽しい毎日を送れました。貴方みたいに私を恐れず、いつも味方になってくれると思わせてくれる人がいてくれたことに感謝します。」
  「貴方は例え私が絶園の魔法使いと知っても、全く変らず愛花ちゃんと呼んでくれたでしょう。」
  「真広も、貴方といるときは普通の妹の様にいられて、それにも感謝しています。」
  「貴方はいつも私を気遣い心配してくれました。そんな必要は全くなかったのですが。それはとても心地良いものでした。」
  「真広、私と付き合ってたからって吉野さんをいつまでも攻めないで下さいね!隠さないと付き合えそうにないから隠してたんですよー。腹は立つでしょうから3発だけ吉野さんを殴るのは許可しますが(笑)」
  「私の死を悲しむ必要はありません。私は絶園の魔法使いです。舞台上の役者はシナリオを無視して勝手に動く訳にはいきません。」
  「美しく退場してこそ役目を果たせたと言えます。」
  「だから2人とも、いつまでも私の死に捕らわれないで、愉快に日々を過ごして下さい。」
  「絶園の魔法使いとして、とても得られなかった時間を2人のおかげで得られました。それだけでこの後の死を快く迎えられます。」
  「では今度こそお元気で!」{/netabare}


【気に入った名言&シェイクスピアの台詞】
①彼女っていうの欲しいから作るとかそういうものじゃないだろ。好きな子ができて一緒にいて欲しいって思うから彼女になるんだろ。(吉野)
②例え幾千幾万の兄があり、その愛情全てを寄せ集めたとしても、俺一人のこの愛には到底、及ぶまい。(ハムレット)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13
ネタバレ

にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「揺れない乳は乳じゃない」 追記:自分なりに解説

ある日、1人の少女が唐突に殺された
ある日、最強の魔法使いが樽に入れられ島流しされた

これは、偶然?必然?

そして、彼女がいることをひた隠しにしている吉野と
妹を殺されて魔法使いと契約したマヒロ

この2人がタックを組み世界を導くのは偶然?必然?

未来は、「悲劇」ですか?「喜劇」ですか?

そんな内容でしたね。

魔法使いと人間。
通常なら繋がらない世界の人たち。

「全てのことには訳がある」というアイカの言葉・・・

そして世界の崩壊と同時に再生。
目覚めてしまったはじまりの樹と絶園の樹・・・


まず重要なのが、この世界には2つの樹が存在します。

「はじまりの樹」と「絶園の樹」

はじまりの樹とは・・・ {netabare}
葉風ら鎖部一族が神のごとく崇める大樹で、「創造」の力を司り世界を生み出した樹。
眠っていたはずの樹であり、覚醒するには「はじまりの姫君」である葉風が必要です。

今も世界の条理を支配しており、鎖部一族に魔法の力を貸し与えています。

魔法の力の代償として供物が必要であり、「高度の文明の産物」が必要条件。
これは、現代技術によって作られた物ならなんでもいいそうですね。
ミサイルや空き缶等・・・

一族の一部では、世界の文明がリセットになる危険があると恐れられていた為、
葉風と対立してしまったようですね。 {/netabare}


次に、絶園の樹とは・・・ {netabare}
はじまりの樹と対をなす大樹で「破壊」の力を司り、
世界が創造される中途においてはじまりの樹と争い敗れたことから、
「果実」と言う形に分割され、封印されていましたが、
はじまりの樹が覚醒する前に、
鎖部一族によって世界各地に散らばる果実を集結させて、
絶園の樹を復活させようと試みます。

絶園の樹復活の前兆として、全身が金属化し死亡する黒鉄病が流行し、
いくつかの街が壊滅してしまいますが・・・。 {/netabare}


絶園というぐらいですから、
最初は、はじまりの樹が正義なのかと思っていましたが、

しかし・・・
{netabare}
はじまりの樹は人類を試すため、倒されるために存在し
文明レベルが一定以上に達した時、はじまりの樹は出現する。
そして一定期間の後、人や建物もろとも、その文明を滅ぼします。

絶園の樹は、はじまりの樹を倒すために存在し
出現したはじまりの樹を、絶園の魔法使いの力によって倒す事によって、
文明は助かります。

絶園の魔法使いは基本的には、はじまりの樹に勝てるのですが、
絶園の魔法使いがはじまりの樹を倒せなかった場合、
文明ははじまりの樹によって滅ぼされます。

一応、これが真実のようです。{/netabare}

創造の力を司る“はじまりの樹”と、破壊の力を司る“絶園の樹”。
どちらが正しいのかもう訳分かりません←

作品内容ですが、 {netabare}
葉風は一族を止めるため、孤島から魔具である人形を通して真広に指示を出し、
果実の飛ぶ方向を元に、“絶園の樹”の場所を探らせ、

同時に、アイカを殺した犯人の手がかりをつかむため、
殺害現場である自宅を捜索するも、どうやら鎖部一族にアイカは殺されたと推測。

これで目的は違えど、葉風とマヒロの赴く方向は同じになりました。


時間と空間を超えて2年前にいるという葉風を呼び戻したが、
鎖部一族の中には犯人はおらず、

はじまりの樹の覚醒に合わせて葉風が生まれたように
絶園の樹の復活を感じ、生まれた"絶園の魔法使い"が存在し、
その人物が犯人ではないか?という結果に。

しかし世界は、はじまりの樹による文明破壊が進み何十億人と死んでいました。

はじまりの樹のおかげで、多くが死に、文明は崩壊寸前ですが、
逆に争いごとはなくなりました。
同時に人々の自由もなくなりました。

まったくもって「世の中は不合理」ですね。{/netabare}


この作品は、シェイクスピアの物語 テンペストとハムレット。
この2つの物語を引用することにより
悲劇とも喜劇とも取れる描写となっています。

ハムレット{netabare}
シェイクスピアの四大悲劇の一つ
ハムレットは親を殺され復讐をする。
父の仇と恋人の父を殺し、その悲しみのあまり恋人も死んでしまう。
そして恋人の兄がハムレットへの復讐を誓い、ついでに周りにもそそのかされ、
最後は、みんな死んでしまう悲劇。{/netabare}

テンペスト{netabare}
シェイクスピアの喜劇
テンペストとは嵐の意味で、
復讐を思いとどまり、過去の罪を悔い改めさせ、赦すことを決意する喜劇の物語。{/netabare}


結果だけを述べますが、
{netabare} アイカを殺したのはアイカでしたが、
最後までこれは読めませんでしたね。

被害者であり加害者であったアイカ。

始まりの木を倒すのが使命の絶園の魔法使いアイカ。
アイカが死ぬことにより
葉風に吉野とマヒロを合わせるキッカケとなった。
やはりアイカは死ななければならなかった。

自殺という道を選んだのは、
未来からきた葉風から「アイカの死から始まるこれからの事」を聞いたから。

当初は絶園の魔法使いであるアイカ自身が、倒す予定ではあったものの
そうすると未来が変わってしまい、
絶園の樹の影響である黒鉄病や、はじまりの樹による文明破壊によって
吉野やマヒロが絶対生き残れるという確証はない。

葉風が言っていた未来の話では、吉野やマヒロが生きているわけですから、

吉野やマヒロが100%生き残れる未来を望むと、
死ぬしかないよね。

アイカは恐れられ寂しい人生であったが
吉野とマヒロだけは女の子扱いした。それを守りたかった。
大切な吉野とマヒロの為に命をかける。


絶園がはじまりを倒し。
魔法も消えたが、世界は平和になったと同時に、犯罪は復活したのは事実。
絶園が正しかったのか。
始まりが正しかったのか。
この辺は視聴者も考えさせられますね~


最後はアイカの予想通り
アイカの死を受け入れるが吉野とマヒロでしたが

全部終わった見ろと言われた
アイカからのビデオメッセージ

死を悲しむなというアイカ。
最後までアイカはアイカであり、
シナリオ通りに生きシナリオ通りに死んだアイカ。
アイカも納得してたし、皆納得していた。

結果オーライで喜劇となったのかな。{/netabare}


しかし個人的にはモヤモヤが残った・・・
{netabare} アイカの死は悲劇としか捉えられなかった。

前向きに生きるという最後ではあったが
泣き言を言わないのは性格かもだけど、
アイカの遺体は美しかったな~…

アイカ~(´;Д;`)

マヒロと吉野が泣かないなら私が変わりに泣くぜ!

EDの佐香智久さんが歌う「僕たちの歌」が
吉野とアイカの幸せそうな描写で、

アイカが生き返るなんて、絶対ないって思ってたよ?
思ってたけど願ったっていいじゃないか!!!

(アイカアイカ言い過ぎか私?){/netabare}


始まりは終わりであり
終わりは始まりである

全てが必然的な世界観

謀略 復讐 孤独 疑念 秘密

後々からしっかり繋がってくる
先走って見せない各々の感情が、続きを気にならせる要因となっている。


意外な展開が多くてびっくりして一気に視聴してしまいました。

BGMも素晴らしく、
過去回もしっかりしてたし、重要な付箋もしっかりしていた。



【約束に重さがあるなら…永遠にこない明日の約束…】
【オフィーリアを愛していた。
 たとえ幾千幾万の兄があり、その愛情すべてを寄せ集めたとしても、
 おれひとりのこの愛にはとうていおよばん】

吉野のハムレットを引用した、この言葉が非常に印象的で

【全てのことには訳がある。これも美しい結末の伏線になる】
アイカの語った一言ですが、
本当にその通りの物語でした。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 27
ネタバレ

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

その樹なんの樹気になる樹。

これは正直名作です。
かなり好きな作品になりました。
できれば運営様のお力で「名作」の部分だけでもフォントサイズ5倍で赤い字の表記にして頂きたい!

くらい文字を大にしてお勧めしたい作品です。

世界観の整合性、物語の濃さ、心理の多面性、作画、どれをとっても一級品でした

特に各キャラクターの「物事を俯瞰して見る視点」がリアリティーがあって良かったです。
実際人って、追い詰められた状況で妙に俯瞰してる自分が居たり、十分理性的だと思っていても感情的なオーラが全身から滲み出てたりと、感情と理性が主導権争いをしているもんだけど、その辺がとてもよく表現されていたと思います。

そしてこの物語を覆っている雰囲気が凄く良かった。
大きな原因は作中の重要人物の不在。
そのことが逆にその人物の存在感を強くする。
興味をひく。
まるで作品全体にその人物の存在が拡散しているかのようにじわりと影を落としていく。
映画「桐島、部活やめるってよ」でもそうだし他にもいくつか不在の物語を観たことがあるけど、この不破愛花という人物の不在は心をざわつかせる何かがある。
「禁断」とかそういう類の匂いを作品全体に纏わせている。

きっとそれだけでも面白い物語が1つ出来るだろうけど、そこに止まらず、そのイメージを下地にして謎、魔法、復讐といったエンターテイメントを前面に出し、ときには抑えるなどして安易に展開を読ませてくれない。

主人公の吉野と真広の関係にしても、2つの木の解釈にしても、ちょっとしたことに「印象が劇的に変化する要素」が含まれていて、視点を変えるだけで答えが180度ひっくり返ってしまう。

魔法が謎に影響を与え、謎が復讐に影響を与え、復讐が魔法に影響を与え、そうやって常に何かと何かが影響し合っていて、1つの出来事でいろんな解釈が生まれる。
更に感情の揺れまでもが物語の核心に大きく影響を与えていて、その中の1つでも読み違えると物語全体を読み違えてしまう。

正直、重要な謎はほとんど読めなかったんだけど、明かされたときは驚き、納得できた。
ここは謎に翻弄された自分にグッジョブ!と言いたいw
そう、物語の謎は解けそうで解けないくらいが1番面白いんだから‥(真顔)
できれば今から視聴しようと思ってる方にもこの心地よさとちょっぴりビターな敗北感をあじわっていただきたい(真顔)

そう、物語の謎は解けそうで‥(以下省略)


キャラデは男性女性の両方を意識したような方向性で、個人的にはかなり好きなタイプでした。
最初にも触れた不破愛花は中学生とは思えないほどの媚びない感じと、美しさと、謎と可愛らしさと、そしてなんといっても不敵さを兼ね備えた、ちょっと他のアニメでは見たことない感じのキャラデでした。
当初想像した以上に好きなキャラになって嬉しい誤算でしたw

特に彼女のまっすぐなのに含みのある表情には、大人でも「‥ま、参りました‥。」と意味なく降参してしまいそうな強さを感じてしまいました。

作画ほんと良かったと思います。
個人的にあんまり好きになれないのが異世界設定なんですが、この作品の場合「現実世界に異質な現象が起きた。」という体の表現になっていて、かなり自分好みの設定でした。

ただ、現実と異質を混在させると作画の粗が目につきがちですが、この作品の場合、ディテールまでかなり丁寧に描かれていて、素晴らしかったと思います。

最後にシリアスを利用したラブコメには笑かしていただきましたw
でれ葉風最高(´▽`)ノ♪(笑)

因みに‥
最初、というか中盤まで葉風のことを博士と勘違いしていて、しかも名前を(魔法使いに博士って斬新w)という意味で気に入ってたことはここだけの秘密。。

まぁ、重要な場面で若干説明的すぎ。と感じる部分もありましたが、文句なしのお勧め作品です。


※視聴前の方、ここから先は決して覗かないで下さい。

{netabare}

ネタバレ雑記、殴り書きですw

葉風の「これはなにか?!世界の命運を賭けたラブコメか?!!」
など、ラブコメ要素のセルフ解説にはめっちゃウケましたw

通常、もったい付けて、満を持して登場するキャラのプレッシャーってスゴいと思うんです。
しかも20話も引っ張っての登場とかもう‥始まりの樹本体に匹敵するほどのハードルの高さでしょう?!
制作としてもよっぽどの自信がないとこのプレッシャーには耐えられないでしょう?
実際もったい付けて撃沈した真実なんて掃いて捨てるほどある。
さすがにビビったか、その前に何のフラグか意味深なこと言ってるわけですよ。

「1番恐いのは真実がつまらないこと。」

‥そう、往々にして真実なんてつまらない。。
だってこれだけ引っ張って‥散々犯人を推理して、いろんな可能性を考えて…驚きの真実とかあるわけない。
そりゃそうだ。。最初に言っとくのが正解だ。
大丈夫。オレならストーリーの為に敢えてこの事件をつまらなく終わらせるという選択を受け入れる準備はできてるよ♪

‥と優しく思ってた頃がボクにもありました。

結果、完全に驚きました!
つか、葉風と愛花がすれ違うまで気付かなかった自分にビックリしましたよ。。

なんでその可能性を除外してたんだろうって( ̄∇ ̄)‥


文明と魔法のパワーバランスの話は秀逸でした。
なぜ防御魔法なのか?とか設定に唸った点をあげたらキリがない程です。
世界の大国が意外とおとなしかったのは突っ込みたくもなるけど、その理由まで説明できる魔法の設定は驚愕のレベルですね。

前半フロイラインってかませ犬?赤髪ロン毛動揺しすぎ‥なんて思ってましたw
まさかそれすらギャグにするとは俯瞰能力半端なさ過ぎw

最後に‥
愛花の選択については‥へなちょこの新絶園の魔法使いの言うとおりでしょうね。。
未来を知らない状態の愛花が、手に入れた大切な日常を壊す危険を冒してしてまで真広や吉野に自分の運命の話をすることはないだろうし、辻褄で考えれば愛花の選択は正しい。。

けど、身近な人にとっては愛花の選択は間違ってる。。
誰もがもっといい選択肢は無かったのか?と思う。

不毛にもタラレバを言えば、未来から来た葉風と愛花がもっと早く会っていれば、違った選択肢もあったかもしれないね。。
その場合、もっと最悪の結果も考えられるだろうけど、奇跡が起こるかもしれないという選択肢が。。

でもまあ、それはやはり不毛な話。

受け入れがたい最後だとしてもリセットなど出来ないし、最善の選択をできなかったからといって過去を変えられる訳でもない。

それはもう起こったことで、変えれるのは未来だけ。というお話なのでしょうね。


以上です(`v´)ゞ!

{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22

86.3 11 高校生で漫画原作なアニメランキング11位
ハイキュー!!(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1753)
9338人が棚に入れました
ふとしたきっかけでバレーボールに魅せられた少年、日向翔陽。
部員がいない逆風にも負けず、やっとの思いで出場した
中学最初で最後の公式戦で、日向のチームは「コート上の王様」
と異名 を取る天才プレイヤー、影山飛雄に惨敗。

リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩いた日向だが、
何とそこにはにっくきライバル、影山の姿が!?

青春のヒリヒリもイライラワクワクも詰め込んで、
熱血青春バレーボール物語、いざ開幕!

声優・キャラクター
村瀬歩、石川界人、日野聡、入野自由、林勇、細谷佳正、岡本信彦、内山昂輝、斉藤壮馬、増田俊樹、名塚佳織、神谷浩史、田中一成、浪川大輔、吉野裕行、中村悠一、梶裕貴、立花慎之介
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

爽やかで程よい熱さ!スポーツに疎い女子でも観やすい、割とリアルなバレーボール部活アニメ!

原作未読。全25話

★最後まで観おわったので、大幅に書き直したいところですが、余裕が無いので、マイナーチェンジです。以下は、22話くらいまで観たときに書いたものプラスαです。


昔みたいな根性ばっかりのスポ根アニメじゃないから、とても観やすいです。
スポーツアニメが苦手な人でも、万人におススメできる良作です。

みんな個性的なキャラで楽しい。
黒子のバスケも面白かったけど、こっちの方が爽やかで雰囲気がいいんです。
さすが、TBSの夕方枠。

嫌なヤツが、全然出てこないところが、とっても好き!
ちょっと憎たらしい奴はいても、ライバル含め、心底やなやつはいません。

マネージャーの清水さんの軽めのツンキャラが可愛いね♡

バレーボールはもとより、スポーツ観戦にあまり興味がない私でも、楽しく見れる。

笑えるところもいっぱいで面白いし、感動できるし、その感動も爽やかな感動!

これを観てて、すぐに思い出したのが、大好きだった、「おおきく振りかぶって」。
メインキャラの二人が、どことなくキャラかぶってる気がする(笑)

最近のスポーツ部活ものでは、「弱虫ペダル」も面白いけど、熱すぎるところと、
ちょっとデフォルメが強すぎて、漫画ちっく過ぎるし、男臭い感じが強すぎますね〜。
(↑いかにも男子が好きそうな感じですが…)
ハイキュー!!の方が、リアルで爽やかなでのでどちらかとゆうと好みです。
単純にカッコイイですしね〜ヾ(´▽`*;)ゝ
女子にとって観やすい反面、男子にとっては、今までの少年マンガ系のスポーツものと違うな〜って、違和感を感じるかもしれません。

「黒子のバスケ」も結構好きでずっと観てた。
これも女子向けって言われてるの知らないで、少年マンガ系のスポーツものにしては観やすいなぁと思って観てた。

でも、黒子とは方向性が違うような気がするし、ハイキュー!!の方が、現実味があり万人向けで、
より明るく健康的で観ていて楽しいので、
真面目なスポーツものの作品としてよく出来ているような気がしてきた。

バレーボールのアニメって、意外にありそうでなかった気がする。
特に男子ものは、初めて観たかも。

バレーって意外と奥が深い。バレーのことがとても真面目に丁寧に描かれているし、ポジションの役割とかその立場の人の気持ちとか、すごく詳しく分かって、こんなのは初めて。

キャラが心情を全部しゃべりすぎ、とゆう意見もありましたが、
そのおかげで、いまままでのアニメでは分からなかったようなことまで、
私のようなバレーボールやスポーツに詳しくない人間でも、小さい子供でも、
勘違いなく理解できるのは、良いことだと思う。

バレーのシーンも迫力があって素直にかっこいいし、作画もとても丁寧でリアルだし、
アングルとかカメラワークとかアニメの良さを存分に活かして表現していて、
ジャンプして空中で一瞬止まるポーズとか…、色々、当然リアルよりカッコイイ!!
特に影山のトスが上がって日向がスパイクするところ。超気持ちいいです。スカッとします。

17話「鉄壁」の試合シーンは、{netabare}特に最後の攻撃は鳥肌ものですごかった!
今までの色々がうまくはまって実を結んだ囮&攻撃で、私までドヤ顔してしまいそうでした(笑)。
BGMもとても良かった。{/netabare}

兎に角、観ていて清々しい。

キャラでは、俺様キャラで頭のキレる影山くんがやっぱり一番好き♡だけど、
日向のまっすぐで前向きな感じは、元気がもらえていいなって思うし、素直で純真で本当にいい子なので、弟にしたいくらい。
他にもたくさん、個性的で、笑わせてくれたり、魅力的なキャラがい〜っぱい。

このアニメ、以上に女子率が低いので、やっと女子バレー部の可愛い女子キャラも出てきて、これからもっと色々って思ったら…。
アレレ、もうすぐ終わっちゃう。

終盤は、たっぷり数話にわたって繰り広げられる青葉城西との試合シーンは、バレーばっかりなのに全然飽きない。本当に見応えありました。
バレーってこんなにかっこ良かったなんて知りませんでした♡

終わっちゃうの寂しい。
でも、たぶん2期ある。だっていい作品だもの!

原作に追いつかない様に少し間あけて、2期ある感じかな?


ちなみにキャラクターデザインは、{netabare}『デュラララ!!』でキャラクターデザインを担当した岸田隆宏さんだって、どこか何かに似た感じって思ってたけど、それでだったんだ〜♪
原作があるので、それを基にしてるにしても、やっぱりどこか雰囲気がでてますね。特にサブキャラたちに…{/netabare}


★誰か教えて→原作読んでる人
{netabare}原作は、12巻まで出てて連載も継続中とのことですが、話数でゆうと現在何話くらいまで描かれてるのでしょうか?
アニメと原作の対応がWikiに載ってたのですが、それが、どのくらいのところにあたるのか分からなかったので、気になりました。{/netabare}

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■参考情報他
次世代王道スポーツ漫画が早くもTVアニメ化! 制作は、あのProduction I.G! 少年たちの躍動感あふれる激闘を見逃すな!

<ストーリー>
{netabare}バレーボールで「小さな巨人」を目指す日向翔陽は、中学最初で最後の公式戦で、「コート上の王様」と呼ばれる天才・影山飛雄に惨敗する。しかし新たな目標を見つけた日向は、影山にリベンジするべく、烏野高校で引き続きバレー部に入部する。しかし烏野の体育館には、その影山の姿があった。{/netabare}

TBS系 4/6(日) 17:00~
{netabare}「マギ The kingdom of magic」→「本作」→「七つの大罪」{/netabare}

1話「終わりと始まり」
{netabare}2話「烏野高校排球部」
3話「最強の味方」
4話「頂の景色」
5話「小心者の緊張」
6話「面白いチーム」
7話「VS大王様」
8話「“エース”と呼ばれる人」
9話「エースへのトス」
10話「憧れ」
11話「決断」
12話「ネコとカラスの再会」
13話「好敵手」
14話「強敵たち」
15話「復活」
16話「勝者と敗者」
{netabare}インターハイ1回戦目、烏野は常波を相手に優位に試合を進める。
実力差を感じながらも、諦めずにボールを繋ぐ常波。別会場では、劣勢の烏野女子バレー部が、道...{/netabare}{/netabare}
17話「鉄壁」
{netabare}18話「背中の護り」
{netabare}日向と影山の『変人速攻』を軸に、伊達工をリードする烏野。
だが伊達工のブロックも青根を中心に、烏野の攻撃に対応しはじめる。そこで問われるのは、エース...{/netabare}
19話「指揮者」
{netabare}3回戦進出を決めた烏野排球部の相手が、青葉城西に決まった。
及川率いる青城は、練習試合のときよりも格段に滑らかな連係プレーを見せる。一方、繋心は及川の...{/netabare}
20話「及川徹は天才ではない」
21話「先輩の実力」
{netabare}烏野のかみあわないプレーを見て、試合のリズムを変えるためセッター交代を決める烏養。
影山に代わりコートに入った菅原は『コートの外から見ていたからこそ...{/netabare}
22話「進化」
23話「流れを変える一本」{/netabare}
{/netabare}

OPテーマ1:「イマジネーション」SPYAIR
EDテーマ1:「天地ガエシ」NICO Touches the Walls
OPテーマ2:「Ah Yeah!!」スキマスイッチ (第15話〜)
EDテーマ 2:「LEO」tacica (第15話〜第23話)

<CAST>
{netabare}日向翔陽:村瀬歩
影山飛雄:石川界人
澤村大地:日野聡
菅原孝支:入野自由
田中龍之介:林勇
東峰旭:細谷佳正
西谷夕:岡本信彦
月島蛍:内山昂輝
山口忠:斉藤壮馬
縁下力:増田俊樹
清水潔子:名塚佳織
武田一鉄:神谷浩史
烏養繋心:田中一成
及川徹:浪川大輔{/netabare}

<STAFF>
{netabare}原作:古舘春一/集英社「週刊少年ジャンプ」連載
監督:満仲 勧
シリーズ構成:岸本 卓
キャラクターデザイン:岸田隆宏…『魔法少女まどか☆マギカ』、『デュラララ!!』
総作画監督:千葉崇洋、海谷敏久
アクション設定:甲斐泰之
美術設定・美術監督:立田一郎
CGディレクター:田村和弘
色彩設計:佐藤真由美
編集:植松淳一
音楽:林ゆうき、橘 麻美
音楽制作:東宝
アニメーションプロデューサー:松下慶子
アニメーション制作:Production I.G{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 34
ネタバレ

智慧ノ輪 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

個人用メモ

【製作】
Production I.G
【CV】
日向 翔陽 - 村瀬歩
影山 飛雄 - 石川界人
澤村 大地 - 日野聡
菅原 孝支 - 入野自由
東峰 旭 - 細谷佳正
西谷 夕 - 岡本信彦
田中 龍之介 - 林勇
月島 蛍 - 内山昂輝
山口 忠 - 斉藤壮馬
縁下 力 - 増田俊樹
武田 一鉄 - 神谷浩史
清水 潔子 - 名塚佳織
烏養 繋心 - 田中一成
道宮 結 - 瀬戸麻沙美
{netabare}
※タイトルそのまんまバレーボール題材のスポ根もの。
日曜夕方に放送ってのが相応しい爽やか青春ストーリーは、おいらみたいな穢れた人間には眩しいぜw

おいらはバレーボールの経験は体育の授業程度しかなかったけど、結構のめりこんで観れたので、経験有り無しに関わらずオススメできる作品だと思います。

こういった作品は登場人物が多くなりがちだけど、どのキャラも個性あって魅力的なのでお気に入りのキャラが絶対見つかるハズ。
おいらはなんつっても田中さんがツボすぎたw
ムードメーカーな愛すべきおバカキャラ…三枚目な立ち位置なんだろうけど、おいらにとっちゃ一番輝いてたっす!田中先輩!!一生ついて行くっス!!!
{/netabare}
ここから先は、おいらにしては珍しく(笑)真面目に考察(っぽい事)してます。
「似合わない事せずに、いつものネタオンリーで行けよ!」って意見が聞こえてくる気がしますが…たまにはこういうのもいんじゃね?って感じで大目にみてやってくださいな☆
(軽いネタバレも含まれますので未視聴な方は注意してね)
{netabare}
『団体競技における【和】と【個】』

おいらはこういった団体競技のスポーツを扱った漫画(アニメ)の場合、大きく分けて2つの「チームの作り方」があると思っています。
その①「まずチームワークを固めてから、個人練習や合宿等で個人の能力を伸ばして勝ち進む」パターン。
その②「ずば抜けた個人能力を持つ主人公が(チーム内で浮いた存在ながらも)試合で結果を出し続ける事により、徐々に信頼を得てチームが結束して行く」というパターン。
つまり『鶏が先か玉子が先か…』じゃないけど、『【和】が先か、それとも【個】が先か』って事ですねw

このハイキューという作品は、前者の『まずはチームワークを固めてから』というチーム作りになっています。
最初はW主人公の「身体能力は高いがド素人」と「期待のルーキーだが性格に難アリ」な2人をまとめる話から始まり、「過去に問題を起こした2年生」の部への復帰エピソード、そして「新入生にレギュラーを奪われた上級生の葛藤」な話へ。

王道って言っちゃあ王道なんですが、これって日本人向きな(日本人にウケる)話の展開なんですよねw
日本の中学、高校の部活指導者に『まずはチームワークから』っていう考え方な人が多いせいもありますが、上で挙げた【個】重視の場合は、試合で結果を出し続ける事で一致団結→つまりは勝利が絶対条件!になってしまう場合が多く、(序盤の試合で)負けて悔しいから上を目指して頑張るって展開がし難くなっちゃう。
日本には古来から「負けの美学」なんて言葉もある通り、勝利至上主義がウケる国民性じゃないんですよね。
結構有名な漫画でも、主人公のチームが勝利した数より敗戦数の方が実は多い…なんてのもあったりしますしw作品名は伏せておきますがw

このハイキューという作品が人気なのも、もちろんキャラクターの魅力や白熱した試合内容等も大きいですが、チーム作りを【和】から先にしたっていうのもあるのかなーと思ったんですw


ここから先は少し荒れる可能性がある話題なので、一応ネタバレタグで伏せておきます。
{netabare}
チーム烏野のメンバーって、おおまかに言っちゃうと
1年:潜在能力が高い素人、団体競技に不向きな性格の大型新人
2年:過去に乱闘事件を起こして休部中の人
3年:全国大会出場を目標にしている主将、3年間地道に頑張ってきた温厚な性格の先輩
…って感じかな?
それにプラスして、上で述べた序盤のストーリー展開(最初はW主人公の「身体能力は高いがド素人」と「期待のルーキーだが性格に難アリ」な2人をまとめる話から始まり、「過去に問題を起こした2年生」の部への復帰エピソード、そして「新入生にレギュラーを奪われた上級生の葛藤」な話)

纏めてみたらコレって…ある漫画(アニメ)と酷似してるって思いません?おいらだけかな?
おいらは日本を代表する部活動漫画との声も高い『スラムダンク』と似てるって思っちゃったんすよねw

まぁでも似てると言っても、おいらは「パクりだ!」「いや違う。オマージュだ!」とかの議論がしたい訳じゃないんですよw
(個人的には過去の乱闘事件で登場したアイテムが折れたモップってとこから、作者に隠す気がないっぽいので「オマージュ」だとは思ってますが)
それよりも、こんなにも似てる設定なのに登場キャラの『人気投票結果』に違いがあるって事に注目して欲しいんです。

スラムダンクは、人気投票を公式で2回程行っているんですが、どちらも1位を獲得(しかも2位に結構差をつけて)したのが主人公の桜木花道でした。
それとは逆にハイキューでは、第1回人気投票の1位が影山、2位が日向で3位西谷…という結果で、第2回では1位日向、2位菅原、3位が影山…とバラけてるんです。
得票数の差も上位陣は接戦で、次回は誰が1位をとるのか予想し難い状態。

この結果の差は、主人公キャラの魅力の違いっていうのが一番だってのはもちろんなのですが、おいらが思うに『競技の素人枠』の違いっていうのも関係あるんじゃないかなーと。

スポーツが題材な作品に限った事ではないんですが、専門的な知識等が必要な場面で読者にわかり易く説明する為に『解説役』と『解説される役』ってのが出てきます。
ここでおいらが目を付けたのが『解説される役』です。
スラムダンクの場合、競技の素人って設定なのが、主な登場人物では花道だけなんです。
なので必然的に『解説される役』となり、バスケの基本ルールだったり基礎練習の重要性だったり累積ファウルでの退場(ファウルトラブル)だったりを主人公自らが学び、解決していくカタチになります。
比べてハイキューの場合は、同じく素人枠として主人公の日向がいるんですが、それ以上にバレーボールの知識が無い人として顧問の武田先生を登場させ、『解説される役』にしてるんです。
武田先生以外でも、応援席のMOBの女の子達だったりと、徹底して選手以外を『解説される役』にしています。

『解説役』の人は、『解説される役』を通して一般読者に説明してる訳ですから、読者側は自然と『解説される役』の立場に自分を重ねやすくなっちゃうんですよねw
その読者が自分と重ねてしまう役目を選手(主人公)ではなく顧問の先生(脇役)にする事によって客観視させる事になり、好きなキャラをよりフラットな状態で選ばせる事に成功しているんじゃないかな?と。

これをわざと設定したのなら、原作者の古館先生って凄い策士なんじゃないか?って思ったんですよ。
こういう登場人物が多い作品は人気キャラが1強ってよりも、沢山のキャラが人気あるって方が、サブストーリーも盛り上がるし物語に厚みが出ますからね。

原作も続いてますし、2期も2015年秋からの放送も決定…楽しみですなぁw
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15
ネタバレ

Nagi* さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ちこくーっ ちこくーっ 急いでいたら~♩

『 食パンくわえた潔子さんとドーーーンッ♡ 』
            song by Tanaka(笑) 

これが【ハイキュー】の全て。 以上

ってのは半分冗談ですwww

あ、ちなみにこの名ゼリフ
声優さんのアドリブだそうですよ(゜_゜)驚



ハイキューとは、
高校生がバレーにかける熱すぎる想いを描いたアニメのこと

 以前バレーをやってた人には、懐かしさを
 今まさに頑張ってる学生には、勇気を
 バレーを知らない人たちには、バレーの魅力を…

 全25話中、そのほとんどをギャグが占めており
キャラクターが魅力的なのはもちろん
素晴らしい演技力の声優陣が拍車をかけ
年齢、性別を問わず人気が出ている。

 (私を含め)続編を期待する声もかなり多いが
2クール使って濃密な25話だったため満足感があり
“スポ根アニメ代表”と言っても過言ではない。(断言)

 よって、物足りないから続編を!!…ということでなく
ただ、純粋に、彼らの成長を見届けたいがためである。

 この作品を見ていない人なんていないと思うが
もし、万が一、未視聴だとしたら
是非っ!!!!この感動を味わってほしい



感想はネタバレ込みで後述するとして
ハイキューの魅力を少し紹介します(*^_^*)

*リアル
 とにかくリアルすぎる。
 バレーの練習風景、部の雰囲気、試合
 全ての表現力が素晴らしい…!!
 主人公2人はおいといて、あり得ない設定がない。
 (テニ●リ的、非現実な技がないってことねw)

*表情が豊か
 キャラクターの存在感を、声優さんの技術に頼る
 ってことは結構あると思うけど
 ハイキューのアニメーションは手を抜かない。
 とくに特徴的なのが“目”ですよね

*物語に抜け目がない
 高校生の設定だけど、中学時代の背景や
 他校選手のキャラも手を抜かない…
 なによりビックリしたのが他校キャラの声優!
 え、たった数話しか出ないのに
 この人使っちゃうのー?!ってみんな思ったはず。

*完璧な構成
 “バレーが好き”って気持ちがブレない。
 もっと強くなるために常に進化!!
 アニメは、お遊び回?息抜き回?サービス回?みたいな
 そんな話が一回は入ることが多いけど
 ハイキューは常に、バレー!バレー!バレー!



ではでは、ここからは個人的な感想なので
まじで閲覧注意です\(^o^)/

{netabare}以下、()の中の数字は話数。
気になった人はもう一度アニメcheckしてね☆

【 Ranking▶ 思わず爆笑ww編 】

1 俺の後頭部にサーブ打ち込む以上に怖いことって…何?(6)
2 ガハーーーーッ!教頭、ヅラ事件w (2)
3 今ムリって言った!!コイツ、無理って単語知ってんのか(4)
4 ローリングサンダーーーーーー アゲインッ!!(16)
5 この…くそガキッ(19)
6 日向が打つよりは後頭部が安全だな(23)
7 こらこら。そこの中…小学生かな?少し静かにね(19)
8 いわちゃんは俺のお母ちゃんですか?(19)
9 おい!顔面で受けるのがレシーブじゃねーぞ!!(3)
10 漁業かコラッ(4)


【 Ranking▶ 個別の好きなセリフ♡編 】

日向翔陽:MB
1 時間ないっ!止まってる暇…ないっ!(25)
2 どんなに仲が良くても友達でも本当の
   チームメイトになれる訳じゃなかったから(3)
3 お前何なの?実はバカなの?(2)

影山飛雄:S
1 俺はもう謝んねえ。
   謝んなきゃいけないようなトスはあげねえ!!(25)
2 お前は3年間何やってたんだ!!(1)
3 スパイカーの前の壁を切り開く!(4)

澤村大地:WS、captain
1 気合入れんぞ。一回でも多く勝つ(10)
2 山口っ!次、決めろよ(23)
3 よかった…お前がまだ戦うつもりでいてくれて(18)

菅原孝支:S
1 勝つぞ(21)
2 最強の敵だったならさ、今度は最強の味方じゃん(3)
3 いくぞ、春高(25)

東峰旭:WS
1 すが。次の一本、俺によこせ。絶対決める(21)
2 俺はエースだけど、お前らはヒーローだな(18)
3 俺、逃げないから。後ろには皆いるってわかってる(14)

田中龍之介:WS
1 いいかー!バレーボールってのはなあ!
   ネットのこっち側にいる全員もれなく味方なんだよ(6)
2 潔子さんっ!今日も美しいっす!!(1)
3 後悔は試合が終わってからクソほどするっ!(20)

西谷夕:L
1 前だけ見てけよ!心配する事なんか何もねえ
   みんなっ 背中は俺が守ってやるぜ!!(16)
2 壁に跳ね返されたボールも俺が繋いでみせるから
   だから…もう一回トスを呼んでくれ、エース!!(9)
3 だからよう、ようするによう…
   サッといって スッとやって ボンッだよ。(8)

月島螢:MB
1 考えてるは君だけじゃない(22)
2 イライラすんだよ…無駄に熱い奴って(4)
3 黙ってこのトスを打て庶民
   って言われてるみたいで腹立つ(22)

山口忠:MB
1 自分も戦えるって証明しろ!!(23)
2 これから先も1年で俺だけ試合に出られないのは
   嫌だから(14)
3 おいっ!アホってツッキーの事じゃないだろうな(5)

及川徹:(青葉城西)S
1 安心して飛べ(20)
2 それじゃあ今日も 信じてるよ、お前ら(19)
3 俺はこのクソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして
   正々堂々叩き潰したいんだからさっ(7)

清水潔子:マネージャー
1 が…がんばれっ(14)
2 でもお昼はちゃんと食べなさい(25)
3 やめなさいっ(15)

その他、武田先生も烏養監督もいいキャラでしたね☆

むちゃくちゃ厳選して好きなキャラBest3を選ぶなら
1 のやっさん
2 月島
3 及川先輩
…かなあ。めっちゃ悩むけどwww

所々でちゃんと感動する場面もあって
ほんと病み付きになるアニメって感じですかね。
うん。一言で表すなら、大好きってことです(笑)

特に23話。
及川の背中に手が届くか届かないかの表現の仕方が
すっっっっばらしい!!
青葉城西との公式戦は本当に白熱した試合で
何度見てもドキドキします。

続編も、どんなに後になってもいいから
丁寧に作ってほしいですね\(^o^)/{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 43

80.4 12 高校生で漫画原作なアニメランキング12位
バクマン。(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1372)
7880人が棚に入れました
舞台は埼玉県谷草市、中学3年生の真城最高(サイコー)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの退屈な日々を送っていた。そんな最高の叔父は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家川口たろうであったが、連載打ち切りとなり、その後の過労により亡くなった過去があった。ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイトで原作家志望の高木秋人(シュージン)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片思いのクラスメイト亜豆美保と、「アニメ化したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。

声優・キャラクター
阿部敦、日野聡、早見沙織、矢作紗友里、岡本信彦、諏訪部順一、志村知幸、川澄綾子、藤村歩、利根健太朗、野島裕史、川田紳司、堀内賢雄、浜田賢二

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

俺と組んでマンガ家になってくれ!

私は少年時代を週刊少年ジャンプと共に過ごしてきたわけではないので、事情をそれほど知らないのですが、今時のジャンプ作品は、こういった冷めた感じのが人気あるんですねぇ
強敵が次々現れて、ドッカンバッコンやって、っていう王道漫画、それこそ今作に出てくる、新妻エイジが連載してるようなタイプのバトル漫画ばかりなのだと思ってました


斜に構えた演出もなく無難なストーリー、過剰に熱くなく展開もサクサク進んで、少なくとも見ててストレスを感じません
こういうのって大抵、作者が劇中漫画考えるの飽きて、途中から恋愛ものや日常ものに逸れるのがお決まりですが、それを考えると、今作は終始主題に徹してますので、そこは評価出来ましょう
仕事も恋愛も何不自由なく、人生全て上手くのが確定してそうな主人公たちによる、”俺TUEEEE”なドヤ顔感に引っかかる物がありますが、そこは少年漫画だから仕方ないとして、それを抜けば十分楽しめる物語であると思います
しかし、あくまでフィクションの域は出ません
サブカル系を取り扱った創作側視点の作品といえば「コミックパーティ」とか「ドージンワーク」、これらにも共通しますが、色々と美化しすぎな点
ジャンプ作品特有の上手くいきすぎな点と絡めて、バリバリ違和感を感じます
ワンピースやナルトなど有名タイトルがそのまんま出てきたり(の割には集英社や少年ジャンプについては名前を変えてます)、お茶出されると通るとか、読者アンケート2割で人気作とかいう小話が出てきたり、如何にも作者自身の実体験を基にしたそれっぽい感じになってますが、やっぱり
なので将来漫画家を目指す人にとって役立つ作品かと問われれば、否定する他ありません、当たり前ですが
個人的には、もっと現実味のある内容だったら、ハマっていたかなという印象です

作画に関して、多用される俯瞰カットとか似たような構図ばかりで、アニメーションとしては若干物足りない感じです
アニメ制作はJ.C.STAFF、NHKで放送していました
1話アバンは「超ヒーロー伝説」なる劇中アニメから始まります
チャンネル間違えたかな?と思わせるこの手法といえば「げんしけん」ですね
その他にも、登場する漫画家たちが書いた劇中漫画が声付きで楽しめます、触りだけですけど
バイオレンスにサスペンスにメルヘンに色んなジャンルの漫画が登場しますからね、面白いですよ

真城役に阿部敦さん、高木役に日野聡さん
あとはまぁ土曜の夕方アニメクオリティな声優陣が並んでます
そつのない配役だと思います

まぁこれは誰もが思っていることでしょうが、OPとEDは逆にした方がいいですよね
OPはゆったり、EDはテンポが良くて、常に違和感に悩まされます、よーらー♪じゃないですって
コブクロさんはちょっと前に「クロスゲーム」でもアニメタイアップを歌ってますね
有名歌手を起用は一般人受けが良さそうに思えますが、必ずしも作品に合っている曲が出来上がるわけではなく
タイアップ完全無視の自分たちの曲になってるケースがほとんどですからねぇ、無理して一般狙い決め込まなくてもいいような気はします

どいつもこいつも性格DQN、性格ビッチなキャラばっかですね
ジャンプキャラは基本根明で、今作もその煽りを受けて、フランク気取ってる風貌ですが、もっと根暗だった方が好みです
それこそ中井さんみたいな、彼は現実的なキャラでしたよね
蒼樹嬢との関係をなんとしても応援したいのですが、どうせ上手くいかないんでしょう、ファック
小豆とか香耶とか、今作の女性キャラは目が小さすぎて萌えという対象からは外れますね
男性キャラより小さいのではないかと思うくらいで、原作もこんなに小さかったですっけ・・・


漫画家って高校生でデビューしてくとか割とざらにあるもんなんですかね
13歳で既にってのも聞きますし、かと思えば93歳でデビューする人もいたり、漫画業界というものはつくづく不明瞭です
さて、これから主人公たちは漫画家としてどうなっていくのか、新妻エイジの嫌いな漫画を終わらせる権限がどの漫画に発動するのか、真城が過労で倒れそうになったのは伏線なのか、等々先の展開が気になる形での最終回でしたが
分割放送で、1年経つごとにやってくみたいなので、期待と言うことで

投稿 : 2025/03/01
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なに・・・この面白さはっ!?

この作品の原作は未読です。友人とアニメ談義をしている中、私が「ヒカルの碁」を完走した事、凄く気持ちが熱くなる面白い作品だったなどと話をすると、友人から原作者繋がりでこの作品を紹介して貰いました。

画の才能に恵まれた真城 最高(ましろ もりたか)と、文才のある高木 秋人(たかぎ あきと)が中学時代に一緒に漫画家になる事を約束し・・・その道を進んでいく様を描いた作品です。
これまで友人が紹介してくれた作品に間違いはありません。
なので、即視聴する事を決めた訳ですが・・・漫画を描いている姿ってあまり大きな動きはなく、週刊誌であれば〆切を気にしながら毎週同じ事を繰り返す単調な作業になっちゃうんじゃ・・・
とも思いましたが、少年ジャンプで連載されアニメ化までされた作品なので、予備知識を持たずに視聴してみよう・・・という事で視聴を始めた訳ですが・・・

序盤でこの作品に対するイメージがガラリと変わりました^^
この作品・・・ムッチャ熱いじゃないですかっ!!
少しでも単調だと思った自分が恥ずかしいくらい熱い作品でした^^

真城 最高にはどうしても叶えたい夢があります・・・少年ジャックで長期連載できる著名な漫画家になって、作品をアニメ化して貰うという漫画家を志す人なら、きっと誰もが一度は願う夢・・・この夢の実現に向け、高木 秋人と二人三脚で高校生漫画家を目指して取り組んでいくのですが、漫画家を目指すってとても大変な事だったんですね^^;

私は漫画の作り手を目指したことが無いので、この世界の厳しさが正直分かりませんでしたが、この作品を見て一番最初に感じたのが夢見る門の狭さです・・・
漫画家を目指す人は大勢いて、その人達は日頃から自分を磨きしのぎを削っているんです。

それは少しでも多くの読者に読んで欲しいから・・・
それは一人でも多くの人に作品の面白さを知って欲しいから・・・

ですが、ようやく紙面に掲載して貰えるのはその中のほんのひと握りだけなんです。
それも、いきなり連載漫画なんて始められません。
まずは読み切りで読者の反応を見て、人気が出そうだったら編集社の会議にかけられて連載されるかが決まるのだそうです。
世の中に出回っている漫画って、そんな苦労を背負っていたとは夢にも思いませんでした。

画と文才・・・それぞれに長けた二人が組めば道は険しくないんじゃないかな・・・などという気持ちは正直甘かったです。
だから、黙々とペンを握る日々を繰り返す・・・繰り返せるのは作品に対する情熱の裏返しなんですね^^

それに二人には絶対に夢を叶えなければならない理由がありました。
そこには並々ならない決意を感じる事ができるのですが、そこにはその当時の私なら絶対できない約束と、溢れんばかりの思いが詰まっていました^^

そしてこの作品の視聴魂に火をつけたもう一つの理由・・・
ヒロインの亜豆美保ちゃんの可愛らしさが半端無いんです♪
私は彼女に序盤から持っていかれっ放しでした(//∇//)
理想的な女性を形にしたら彼女になりました・・・的な感じなんですよね^^
それでもってCVははやみん・・・「鬼に金棒」ってこういう事を言うんでしょうけれど、全然イメージに合わないのは何でなんでしょうね^^;
そして彼女は可愛いだけじゃありません・・・決して揺らいだり靡いたりせず、何に対してもちゃんと自分を律するんです。
また大好きな女性キャラが一人増えました(//∇//)

オープニングテーマは、コブクロさんの「Blue Bird」
エンディングテーマは、YA-KYIMさんの「BAKUROCK 〜未来の輪郭線〜」と高橋優さんの「現実という名の怪物と戦う者たち」

1期25話の作品でしたので見応えは十分でした。何より嬉しいのはこの作品が3期まであるという事です。
1期は丁度良いところで終わったので、視聴を終えたばかりですが、もう直ぐに続きを視聴したい気持ちになっています。
2期でも熱い展開を期待したいと思います♪

投稿 : 2025/03/01
♥ : 42

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

とっても気持ちの良い作品でした(o^-')b

■バクマン。ってこんなアニメなのです(*'ω'*)
『DEATH NOTE』でおなじみの大場つぐみ&小畑健コンビの作品なのです(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
ジャンル的には純愛青春サクセスストーリーですね!
 
漫画家の叔父の姿を幼少の頃から見ていた「真城 最高」(愛称:サイコー)と、学年トップでサイコーの絵に惚れ込み漫画家を一緒に目指そうと誘った「高木 秋人」(愛称:シュウジン)。
そして、この2人がコンビを組むきっかけになったのが、声優を目指すヒロインの「亜豆 美保」(azuki miho)とそれをサポートする親友の「見吉 香耶」(miyoshi kaya)。
この4人の純愛と紆余曲折しながらも夢に向かって突き進む日々を描いたストーリーなのですよ♪
 
 
■総評
原作の方はまったく知りませんけど、アニメから観た人も十分楽しめる作品だと思います♪
とにかくサイコーとシュウジンの2人を見ていると、何かこういう関係って良いなって思えて、とっても良い気分にさせてくれました♪
 
中学生で漫画家という自分の進む道を決め、同級生達とは違う道を選んで行くわけなのですけど、決して中途半端な気持ちじゃない、真っ直ぐに夢に向かっていく本気さが伝わってくるように描かれているのです。
さすが本職のストーリーだけあって、漫画家を目指す心理描写が細部までこだわりを持って描かれている印象ですね♪
 
個人的には、シュウジンが面白くって、かっこ良くって一番のお気に入りかな(*^-^)
サイコーの良き理解者であり、頭は元々良いのだけど裏では人並み以上の努力を惜しまないそんなシュージンにもう釘付けですo(- -;*)ゞ
 
それと、夢に向かって一直線のサクセスストーリーの中にも、甘酸っぱい恋のお話が絡められていて、それがハーブティーのように気持ちを(´▽`) ホッっとさせてくれる良いアクセントとなっているのです♪
 
サイコーと亜豆ちゃんのわざと距離を置いてお互いを支え合い、愛を育んで行く関係は到底理解できないですけど、ちゃんと成就できたらどれだけ幸せな気分になれるのかなって考えちゃいました♪
それとは対照的に恋に積極的な見吉ちゃんと徐々に惹かれて行ったシュウジンの恋の行方の方が自然でいっぱい共感できました♪
とにかく、2組4人の絶妙な関係は注目して欲しいところですし、こんな恋の話があるからこそ、地味な漫画家のイメージにさわやかなが風吹き込まれて清々しさを感じる作品になっているようなきがしました(⌒-⌒)
 
「バクマン。」を観ると、きっと前向きな気持ちにさせてくれて、元気をもらった気持ちになれると思いますよ♪
なので、2期もとっても楽しみなのです( `ー´)ノ
 

■MUSIC♫
OP曲『Blue Bird』
 【歌】コブクロ
 「まだ見ぬ二人の幸せの為に、愛が繋がっていれば信じて歩んでゆける」って内容の歌詞です!
 サイコーと亜豆ちゃんの気持ちを歌ったコブクロらしい心温まる楽曲ですね♪

ED曲『BAKUROCK 〜未来の輪郭線〜』1話~13話
 【歌】YA-KYIM
 軽快なロックサウンドと前向きでストレートな歌詞がヤル気を出させてくれる応援ソングですね♪
 R&Bやヒップホップ主体のYA-KYIMの楽曲では珍しいナンバーかもしれませんね(*^。^*)
 
ED曲『現実という名の怪物と戦う者たち』14話~24話、25話はOP曲
 【歌】高橋優
 前期のED曲同様に、元気をもらえるような応援ソングです♪
 東京メトロのCMソング「福笑い」の人ですねw
 ダミ声とまではないのですけど、ノイジーな声質が特徴的で、
 胸に響くストレートな歌詞が特徴のシンガーソングライターなんですよ♪


2011.09.16・第一の手記
2012.01.26・第二の手記(追記:■MUSIC♫)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 51

96.1 13 高校生で漫画原作なアニメランキング13位
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (1744)
7631人が棚に入れました
家柄も人柄も良し!!将来を期待された秀才が集う秀知院学園!!その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過!!プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、"如何に相手に告白させるか"ばかりを考えるようになってしまった!? 恋愛は成就するまでが楽しい!!新感覚"頭脳戦"ラブコメ、開戦!!

声優・キャラクター
古賀葵、古川慎、小原好美、鈴木崚汰、花守ゆみり、青山穣
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

かぐやさん可愛いくてたまらない。

このアニメを見て原作を読みたくなった。かぐやさんのあまりの可愛さにキュンキュンしっぱなし。古賀葵の演技も役にぴったりで好き。心の機微が何とも言えない。所々、バカップルと化している。
お仕えしている早坂も好き。

続きもアニメ早く。

印象に残ったところをネタバレ込みの感想
{netabare}
最初はお互いに告白するというなら付き合ってやらないこともないみたいな感じだったけど、いつの間にか両想いに。
会長は子供が9人欲しいだなんて。
7話の石上君の彼女持ち運動部嫌いの話は凄く共感してしまった。
ちんちんで爆笑するという小学校低学年で経験することを高校生になって経験するかぐやさんはツンツンしつつも、面倒見も良い。
11話。駄菓子屋のじいちゃんに謝れ。
唐突に始まるグルメ。謎すぎるラーメン戦。豚骨とかバリカタとか福岡好きなの?ラーメン四天王濃い。
ずっとコメディできてたのに、急にかぐやの切ないエピソード。呼びつけておいて放置プレイする父親くそすぎて腹立つ。予定を変更してまで行こうとした花火大会に行くことを許されない。自転車を飛ばしてかぐやさんの元へ向かう白銀と早坂の協力を得て屋敷から脱出し、ラーメン四天王の運転するタクシーに乗るかぐやさん、行き違い。さらに、花火に間に合わず、泣いて悲しむかぐやさんの元に白銀が花火を見せてやると登場するとかかっこいい。ラーメン四天王の力を借りて千葉までぶっ飛ばす。かぐやさん惚れるに決まってる。気持ちは分からんでもないけど、格好良かったから後からそんなに恥ずかしがらなくても。かぐやさんの好き避けで余計に辛い。CROSSOVERからのアスタリスク、デルタ。良い雰囲気になったのに、最後をしっかりギャグで締めてくれて最高。痛いの意味が違う。そして、例のカップルうぜえ。
{/netabare}

OP
ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花 歌 鈴木雅之
アニソン界の大型新人。こんな凄い人が新人だなんて半端ないって。映像のキャラクターの動きが演出と相まって癖になる。千花の動きも良い。
ED
センチメンタルクライシス 歌 halca
チカっとチカ千花っ♡ 歌 藤原千花(小原好美)
ダンスが可愛いと少し話題に。一回しかEDで使われなかったのは残念。ドーンだYO♬



以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 映画に誘わせたい/かぐや様は止められたい/かぐや様はいただきたい
将来を期待された秀才が集う秀知院学園。その生徒会副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずなのだが、プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまう。何もないまま半年が経過したある日、書記の藤原千花が懸賞で当てた「男女で観に行くと結ばれるジンクスのある映画のペアチケット」をきっかけに、”恋愛頭脳戦”の火蓋が切って落とされる…。

2. かぐや様は交換したい/藤原ちゃんは出かけたい/白銀御行は隠したい
恋愛は百戦錬磨というイメージを付けられていた白銀は、交際経験がゼロなのにもかかわらず、ある男子生徒から恋の相談を受けてしまう。もしここでボロを出してしまったら、生徒会長としての威厳が保てない。焦った白銀は「恋愛のことなら俺に任せろ!」と無理を承知で引き受けてしまった。その様子を見ていたかぐやは、会長の恋愛観を探るチャンスを逃すまいと盗み聞きをするが、白銀のアドバイスはあまりに予想外で……。

dアニメストア for Prime Videoで観る
3. 白銀御行はまだしてない/かぐや様は当てられたい/かぐや様は歩きたい
校長が没収してきた不健全な雑誌をチラ見した藤原は「初体験はいつだったアンケート」のページを読んでしまい大慌て。なんと高校生の34%が経験済みだという。実際はそこまで高くないはずと藤原をなだめる白銀に対し、かぐやは「私は適切な割合だと思います」と言い放ち、自分はすでに経験済みだと告げる。恋愛をしたことがない白銀は突然の告白にショックを受けるが、その反応を好機と見たかぐやは「彼女居ないんですか?」と煽ってきた!

4. かぐや様は愛でたい/生徒会は言わせたい/かぐや様は送らせたい/白銀御行は話したい
パリの姉妹校との交流会に向けて、藤原のアイディアでなぜかコスプレをすることになってしまったかぐやと白銀。かぐやは内心くだらないと思いつつも、猫耳を付けて「にゃあ…」とポツリ。だが大の猫好きである白銀にとって、その姿がまさかの大ヒット。あまりのキュートさに平常心が保てなくなっていく。さらに白銀も猫耳を付けると、今度はかぐやが大興奮。可愛いという気持ちを隠しきれず、だんだん二人の様子がおかしくなっていき……。

5. かぐや様はこなしたい/白銀御行は見せつけたい/かぐや様は差されたい
勉学において右に出るものはいないものの運動センスは絶望的な白銀は、放課後の体育館でバレーボールの練習に励んでいた。しかしどうやっても成長の兆しすら見えない。バレーの授業は来週に迫っており、このままでは完璧な生徒会長というイメージが崩れてしまう。そう一人落ち込んでいたところに、藤原がやってきた。白銀は恥を忍んで教えを請い、藤原の熱血指導によるトレーニングの日々が始まった。果たして人並みのサーブを打てる日はやって来るのか?

6. 石上優は生き延びたい/藤原千花はテストしたい/かぐや様は気づかれたい
生徒会第4のメンバー・石上優は、1年生であるにもかかわらず白銀にスカウトされ、生徒会の会計を任された逸材である。根暗な性格ゆえに普段はあまり目立たないが、彼なしで生徒会は成り立たない。そんな石上が突然「生徒会を辞めたい」と白銀に話を持ちかけてきた。必死の説得にも応じず、彼の決意は固い。どうやら止むに止まれぬ事情があるようだ。そして石上は目に涙を浮かべながら、そのワケを語り始める。「僕、多分殺されると思うんです」と……。

7. 白銀御行は働きたい/かぐや様は入れたい/かぐや様は堪えたい
柏木の彼氏から、またしても恋愛相談を受けてしまった白銀と、またしても盗み聞きをしようとするかぐや。白銀のアドバイスのおかげで柏木と付き合うことはできたが、付き合って1ヶ月が経つのに、まだ手も繋いだことがないのだという。「どうやったら手を繋げますかね!?」という低レベルな質問にかぐやは呆れかえるが、白銀は交際経験がなくても答えられそうな悩みに一安心。だが白銀のアドバイスは今回も予想外の方向に……。

8. かぐや様は呼ばせたい/白銀御行は負けられない/そして石上優は目を閉じた
期末テストが迫った生徒会室では、いつも以上のプレッシャーの中で、かぐやと白銀の心理戦が繰り広げられていた。白銀に勉学では勝てないことにプライドを傷つけられた万能型の天才・かぐや。生徒会長として学年トップの座を誰にも譲るわけにはいかない努力型の天才・白銀。二人は相手を出し抜くために嘘を付き合い、権謀術数をめぐらせていく……。ついに訪れた期末テスト当日。勝利の女神は一体どちらに微笑むのか!?

9. かぐや様は送りたい/藤原千花は見舞いたい/四宮かぐやについて①
かぐやが風邪で学校を休んでしまい、白銀がプリントを届けることになったと話すと、藤原は「私が行きます!」と大興奮。藤原が言うには、風邪を引いたかぐやは「あまえんぼ」になってしまうそうだ。素直で可愛いかぐやの姿を妄想してドキドキの白銀だったが、生徒会メンバー全員で家に押しかけたら迷惑がかかる。そこで誰がお見舞いへ行くのか、神経衰弱で決めることに。石上も巻き込み、真剣バトルがスタートした!

10. かぐや様は許せない/かぐや様は許したい/白銀御行は出かけたい
お見舞い事件のせいでケンカをしたかぐやと白銀は、お互い素直になれず険悪なムードになってしまう。そんな中、かぐやは恋人がいる柏木に、友だちの話だと偽って恋愛相談をしてみることに。その一方、白銀もラブコメ好きの石上に、どうしたらケンカした異性と仲直りできるのかを相談してみたところ、石上のテンションがどんどんヒートアップしていく……。様々なアドバイスを聞いているうちに、かぐやと白銀は自分の本当の気持ちに気付き始める。

11. 早坂愛は浸かりたい/藤原千花は超食べたい/白銀御行は出会いたい/花火の音は聞こえない 前編
学校が夏休みに突入してから半月、生徒会がないため白銀と会うことができず、かぐやはもどかしい日々を過ごしていた。しかし夏休みの後半には、生徒会のメンバーと花火大会へ行く約束がある。財閥の令嬢として厳しく育てられたため、夏休みの思い出を作れてこなかったかぐやは、皆と一緒に遊べる日が来ることを心待ちにしていた。ついに花火大会当日、夏らしく浴衣を着て出かけようとしたかぐやのもとに、父の執事が現われ……。

12. 花火の音は聞こえない 後編/かぐや様は避けたくない
生徒会のメンバーと花火大会へ行く約束をキャンセルしてしまったかぐやは、暗い自室に一人閉じこもっていた。落ち込んだ様子を心配した侍女の早坂はかぐやを励まし、屋敷を抜け出す計画があることを告げる。執事たちの目をかいくぐって、何とか会場に辿りついたかぐやだったが、花火大会はすでに終わっていた……。皆と一緒に花火が見たかったと涙するかぐや。そこに「だったら俺が見せてやる」と懐かしい声が響く。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

満足のいくアニメ化でした!2期にも期待!

~・~・~・~・~・~・~・~放送前レビュー~・~・~・~・~・~・~・~
1~2話先行上映に行ってきました

ヤングジャンプ(以下YJ)連載中のギャグマンガ
もともとはミラクルジャンプつまりはYJの増刊号での連載でしたが
人気が出たのでYJ本誌へと栄転してきました

移籍後も高い人気は維持されており
これまでにも何度かアニメ化のうわさが流れ
そして今回ついに待望のアニメ化となりました

しかしYJ作品のアニメ化ですが
まず非常に打率が低い・・・
そして数少ない当たった作品も
原作がアニメ化以降急に失速したりと
まぁとにかくYJ作品にとってアニメ化は鬼門です

何度か他作品のレビューにも書いているので
現在連載中の作品に絞ってみましょう

キングダムのCGは伝説級のクソ
原作は今でも変わらず面白いですが
アニメが函谷関目前で終わって
続編の報が途絶えてしまったのは
明らかにあの同人レベルのCGのせいでしょう
今度実写映画もやるみたいですが・・・

ゴールデンカムイもはっきり低予算でした
しかしアニメだけ見ている人達にはそこそこ好評で
原作の売り上げもだいぶ上がったようなので
商業的には低コストな分だけ
コストパフォーマンスが上がっているとみることもできます
個人的にはだいぶ不満が残りますが
アニメ化自体は成功といっていいでしょう
しかし連載中の原作のロシア編が
どうしようもなくつまらないんですね
どうしてこうなった・・・

テラフォーマーズのアニメはよく知りませんが
原作がそもそも読む価値のないレベルの出オチ作品なので
あれをアニメ化してしまったこと自体が
YJの生み出した不幸の一つとしか言いようがありません

銀河英雄伝説に関してはYJからのアニメ化
と言うにはだいぶ語弊があるので
今回は評価対象外としておきます

とまぁネガティブな情報ばかりを並べましたが
かぐや様はいったいどんなひどい目に遭うのか?
もういっそYJ作品はアニメ化なんてしない方が幸せなんじゃないか?
なんて思いつつ観に行った先行上映会の感想は・・・

藤原書記がとてもかわいい!!!

もうこれだけでこのアニメは安泰ですねW
他の部分で何をどんなにやらかしても
これだけで十分アニメ化の価値はありましたd(・x・

という冗談はさておき
原作信者目線で気になった点を何点か

アニメ版は非常にテンポよく進みます
上映会はもともと1話の先行上映という触れ込みでしたが
サプライズで2話まで見せてもらいました
多少順番が前後はしているものの
アニメ1話2話どちらも
原作1巻から3話分ずつ抜き出してありました
基本的にギャグアニメなので
テンポがいいことは悪いことばかりではないのですが
話がサクサク進み過ぎて余韻が足りないイメージを受けました
あくまで原作ファンだからそういう印象になっただけで
アニメから入った場合は気にならないのかもしれません

もう一つはナレーション
登場人物たちの状況・心情などを
セリフを使わずコマの中で言葉で解説してあるものが
全部ナレーションという形で入るのですが
そのナレーションがオーバーアクションというか仰々しすぎる
イメージとしてはカイジですかね
あの作品も状況説明などを文で入れてあり
アニメではかなりアクの強いナレーションがつきました
あれはあれで慣れると癖になるというか
漫画を読んでいても勝手に脳内再生されるくらい
最終的には違和感が無くなったので
もしかしたらこの作品でも
しばらく見ていたらいつの間にか気にならなくなっている
あるいは原作未読なら最初から気にならない
という可能性はあるかもしれません

あと、スピンオフでYJに本家と一緒に連載されている
かぐや様を語りたい
の連中が今のところ顔見世程度ではあるものの
原作以上に出てきているので
あのスピンオフが嫌いな人は今後要注意かもしれませんね

最近になってOPは鈴木雅之が担当すると発表され
放送開始前から話題になっていますが
先行上映では1話はOP・ED無し
2話はOP無し・ED映像なし楽曲のみでした
2話ラストに真っ黒な背景にテロップだけの状態で流れていたのは
halcaのセンチメンタルクライシス
年末に新宿ReNYでのLiveにて初披露されていたのを
既に生で聞いていたのもあって
どうせならOPを聞いておきたかったところです

~・~・~・~・~・~・~・~舞台挨拶レポート~・~・~・~・~・~・~・~

先行上映の後は舞台挨拶もありました
{netabare}
四宮かぐや役
古賀葵

落ち着いたかぐやとは違いだいぶ天然系
話が要領を得ないのが笑いを誘うタイプ
残念ながらラジオ等と違い面白い部分だけを使えないので
舞台挨拶だとただの時間ドロボーに成り下がる
かぐや役と千花役が逆だったらすごく納得していたと思う

白銀御行役
古川慎

上映会は男女半々くらいでしたが
女性はだいたい彼のファンだった模様
YJ作品の読者層が男女半々なわけがないですよね
ツイッターフォロワー限定の無料イベントだったので
単純な抽選じゃなくてツイート内容から精査してるのでしょうね
そして女性を集めていったら
原作ファンではなく声優のファンが集まったと・・・

印象に残った回を聞かれて
バレーボールの特訓回と答えた際
会場の原作ファンから歓喜の声が上がってました
うん、特訓シリーズ面白いよねw
千花役の小原さんは
演じてるうちにイライラしてきて
素で切れてたら
「もう少し藤原に寄せてください」
とダメ出しをもらったそうな
これは放送が楽しみですね!

藤原千花役
小原好美

印象に残った回を聞かれてあげたのは
ラップパート
原作にもある千花のラップパートですが
台本には歌詞だけが載っており
メロディは演者が即興で作るという
とんでもない声優泣かせのトラップ
共演者の弁によると
初回の時よりも緊張してガチガチだった
のだそうな
何という無茶ぶり・・・

石上優役
鈴木崚汰

石上がでるのはまだ先のようで
今回はまったく出番がないのに
舞台挨拶だけ呼ばれたようです
メイドインアビスといい流行ってるのかな(--;
出番がないということは
当然アフレコにも参加していないということです
1話2話の映像に関してはジャンプフェスタで見せてもらったそうで
視聴者の目線で会話に加わりたいと思います!
と意欲は見せたものの
あまり見せ場を作れず終わりました
これまたなんという無茶ぶり・・・ {/netabare}

~・~・~・~・~・~・~・~1話見て~・~・~・~・~・~・~・~

なんですかね・・・
曲が悪いとまでは言いませんが
作品にマッチしているとも
強烈なインパクトがあるともいえない
ただ大御所連れてきました!ってだけですね

鈴木雅之はアニソンを担当するのは
今回が初めてだそうです
しかし、彼が活躍した時代を考えると
正直それで喜んでる世代の中に
このアニメの視聴者となる層がどれほど入っているんでしょう・・・
たぶんここに鈴木雅之を起用することが面白いと感じてしまう
そんな世間との感覚のずれが
YJアニメを屍の山にしてしまったような気がしてなりません

いろいろ不安要素はあるものの
普通に作れば十分に佳作となるはずなので
変な冒険せずに無難にアニメ化してほしいものです

~・~・~・~・~・~・~・~全話観て~・~・~・~・~・~・~・~

全体的によくできていました
石上は声がついて原作以上に味のあるキャラになりました
また、3話のEDは驚異のクオリティで話題になりましたが
逆にそこがピークなんて評価に落ち着いてしまった感もあります
終盤にもう一回くらい特殊EDを入れられれば
もう一段階ブーストできたかもしれません

全体的にラブ<コメディな作品ですが
終盤にシリアス回を持ってきたのは好みが分かれるところかもしれません
基本的にバカバカしいギャグ作品をやっている中で
ときどきがっつりシリアス展開をやるのはこの作品最大の魅力であり
そのギャップがそれぞれの良さをグッと引き立てていると思いますが
前情報なしに単純にコメディ路線だけを期待していると
終盤に肩透かしを食らって消化不良に終わりそうです

原作ファンからするとYJ作品には珍しい
非常に恵まれたアニメ化になったと思います
評判も上々のようなのでこのままぜひ2期へとつないでほしいですね!

仕事はできるが性格的にはかなりポンコツ揃いの生徒会ですが
2期になればあの中に混ぜても石上に並ぶレベルのポンコツ
会計監査伊井野ミコが登場します
個人的には作中ヒロインの中で一番(お)かわいいと思っているので
早く2期をやって動くミコの姿を拝ませてほしいですね

投稿 : 2025/03/01
♥ : 39

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

メガネの色

OP主題歌の鈴木雅之が、なんとも強烈だ。

現代的なアニメ絵の映像なのに、歌のパワーだけで視聴者の時間を90年代へ引き戻す。
いや、OP映像の終わり近くの、女子キャラの「チェキッ」ポーズも、ひょっとして『め組のひと』のオマージュなのだろうか。(わからない視聴者は、お父さんかお母さんに訊いてみよう)

劇番の中に『ラブストーリーは突然に』を思わせる曲が混じっているのも、90年代トレンディドラマを意識しているようだ。


頭脳戦、というキャッチコピーだが、展開されるのは、素直に好きだといえない高校生男女のすれ違いを描くラブコメディ。

思春期男女のよくある自意識のコジレが駆動するラブコメは、しょうもない、と苦笑しながらも(生)暖かく見守ってしまう。

全体に微笑ましく笑えるコメディだが、興味深いものを感じるのは、このコメディを視聴者に提出するための「舞台装置」の方だ。


フィクションは、何のメディアであれ、受け手=読者=視聴者の現実感覚に接続する「設定」を設けて、作中世界へと引き込まなくてはならない。

それこそ90年代のニューアカかぶれのテクスト主義者であれば、読者が解読する「正解」としての作者の「意図」などないと妄言を吐くのだろうが、妄言に過ぎない。

〈作者-読者〉間で、何らかの理解の共有がなければ、そもそも物語を語り=読み取る視聴体験など生じるはずがない。
物語を受け手に理解可能な形で提出する手段として、まず各種の「設定」が作者によって構築される。

本作では、自意識こじらせ男女のすれ違いを笑わせるために、すれ違いは、まず「頭脳戦」として設定されている。
「先に好きだと打ち明ける」ことは「負け」=将来的に「損」、という了解が、ラブコメを「頭脳戦」と規定する設定を生み出すのだが、なるほど「損得という考え方をしていれば『恋愛』なんてできるはずは無いよなあ」という視聴者の納得を喚起して、すれ違いの物語へ入り込む導入口の役割を巧妙に果たす。

いよいよ興味深いのは、この「頭脳戦」を導くものは、主人公たちが「天才」であるから、という理由付けであることだ。

作中の「天才」性の描写は、彼らが成績優秀者であると描写することに終始するが、いかにも偏差値教育的な偏見を感じさせる。

偏差値とは、言うまでもなく特定集団内での「順位」を示す指標だ。
「天才」を証拠立てる描写として、作中では一貫して成績の学内順位ばかりが描かれるが、しかし、集団全体の能力が低ければ、その集団内での順位=偏差値は、能力の高さを保証しない。
まして、「順位」を高めるための手段が他者の足を引っ張ることに終始するならば、なおさらだ。
「天才」という絶対値での「頭のよさ」を根拠づけるには、相対順位である「偏差値」はほとんど説得力がない。

ここで作者=製作者の設定が杜撰であると指摘したいわけではない。
読者=視聴者に「天才」と納得させるためには、偏差値=順位を持ち出せば有効だろうと作者=製作者は判断した、その判断が興味深いと感じたという事だ。
多くの視聴者=読者にとって、「頭がいい」とは「順位」が高いことなのだろうと作者=製作者は判断している、という事が。

「頭がいい」が「順位」という「上下」関係に規定されている、という設定は、「なぜ」ヒロインは「天才」なのかという理由付けが、「家柄がいい」からである、という設定へと進んでいく。
「上流」の、格「上」の家庭に生まれたことが、成績「上」位の天才である理由付けになる。

要するに「貴族」のように、生まれによって決定されているのだ。

いや、本物の貴族制では、貴族様と庶民は全く接点も相互理解もなく、互いに「そういう存在」としか認識されていない。
が、「家柄がいい」から「頭がいい」という理由付けは、「頭がいい」から支配する権利があるという循環論法として、「貴族」に支配される「庶民」が自分を納得させてしまうという点で、なお悪質と言えるかもしれない。

作中のナレーションではおざなりに否定されているが、そもそも舞台の学園が「良家」の子女が集まる「名門」校であり、ここでも「生まれ」によって特権を相続する新たな「貴族」階級が形成されている設定が貫かれている。

繰り返すが、作者や製作者による社会認識が前近代的であるとか言いたいわけではない。

21世紀の読者=視聴者は、「いい家柄」に「生まれついて」既得権や財産を継承する者は「頭のいい」天才であると思うはずだ、と作者=製作者によって判断されているという事が興味深いのだ。


自意識をこじらせたドタバタコメディを笑うには、コメディを乗せた舞台が「現実」と接点があると視聴者を錯覚させなければならない。
もしも原作マンガが人気を博し、アニメが好評であるとしたなら、この錯覚は成功しているという事になるだろう。

作中に登場する、コイバナに喰いつく「恋愛探偵」は、ピンクの色のついた色メガネでネタを探す。

「上流」の「いい家柄」では子供に既得権を引き継いでも当然であり、特権を引き継ぐ「から」頭のいい「天才」であっても当然であると設定を了解する視聴者は、どんな色のついた色メガネで社会を眺めているのだろうか。

それとも、作者=製作者の判断とは無関係に、別種のリアリティに支えられてコメディを笑っているのだろうか。

いずれにせよ、「頭脳」戦として「損得」を過剰に意識する「偏差値」の高い「天才」の「頭の良さ」は、「世襲」される「いい家柄」のハビトゥスと「既得権」に保証されているという設定を提出することは、作者=製作者が、読者=視聴者をどういう視線で捉えているかを暴露しているとはいえるだろう。

本作を視聴していて、時折『ブギーポップ』を想起した。
両作とも、製作者の目には90年代のままの視聴者が映っているようだ。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 11

83.8 14 高校生で漫画原作なアニメランキング14位
ピンポン(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★★ 4.1 (1638)
6653人が棚に入れました
原作:松本大洋(小学館 ビッグスピリッツコミック刊)、監督:湯浅政明、ペコとスマイルの、片瀬高校卓球部に所属する幼馴染の2人が主人公。ペコは卓球は強いが自分の才能に自惚れているところがあり、先輩に対しても挑発的である。スマイルは、決して笑わないことからペコが「スマイル」と命名した。内気で無口だが卓球は強い。2人は中国人留学生を迎えたと噂になっている辻堂学園高校卓球部の偵察に出かけ、留学生のチャイナと対面する。チャイナと試合をしたペコは1点も獲れずに敗北する。
そのころ片瀬高に、髪も眉毛も剃りあげたスキンヘッドの高校生がスマイルを偵察するため参上する。ドラゴンと呼ばれる海王学園高校卓球部の風間竜一である。片瀬高卓球部顧問の小泉丈(バタフライジョー)にドラゴンは、絶対にインターハイで優勝すると宣言する。

声優・キャラクター
片山福十郎、内山昂輝、咲野俊介、木村昴、文曄星、野沢雅子、屋良有作
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

この作品を手がけてくれた全ての人へ『愛してるぜ!』

2014年4月放送。
ノイタミナ枠、全11話。


【前置き】

『心のなかで、3回唱えろ!!

 ヒーロー見参! ヒーロー見参! ヒーロー見参!

 そうすりゃオイラがやってくる! ピンポン星からやってくる!』


こんな明朗闊達な台詞が清々しい本作は、卓球を軸にした人間ドラマを描いた快作です。

原作は、こちらもアニメ映画化された「鉄コン筋クリート」でも有名な「松本大洋さん」で、1996~7年に連載。全5巻。
でもやっぱり、松本大洋さんの代表作といえば、本作『ピンポン』だと個人的に思います。

連載から4年後には窪塚洋介さん主演で実写映画化もされ、当時かなりの話題作となりました。
(実際にメチャ面白かったです、クドカン&窪塚さんだし。ブクロサイコー!)

私はこの実写映画から入り、後に原作も読みこの独特の松本大洋ワールドにのめり込んでいった人間です。
一時の感情に過ぎることなく、今も心に残り続ける程に…。


さて本作は、更にそれから10年余り経ってからのアニメ化。
しかも、予てより松本さんと交流が深い「湯浅政明さん」が監督に就任。
前情報としては、もう「これでどこから文句が出ようか!」と思うレベルでしたね。
発表時の私は、発狂にも似た歓喜の声を上げたものです。

あの独特の絵柄をクールアニメとしてどう描くのかという不安も勿論ありましたけど、何よりシナリオが1クールで描きやすい量なので、原作通り描けばそれだけで十分に面白くなるという確信もあったのです。

……ただ、そのシナリオが新たな味付けで更に魅力を増すとは…、これは嬉しい誤算でした。


では、勢い余って原作や実写映画まで再視聴しちゃったので、それを踏まえて「ピンポン」という作品と、アニメ版の良さを存分に語りたいと思います。



【あらすじ】

片瀬高校1年で、幼少期から一緒に卓球をしていたペコとスマイルが主人公。

卓球は強いがその才能に自惚れていたペコと、ずっとそのペコの後ろにいた内気なスマイル。
ただ、その卓球の才能は静かに、スマイルにも微笑みかけていたのです。

コーチとの試合からインハーハイ予選、これまで試合に消極的だったスマイルが、その才能の片鱗を見せます。
しかしペコは自身の実力を過信し続け、圧倒的に実力差が合った筈の旧友にも敗北をきすのでした。

コーチから見初められ、メキメキと頭角を現すスマイル。

自暴自棄になったペコは再び、スマイルのヒーローとして彼の元へ返り咲けるのか……。



【論じてみる】
{netabare}
さて、本作で徹底されているのは、『才能があるか否か』だと私は思います。
才能がない者は、どれだけ努力して足掻こうが、その才能という壁に阻まれて超えられない。

「友情、努力、勝利」という謳い文句が少年ジャンプではよくありますが、本作においては全く違います。
必要なのは、才能と、それを育む環境。
まさに、「才能、環境、勝利」という感じですね。

実際、本作は高校卓球を舞台にしていることからも、王道的展開では部員同士の助け合いやチームプレーも主軸となると思うのですが、作中ではそういう描写は全くと言って良い程ありません。
孤高の実力を持つ人間を、周囲は最終的には受け入れて、賞賛するしか無いのです。

この徹底したリアリズムが、この卓球という極限の反射神経が求められる世界では、非常に説得力がありました。


ただ、才能を持った人物だけでなく、その才能を得られなかった者達の、歯痒くもその力に渇望し藻掻く様…。
そしてそれでも、自身の才能の限界を感じ納得せざるを得ない様…。
本作『ピンポン』は、そういう描写を生々しく描いていて、ここが非常に胸を揺さぶられます。

勿論それは、才能に恵まれた勝者側の「孤独と苦痛」も、しっかり描かれています。
この生々しさこそ、私が本作を大好きになった要因でした。



作画は、かなり独特な松本大洋さんの原作漫画を、忠実に再現したと言って良いかと思います。
ちなみに絵コンテは、全て湯浅監督自ら手がけたようですね。

同じ原作者の映画「鉄コン筋クリート」も良かったですが、「ピンポン」は更に漫画のコマ割り的に画面を割って見せる演出もされていて、まるで動く漫画を見ているようで、とても見栄えがありました。
パッと見だけで雰囲気が他の作品と違うというのは、やはり大きな強みですね。
まぁ…、大きな賭けでもあると思いますが。

総じて、一枚重視よりも枚数重視の作画のように感じましたね。
スポーツアニメでは、その方が断然合っている気がします。
最終戦の、キャラだけでなく画面全体がグイグイと動くラリーなんて、もぅ最高でした。

ただ、背景ですら基本的に物差しを一切使わない描き方なので、子綺麗なデザインを好む方には向かないかと思います。

加えて(WUGの時もそうでしたが)、タツノコプロ制作の作画が、所々不安定な回があり、シナリオやゲーム展開に100%集中出来なかったことは、大きなマイナスでした。
原作は、パッと見ではヨレヨレに見えても芯の通ったリアリティ重視の作画であったのですが、アニメでは本気で顔や動きがヨレヨレになっているように感じたシーンが幾つかあり、そこは残念に思えました。

オープニング曲の映像が当初は本編映像の使い回しだった点から見ても、スケジュールが十分でなかったのかもしれませんね。



音楽的な面で言うと、オープニングもエンディングも作風を活かしたテイストで好きなのですけど…。
比べるのも少し如何なものかとも思うのですが私は、劇中のサウンドはSUPERCARが担当した実写映画の方が、頭二つ抜けて好きでしたね。

中でも、頂点であるドラゴンとの対決で流れる「Free Your Soul」という曲は、劇中最高の盛り上がりを見せる曲で、実写映画はこの曲だからこそ鳥肌が立つ程の最高のシーンになったと個人的には思った程です。
この試合のシーンにある

「俺の名前はっ!! 星野!! 裕だ~!! そこんとこヨロシク!!!」

の部分も、映画のほうが音楽的にも演出的にも非常に格好良かったです。
SUPERCARは、アニメでも「交響詩篇エウレカセブン」で劇中音楽を担当されていますので、本作もまたSUPERCARだったら…と、どうしても比べて考えてしまいました。



……と、所々惜しい面もあるのですが。
それを補って余りある、原作から非常に上手く味付けをされたシナリオ構成は、本作最大の魅力でした。

味付けされたのは主にサブキャラクターのバックストーリーですが、これは松本大洋さん監修の上で新たに描かれたもので、原作ファンの方も違和感無く受け入れやすい…と言うよりかなり好印象だったのではないでしょうか。
(ドラゴンの彼女や彼の生い立ち、チャイナの母親も登場するクリスマス回、スマイルに跳ばされて海外に翔ぶ江上ww、などがアニメオリジナルです。)

映画版では110分程度でまとめなければいけない故に切り捨てられた部分も非常に多かったのですが、本作では多くのキャラクターが原作以上に描かれており、

「ピンポンを深く知るには、原作だけでなくアニメ版も絶対に欠かせない!!」

と思わせてくれ、総じて作品の満足度を飛躍的に上げてくれました。
{/netabare}


では、ここからはキャラクターについて、好きなシーンを交えて語りたいと思います。
(※全部読むと長くなるので、視聴した方が好きなキャラのトコだけでも見て下されば嬉しいですwww)

【ペコとスマイル】
{netabare}
「ボク…先に行くよ、ペコ。」

これは第2話の終わり、コーチとの試合の後にスマイルがペコに行った台詞でしたが、この台詞は、ただ「先に帰るよ」とは、少し違う気がしますね。
ここからインターハイ以降、プレイスタイルが大きく変化していったスマイルを振り返ってみても、これは、

「先に高みへ登って、ヒーローを待っているよ。」

と言う意味合いだったと解釈出来るかもしれません。

そして、当のペコもこのスマイルの本心を、実は見抜いていた事が後に語られます。


『アイツが笑わんくなったんは、オイラの卓球がしょっぱくなってたから…。

 気が付いてたけど知らん振りしてた、ビビって必至に耳塞いでたさ……!』


「格好悪いペコを見るのは嫌いだ。」「再びヒーローとして自分の前に現れてほしい。」と願うスマイルの願望に、ペコは応えられる自信が無かった。
才能に自惚れていた点も勿論あるのかもしれませんが、そういう要因からもペコは練習をサボりがちだったのかもしれませんね。


そう考えると最終話の、2人の試合直前にスマイルがペコに言った

「遅いよ、ペコ。」

と言うのも、ただ「試合会場に来るのが遅いよ。」とは、違う意味合いに聞こえますね。
それは、ペコの

「そう言ってくれるな、これでもすっ飛ばして来たんよ。」

にも、通じます。
直接言葉にしなくても本心が通じ合う、この2人だからこそ出来た見えない信号を出しあうような会話でしたね。

そんな2人の最終戦。
再びヒーローに出会えたスマイルの、本気で戦った試合で見せた最高の【笑顔(スマイル)】は、本作を最後まで追って良かったと思わせるには十分なシーンでした。
{/netabare}



【佐久間 学(さくま まなぶ)/アクマ】
{netabare}
個人的に作中、一番印象強く心に残った大好きなキャラクターです。

王者海王に属するペコの旧友で、彼もまた…昔ペコに憧れた人間の一人でしたね。
まぁ…そんな素振り、基本的に彼は微塵も見せませんけど。

ただ彼は、才能が大きくものを言う卓球において、高みを目指す資格すら与えられませんでした。
それでも、コーチ曰く

「不器用さを絵に書きゃ、即コンクールで入選するってタイプの男だ。」

「10やれと言えば、100でも1000でも続けるような男だった…。」

と称される男で、コーチに心情的に「好き」とも言わせた、(見た目とは裏腹に)実直なヤツなのでした。
作中で彼は王者の先鋒を任される実力を身につけるワケですが、それは彼の凄まじいまでの努力がさせた結果だったのでしょう。


そんな彼が卓球から足を洗うきっかけとなったスマイルとの試合と後の傷害事件は、見ていて胸が張り裂けるような内容でした。
最後にスマイルが言い放った

「それは、アクマに卓球の才能が無いからだよ。

 単純にそれだけのことだよ、大声で騒ぐほどのことじゃない。」

長い目から見ると、アクマにとっては【現実を見る良い機会】だった。
こうまとめてしまうのは簡単で、正論だとも思います…。
それでも、言葉にするのは胸が苦しくなるものですね…、大好きなキャラクターだけに。


彼の良いところは、ここからただ自暴自棄にならず、卓球を避けていたペコに本音を吐露してエールを送ってくれるところでした。


「俺はオマエの才能が欲しかった!!

 戦型もラケットも…、フォームも全部オマエを真似たっ!!!

 でも、オマエにはなれなかったよっ!!!!

 クラスの皆々…、オマエに憧れてた……、俺らにとってオマエは…

 オマエ誰より卓球好きじゃんよっ!!!」


「続けろ卓球。

 血反吐吐くまで走りこめ、血便出るまで素振りしろ。

 ちったぁ今よかラクになんぜ、ヒーローさんよ。」


これは、アクマが自分を「凡人」だと認めたからこそ、ストレートに言えた台詞でしたね。


最後のインターハイでは、アホっぽい彼女ムー子を連れて観戦者として登場していましたが、エピローグでは3人目の子供が産まれると聞き、彼は彼なりの卓球とは違う新たな幸せな人生を送れたことに、嬉しさ…と言うより救われたような気がしました。
不器用だけど、アクマはとても良いお父さんな気がします。



そういえば、副部長の真田がアクマのことをこう言う台詞がありましたね。

「アレは、盲腸腫らしてんラケット振る男たい。

 奴が部屋に貼っとぅポスターば、ワシは笑えん。」

作中で語られることはありませんでしたが、このアクマの部屋のポスターとは、1960年代に活躍した「円谷幸吉さん」と言う長距離ランナーのことです。
(原作では、「円谷幸吉のポスター」とフルネームで真田が言っています。)

幾度の逆境にも負けずオーバーワークを重ね…、悲痛な最後を遂げた選手なのですが、アクマがこの選手の志を常に胸に刻み努力を続けていたことを考えると、より一層アクマというキャラクターに深みが出ます。
ただ…真田の言う通り、彼の姿勢を見ると全く笑えませんけどね。
{/netabare}



【孔 文革(コン・ウェンガ)/チャイナ】
{netabare}
アニメのオリジナルストーリーのおかげで一番人間味が増したのが、このチャイナな気がしますね。
(チャンピオンの重圧を背に戦うドラゴンのオリジナル展開も良いのですが、個人的にはチャイナ推しです。)

彼は、現卓球王国である中国のエリートから漏れ日本で再起を狙う選手である為、そもそも日本でプレーしていることに大きな不満を抱えており、日本人を見て

「お遊戯みてぇな卓球やりやがって、こんなヤツらと打つとはな。」

と小馬鹿にしていました。

ただ、スマイルとの戦いやドラゴンとの敗北の後、彼は自分を見限り心機一転し、異国の部員とも卓球を通じて絆を深めていくのです。
そのきっかけとなったのは、試合後のこのコーチの言葉でした。


『ウェンガ…、君の人生は始まったばかりだ。今スタートラインに着いたところだよ。

 卓球じゃないよ、人生の話をしてる。

 そしてこれはコーチとしての言葉ではない。

 君をよく知る友人としての意見さ。』


笑って「救われるよ…。」と言ったチャイナ。
実はこの2人が、とても深い信頼関係の上で成り立っているのが見えた名シーンでした。


ここから良い意味で、性格が丸くなったチャイナ。
アニメオリジナル要素でもあるクリスマス回で、チャイナの母親が日本に来たエピソードは、彼の人物像がより掘り下げられ好感が持てる作りになっていたように思えます。

母親の手料理(チャイナの好物のワンタン)を、部員皆で手伝うシーンは微笑ましかったですね。
おまけに部員達にカラオケで浜田省吾まで披露して…、良い声出すなぁ…。


2回目のインターハイ。
彼はコーチに、こう言っていました。

「信じられないかもしれないけど、ウチもけっこう強いチームになってきたんだ。

 それこそ、一から赤子に読み書き教えるみてぇにしてよ。」

去年のインターハイの時の台詞からは、とても考えられない台詞ですね。
卓球から少し足を遠ざけて初めて見えてきた、心から信頼出来るコーチと、いつも自分のことを考えてくれる母親の存在が、彼をこうも変えたのでした。


このチャイナの中国語にしても、アニメだからという手抜き感が全く無くしっかりと中国人を起用して好演をされており、総じて彼の描写に関してはアニメでは大満足の出来でした。


ちなみにエピローグでは、日本に帰化し母国の中国を倒したと報じられているチャイナですが、これはアニメオリジナル要素です。

彼がどういった経緯で日本に帰化して、卓球を続けたのか……。
それは、彼の帰化した名前に入れられた【辻堂】(←高校の名前)を見ると、少し見えてくる気がしますね。
{/netabare}



【オババとバタフライジョー】
{netabare}
さて…選手だけでなく、ペコのコーチを務めた「タムラのオババ」と、スマイルのコーチである「小泉 丈(こいずみ じょう)/バタフライジョー」にも、少しスポットを当てましょう。

バタフライジョーに関しては、高校の指導者としては失格極まりない依怙贔屓を見せていますが、その熱意が向けられたスマイルに対しては好転したように思いますね。
キャラ立ちとしても、あの英語教師ならではのルー大柴ばりの英単語を織り交ぜた会話や、スマイルに対しての危険なまでのラブコールは、個人的に大好きでした。
端から見ると、ホントただの危ないジジィですけどね。

ただ、72歳という高齢でありながらその実力は本物で、第2話でのスマイルとの試合でもペコが

「こりゃ、棺桶に片足突っ込んだジイさんのプレイでねぇぞ。」

と言わせるぐらいの卓球を見せてくれるので、これが中々馬鹿に出来ないジジィなんですよね。


「頂上に立たねば、見えない風景がある。」

そう言える程の、かつてのトッププレイヤーの指導は、とても贅沢なんでしょうね。
環境だけで言えば、王者海王の設備とは比べ物にならないですが、スマイルがそれでも海王の誘いを断り片瀬高校に残った理由の一つには、このバタフライジョーの指導に対しての答を示したような気がしました。

「私の知る限り、君は最高のプレイヤーだよ、Mr.月本。」

こう言えるようになるまで、スマイルを指導出来たこのジイさんは、良い余生を過ごせたことでしょうね。
愛情表現とは言えデートにまで誘い出す辺りを見ると、そろそろ頭のネジがオカシイ頃合いだったのでしょうし。



でも指導者としては、ペコを見つめ続けたオババの方が何枚も上手に見えますね。
環境の面からも、途中からは大学のコーチをしている息子にペコを預けはしましたが、卓球場を開いていたその見る目はジジイ以上。
言葉の節々で挟まれるオババの『愛してるぜ!』も、ペコへの深い愛を感じましたしね。

ドラゴンとの一戦では、ペコが防戦の時は「そうじゃねぇだろ。」と、攻めてからは「そうだ!」「そう!」と、熱い視線を送りながらの応援で、本当にプレイヤー思いの良いオババでした。


声を担当されたのは、超大御所である野沢雅子さん。
悟空のような活発な男キャラを演じることが多い方ですが、渋いバァサンを演じられても、これまた非常に声に厚みがあって格好良いのです。

ペコの足腰を鍛え直す石段の指導の時でも

「うっせぇ、黙れ、喋るな、従え、殴るぞ!!」

「アタシをオマエのハニーだと思って、登ってギュッと抱きしめてくれ!!!」

などは、台詞の良さも勿論ですが、声の力でより痛快に聞こえた気がします。
まぁ、言われた当のペコは吐いてましたけど。
(登るがしんどくて……のハズ。)

総じて、野沢雅子さんだからこそ原作以上に印象値の強いキャラクターになったのではないか…と、個人的に思いました。
{/netabare}



【総評】

原作にも実写映画にも無い、新たな「ピンポン」の魅力を引き出せたアニメとなったのではないでしょうか。

監督と原作者が深い交流であるからこそ、ここまでの仕上がりを見せられたとも言えるでしょうね。


自分の中では、シナリオ構成はアニメ、絵は原作、音楽面は実写映画、と綺麗に票を分けた結果となりました。
先でも述べた通り、こう別のメディアを比べ合うのもおかしな話かもしれませんが。
それでも、他の媒体では出来ないアニメならではの良さを活かした内容だったのは、間違い無いです。


多少の不満はありましたが、それでも大いに3ヶ月間楽しませてもらった感謝の気持ちを込めて、タイトルの通り製作者全ての人に、オババみたく


『『 愛してるぜ! 』』


って言いたくなりました。

絵に抵抗が無い方も、むしろある方も、是非このシナリオを思う存分楽しんでいただきたいと思います。
作中の台詞を引用すると

「真夏にカーテン閉めきって、たかが2.7gの玉の行方を必至に追いかける根暗なスポーツ」

に、大の男達が思いっきり必至に向きあう様を描いたのが、本作です。


ではでは、とても長々としてしまいましたが、読んで下さり本当にありがとうございました。



◆一番好きなキャラクター◆
『佐久間 学/アクマ』声 - 木村昴さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『ムー子』声 - 栗田エリナさん


以降、どーでもいい話なので、〆ます。
{netabare}
レビュー内でも述べましたが本作は、選手だけでなく高齢者のジジババ2人の格好良さも大きな魅力です。


特に野沢雅子さんのオババの格好良さときたら、私に新たな性癖を刻みつけるには十分な程、魅力的なキャラクターでした。

↓本音↓

◇一番可愛いキャラクター◇
『オババ』声 - 野沢雅子さん



一度でいいので、こんな格好良いバァさんから見初められて、作中のように

「愛してるぜ!」

と、言われたいものです…。


「全く、高齢者は最高だぜっ!!!」
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 71
ネタバレ

いおりょぎ  さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

卓球知らなくてもとても楽しめた良い作品でしたv(*'▽^*)-☆ そして、チャイナ・佐久間・モブ・・・サブキャラが深く印象に残りましたよ!(視聴完了再レビュー)

原作未読。
窪塚洋介氏の実写映画視聴済み

湯浅政明監督。
タツノコプロ製作。

全話視聴しました。
当初の期待を裏切らず、最後まで楽しめました(o^-‘)b
そして、アニメというジャンルに拘らず、多くの人にお勧めしたいと思える作品だったと思います。

まずアニメとしては、作画が大きなハードルになりますね。
自分は実写映画視聴していて興味が湧いて見たんですが、アニメから見る方でしたら、キャラデザインに抵抗を感じる人は少なくないと思います。

生理的に受け付けないという方にまでお勧めはしませんが、実写映画では感じられないアニメならではの良さが随所に発揮されていて良かったですよ。

湯浅監督がシリーズ構成、脚本、絵コンテと殆んど手掛けています。

自分はリアルの卓球には殆ど興味ありませんが、その世界観は実に上手く表現されています。上手くは言えませんが、魅せるポイントを良く押さえていて、見る側が「ここっ」って思う場所に力を注いで作られたんじゃないでしょうか。

試合のシーンでは、漫画のようなカット割を使ったところや、CGっぽい感じを完全に排除した崩れた手書き風の作画が効果的でした。

逆に、そうでないところはやや作画崩壊の部分も多々あり、そこはやや残念なところ。
どうも「クレヨンしんちゃん」関連の作品に多く携わっているようで、崩れた画風に妙に納得したりもしました。
でも全体的に自分は好感度は良く、もっと他のジャンルも手掛けてみたらいいんじゃないかと思います。

ストーリーはもちろん原作が良かったんだと思いますが、アニメならではの良さが随所にありました。

実写映画ではどうしても二人の主人公ペコとスマイルの印象ばかりが記憶に残りましたが、本作では、特にチャイナこと孔文革(コン・ウェンガ)とアクマこと佐久間学(さくままなぶ)の印象が強烈に残りました。

以下、今回自分が気になったキャラについてネタバレ感想になります。

孔文革について
{netabare} まずは何といっても孔文革の存在ですね。
卓球大国の中国代表に漏れて、まるで卓球の辺境に地に追いやられたように日本にやってくる。

エリートから転落した脱落感と、全てが生ぬるく見える日本の卓球。
こんな辺境から、すぐにでも這い上がって中国に戻るという強い決意をもっていたが、日本にも壁となる存在があった。

普通の人間なら、ここであきらめてもいいところ、孔文革はそうしなかった。
あきらめずに、辻堂学院の卓球部を育てることを決意し、再び這い上がれる事を目指して努力し続ける。

卓球部のメンバーとの交流を通して、日本という国に徐々に馴染んでいき、メンバーに慕われるようまでなっていきます。
彼の真摯な姿は、国の軋轢を超えて、純粋に心打たれるものがありました。

コーチとの会話が絶妙で、彼の孤独感が次第に溶かれていく脚本も素晴らしかったです。

また、卓球大国である孔文革が試合中に放つ台詞は一言一言がとても重みと説得力があって、「いや」っていう一瞬の台詞でさえ、その試合の持つ意味が深く感じられました。

そして、孔文革を演じた文曄星さんが素晴らしかったです。
詳しい経歴は分かりませんでしたが、是非他のアニメにも出演してほしいですね。

最終回で孔文革が日本に帰化して日本代表になったっていうのは凄く良かったお話。でもアニメオリジナルストーリーだそうです。

ちなみに孔文革のお母さんも、アニメオリジナルのキャラだそうです。{/netabare}

佐久間学について
{netabare} 小さいころからペコの試合相手。

ずっとペコの才能にあこがれていて、スマイルよりも明確にペコに純粋に近づこうと努力してきた。

それが、ペコでなくスマイルに負けて・・・。
まあ架空のお話なんだけど、この時の気持ちは辛いだろうなって思った。

でもその後とった佐久間の行動は本当に格好良かった。
すさまじい程の潔さと、それでもペコを信じる強い信念は、卓球では負けたかもしれないけど、人生の勝負では勝ったんじゃないかな。

最終回で3人目の子供ができたって話は、なんか嬉しい気持ちになった。
才能の無い者が辿る道は、時に険しく困難だけど、そういう経験をした人は、普通の幸せを普通以上に感じることができるんじゃないかなって。{/netabare}

モブのお兄さん江上
{netabare}最初のインターハイ予選でスマイル負けた大鵬高校3年生。

3年間の意地を見せようと気張って臨んだ試合相手がスマイルであっさり負けた。

原作では本当のモブだったみたいだけど、アニメでは随所に彼が登場して、とても楽しませてくれた。

一番一般人に近い彼が言う台詞が結構面白くて、特に最後のペコとスマイルの試合で、「やっぱり俺卓球好きなんだ!」っていう台詞が、いい意味でこのストーリーをまとめてくれたんじゃないかな。{/netabare}

オババ
{netabare}「愛してるぜペコ」
この台詞をこれほど上手く言えるのは流石に野沢雅子さんだなって思った。

登場回数の割に台詞は多くないけど、やっぱり野沢さんの存在感も偉大でした。{/netabare}

総括

とにかく作画抵抗が無ければ見ておいて損はない作品だと思います。

若干ですが、声優陣に不慣れを感じる点があります。

作画や声優さんなど、微妙な点もありますが、それを覆すだけの素晴らしい脚本と演出があります。

ノイタミナもこういう作品が増えれば、存在感が良くなるかもですね。

OP・EDも良かったですよ。
ノイタミナ枠のアニメはOP・EDに力を入れてる気がします。

いつも長文お読み頂きありがとうございます(*^_^*)

以下前回までのレビューになります。
興味がありましたらご覧ください。
《リアル浜田省吾 キタ━━━(゚∀゚)━━━!!! 春だけどクリスマス&中国人の声優さん歌上手いね(o^-')b 佐久間格好良かったぞっ!! (6話まで感想)》
{netabare}6話まで視聴しました。

そろそろ前奏が終わり、本番突入前夜という感じです。

いや~、それにしてもアニメでリアルの浜省が聴けるとは思って無かったです。それだけで、ちょっとした感動でしたね。

あと、中国人の声優さん日本語も日本の歌も上手いですね!!
国としては、色々あるけど、ここは素直に彼の存在感に拍手したいと思います。

作画は、挑戦的なのか、ブレてるのか分かりませんが、結構崩れてきてますね・・・。
これは受け入れられる人と、そうでない人が、更に分かれそうで、ちょっと残念かも。

でもストーリーとしては、これからが本番で、面白くなってきました。
脚本と演出が作画をカバーして、素晴らしいので、これ以上作画を崩さず、もっと面白くなって欲しいです。

それにしても佐久間は格好良すぎたぞ!!{/netabare}

以下初回レビューです。
《可愛い女の子もいないし、作画もすごく特徴があるけど、スポーツアニメ好きなら、これは見ておいた方がいいかもしれない力作です!(2話まで感想)》
{netabare}原作未読。
窪塚洋介氏主演の実写映画視聴済み。

2話まで見ました。

あにこれ始めてから、良い作品が多く褒める形容詞に困るのですが、結構すごい作品が出たなと思いました。

原作未読ですが、漫画家兼イラストレーターの松本大洋氏のヒット漫画で、2002年に窪塚洋介主演で実写映画化されており、そちらは視聴済みです。

実写映画は面白かったので、アニメ放送前から興味があり見たのですが、作画は松本氏の意向を反映しているのか、原作に忠実であるが故にかなり癖のある作画になっています。

主人公ペコこと「星野裕」、同じくスマイルこと「月本誠」のキャラもある意味強烈で、視聴者をより好みするデザインだと思います。
もちろん、可愛い女の子は出てきません。女性といえば、町の卓球場の主のオババがいるくらいで、なかなか上手い誘い文句が出てきません。

が、2話まで見た時点で「アニメの作品」として、かなりのハイレベルな作画技術、演出、がはっきりと現れたため、急いでレビューすることにしました。

製作は言わずと知れたタツノコプロです。直近では「夜桜四重奏」なんか作ってたみたいですが、視聴して無いため、比較ができません。
が、相当な技術力があるのは間違いないです。

気になるストーリーは、実写映画視聴済みのため、いい意味で安心しています。

そしてその面白いストーリーを魅せる演出が素晴らしいです!!

特徴のある原作漫画の画をここまで良く、動く映像に具現化できたものだと、すごく感心しています。

自分はリアルの卓球に興味ないですし、できれば可愛い女の子が出てくるアニメが好きだけど、悔しいですが本作は、脱帽の域にあります。

この作画に抵抗がなく、スポーツもので女の子が出なくても楽しめるという方なら是非お勧めです。

少なくとも1話の後半まで見れば、良さは分かって頂けると思います。

気になってはいたけれど期待はしていなかっただけに、別の意味で注目する作品になりそうです。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 62

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

愛してるぜ。

フィギュアスケートの採点方式などのように、最大と最小の点数を除外してその他の得点の合計、もしくは平均でポイントを競う算出方法がありますが、そういう観点から言うと、このレビューは除外対象かもしれません。

未視聴の方の参考にならないくらい、全くもって汎用性のない大絶賛レビューであることをお許しください。


そもそも原作が大好きで、劇場版(実写)はまあまあ好きくらいの状態で期待半分、不安半分の視聴だったわけですが、たぶん、視聴開始1分もしないうちに「これだよこれ!」ってなって、opで心の導火線に火がついて、Aパートで原作の世界観が鮮やかに蘇り、タイトルに鳥肌が立ち、Bパートの頃には「これ‥名作じゃなかろうか‥」edを聴きながら「間違いない‥名作だわこれ‥‥うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」でした。


……解ってます。
まだ1話目です。

どう考えても結論を出すには早すぎる。

でも、この幸福に満ちた原作とアニメの出会いに感動せずにはいられないのです。
作品を作るということは、イメージを形にする作業だと考えます。ですがたぶん、どのクリエーターも100のイメージを100の形にクリエートすることは出来ないだろうと思います。それが大勢の共同作業を必要とする作品作りなら尚更です。
頭に描いた完成のイメージににじり寄る作業。それこそが作品を作るということなのだと思います。そうやってできた作品の完成度は、もしかしたらイメージの70%くらいなのかもしれないし、90%かもしれない。ひょっとしたら30%にも満たないのかもしれない。それは解らない。

ですが、この作品は、自分のイメージを限りなく100%再現してくれている。それだけは自分の中ではっきり感じることができる。

それはつまり、この原作に自分と同じ方向のイメージを持ったクリエーターが、自分の数倍、数十倍のイメージをしたからこそ生まれた作品ということが言えると思う。

大好きな原作を、自分がイメージしていた方向に、自分が思った以上のクオリティーで作ってくれる。そんなクリエーターの手に作品が委ねられたこと。

未視聴のアナタにとってまったく意味がない情報なのは解ってますが、間違いなく、わたしを幸せにしてくれる稀有な出来事でした。



そんな感じで2話、3話と進んでいったんですが、極上の全11話でした。かなり鼻息荒い状態だったから自分の中で「期待しすぎ→酷評」に反転する可能性もあるな‥という不安もあったのでホッと胸を撫でおろしております。名作でした。


作画について。

特徴的な作画は間違いなく人を選ぶと思います。パースの狂いとか落書き風の安定しない線描を受け付けない人もきっと居るでしょう。
このアニメで初めて原作の松本大洋さんのタッチを見た人がどういう印象を持つのかちょっと想像できないんですが、この作画が作品に必要な空気を作っているのは間違いないと思います。
そして、この落書き風のタッチをよく動画にできたな。してくれたな。というのが最初に感じた驚きです。

こうゆう落書きタッチの作画を平面的に捉えた短編アニメとかたまに見ます。この作品でも漫画のコマ割りみたいな表現を結構多用していたし、止め絵に近い手法で原作が持ってるスマイルのスマイルらしさや、ペコのペコらしさを表現したりしてましたが、
些細な動作や仕草を、このテイストのまま完璧にキャラのイメージ通りの動画として再現しているのを目の当たりにして、終始ニヤけたり感嘆したりでした。
卓球という、攻防の速いスポーツの表現方法もリアルさと個性的なデフォルメを巧く使い分けていてとても良かったと思います。


演技について。

正直、ペコという独特のキャラクターの話し方の正解がいつまで経っても解らないんだけど、この感じアリだと思いました。あと、ドラゴンという卓球モンスターの話し方も優しすぎるかな?と思う場面もあったけど、最終的には緩急があってよかったと思いました。

その他のキャラは‥衝撃的なほどの完璧さでした。
片校の先輩大田の単純バカっぽい演技、悪魔、月本、海王の福キャプテン、旅人になるヒッピーロン毛高校生、他もろもろ。みんな完璧に再現されていたんだけど、

この4人の演技には驚きを隠せませんでした。

孔 文革(コン・ウェンガ)とそのコーチの中国コンビ、彼らはほぼ中国語での演技なんだけど、ほんと完璧でした。声優さんはネイティブな中国人だと思いますが、よくこんなぴったりの人を探してきたもんだと思わざるを得ません。

おばばと小泉。この大人組‥てかご老人2人も完璧でした。ほんと何度も同じ事言って申し訳ないけど完っっっ璧でした。大人キャラのクオリティーってわたしが作品を評価する上でけっこう重要事項かもしれません。
こいつ頭大丈夫か?と思われるのを承知で言わせていただくと、わたしの為の企画、演出、キャスティングだったんじゃないかと思ってます。割と本気で。
結構重症です。


物語について。

またまた誤解を承知で言わせていただきますが、
この物語、卓球というスポーツの熱い戦いを描いてますが、「スポーツもの」という分類には属さないと思っています。

徐々に成長しながら、一試合一試合を勝ち上がり、宿命のライバルがしのぎを削るトーナメント。

確かにそういうストーリーだし、ほとんどスポ根の王道メソッドで構成されているのは間違いない。
だけどこの物語は、そういう戦いと併走して起こるそれぞれの感情の方に焦点をあてている。そういう物語だと思います。

全11話ですが、登場人物それぞれに物語があり、それぞれの方向に進んでいて、濃密な個と個の交差が描かれています。卓球も試合も舞台ではあるけど、それ自体が主役ではないのです。
才能と努力、過程と結果、幸福と苦悩が1つのテーブルを挟んで時速140kmで交わり、そして変化する。ときには劇的に。
もしかしたら、通常のスポーツアニメより試合を短く描いてる部分や決勝戦などの描写に違和感をおぼえる方もいらっしゃるかもしれませんが、たぶんそれは、試合のディテールや結果にそれほど意味がないからだと思います。むしろ、試合を描きすぎると感情部分がぼやけてしまいかねない。戦いのカタルシスという甘い誘惑に流されてしまってもおかしくなかったと思うけど、この物語はそうならなかった。最後までぶれずに人間に焦点をあて続け、描ききった。

そういう類の物語です。



スマイル。

心からの笑顔になる瞬間。
勿論勝利の瞬間やいいプレーができたとき心から笑うことができると思います。
ただこの物語では、それ以外の心から笑顔になる瞬間が描かれいます。それがこの物語の本質と言っていいかもしれません。今後視聴する方とその感覚を共感できたらとても嬉しいです。

少し脱線しますが‥‥

卓球と愛とスマイルに関する話を1つ書かせてもらいます。

まあ、卓球の福原愛選手のことなんですがw

実はわたしには彼女の試合で忘れられない印象的なシーンが1つあります。
2008年、北京オリンピックの女子個人戦で当時世界ランク1位の張怡寧(チョウイネイ)選手と対戦したときの一場面です。
その試合、福原選手はかなりいいプレーをしていました。挑戦者として迷いのないプレーで、見ていて技術的にも精神的にもいい状態にあるのがビンビン伝わってきていました。
そんな中で凄まじいラリーをしたのです。愛選手が、通常ならラリーにならないだろう狙い通りの決め球を最高のコースに打ったんだけど、なんと張選手、この球をリターンしてきたのです!でもそこはいい状態の愛選手、この想定外ともいえるリターンにちゃんと反応し、また決め球を最高のコースに打っていったんです、あろうことか張選手、その球にまた反応し難しいコースにリターンを返し、それをまた愛選手が決め球で‥‥

というラリーが何度も続いた末、結局張選手にポイントをとられてしまいました。
かなり悔しい場面ですが、なんと福原選手、このときものすごく嬉しそうに高揚したような笑顔を見せたのです。

この笑顔を見たときわたし、ゾワゾワゾワーーッ!!!ってなりましたね!
たぶん愛選手の中で、ポイントを取られたことより楽しさが勝ったんだと思います。自分の中の最高のショットを、反応速度、読み、技術、経験を駆使してリターンしてくる相手との、今まで経験したこともないようなハイレベルなラリーに。
最終的には試合にも勝てなかったんだけど、このとき、良かったな愛ちゃんって思いましたもん。
だってなかなか経験できないですよ?勝敗を超える喜びなんて。



というわけで、

つまりなにが言いたいかというと、

このピンポンという作品は、そういうスマイルもあるという物語だということです。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 36

76.8 15 高校生で漫画原作なアニメランキング15位
ゆゆ式(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1296)
5924人が棚に入れました
この春、女子高生になった、ゆずこ、唯(ゆい)、縁(ゆかり)の3人組はいつもいっしょの学園生活。
放課後は部員3人、パソコン2台とホワイトボード1代の「情報処理部」で、てきとうに決めた単語をググってその結果でまたおしゃべり。
なんでもない日常は、たまにイベントも発生するけど、やっぱり女の子がいちゃいちゃするだけ。でもなぜか目が離せない新世代女子高生コミュニケーション。
ゆとりかわいい学園生活は、遊びtお部活とところにより百合要素。
ノーイベント・グッドライフ!それがこの三人の”ゆゆ式(ルール)”

声優・キャラクター
津田美波、種田梨沙、大久保瑠美、茅野愛衣、潘めぐみ、清水茉菜、堀江由衣
ネタバレ

やまだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

★4/ 無形のカレイドスコープ

萌えではない日常会話劇

縦横無尽な推進力で燃料投下していくスターターゆずこと機知に富んだ多彩な展開力のエキスパンダー縁と俊敏な判断力で応答するリアクター唯。それぞれの役割は秒単位で流動しボケとツッコミも時に1対2、2対1と華麗に変化し絶妙なバランスの上に広がるリアリティ溢れるユートピアを眺める至福を味わえる本作は唯一無二という言葉すら生ぬるい。

これは断じてただの女子高生に萌えるアニメなどではない。メンタルサプリメントであり思考実験であり現代を生き抜く為の極意であり本質であり真実であり本物であり真理でありもうなんかアレだよアレ。

世の中にクソリプを撒き散らす○○どもに限らず我々全国民はこの作品を姿勢を正して手をグーにして正座して腹に力を入れて目を見開いて口を閉じて定期的に周回する義務を課していくべきである。

それはなぜか。
では以下に記述しておく。

例えば縁がゆずこと唯の2人に対してこう呼びかける場面がある。

「みんなは〜」

2人を結べば線となり、3人結べば面となる。団体という概念の最低単位は3である。多分。理想的な家庭環境であれば自分と母親と父親とでこの構造が最初に形成されることになる。

自己が多数派にも少数派にもなり得る流動的かつ不安定な構造の安定を計るには実に多彩で高度な判断が他方に許される範囲内での応答速度を持って求められる。そう、バカには"場"を維持することは難しい。この作品を1話だけチラ見しただけの者から見ればゆずこはただのバカキャラにしか見えないだろうが最後まで視聴した者は成績もそれなりに優秀で他人に対して常識的な対応も出来る人物だと知っているはず。血統の良い縁は言わずもがな。唯も縁と幼馴染であるので家柄も悪くないはずであり、その2人相手の対応を見てもそれなりの判断力を持ち得ている事に疑いはない。

この作品はたとえば繊細なアクセルワークで沈黙を破って進入してきたゆずこの速度と強度を即座に参照算出、適正な戦略と戦術で迅速に適応的な対応を選択し快適なリズムを崩さずに"場"に展開、その後も同様に柔軟な対応を当意即妙に続けていくというとても高度な技能のケーススタディなのである。

これはどんなにスーパーでスペシャルなコンピュータの高性能AIでも実現不可能な芸当である。今後いくら技術が発達しようとも。絶対と言い切れる。何故か?

コンピュータには身体性が無いからだ。

人間の脳は無意識領域であっても周囲の様々な要因に影響される。温度湿度光量音量臭い壁の色人間の数など。身体的にも空腹度疲労度などの体調面。凄まじい数の要素がリアルタイムで次々と変化する。パラメータを計算するだけならAIが得意だろう。だがそれらを測定するセンサ自体が存在しない。彼女らはそれらの複雑なパラメータを瞬時に読み取り計算し時には修整しつつ"場"を整えていく。

では何故"場"を整える必要があるのか。
 
続きは有料となります(嘘)
この作品見たらわかりますよね。

以下各話メモ。
{netabare}
1日1話の勢いレビュースタイル。けいおんとの2本立て。思ったことそのまま。

1話
こりゃスゲェ。ほんとに何も起きない。けいおんがほんとにゴージャスに感じる。なる程これは唯一無二なのかもしれん。じっくり彼女らの生活を覗き見することにしよう。

2話
リズムにハマることあるよね。わかるわかる。胸の話題は流石にわからんが切実なのかもな。男は見せ合いとかしないからどうなんやろ。お母さん可愛い。全く教師感がないがコレはコレでいいのか?先生から何か教わることくらいは無いのかな。2回目にしてオープニングエンディングがいい曲に感じて来た。アレ?ハマってきた?
3話
夏休み。水って何だ?何なんだろ。部屋に何もイジる要素がないのな。けいおんと比べて物凄く濃度が濃いような気がする。何だこれ。女子高生のリアリティとかはわかる訳ないのだが。一応プールなんか行くけどあっさりしててイベント感がまるで無い。なんか凄いものを見てる気がする。展開も何もないのに次が見たくなってる不思議。
4話
何これ凄い。メチャクチャ面白いんだけど。絵柄はもう全く気にならない。他の子との絡みも増えてきた。オープニングエンディング両方落とした。2曲ループで数時間聴いてる。コレはヤバイものを知ってしまった。いや、コレ本当に凄い。マジで。何故かとかは浮かんでは来るが考えたくない。語彙力無くしたままでいい。今は身を任せて味わおうと思う。
5話
いきなりターン制が始まりすぐに終了。様々な口火から不意に急展開しては元の話題に着地したりとアドリブのような会話が楽しいのか。2週目はどんな感想になるのかな。カイザー…、懐かしいなアレ。記憶無くして見たいって最高級の賛辞だと思うけど、だからといって勧めたりはしないのね、なる程。なんか物凄いヒントが沢山詰まってる気がする。ああ、またくだらない長文書きそうだ。
6話
ポテトは木曜日に決まってんだろ。コート姿もいいです。学校指定品に種類あるのか。歳とるとビックリのダメージが大きくなるな。クリスマスの身内お泊り回すらない潔さ。男子の話題が出ないのは新鮮。帰り道の横並びのポジションが度々スイッチするのなんかいいですね。
7話
1クールの作品で後半から急に雰囲気変わるのは何故なんですかね?2人だけの絵面は新鮮。下ネタはちょっと残念。ただ見てるだけで幸せな気持ちになる不思議な体験。時間が経つのが、凄く早い。
8話
やっぱ演出変わってんな。腹とか胸とか足とか要らんのに。胸触っていいよ一回だけ、てのはお返しのつもりなのか。これショートアニメだった?ってくらいにもう終わり?ってなる。え?あと4回しかないの?嘘でしょ?
9話
ふみの後ろ姿から始まり佳と合流して2人で話しているところに縁登場。何なのかわからんが貫禄を感じる。教室に入るとゆずこと唯が話している場面。何この安心感。場面が切り替わるたびに残り時間を確認している。下校時6人並びの絵が新鮮。でもやっぱり一緒に遊ぶ描写はない。
10話
会話の内容を絵で表現するのは普通だけどココではやらなくていいような。でもメンドイ魔物のデザインは好き。グッズあればちょっと欲しい。戦うべき感情を可視化するのは割といいアイデアなのかもしれない。自分との戦いに勝利する為にはやはり他者の存在が必要なのだ。人は1人では生きていけない。いわゆらないって言った事ある。EDの神様は少し笑った。油断してるとすぐ終わる。あと2回。
11話
いやあと1回で終わると思うとなんか身が入らんというかどうせ周回するだろうしと思っていたらあっと言う間に終わってた。少し真面目な青くさい話も。いやでも次が最終回なの?信じられない。本当に?
12話
いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ終わったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

あしすと さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ほのぼの日常系部門・個人的歴代No.1作品

少し前に2周目の視聴をしまして、
「アレ?こんなに面白かったんだっけ??」
…と評価の見直しをした作品です。

思い返してみると1周目の視聴の際は個人的にアニメ見始めの頃で、「日常系アニメってこんな感じなんだろう」と思って、流し見しちゃったような気がします。

それに対し今回の2周目は、ここ数年の「ほのぼの日常系作品」「日常系でないコメディ作品」を割と見尽くした状態で再視聴したので、個人的評価が大きく変わったみたいです。


この作品は、日常系としてはだいぶコメディ寄りにチューニングしている作品ですね。

ただ少し珍しいのは、コメディ寄りの日常系作品は一般的にツッコミに特徴があるのに対し、このゆゆ式はツッコミで落とすというより「ボケ倒す」ことで落としている点でしょうか。

ゆいは確かにツッコミ役なんですけど、なんていうか…この作品はゆいのツッコミを流れの区切りにしないんですよね。
普通、誰かがボケて誰かがツッコんだらその一連の流れが終わるじゃないですか。
でもこのゆゆ式は、ボケに対してゆいがツッコんでもお構いなしにゆずことゆかりがボケ倒すので、流れが止まらないんです。

私の好きな作品にアドリブアニメの「てさぐれ部活もの(現在3期(すぴんおふ)放送中!w)」があるんですが、それに雰囲気が似ている作品として、どなたかがこのゆゆ式を挙げているのを見たことがある気がします。

その時は、ゆゆ式ってそんなアニメだっけ?
原作が有るアニメとアドリブアニメが似ているなんてあり得るのだろうか?

…と思ったものですが、2周目の視聴を経て納得しました(笑)
どちらも流れを止めずにボケ倒しているところに共通点があるのですね(笑)

アドリブアニメだけにぐだぐだ流れ続けるのを楽しむのがてさぐれで、原作があるだけに洗練されたぐだぐだを楽しむのがゆゆ式という感じでしょうか。

原作者さんのボケ倒しのセンスが自分にとっては本当にツボでした。
この作品、まだ連載続いてるんですよね。
きらら系が2期ものも含めて続々アニメ化されてされている昨今なら、ゆゆ式も2期のワンチャンないかなぁ。無理かなぁ。。。



余談ですが、ゆかり役って種田梨沙さんなんですよね。
最近の種田さんの声に慣れていると、なんだか意外な気がします。





以下は、ゆゆ式がほのぼの日常系作品として個人的No.1の理由です。
ちょっと相対的な話で、以前けいおん2期のレビューで書いた内容の加筆完全版になります。

{netabare}
結論から言うと、私は「ほのぼの日常アニメ」は全部好きなんですが、細かく分類するとしたら「日常もの」よりも「日常ギャグもの」系統の作品のほうを好む傾向があるんです。

具体的に説明しますと、私は個人的に以下のような分類をしており、①寄りの作品のほうが好きです。

その中で、いわゆる「ほのぼの日常系」だと思っているのは③~⑤です。



①「日常もへったくれもないギャグ」作品
日常を舞台としつつ、全然日常ものじゃないぶっ飛びギャグアニメという印象の作品。
(例)
・日常
・さばげぶっ
・ぱにぽにだっしゅ
・ディーふらぐ
・てーきゅう
・侵略!イカ娘 など


②「日常<ギャグ」作品
日常を舞台としているが、ギャグ要素が強く「日常もの」というよりは「ギャグもの」という作品。「ほのぼの」という印象はない作品。
(例)
・未確認で進行形
・月刊少女野崎くん
・ひめゴト
・となりの関くん
・生徒会役員共
・マンガ家さんとアシスタントさんと
・帰宅部活動記録 など


③日常ギャグ作品
「ほのぼの」もしている日常ものだが、ボケとツッコミは割としっかりこなしてくれる作品。
(例)
・ゆゆ式
・きんいろモザイク
・GA
・そふてにっ
・キルミーベイベー など


④ほのぼの日常ギャグ作品
ギャグよりもほのぼの要素が強く、ボケ役は割といるがツッコミ役を弱めにチューニングしている作品。
(例)
・ひだまりスケッチ
・みなみけ
・じょしらく
・ゆるゆり
・らきすた
・あっちこっち
・せんせいのお時間 など


⑤ほのぼの日常作品
ほのぼのに癒される作品。このタイプの作品内に見られるのは、個人的なイメージを言葉にすると「ギャグ」「ボケツッコミ」ではなく「小笑い要素」
(例)
・けいおん
・ご注文はうさぎですか
・ヤマノススメ
・幸腹グラフィティ
・のんのんびより
・たまこまーけっと
・Aチャンネル など


※日常を舞台としたコメディ要素のある作品でも、ラブコメ要素やドラマ要素を主題としていると感じる作品は今回の「日常系」には含めていません。
(例)
・僕は友達が少ない
・のうりん など

※日常を舞台としたコメディ作品でも、個人的に「ほのぼの」はしてないかな~と思う作品は含めていません。
(例)
・まりあほりっく
・それでも町は廻っている など

※昔見て印象がおぼろげになっている作品もあるので、もしかしたら分類を間違えている作品もあるかもです。そのあたりはお許しを。



個人的には以上のように分類しています。
厳密には「ほのぼの日常もの」なのは③~⑤だと思いますが、イメージを伝えやすくするために①、②も入れました。

で、私はこれらが全部好きです。
笑ったり癒されたりします。

しかしそうは言っても、やっぱり作品の方向性による好みと作品の雰囲気との相性がありまして、全部同じくらいに好きというわけにはいかないのです。

私の場合はどちらかというと①寄りの作品のほうが好きで、⑤寄りの作品は物足りなく感じる傾向があるようです。

プロフィールに載せている視聴全作品の個人的評価を自分で見直してみても、割と①~⑤の順番に並んでいる気がします。
(もちろん分類を超える相性があり、完全にこの順番に並ぶわけではないですが)


そんなこんなでゆゆ式に話を戻しますと、私にとってのこの作品は「ほのぼの日常系」としては上位になることが多い③分類の作品で、かつ笑いのツボの相性的にもバッチリの作品だったので、ほのぼの日常系として個人的歴代No.1になったわけです。




さて、偉そうな分類をしながら長々とレビューにしてみましたが、その基準は全然客観的なものではなく、かなり個人的嗜好に左右されていると思いますので、まぁあんまり真剣に捉えずに「こんな考え方の人もいるんだな~」程度に思っていただければ幸いです(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ゆゆ式から学び、ゆゆ式を生き、ゆゆ式へ期待しよう

今回は「ゆゆ式」について書いていこうと思います。
私はあまり日常系を好まない性質なのですが、これは自然と観る事が出来ました。
まさかレビューまで書く事になるとは夢にも思いませんでしたが(笑)

さて、このアニメは学生時代に経験していたであろう事を実際に表した「本当」の日常アニメです。
登場人物達がただただ、会話をしているだけ。
登校して友達と話して、時間が経ったら部活に行って後は下校するだけ。
友達の家に遊びに行って、適当に喋って夕方になったら自然と帰るだけ。
イベントなんて物は欠片も存在せず、日常が延々と垂れ流されているのを黙って私達は観る。
ただ、それだけのアニメなんです。(こう書くと身も蓋もありませんが…)

しかし、そのようなマイナスの偏見はこの作品では意味を持ちません。
そんな退屈そうという浅見を吹き飛ばすほど、1つ1つのシーンが凄く見てて楽しく感じるんです。
「楽しい」と言うのは見ていて笑いが堪え切れないような強いギャグを放つという事ではなく、見ていて飽きる余地がないという事です。
会話中、急に話題転換をしてきたり、思いがけないギャグを入れて来たりと次にどんな話が来るのか全く予想がつきません。
少し前に出していた会話内容が部活で使われる事もあります。
極めつけはなんでそんな返答をするのか意味不明になる言葉や突拍子もない発言を登場人物達が吐きまくります。
勿論、細かい説明なんてしません。
会話の内容を理解するために頭を使うと言う点は確かにかなり人を選びます。
しかし、その意味、理由が分かった時、私達の脳にはとてつもない快感と楽しさが生まれるのは間違いないでしょう!!

それだけでは終わりません。
「ゆゆ式」はキャラそれぞれの人物描写と細かい仕草を描き出すのが実に上手いです。
例えばこのアニメに登場するゆずこというキャラ。
彼女は小学校時代の親友同士であった他の2人とは違って、後になってから仲良くなりました。
彼女は元々仲良しだった2人とは違う事に少し疎外感を覚えたり、他人に対して踏み込んではいけない節度があると自制したりするシーンも多いキャラです。
2人の前ではあまりそのような感情を示さずに笑わせようとボケを言いまくったりするいい娘なのですが、たまに態度やジェスチャーに寂しさが表れてしまう事もあります。
その時の描写などは本当にリアルに表現されていて、若かりし頃の自分を思い出しました(笑)
また、いかにも馬鹿そうに見える娘が実は真面目で頭が良かったり、しっかりしているように見える娘が案外お茶目だったりなど、何回も見ないと分からない発見が多くあってよく作りこまれているなあと感じました。

そして、この作品を語るうえで欠かせない言葉、それは「哲学」です。
ネット上で「ゆゆ式は哲学」という言葉を見ていた時、どういう意味なのかずっと疑問を持っていましたが、観ていく内に自然と分かってきました。
日々の会話の中で、主要人物3人はたまにこちら側がはっとするような鋭い真理を言う時があります。
言う人によっては当たり前ともいわれかねないそんな事が抵抗もなく、心にストンと入ってきて、とても考えさせられます。
これはこのアニメの魅力でもあるのでしょう。
また、彼女等は日々の会話の中で様々な事に疑問を持ち、それを情報処理部という部活の中で調べていきます。
その疑問は実に様々で、そこで調べた事を最後にまとめと言う形でホワイトボードに書き記していくのですが、それは知らない人が見たらまるで意味の分からない物。
彼女達とそれを見ていた私達だけが知っている秘密の結論なのです。
その突き止めていくまでの過程と導き出された結果を通して自分たちが作り出した答え。
それはこのアニメの第2の魅力ともなっています。
この2つの魅力こそ、「ゆゆ式は哲学」と呼ばれる所以ではないでしょうか?
勿論、哲学好きの人にもお勧めの内容です!!

他にもopとed、bgmがみんなよい物揃いであったり、作画の細かさが所々際立っていたりと色々宣伝ポイントはあるのですが、そこは置いといて…

最後に「ゆゆ式」のジャンルについて…
一応このアニメは百合アニメというジャンルで括られているようですが、観ている上でそのような感覚は私には全く感じませんでした。
視聴者にかなり媚びたりしている訳でもなく、たまに百合的意味の発言も起こりますが、ギャグとして見ていたのであまり気になりませんでした。
現実にも出てきそうな感じで、私はこの作品を観ていて、中学校時代の女友達がしていた女同士の振る舞いを思い出した位です(笑)
だから自分にとっては日常モノ、ある種の青春モノですかね?
なので百合が嫌いだからちょっと…と言う方でも恐らく大丈夫な作品だと思います(個人的主観ではありますが…)

では以上を持って「ゆゆ式」のレビューを終わります。
このレビューが参考になったのなら、幸いです。



さて、また「ゆゆ式」観てくるか…(絶賛リピート中)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

86.9 16 高校生で漫画原作なアニメランキング16位
五等分の花嫁(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1109)
5164人が棚に入れました
貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

声優・キャラクター
松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

5人の女の子に家庭教師してみたい

冒頭のウェディングドレス姿が気になる。
一卵性の五姉妹。2000年5月5日生まれ。合計身長は795センチメートル、合計体重は250キログラム、合計バストサイズは441センチメートルらしい。バストにばらつきが。調べたら一卵性で4人くらいまではいるらしいけど、5つ子ってどんだけの確率なんだろ。ちなみに、一卵性三つ子で確率は200万分の1らしい。
松岡禎丞は羨ましい役をできていいなあ。

長女の一花はアシンメトリー調のショートヘアと右耳に填めたピアスが特徴。
揶揄い上手の小悪魔的な性格だが、面倒見のよいお姉さん。風太郎にもお姉さんぶっては時折アドバイスを送る。私生活はかなりズボラで自室は汚部屋で寝る時は半裸。また、常に姉妹の事を考える余りに自身の気持ちを押し殺してしまうことも。駆け出し新人女優であり、学業の傍ら家族にも秘密にして細々と活動。自分の夢を応援してくれた風太郎に、好意を抱く。数学が得意。花澤香菜もすっかりお姉さん役が板についている。

次女の二乃は前髪ぱっつんでロングヘアと黒いリボンが特徴。
毒舌だが、姉妹で最も繊細であり、姉妹を守るために風太郎を敵視したり、姉妹全員で花火大会を見ようと奮闘したり姉妹思い。料理好きでオシャレに気を遣うなど女子力が高く、社交的で友人も多い。当初は時折荒っぽい言動が目立ったが、次第に女子高生らしい口調に統一された。五つ子の自宅に踏み込んできた風太郎を最も煙たがり赤点を取れば家庭教師はクビということを知った後はチャンスと思うほどだったが、月日が経つにつれ態度は軟化し、今では彼を徐々に強く意識するようになっている。男の趣味はちょっと謎なところがあって、金髪に染めた風太郎の顔が好みらしい。暴力系男子が好きなのかも。

三女の三玖は右目が隠れる斜め分けのセミロングとヘッドフォンが特徴的
口数が少なく、クールだが、信頼した人物にはとても素直で風太郎への好意も認めている。積極的に風太郎にアプローチしようとしているが、恋愛に関して奥手で進展しない。大の運動音痴で料理下手だが、他の姉妹への変装が一番得意。成績は姉妹の中では一番良いが、それでもやはり赤点候補。
ゲームがきっかけで大の戦国マニアになった歴女だが、変わった趣味であることを自覚していたため他の姉妹にもずっと隠し続けてきた。しかし、そんな自分の趣味と向き合ってくれた上、激励してくれた風太郎に好意を抱くようになる。当初は感情表現に乏しかったものの、次第に口数が増え表情も豊かに。五つ子の中で一番最初に風太郎に心を開いている。

四女の四葉はボブカットとウサギ調のリボンが特徴的。
明るく前向き。頼み事を断りきれないお人好し。自分の本心を明かさなかったり、自分に自信がなかったり無邪気なだけではない。身内以外には丁寧語で話す。国語が得意と言うが、姉妹中もっとも成績が悪いが、最初から勉強会に参加してくれた。今だに小学生の頃の下着を着用。
運動能力が非常に高く、女子バスケ部や陸上部から助っ人を頼まれ本格的な入部を請われるほど。風太郎の頭を抱えて好きと言ったところはキュンときた。

五女の五月は若干クセのあるロングヘアーに、頭頂部から生えたアホ毛と星柄のヘアピンが特徴的。
真面目だが何かと要領の悪い性格で、勉強もやる気があるがうまくいかない。誰にでも丁寧語を徹底している。
食いしん坊で、食事シーンが多い。ホラーが苦手。理科が得意。風太郎と高校で最初に出会った姉妹で、クラスメイト。当初は自分から勉強を教えて欲しいと頼むも断られた挙げ句デリカシーのない一言を言われ、風太郎とは最悪な出会いを引きずり不仲が続いたが、次第に気を許し、喧嘩も少なくなっている。後に、母と同じ教師になる夢を抱くようになる。男性に対しては父親が家庭を捨てて蒸発したために少し潔癖な所がある。{netabare}上杉君と呼ぶことから一花に変装してたけど、ばれちゃった。{/netabare}

最初は自分の中では四葉一択かなと思ってた。あんなに元気に話しかけられたら惚れてまう。だけど、話が進むにつれて、三玖の不器用な可愛さとか一花が強がるところが可愛いなんて考えが変わってた。ヒロインみんなに個性があって魅力的。みんなにキュン要素があった。

あるなら2期がみたい。終わり方の感じ的にはどうかな?{netabare}急に、上杉らいはが大人びててびっくりした。前田がお前誰だって感じに。結婚式のシーンになるわけだが、相手は誰だろう?自分には今のところ五月のように感じられる。最初に出会っているし、最終話でも話題の中心みたいなところあったから。{/netabare}

OP
五等分の気持ち 歌 中野家の五つ子(花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり)
歌の冒頭で姉妹ごとにそれぞれ違う上杉の呼び方がいいね。名前の呼び方が実は鍵を握っているかも。
ED
Sign 歌 内田彩
内田彩の歌声好き。小鳥ちゃんボイス。
ごぶんのいち 歌 中野家の五つ子(花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり)


教え子はなんと同級生!!しかも五つ子だった!!全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児!最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!?毎日がお祭り騒ぎ!中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

第1話 五等分の花嫁
家が貧乏な高校二年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師のアルバイトの話が舞い込む。ところがその教え子は最悪な出会いを果たした同じクラスの転入生、中野五月だった!何とか五月のご機嫌を取ろうと近づく風太郎だが、行く先々に現れる四人の女の子たちに振り回されてしまう。どうにか五月のもとまで辿りついた風太郎だったが…

第2話 屋上の告白
「五つ子を無事卒業させる」という依頼を引き受け、家庭教師をすることになった風太郎。しかし赤点候補の上に極度の勉強嫌いな五つ子は、事あるごとに風太郎から逃げてしまう。五つ子との距離を縮めようと奮闘する風太郎だが、突然三玖から屋上に来るよう呼び出される。

第3話 問題は山積み
三玖と打ち解けた風太郎は、この調子で他の五つ子とも仲良くしようと勉強会を開く。そこへ風太郎のことが気に食わない二乃が、邪魔に入ってきた! 風太郎を助けたい三玖が、負けたら邪魔をしないことを条件に二乃と料理対決をすることになり…

第4話 今日はお休み
初めて給料が入った風太郎はらいはの望みを叶えるため、五月と三人でゲームセンターにやってきた。その帰り道、花火大会に向かっていた他の五つ子に遭遇する。『お祭りに行きたい』と言うらいはのため、五つ子と一緒に風太郎も花火大会に行くことになるのだが…

第5話 全員で五等分
花火が始まっているのに、バラバラに逸れてしまった五つ子。そんな中一花は『みんなと一緒に花火を見られない』と告げ、一人離れようとする。放ってはおけないと風太郎は一花を追いかけていく内に、自分と五つ子との関係について一つの答えを導きだす。

第6話 積み上げたもの
ついにやってきた中間試験。五つ子のうち一人でも赤点をとったら家庭教師をクビと宣告された風太郎。そこで彼女たちに勉強をさせようとするが、一人頑張ろうとする五月に風太郎はつい言い過ぎてしまう。五月を怒らせてしまった風太郎は何とか仲直りをしようとするが…

第7話 嘘つき嘘たろう
中野家に泊まりこみで勉強を教えることになった風太郎は、結局五月と仲直り出来ずにいた。一方の五月も、一人勉強をするも上手くいかず悩んでいた。そんな二人の様子を見ていた一花が二人にアドバイスを与える。二人は無事に仲直りできるのか? そして中間試験の結果は─?

第8話 始まりの写真
三玖の手作り料理を食べ過ぎた風太郎は腹痛を起こしてしまう。ちょうどそこへ五月と二乃がやって来た。二人にも勉強をさせたい風太郎は、四葉に何とか二人を引き留めてもらおうとする。すると困った四葉は『風太郎が重い病にかかっている』と嘘をつき…

第9話 結びの伝説1日目
明日からいよいよ林間学校。〝フィナーレの瞬間に踊っていたペアは、生涯を添い遂げる縁で結ばれる″キャンプファイヤーの伝説に周囲は浮足立っていた。そんな中、一花に身代わりをするようお願いされた三玖は、一花と間違われある男子から告白をされることに。

第10話 結びの伝説2日目
林間学校に無事に合流できた風太郎と五つ子。肝試しの実行委員を任された風太郎は、四葉と一緒にお化け役をやることになる。そんな中、五月とペアを組んで肝試しに参加していた二乃は、途中五月に置いて行かれてしまった。ひとりぼっちにされ不安な二乃の前に現れたのは…

第11話 結びの伝説3日目
キャンプファイヤーの準備を手伝っていた風太郎と一花は、手違いで倉庫に閉じ込められてしまう。一方、二人が帰ってこないことを心配した三玖・五月・四葉は、二人を探しに行くことに。そこで風太郎からキャンプファイヤーの伝説を聞いた一花は、三玖の気持ちに気づいてしまい…

第12話 結びの伝説2000日目
林間学校の最終日。自由参加のスキーに来ていた風太郎たちだったが、朝から五月の姿が見当たらなかった。遭難しているかもしれないと全員で五月を探すが、なかなか見つからない。果たして五月を見つけることは出来るのか!? そして五つ子の気持ちの行方は─

投稿 : 2025/03/01
♥ : 16
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

船頭多くして船山に上る

原作は雑誌でパラパラと


視聴動機は、マガジン案件だったから。けっこう近年のマガジン頑張ってるんですよね。
そして蓋を開けてEDのキャスト陣を見たらこれまた豪華。

中野家のご姉妹
長女 : 一花 (いちか) CV 花澤香菜
次女 : 二乃 (にの) CV 竹達彩奈
三女 : 三玖 (みく) CV 伊藤美来
四女 : 四葉 (よつば) CV佐倉綾音
五女 : 五月 (いつき) CV水瀬いのり

進級も危うい五つ子ちゃんの家庭教師を請け負う学年一の秀才上杉風太郎主演のハーレムラブコメとなります。風太郎の声は松岡禎丞さん。日本にはハーレムラブコメに松岡さん以外を出演させると禁固刑となる法律でもあるのでしょうか?出ずっぱりです。
富裕層中野家と貧民層上杉家の対比です。バイト代の高さを動機付けになにかとたいへんな五人の成績を上げるべく奮闘しながら、とはいえ同学年の美人五姉妹相手に健康な高校生男子が何も思わないわけでもなく、、、いやその前に先方が機先を制してデレ始める鉄板の展開でした。
わりきって観る感じでしょうか?キャラとストーリーを持て余してる序盤です。


観終わって、、、
ぶーぶー言いながらも後半面白くてそれなりに満足しました。
結局のところ、

{netabare}五人まとめてかかってこいやー!{/netabare}

というわけで選べん。


まずは良い点。キャラの配置から。五人がそれぞれ個性的でキャラが被りません。おかげ様で名前と顔の一致が早い。

一花:THEお姉ちゃん。ふわふわしながら締めるところは締める。長子の割に合わないところを飲み込んで責任を全うしようとしてる。意志の強さがショートヘアーに表れているのか?{netabare}良い{/netabare}
二乃:勝気さと家族思いのギャップ。女子力も高い。風太郎への警戒は人一倍強いが、こういった子のバリアを突破した時に見せるだろう情の深さは楽しみである。{netabare}良い{/netabare}
三玖:不器用女子。人との距離の取り方に難があれど、あばたもえくぼってやつ。心根の良さと頑固さが見え隠れしほっとけないタイプ。{netabare}これまた良い{/netabare}
四葉:奉仕の心。明るくアホそうに見えてそのくせ周りへの気遣いを欠かさない。もっと自分だしていいんだよ、の守ってあげたいタイプ。{netabare}なんだかんだ良い{/netabare}
五月:キタ!ツンデレ。頑張っても結果が出ない。そこを男のValueで彼女の不足を補ってあげるぜ!と勘違いしたい。主人公にだけ冷たい。落としたい。{netabare}というわけで良い{/netabare}

声優さんの魅力もさることながら、誰がヒロインでも一本書けそうです。さらに風太郎の妹らいはも存在感出してくるので侮れません。


ただしこちらは全体のバランスを無視して単品で一人一人に焦点を絞ったら?という前提が必要。

 みんな良い = {netabare}どうでもよい{/netabare}

なのです。
・みんな巨乳はやりすぎでは?安直な感じもします。
・狭い空間(中野家のマンションの中)が主戦場なので一対一になりにくく、かといって姉妹同士牽制しあう描写もソフトで消化不良。
・順に攻略した末での落としどころが見えづらい。結局情感揺さぶられるほど感情移入するにはせいぜい三角関係ぐらいにしとかないと破錠するよね。難しい設定。
・言っても同年代5人ですから。先輩後輩のような縦の関係もないと物語を膨らませることは難しい。これも設定になるのかな。


こういった背景もあって、数話観ると割りきってブヒる視聴姿勢で臨むか、嫌気さすかどちらかになりそうな気配です。

{netabare}アバンの結婚式描写などご都合展開飛び越えての超展開も期待できそうな伏線は配置されてますが、{/netabare}

作品の焦点をどこに置けば良いのかイマイチ掴みきれておらず、途中しんどかったです。船頭多くして船山に上る感じ。
まるで、ホテルのビュッフェで和洋中華それ以外と単品のクオリティがそこそこ良いけど全部食べろと言われると持て余しちゃうような感覚に近いかもしれません。

それと、五つ子全員お勉強が出来ないというのもなんか釈然としません。
勉強ができるのと地頭の良さは別物とはいえ、一定の尺度の中でだったり要求水準を求められて成果を上げるとか努力することって人として必要でしょうに、それがないというのが一点。それなりにインプットがないとアウトプットするネタに困るのが人間だと思うよ、が二点め。
それが揃いも揃って全員かよ!ある意味すごい姉妹だと思われます。

 {netabare}お母ちゃんも空の上で泣いてるで。{/netabare}


{netabare}林間学校編に突入してから{/netabare}加速していった後半が良かったのでOK!とします。
ちょっと五人それぞれが揺れ動いてくるあたりから物語が締まってくるので序盤で切っちゃうともったいないかもしれません。


OPの ご ・ と ・ お ・ ぶ ・んっ  もTHEアニソンらしくて良かったですよ。
{netabare}タイムリーにスキー場で流れてて、ウチの子供は「きもっ」って言ってましたが。。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴
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2019.04.06 初稿
2019.09.16 修正
2022.02.10 修正

投稿 : 2025/03/01
♥ : 64

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

五等分の花嫁 レビュー

この作品の設定は、深夜向けというより一般ドラマ向けなんじゃないかと思うのですがどうでしょう。
視聴前の印象は、女性声優さん達が新人声優とは言いがたいけれども、若手声優さんの中では「売れっ子」な人達を集めて、おお、気合の入ったメンツだなあ、と感じましたね。
しかし、キャラクターデザインに少し古さを感じるところもあり、期待値的にはやや低めという感じでした。印象的なのは五つ子の髪色や服装の強めの配色や、2019年では少しシンプルな瞳のデザインなどでしょうか。
現時点では5つ子を一人ずつフォーカスしていく地道なラブコメディの展開ですが、1話冒頭及び原作でも提示されている、「主人公の花嫁は誰なのか?」という謎により、五つ子達の主人公への気持ちの傾き、恋心への変化を視聴者に敏感に感じとろうとなってしまう仕組みがにくい!

可憐で個性豊かな五つ子達によって描かれる日常とロマンスの魅力を紐解いていきましょう。

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Introduction(公式サイトより引用)
貧乏生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、
好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。
ところが教え子はなんと同級生!しかも五つ子だった!!
個性豊かな中野家の五つ子は全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児!
最初の課題は彼女たちからの信頼を勝ち取ること…!?
毎日がお祭り騒ぎ!中野家の五つ子たちが贈る、
かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

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さて、冒頭に書いたとおり、私としては、一般向けドラマ的印象がありますね、この作品。
どこにそんな要素があるのでしょうか?
まず、設定を整理しましょう。主人公である上杉君が貧乏で、教え子となる五つ子は美少女でお金持ち。そして上杉君は頭がよく、五つ子は勉強嫌い。
対照的ですね。
この対照設定が、その要素の一つだと思います。逆シンデレラストーリー。貧富の差を越えた恋物語はいつのでも大衆向けかもしれません。上杉君で一般的よりも少し貧しい生活を描き、五つ子達で華やかな高校生活を描く。こうして、どんどんと「差」を描くことで、対比が強くなっていくのかなと。
成立した時のシンデレラ感があるのかもしれないですね。最初は上杉君に対して五つ子は最初は仲が悪いですが、嫌いからの好きになるという関係の変化を描く恋物語展開はありがちですが素敵ですよね。
最初から上杉君と五つ子が一緒に行動しないというのが、この作品の重要な骨組みだと思います。上杉君が行動している間に、五つ子達は別の事をしている。または、上杉君に協調しない。
5人それぞれの個性を描いていますよね。それぞれが別の友達を持っていたり、別の趣味を持っていて、五つ子の個性が多彩だと感じました。
5人それぞれが多彩な個性を持っているので、コメディとしてのドタバタ感がよく引き出されています。最終的には、上杉君の家庭教師の場に全員集まるのが理想ですが、現状では皆が別々なことをしてしまっている。その別々なことを描くことによって、物事が予定通り進まない、ドタバタ、を描いているのだと感じます。それが少しずつ整理されていくのが、物語が進むに当たって気持ちがいい所かもしれません。


作品を語るにあたって、やはり登場人物の魅力には触れておかなければならないのですが、まだ五つ子全員のフォーカスは終わっておらず、核心的な魅力はつけないかもしれません。
4話まで終わり、三玖と二乃には触れられましたね。
私は元気で明るい子のほうが、恋愛で曇ると素敵に見えるので、四葉が好きです。これからの展開に期待ですね。

作品のEDについても触れておきたいです。
多分このED曲が「ドラマ」感が強い(笑)。
「Sign / 内田彩」ですね。日本コロムビア(株)のYouTube公式ページで試聴できます。「運命の恋の予感に胸のベルを高鳴らせる気持ちを切々と綴る」楽曲だそうです。
恋をストーリーのベースに、女性の心の繊細な変化や可憐さ、運命感のロマンチックな想いを歌いあげていますよね。
映像の方も、五つ子それぞれの個性、可愛らしさや意地悪っぽさ、いじらしさなどがよく出た表情をしていると思います。
薄いピンクのバラやマニキュア、リップなど、大人びた女性をイメージできたり、花嫁という華やいだ女性の美しさをイメージするのにピッタリだと思います。
運命の赤い糸が五つ子と絡まりながら、恋の関係性や女性としての変化を、グラスの水の変化やケーキ、マニキュアの形で表現しているのかもしれませんね。女性的な美しさや大人の女性らしさを物の鮮やかさによって表現した素晴らしいEDだと思います。

さて、いかがだったでしょうか。本編映像面で少し劣ることもあるかもしれませんが、楽曲や物語の大筋はとても魅力的になっていると思います。
ED詐欺?(ヾノ・∀・`)ナイナイ

投稿 : 2025/03/01
♥ : 34

80.3 17 高校生で漫画原作なアニメランキング17位
3月のライオン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (987)
4898人が棚に入れました
主人公は、東京の下町に1人で暮らす17歳の将棋のプロ棋士・桐山零。深い孤独を抱える彼が、あかり・ひなた・モモの川本3姉妹と過ごす時間や、さまざまな棋士との対戦を経て、失ったものを少しずつ取り戻していく様が描かれる。

声優・キャラクター
河西健吾、茅野愛衣、花澤香菜、久野美咲、岡本信彦、井上麻里奈、細谷佳正、三木眞一郎、杉田智和、木村昴、千葉繁、大川透、櫻井孝宏

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

原作者の思いに見事に応えた、新房監督&シャフトの本領が発揮された渾身の力作

NHKで2クールにわたって放送された、第1シーズン。

☆物語☆

中学生で将棋のプロ棋士となった主人公桐山零が、
棋士として、人間として、周囲の人との出会いと関わりを通じて成長していく過程が描かれる。

1話の中で複数のエピソードを区切って消化していくスタイルながら、
尺的に足りないと感じることはなく、どのエピソードも上手く纏められている。
NHKの枠なので途中にCMを挟まず自由に区切れ、25分間使えるというのも制作側には好都合だったでしょう。

さすがにNHKで放送されるだけあって、内容的には王道路線で、
シリアスな場面が多いものの、反対にコミカルな面や萌え要素までバランス良く取り入れて重すぎないので、
アニメファン以外の幅広い一般層に受け入れられる作品なんじゃないだろうか。
将棋のルールなんかが分からない人向けにも、作品内で解りやすく絡ませてあり、この辺りは親切。

作風や主人公がどうしても似ている、と感じてしまうのはノイタミナで以前放送された「四月は君の嘘」。
これは観た人みんな思ってるでしょうね。
タイトルに「月」が入っているのは単なる偶然なのか。。

正直物語自体はそこまで斬新なものでもないし、スローペースで進むので、
昨今の尺的にゆとりのない目まぐるしい展開が多い作品と比べると、退屈さを感じる人も居るだろうが、
自分としては、この作品で特に感じた魅力はキャラクター達の人間模様や日常、
心情描写の細やかさと、台詞の重みや間の取り方など、数々の優れた演出にあると思っているので、
じっくりと丁寧にやってくれたのは(原作通りなのかは知らないが)本当に有り難い。

作品内での零の語り、零と関わっていくキャラ達の台詞には、時には非常に残酷であったり、
とても温かみがあったり、また思わず自分にも改めて気付きを与えてくれるような、
そんな深みがあったりと、毎話感慨深く大きな余韻を与えてくれた。
台詞の一つ一つを噛みしめる事ができる感受性、間を想像力で補える能力は人によって異なるとは思うが、
この作品におけるキャラ描写とそれを引き立たせる演出が素晴らしいことに疑いの余地はない。

第2シーズンになれば嫌でもストーリーは進んでいくだろうし、今後の展開にも大いに期待したいところだが、
これまでどおり、焦らずじっくりと進めて欲しい。

☆声優☆

さすがにNHK作品の配役に関しては、
デビューして日の浅い新人などを主要なキャラに配したりはせず、
実力、人気共に安定している声優とベテランで構成されていて隙がない。

中でも3姉妹に関しては見事の一言だが、
主人公零に関しても、とても良く考えて選ばれていると実感する。
通常の台詞以外に公園のグラウンドでの叫びなど、感情を顕にする場面などは、
イケボでなく、ちょっとヘタれな感じが性格に凄く合っているなと。

☆キャラ☆

先にも書いた通り、この作品の一番の魅力と感じる部分は優れたキャラ描写&演出にある。

キャラクターの心情がポエム的な独白、
ナレーションによってたびたび観るものに訴えかけるのだが、これが深く心に響いてくる。
これはキャラに共感できなければ、やり過ぎると返って逆効果で退屈さと冗長な点として捉えられる事もあるものの、
(同様にポエム的な「あまんちゅ!」で気になった点)
各キャラそれぞれが抱えている思いが、台詞の良さも相まってとても巧く表現されていた。
各キャラに共感、もしくは同情してしまう「要素」がしっかりと解りやすく提示されているので説得力がある。

時間を掛けて丁寧に描かれていることもあって、
主人公とその周りの主要なキャラに関しては、とても興味深く魅力的に映った。
中でも3姉妹は本当に癒され和む存在だったので、後半に出番が減ったのは少し寂しく思えたが、
逆に言えば前半のエピソードが特に良かったということかもしれない。

また、打って変わって香子のような存在は、女性作家ならではの描写力で、
女の嫌らしさやねちっこさなど、非常に生々しく描かれていて、こちらも同様に素晴らしかった。

☆作画☆

NHK作品はさすがに予算も掛かっているせいか、派手さはなくとも安定感があって全く不満はない。
背景美術に関しては、水彩画のような非常に淡くノスタルジックな雰囲気を醸しだしており、
また、それに合わせるキャラも違和感なく淡い質感で背景に馴染ませていて、とても温かみを感じる。

最大の見所としては、やはりシャフトならではの映像演出。
キャラの心象風景を、独自の解釈で映像化された場面は観ごたえと相性の良さを実感した。
観る人によって、または原作を読んでいる人には多少クドいと思われるかも知れないが、
自分はよりキャラの心情を理解する上で、良い方向に作用したと好意的に受け取っている。
原作者がシャフトでの制作を熱望したというのも納得。

OPやEDのアニメーションは、特に制作会社の個性が出る部分だと思うが、
零の息苦しさ、閉塞感や孤独感、葛藤、もがき苦しみながらも前へ進もうとしている様が、
抜群のセンスで表現されていたと思う。

☆音楽☆

1クール目のOP、EDで起用されたBUMP OF CHICKENの曲、
歌詞、アニメーション共に最高の出来だった。
もともとBUMPが原作のファンで以前にMVでコラボしたりしているので、
そりゃこの作品のために書き下ろした曲が、相性が良いのは言わずもがな。
できれば2クール目も変えないで欲しかったくらいだが、
2クール目のOP,EDも曲自体は悪くないし、最終話で戻してくれたのは心憎い。

作中BGMもやはりキャラの語り、ナレーション場面で使われているものが印象的だったが、
コミカルな場面もなかなか良いチョイスがされていて、曲のバラエティ自体も豊富で申し分無かった。
台詞間に挿入されるBGMが良いからこそ、その間が大きな余韻となる。
音響含めた音楽面での演出も、映像に負けず劣らずこの作品では大きく貢献していたと実感しますね。


こうして改めて一つ一つの要素を振り返ってみてみると、褒める所ばかりで殆ど点数を差し引く部分が無いように思える。
王道ながらもシャフトによる優れた芸術性が加味され、とても高いレベルで纏まっている。
本当につくづく続編が楽しみだ。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

才能の残酷さを描くことで、人の内面の弱さを表現しています。

 ハチミツとクローバーで恋愛ドラマの仮面をかぶって、才能の残酷さを見せてくれた羽海野チカ。さすがですね。人の愛憎や執着、孤独や過去などのヒューマンドラマの中に、しっかりと才能というものの恐ろしさを見せつけてくれます。
 ただ、ハチクロよりも進化したと思うのが、義姉ですね。あの義姉のキャラがあるから人の内面描写に深みが出て、才能の残酷さは他人にも劣等感という形でつきつけますが、己を傷つけ孤独にする部分も描かれていました。

 才能があるからこそ、居場所が出来た半面、人の居場所を奪ってしまった。周囲の人を巻き込み歪ませる。義姉の態度のコンプレックスの表現は女性作家ならではの迫真のストーリーですね。おしいことにコミック版ほどの禍々しさの中に見える圧倒的な劣等感の表現には至っていませんが、この義姉がいるからこそ、主人公の居場所の無さが浮き彫りになるし、3姉妹との交流に意味が出てきます。

 一方で将棋という特殊な世界にのめり込む男達の心の交流もありました。島田の研究会もそうだし、何よりあの二海堂くんですね。どう考えても村山聖ですよね。聖の青春という小説にもなった羽生善治の少年時代からのライバルです。ちょっと身体の事も村山をなぞっているので、いろいろ心配してしまいますが、詳しくは小説かWIKIで。
 彼がいたからこそ、将棋に向き合うことができたような気がします。良くいる真っ直ぐなおバカキャラに見えて誰よりも将棋に真摯で、主人公のこと…というより主人公の将棋の才能を純粋に愛していたような気がします。(それから学校の先生もですね)

 なお、羽生善治はタイトル99期、史上初の7冠棋士、永世7冠という圧倒的な将棋の天才でので、二海堂=村山だとしたら、主人公が羽生なのかなあと思ったら違いましたね。宗谷でした。宗谷が目指すべきラスボスっぽかったですね。

 その前に後藤ですか。彼の性格の意味は現段階ではちょっとわかりませんね。素の性格なのか、やっぱり宗谷に対比した時にコンプレックスがあるのか。
 ただ、この後藤の態度を見せることで、初めは憎たらしいだけの義姉に対する気持ちが和らぐから不思議です。うまいですよね。結果的に才能の世界の周辺に生きている人たちの惨めさを上手く表現しています。

 そう、義姉が重箱のお稲荷さんを食べるだけで、このキャラに対する見方が全然変わっていました。ここが少女マンガの凄さですね。直前の3姉妹の敵のように見せていて、胃袋で篭絡されてしまう。これで義姉の人間的な内面が表現されて憎めなくなります。ちょっと男の作家には描けないでしょう。ここが一番本作のすごいところだったのかもしれません。

 そしてこの3姉妹ですね。どうも傷があるようです。母性の塊のような長女の内面が見えてこないことが不気味です。この作者が単なる良いおねえさんキャラを出すとも思えませんが…どうなんでしょう。菩薩…で終わるのか違うのか。以前原作10巻まで読んでますが…無かった気がします。

 で、主人公ですね。この構造って、やっぱり主人公がラスボスと対決するために周囲を顧みず…みたいな話になるのでしょうか。ハチクロを見るとそんな気もしますし、3姉妹との交流でそうにはならないのかもしれません。

 将棋の世界の話だけに限定すると、ストーリー展開はちょっとヒカルの碁っぽい感じがありますが、似たような世界ですからね。

 とにかくきれいごとではない人間の内面、特に劣等感を描かせると、羽海野チカは最高ですね。決して「いい話」ではありませんが、特殊な世界をデフォルメすることでヒューマンドラマとして、人間の本質を見せてくれています。この辺りはハチクロのやり方を踏襲している気がします。


 3月のライオンはどちらかと言えばコミック版の方がコマ割りとかモノローグとか少女マンガらしいテイストが話にあっていました。アニメはその点がちょっと表現できていませんでしたね。



 追記 少女マンガ的表現ができていない、といっても、演出で内面描写、モノローグの時は少女マンガらしいエフェクトをいれて頑張っていました。ただ、少女マンガの文法はやっぱりあの独特のコマ割り=時間の使い方と客観主観のシームレスな切り替え、エフェクト=心の動きじゃないと。ここは媒体の特性もあるのでやむを得ないでしょう。

 追記2 水というモチーフは浮かんでいれば羊水のような心地よさがあります。が、泳いだ時のねばりつく水の抵抗は前にすすむ困難、もぐったときの息苦しさは思考が暴走している感じ、音が無くなるような感覚は棋士の集中力ですね。ハチワンダイバーとかにも通じます。

 それと川ですね。川は流れ、広がりなどで原風景のような心落ち着く光景になります。滔々と流れる広い川は、人の営みのアナロジーでもあるでしょう。それを岸から眺めるという意味ですね。また、街の移り変わりを映すことで表情を変えてゆきます。あるいは自分自身の人生そのものでもあるかもしれません。
 また、川岸ですね。これが不思議な効果をだしていました。漠然とした東京の下町の表現というより、俗世界から切り離された特別な場所として機能していました。
 これが演出というだけではなく、内面の重層的な表現に効果的に機能していいたと思います。ただ、とにかく象徴的・抽象的なので何を表現していたかを考察するのではなく、画面から感じるのが作法だと思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 18
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いた作品、作者と制作会社とTV局が一体となった良作

これほど原作が読みたくなった作品は久しぶりのような気がします。終わるまでまとうか、読んでしまおうか、葛藤中です。

シャフトっぽさを消しているようで、ところどころやっぱりシャフトだと思わせるような描写がチョコチョコ見られるのが良いです。特に場面転換で不要じゃね?と思わせるようなカットを入れてきて、それがまた綺麗だったり、インパクトがあったりとするところなんか、シャフトだなと感じてしまいます。ただ、「シャフ度」と言われる首の角度が抑え気味なのはやっぱり寂しいかも(?)

NHKが、しかも総合で流すのですから、力入れているのはよく分かります。まだ前半も途中ですが、引き込まれっぱなしになっています。主人公である零の歩んできた人生の重さ、その重さを少しずつ解放する三姉妹と二海堂との掛け合いの面白い事。

二海堂のモデルは将棋好きの人なら知らない人はいないくらい有名な村山聖なんでしょうね。となると、太っているのは病気のせいであり、あかりが「むっちり」で喜んでいるのはどう解釈したらよいか戸惑いました。このあと二海堂は病気が重くなっていく展開になるんだろうけど、つらいな…

三姉妹は本当にキャラがいい。声も完璧だし、流石としか言いようがありません。話の展開も良く、たぶん、最後まで面白く見ていくことができる作品だろうと思います。すでにお気に入りに入れてもいいように思っています。

【前半を終えて】
結局終わるまで待てず、原作を読んでしまいました…。面白い、何故にこれまでスルーしていたのだろうと思います。前半は零の置かれた状況を表現していた感じです。零が何故に将棋をしているのか、零がどうして三姉妹と関わりを持ったのか、二海堂と零のライバル関係、零と香子の関係等々をシャフト独特の表現でうまく繋いでいた感じです。
とあるコラムニストがシャフトっぽくないのが良いと書いていたのですが、どこを見ているのかと。零の気持ちを表現するときや香子とのシーンはシャフトそのものでしょう。シャフト特有のズルいイメージ(個人的な感想)ふんだんに盛り込んでます。原作のイメージがそのままシャフトっぽいですし、シャフトなら良いと言ったらしい作者の感覚がすばらしいと思います。
三姉妹は癒しそのもの。に対して香子の危うさと言ったら…。香子の声も良いです。老倉育を見て井上さんに決めたらしいのですが、本当にぴったり。

後半はもっと将棋に突っ込んでいくのではないかと思います。また、三姉妹の関わり、零を囲む周りの人々の動きなど、楽しみです。

【後半の中盤】
後半に入り、零の気持ちがどんどん重くなっていきました。そこを救うのが三姉妹であり、先生であり、二海堂であり、島田八段であり…とにかく零は人に恵まれました。回を追うごとにその事が分かります。
将棋に関する話も濃くなってきたのも後半の面白いところです。鍵となる島田八段は飄々としているのに、プロの厳しさを零に伝えてくれます。そしてとうとう出てきた宗谷名人。まさに怪物に相応しい佇まい。アニメになると、その事がいっそう強調された感じです。
零と香子の微妙な関係も相変わらず。が、三姉妹と香子の絡みとか、実は可愛らしい一面もあるところとか見れて良いです。
それから、今の季節に合わせたような進行具合も非常に良いです。これからラストに向けて零がどう成長していくのか楽しみです。

【一期終了】
零のちょっとずつだけど、成長していく感じが見てとれました。
「11年もボッチだったんだ」いう台詞の重みから解放されていく過程を描いたのが一期だったと思います。ゆえに、展開は重く、零の台詞もなにかぱっとしません。耐えられない人はそれでこのアニメはお仕舞です。
零は周りに恵まれました。それは零が成長するための起点になっていきます。二海堂であり、三姉妹であり、林田先生であり、島田八段であり、科学部の面々であり、そういった人々と交わることによって、重く押しかかっていた零の心が開かれて、次のステップへと進んでいきました。見直すと、中盤までの零とは明らかに違う人間になっているのがよくわかります。

この作者は人と人とのつながり、心の葛藤や解放へ向かうまでの描き方が上手だと思います。重くなり過ぎそうなときはわざとデフォルメさせたり、ちゃちゃを入れるような場面を入れてほぐします。これが嫌味に感じないところがまた良いのです。せっかくなので、ハチクロも見てみたのですが、作品は違っても、描き方は同じでした。
それと、ハチクロを見て思ったのが、シャフトで良かったということです。ハチクロも悪いわけではないのですが、ライオンを見た後だと何か足りません。零や香子みたいな人物が多く出演する、心の葛藤を中心とするような作品を作らせたらシャフトは上手です。ちょうど同じ時間帯にAT-Xではefを放送しており、ライオン始まるまでの10分間は視聴していましたが、シャフトの右に出るものはないなとさえ思いました。

二期が決定したので万歳です。二期は{netabare}宗谷とひなが大きくかかわってくる話になると思いますが、この話がどう描かれるのか{/netabare}楽しみでしょうがありません。

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いたこの作品、2クールゆっくりと描かれているので、ドラマ性を求めている人にお勧めです。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 53

72.2 18 高校生で漫画原作なアニメランキング18位
君と僕。(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (815)
4405人が棚に入れました
熱血からは程遠い、でもこれが青春ってやつですか!? 双子の兄弟、悠太&祐希と要、春は幼稚園からの幼なじみ。仲がいいのか悪いのかいまいち微妙なところだが、高校生になった今もつるんでいる。最近は転校生の千鶴が仲間に加わり、5人になった彼らのスクールライフもちょっと賑やかに!? 目立った事件や熱血もない毎日だけど、笑ったり、驚いたり、恋をしたり…。たくさんの日常の中で、少しずつ成長する彼らが送る、ほのぼの青春グラフィティ!

声優・キャラクター
内山昂輝、木村良平、小野友樹、豊永利行、入野自由、佐藤美由希、鳥海浩輔、梶裕貴、中島沙樹

(ΦωΦ)華菜* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

甘酸っぱい青春アニメ*

※あらすじはあにこれのをご覧下さい※

▼▼主な登場人物▼▼


♥塚原 要(つかはら かなめ)♥

穂稀高校に通う2年生でツッコミが主な担当。
家は裕福で学年トップの秀才。
クラスの委員長や生徒会役員もこなす頑張り屋。
中学1年生から眼鏡をかけるようになる。
本当は不器用なのに、周りに頼られると断れず、
自分の力以上のことをしようとする。
双子や千鶴によくいじられているが、
何だかんだ相手する面倒見の良い、優しい一面を持つ。


♡浅羽 悠太(あさば ゆうた)♡

双子の兄で同じく穂稀高校に通う2年生。
前髪がセンター分けで判別可能。
整った顔をしている為、弟と共に女子からモテる。
無表情で表情を崩す事がなく、冷静で大人しい性格。
双子の兄という事から、しっかりしている部分があり、
家事や掃除なども、サボらずしっかりするタイプで、
弟の他にも、要たちの面倒をも見る事もある。
中学時代には剣道部に所属し、高校では茶道部に所属。
周りへの観察力は鋭く、時には人を救ったりする。


♥浅羽 祐希(あさば ゆうき)♥

双子の弟で同じく穂稀高校に通う2年生。
前髪を下ろしている事で判別出来る。
兄の悠太とテンションや感性も似ているが、
オタク趣味だったり、人に面倒をかけるなどの性格は違う。
ブラコン気質で、悠太に面倒を見てもらっている事が多い。
アニメや漫画が好きで、本屋で立ち読みする事も。
兄と同じく女子には人気あるものの、女性は苦手。
半帰宅部状態になっている漫画研究部に所属している。


♡松岡 春(まつおか しゅん)♡

穂稀高校に通う2年生で、お花畑精神を持つ男の子。
よく女の子と間違えられるが、趣味も女の子らしい。
運動が苦手で、勉強だと英語も苦手。
男子高校生にしては珍しく初な心を持つ子で、
そういう話題に出ると、すぐに顔を赤らめる。
天然パーマを気にしており、長髪ではいた。
誰にでも丁寧語を使い、いつもホワホワしている。
ボケやツッコミはほとんどせずに見守っているタイプ。
兄弟が多く、2人の姉と中学生の弟がいる。


♥橘 千鶴(たちばな ちづる)♥

2年生の春に穂稀高校に転校してきた男子生徒。
ドイツと日本のハーフで、金髪が特徴的。
身長が低く、本人もそれをコンプレックスにしている。
右の頬に泣きぼくろがあり、前髪は触覚っぽいヘアー。
日本行事や伝統については中途半端な事しか知らず、
何かと参加したがるが、よく祐希に騙される。
常にパーカーを着用しており、よく注意されている。
髪の毛を下ろすと、イケメンなのに本人は気付いていない。
可愛い女子にモテたい願望が強く、象徴的な男子高校生。


♡佐藤 茉咲(さとう まさき)♡

穂稀高校に通う女子生徒で要たちの後輩。
身長がとても低く、人から親切にされる事を嫌う。
転んで怪我をした所に春から絆創膏をもらい、
興味を抱き、そこから恋愛感情に発展する。
千鶴には「羊っぽい」という事から「メリー」と呼ばれる。
ぶっきらぼうで感情表現が苦手なため、
誤解されやすい性格をしているが可愛らしい女の子。


♥東 晃一(あずま こういち)♥

穂稀高校の教師で、要たちの先生。
面倒見がよく、大人な意見を言う為生徒からの人気も高い。
また要からはライバル視されるが本人は知らない。
よく春や他の生徒たちの相談を受ける。


♡あきら♡

天然ボケで無邪気で永遠のピーターパン。
晃一と幼馴染で晃一を何かと困らせるが、
晃一に面倒をよく見てもらっている。
職業は不明だが、よく穂稀高校に侵入しており、
職員とは顔なじみである。
千鶴からはよく敵視されている。


♥塚原 容子(つかはら ようこ)♥

要の母親で、一人息子を溺愛する可愛らしい母親。
周りに流されやすく、感情の起伏も激しく、
要にベタベタしたい気持ちを全面に出し、
よく要に鬱陶しがられるが、要も結局は優しくする。


♡松岡 冬樹(まつおか ふゆき)♡

春の弟で中学生男子。乱暴で口が悪く、春と真逆。
超健全な中学生で、思春期ならではの描写も描かれる。
同じ学年の彼女がいて、それをネタによく千鶴たちに
意地悪な質問をして、困らせる。


♥松下 隆之介(まつした りゅうのすけ)♥

祐希の後輩で漫画研究部に所属している。
気が弱く、運動が苦手。
祐希をモデルに漫画を描くなど、
祐希に憧れを持っている様子。


♡佐倉 花代(さくら かよ)♡

穂稀高校の食堂・購買で働く女性で、
千鶴曰く「食堂のシンデレラ」。
強気で勝気な性格をしているが、同じ職場で働く母親を
気遣う優しい一面を持っている。
美容師という職業に1度就いていたが、
自身の後ろ髪は常にハネている。
パンなどについているお皿と交換出来るシールを集めており
同じく集めている祐希と仲良くなる。



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★★総合感想★★


2011年10月から12月まで放送された作品。

全13話。


ポワポワしている男子高校生の日常を描き、

尚且つ、

甘酸っぱい青春を感じられる作品。


現実でもありがちな男子高校生を描いている事、

恋愛も甘酸っぱく描かれている事で、

見ている方も思わずニヤニヤしてしまいます/////



日常もとても良いのですが、


やはり、それぞれの恋愛模様が描かれている所は、


じれったくて、

初々しくて、

キュンキュンしてしまうのです(*ノェノ)キャー


アニメを見た事から、

原作を読んだのですが、

原作も同様、キュンキュンしてしまいました(*ノェノ)キャー



作中には、


ポエムのようなセリフもあり、


それもまた物語と合っていて、


とても心に伝わるセリフでした(*´Д`)


高校生に戻りたいと思わず、
ため息をついてしまう作品ではありますが、


キュンキュンが足りない方は是非視聴をオススメします!!


作画もとても綺麗で、

登場する猫も可愛く、


ほのぼの、ほっこり温かい作品です( ´∀`)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

予想以上の出来で2期がとっても楽しみです(#^^#)

■キミ (;⌒▽⌒)σとσ(⌒▽⌒;) ボクってどんな関係・・・改め・・・君と僕。ってどんなアニメなの♪
ゆるーい感じの仲良し男子の高校生活の日常を描いた作品なのです!
エルフェンリートでお馴染みの神戸守監督と、ARIAやたまゆらでお馴染みの吉田玲子さんがシナリオ構成を手掛けるので、どんな作風に仕上がるのかとっても楽しみな組み合わせですね♪
物語の中心に、双子の浅羽兄弟が登場するのですけど、兄の悠太はISでキャストを努めた内山昂輝(うっちー)で弟の祐希ははがないで小鷹訳役のキャストを努める木村良平さんなのです(^ー^* )フフ♪
知る人ぞ知る「僕は友達が少ない on AIR RADIO」で盛り上がってる大富豪コンビなのですw
わからない人はごめんなさいね♪
σ(・・*)アタシはそれだけで楽しみでしたね(*^-^)
女の子ばかりの日常系作品が多い中、男の子が中心の日常系作品はとっても斬新な設定で、ちょっと今までに見たことのない作風が味わえる作品なのですよ♪
 
 
■君と僕。に出逢った日の日記φ(^∇^ )
どうやらこのアニメは分割2クールで放送させるみたいですね!
最近だと「神のみぞ知るセカイ」もこの形でしたね♪
果たして2クール目に無事辿り着けのかちょっと不安な第一印象でした(>o<")
BLが苦手な私にとってこれは試練なのでしょうねw
作画自体は淡い色彩を使ったほんわかした雰囲気を表現していて日常系らしい描写は良かったと思います♪
ただ脱力系と謳っているだけにキャラに覇気がないのがどうも気になります。。。o(゚^ ゚)ウーン
春くんに至っては、女の子ですね・・・
それでも時折みせる(。・w・。 ) ププッと笑ってしまうギャグパートが今後もパワーアップしてくるようなら意外と2クールも楽しく見れるのかなぁーとも思ってます♪
 
1話ではなんとも判断つかない内容だけに、今後に期待をしつつ完走を目指したいと思います♪
 
 
■総評
1話見た段階では「君と僕。」って完走できるかなぁって思ってたのですけど・・・杞憂でしたね(* v v)。
毎話観るたびに感じるこの心地よい感覚・・・そうなんです!σ(・・*)アタシの大好きな時の流れを感じたのです!
こういうアニメを楽しむには、贅沢な時間の使われ方を理解できないとダメかもしれませんね(*^_^*)
日常系以外のアニメではカットされてしまいそうな、何か起こるわけでもないシーンや何気ない会話が絶妙な空気感を演出しているのですよね♪

花を見つめる、空を見上げる、生徒が行き来する廊下のシーン・・・
登下校中、休み時間、昼食中の何気ない会話・・・

カットしても物語が成立すると思われるシーンの数々が大切にされているのがこの作品からも伝わって来ました♪
そんな点からも間の取り方に定評のある監督の神戸守さんと、キャラの何気ない仕草から後々のキャラの性格や行動を自然に見せたり深みを与えることに秀でているシリーズ構成を手がけた吉田玲子さんの感性はこの作品と相性がよかったんじゃないかなぁって思えました(#^^#)

また演出としてはBGMのセンスが抜群に良いのです♪
アコギの音色が「君と僕。」のほんわか温かい雰囲気にベストマッチでした♪
もちろん、OP/EDや挿入歌もいい曲揃いで作品としての魅力に一役買っていた印象でした(*^^)v

キャラとしては千鶴くんが登場してきた頃からグイグイ「君と僕。」の世界に惹かれていった感じでした!
春ちゃんのオカマっぽい言動にも次第に慣れてきて、好感すら覚えるようになってましたねw
1・2話はキャラの性格をまだ把握しきれてない為になかなか面白みを感じられなかったのですけど、全話見終わってからもう一度観ると伏線だったシーン等々、見えていなかった部分が見えて来たりして何だか得した気分になりますよ('-'*)フフ
心に響くジーンとするような場面もあったり、思わず(。・w・。 ) ププッって笑ってしまう面白さもあって日常系としてはとってもバランスが良い作品って印象ですね♪

2012年春に2期放送が決定しているので、春が来るのがとっても待ち遠しいです♪


■MUSIC♫
OP曲『バイバイ』
 【作詞・作曲・歌】7!!(セブンウップス)
 沖縄出身のロックバンドでバンド名の由来はVo.NANAEの「NANA=7」+「E=えっ=!!(Oops)」
 (。・w・。 )
 情景が浮かんでくるようなストーリー性の高い歌詞が青春の1ページを思い出させてくれますね♪
 あどけなさが残ったキュートな歌声はとっても伸びやかでポップなサウンドにぴったりですね♫
 
ED曲『なきむし。』
 【作詞・作曲・歌】沢井美空
 ストレートな歌詞が特徴のシンガーソングライターの沢井さんの2ndシングルなんですね♪
 細かいビブラートが特徴的で、丁寧に歌ったしっとりと聞かせるナンバーです♫


2011.10.08・第一の手記
2011.12.29・第二の手記(追記:■総評)
2012.01.10・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 51

やまだ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゆるふわ男子のマジェスティ

何これ尊い。男子きららかよ。
ゆるふわ男子高校生の青春日常系。

刺激的なシリアス作品が好きな方はボロカスにこき下ろす程につまらないでしょう。キービジュアルと"君と僕"というタイトルを素直に捉えれば興味がそもそも沸かないでしょうが、これらのイメージまんまのゆるい雰囲気。

きららと違って一応異性との絡みもあるが恋愛要素はスパイス程度。男子高校生のお互いにギャーギャーブツブツ文句言いながらもなんだかんだで仲睦まじい様子に胸が熱くならずとも暖かくなる和やかな空気に包まれる視聴感は見る者を選ぶ作風ではあるが興味を持った視聴者の殆どはありふれた作品とは違った満足感を得られることでしょう。

きらら同様ファンタジーとして楽しみましょう。男子高校生特有のギラついたパッションは一切表現されません。岡田麿里が延々書かされてるようなお互いの激情を時に激しく時には陰湿にぶつけ合う希望と絶望が入り乱れる衝突と裏切りの青春サバイバル劇場でもありません。まあこの雰囲気でそれをやれたら逆張り王子虚淵玄も完敗ですね。流石に剣も魔法も使えないし無理だわな、そもそも殺せないし。劇的などんでん返しに怯える事無く素直に安心して楽しめる作品。

原作となる漫画は青春ギャグということらしいのですが、"このすば"なんかのギャグ強めのアニメを見慣れた方にはギャグ要素の存在に全く気づかないくらいにギャグ要素は弱い、薄いです。原作チラ見しましたが、そちらはちゃんとギャグ作品として成立してました。セリフは全く同じなんですがね。"オタ恋"なんかもそうでしたが、掛け合いの間やタイミングなどでクスッとした笑いをとるタイプのギャグ作品はアニメとは相性が悪いのでしょう。というか割に合わないのか。書いた絵は1秒でも長く使いたいでしょうからね。


先に見たということもあるのでしょうがアニメの方が良かったのは2話で春(しゅん)が茉咲(みさき)を捕まえた場面。

怪我した茉咲を追いかけてまで絆創膏を渡した春。
不慣れな親切に困惑した茉咲は春に対して反発し
憐憫の目を向けられたと逆恨みに似た感情を抱く。
茉咲は春を意識してしまうが交流の方法を知らず、
悪戯や嫌がらせ等の一方的な干渉になってしまう。
他生徒や先生までも巻き込んだ騒ぎは連日に渡り、
とうとう不意に流血沙汰にまでも発展してしまう。
友達を文字通り傷つけられた事で怒りに震える春。
故意でないとはいえ、怪我をさせてしまった茉咲。
捕まえた茉咲の肩を掴み、正面から睨みつける春。

見慣れた作品ならここで激昂罵倒叱責殴打斬撃など

しかしとてもそうするとは思えないこの作風。
春は一体何と言うのか?固唾をのんで見守る私。
そしてそれを待つ"間"がきちんと用意されてます。




「君が怒ってるのは誰ですか」

え?

「ボクでしょう?」

まって

「だったら無関係の人を傷つけてはダメです!
 ボクが許しません!」

え、なにこのひとカッコいいんですけど

フラグ立つのはお約束。鈍感なのもお約束。

漫画だと素直に進行するのですが、この"タメ"の演出はアニメならでは。ここだけは個人的にはこっちが好きですね。


OP:バイバイ/7!!
いいですね。悪くない。

ED:なきむし。/沢井 美空
そもそもこの曲聴きたさに視聴したようなもの。
初期作ですがこの頃から表現力素晴らしいです。
実力でタイアップ取れるのも深夜帯の良さですね。
一見ただの切なさ全開バラードのような歌い出しと曲調ですが視点は真っ直ぐ相手を向いた奮起の歌。ステキ。

そして蒼井翔太デビュー作らしい。
劇中歌って女性が歌ってるじゃんと思ってた。
しかも数曲聴けます。この人もバケモンだな。

なにげに劇伴もいいんですよ。

日常系なので1話で判断可能。お試しあれ。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 11

89.9 19 高校生で漫画原作なアニメランキング19位
彼方のアストラ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (1000)
3946人が棚に入れました
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?

声優・キャラクター
細谷佳正、水瀬いのり、武内駿輔、黒沢ともよ、木野日菜、松田利冴、内山昂輝、早見沙織、島﨑信長
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

SFサバイバルミステリーギャグアニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
なるほど確かに、「全話観た上で、評価を決めよう」という作品ですね。ネタバレなしでは、これ以外は、なんとも(笑)

評価としては、☆4(高評価)に違い、☆3(普通)です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
五点負けてる九回裏に、満塁ホームランを打ち、そのまま、あと一歩のところで敗戦してしまったようなアニメでしたね。おしい、あと一押しあれば、☆4(高評価)でした。

終盤の畳み掛けるような伏線回収は素晴らしかったです。いろんな小さな要素がちゃんとストーリーに繋がる無駄の少なさ。特に、シャルスがカナタの右腕になるクダリは良かったですね。「王の為」以外に生きる意味を教えられなかった少年に、新たな生きる意味を与える(カナタの右腕として生きる)というのも、絶妙な暗さがあって良かったです。

9話(☆4評価)からの展開、特に、11話のクオリティについては、嫌みなく、素晴らしかったと思います(単体では☆5をつけてます)。

でもじゃあ、それまで費やした、8話分のマイナスを覆すだけの効果があったかと問われれば、流石にそこまでではないのかなと。

スベり続けたギャグ。リアリティのない展開。綺麗すぎる人の心。

例えば1話、みんなで手を繋ぐより、誰か推進材があるやつがワイヤーつけてキャッチしたら? 例えば2話、ドラゴンはどう考えても数トンあるわけだし、保存をちゃんとすれば(真空保存など)、食料問題は一気に解決じゃね? 例えば4話、解毒剤は発症してないと見つけられないなら、ユンファは、なぜ見つけられたの? 例えば9話、クローンなのに男女両性に出来るの? クローンじゃなけりゃ記憶移植できないのか、どうせ記憶移植するなら、自分が良いなという欲求なのか。後者なら、クローン作らなくても良いことになるし、大事な点の説明がない。

と、このような小さな失点(疑問点)を繰り返してきた部分が、どうにも気になりました。

それでも、もし12話で、もう一度世界をひっくり返すような、11話を超えるようなエピソードをぶちこんでこられたら、また違ったけど。まるで、アストラ号のように、波風たてない緩やかな着地(苦笑) 一時間もかけたわりに、物足りない最終話(まあ、爽やかで、後味が良くはあるんですが)。

これ多分、「漫画大賞」という先入観で、勝手にハードル上げまくった私が悪いんですね、ハイ。

本作は、「SF」と「サバイバル」と「ミステリー(デスゲーム)」と「ギャグ」いう、4つの要素を組み合わせたのが最大の見処であっものの、SF以外は中途半端になった印象。

特に、もっとサバイバルの部分がちゃんと面白くして、(序盤から中盤を)エンタメ作品として充分以上に楽しんでいるなかでの、急転直下のSF(終盤)にしていれば、なお良かったかな?

う~ん、勿体ない作品ですね。
{/netabare}



【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ギャグがさぶいな~。サバイバル系なんだろうけど、「ソウナンですか?」「Dr.STONE」など、ライバルも多いな。

いや、誰か推進材があるやつがワイヤーつけてキャッチしろや。

2話目 ☆2
まあ、作風なのは分かるけど、不真面目だな。せめて、毒かどうか試してから食おうよ。ドラゴン、さっさと食えよと。

この作風で、この世界での整合性がとれてないのは、キツいな。

つか、ドラゴン、どうみても数トン以上はあるし、1日に1キロ食ったとしても、(保存がちゃんとできれば)20日どころじゃなくもつよな。

3話目 ☆2
サバイバルだけでなく、デスゲームの要素もあるんかい。てか、そっちメインか? なぜ、和気藹々できる?

4話目 ☆1
団結が崩れる、、、だったら、情報開示するなや。その方が、尻尾つかめるだろ。偶然、解毒剤をゲットして、皆の役にって、超ご都合主義かい。発症してないと見つけられないなら、ユンファは、なぜ見つけられたの? そこで歌うのは、バカなのか?

なぜ、この作品が、漫画大賞に? 後半、追い上げるのか?

5話目 ☆2
俺なら、あそこで歌われたらキレるけどな(汗) まあ、自分の子供が死んで良いと思うような親なんだろうな。

そもそも、どの惑星にも、水も空気もあるというのがな。

ラブコメも入れてくる。欲張りだな。

6話目 ☆3
綺麗に決まりすぎた感もあるが、良い話かな。ウルガーに銃持たせるところとか。あと、ルカが自分をネタにしてるところは、良いな♪ あと、最後の嘘を見破る流れも、次話が気になる。

7話目 ☆3
なんだ結局良い話か。そこの号泣で茶化すって、どんな演出だよ(苦笑) タイムリープだったの? じゃあ、殺すためではなく、生かすために飛ばしたのか? 違う機体か? まあ、パーツを合体させて直すんだろう。

8話目 ☆3
助けに来たと思ったら、同じく遭難者。まあ、直さんと話終わるしな。つか、使える部品とか、全部積み込もうぜ。ここから、本ネタ? ザックとキトリーのギャグパートは、初めておもろかったw いやいやいや、IDタグごときに命かけるなや。最後の惑星? 同一人物、クローンか。

9話目 ☆4
全員クローン。まあ、なら宇宙にとばした理由も分かるか。思ったより、クソ親だったな。記憶の移植は同一人物じゃなけりゃできない? しかし、クローンなのに、男女両性に出来るの? ここ、ポイントだな。クローンじゃなけりゃ記憶移植できないのか、どうせ記憶移植するなら、自分が良いなという欲求なのか。

あと、性格とかも、遺伝的な特性もあれば、環境的な特性もあるわけで。だから、違わな過ぎないか?

は? だって可愛いだろw

これは、時代が変わってるか? 地球もクローンか?

10話目 ☆3
ここから面白くなりそうだな。違う時間軸の地球? 新しい惑星? 全員の記憶が作られたもの、つまり、「涼宮ハルヒ」+「進撃の巨人」みたいな話か? この作戦、分かりやすくウルガーが味方で、シャルスが犯人だな。。。だよな。

11話目 ☆5
ここで、アリエスの謎、回収。ここの伏線はなかなか良いな。子は親を選べない。環境や教育が人をつくるか、自分が自分をつくるか。右腕として、、、生きる意味の書き換えだな。

12話目 ☆3
綺麗だな~。綺麗すぎるくらい、良くも悪くも。予想以上ではなく、11話を超えられもせず。もうひとつ、世界をひっくり返して欲しかったかな。もし、12話が11話を越えられれば、☆4をつけても良かったけどな。さて、これで世界は、良くなるのか? 箱庭も、悪くはないけどな。
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 43
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

判別可能なキャラ達と金太郎飴的な惑星群

原作未読

漫画の評判がいいから、が視聴動機。
全12話ただし初回と最終回が1時間枠だったので実質14話分のボリュームです。
序盤はもの珍しい細谷佳正さんのハイテンション演技を堪能することから。SF興味なくともこの一点で “ 買い ” かもしれません。2~3話経過してからはBパートの引きが良く毎話楽しみながらの完走です。

ざっとあらすじ:子供たちだけでどっかの惑星で5日間自活してこよう!スケール大きめの林間学校に意気揚々と出発したらトラブルに巻き込まれて帰ってこられなくなりました的なやつです。

キャストは多め。性格ははっきりとキャラ毎に別れており、キャラ回というよりキャラパートを設けてあまり尺を使わずにさらっと紹介。それでいて不思議と名前は覚えていられました。
{netabare}みんな多かれ少なかれ境遇は一緒だよ、との本作の特徴を活かしこのへんばっさり切りましたね。英断だと思います。{/netabare}


カナタ・ホシジマ(CV細谷佳正):リーダー 十種競技選手 アツい!
アリエス・スプリング(CV水瀬いのり):天然ドジっ子に見えて意外と有能
ザック・ウォーカー(CV武内駿輔):頭脳明晰鉄面皮 キトリーと幼馴染
キトリー・ラファエリ(CV黒沢ともよ):医者の娘 フニシアの姉 基本ガヤ
フニシア・ラファエリ(CV木野日菜):最年少 キトリーの妹 パペットマペット
ルカ・エスポジト(CV松田利冴):政治家の子 僕っ子亜種「オイラっ子」
シャルス・ラクロワ(CV島﨑信長):貴族出身 なんというかムツゴロウさん
ユンファ・ルー(CV(早見沙織):国民的歌手の娘 超内向的隠れ美人
ウルガー・ツヴァイク(CV内山昂輝):教頭の息子 本人はアウトロー志向

ポリーナ・リヴィンスカヤ(CV生天目仁美):ゲスト ポリ姉


途中経過時点ではおおむね今期多かった中間層上位 ( 自分比 ) の作品という見立て。完走は苦にならずそこそこ面白いが一皮むけてないといった「惜しい!」作品の一つ。
ただしそれは物語の全容が明らかになってくるまででした。起承転結の転から加速しきっちりまとめてゴールイン!一気に観るのがいいと思います。

引っ掛かったところ先に述べとくと、全12話のけっこうな部分を占める各惑星描写についてもっとエンタメに振り切って欲しかったな~ということですかね。


※各惑星の簡易説明

{netabare}惑星マクパ:当初目的地
惑星ヴィラヴァース:最初に訪れた惑星。肉食恐竜みたいなのとにょっきーん植物が脅威
惑星シャムーア:脅威のない草食動物。毒胞子まき散らすポールツリーが脅威
惑星アリスペード:リゾート惑星。地震と津波が脅威
惑星イクリス:自転してない過酷な環境。超獰猛な可動性植物が脅威
惑星ガレム:最後の惑星。わりと平和

一覧すると、植物らしきものが脅威だよというパターンが被りヴァリエーションに乏しい。{/netabare}

いきなり遠くの宇宙空間に放り出され、かくかくしかじかで食糧の備蓄量を見据えながら惑星を中継して帰還するという一大作戦決行中の若者たちです。

 未知の惑星にどんなものを持ってくるか?

これがいってみれば想定の範囲内。観てるこちら側の斜め上をいくようなタイプの惑星が登場してたら、

 本当に生還できるのか?

SFサバイブもののドキドキワクワク感はさらに増したことでしょう。
{netabare}そしてサバイバルパートが際立てば際立つほど第9話「全容見えてきました!」回との目線ずらしが奏功してたと思います。サバイバルと見せかけてサスペンスでしたの落差で評価は爆上がりしてたことでしょう。{/netabare}


この引っ掛かり以外は気にならず、中盤までゆるやかに右肩上がりで面白くなっていくストーリーだったと思います。サバイバルという題材と+αの謎{netabare}(「裏切者は誰だ?」){/netabare}を早々に提示してくれたおかげで、なにがなんだかよくわからないまま後半に種明かしみたいな不親切設計でもありませんでした。
起承転結の構成も手堅く、転からの終盤はオチも含めて意外性と納得感のある内容。このへん詳細は本編で!

ジャンプ連載だったわりには、下手に引っ張らず撒いた伏線を回収して短くスッキリと終わらせた構成にも好感を持ちました。良作です。



■物語の構成について ※ネタバレ

{netabare}出来過ぎなくらいハッピーエンドでしたね。それが嫌らしいと感じませんでした。
物語は以下の順で明らかになっていきます。

1.アストラ号メンバーの共通項
2.刺客はこやつ
3.この世界の秘密

序盤から2.は提示されていて視聴者の興味を引っ張る材料になってました。そして2.が明らかになれば当然「どうして?」がでてくるわけで、その説明が1.と思ったわけです。
これで1クールでも充分だったと思いますがおかわりがありました。3.です。期待値の一段上をいってました。{/netabare}


■優しい人たち

これは雑感です。人間の善意を信じようという作者の意図が根底にあったのだと思います。
{netabare}・ユンファのライブ会場に押し入ろうとしたキトリーと警備員とでひと悶着。直後、隣にいたアリエスのとある報告に控えめに拍手を送る警備員さん。さっきまでもめてたのにw
・アリエスの母ちゃんに連絡を取ろうとした時に、だれも疑わなかった。普段ならご都合とか平和ボケみたいに感じたろうにこの時はクルーの絆みたいなのをより強く感じました。不思議なもんだねぇ
・ピンポイントでしか覚えてなさそうなカナタが本を執筆できるわけなかろうもん。きっと隣にいた超絶記憶力の持ち主がサポートしながら書き上げたんだろうね、と妄想。{/netabare}




■(余談)カナタのアストラ

冒頭に戻るわけですがハイテンション細谷佳正さんが個人的にはイチオシです。
アツい!とにかく勢いがあるキャラでした。そして、彼は脳筋一歩手前の絶妙なバランスで好感度を保っていると思しき立ち居振る舞いをします。行動に根拠がある。よって知性も感じる。

モデルは武井壮?と思った人他にいないかしら。

なかやまきんに君でも春日でもないんだよなぁ 
武井壮なんだよなぁ



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.09.20 初稿
2020.04.07 修正

投稿 : 2025/03/01
♥ : 78
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

期待通りだった

それぞれに悩みや秘密を抱えているキャラクター達が漂流によって成長していくし、ミステリー要素もある作品。ところどころスケットダンスの作者らしいギャグもあってそれがいい感じのスパイスになってる。

後日談もあって登場人物たちのその後まで描いているところも後日談好きな僕は見終わって面白いと感じた。

アリエスの親{netabare}生みの親ではなくて育ての親ではあるが、{/netabare}からの愛が半端なくて泣きそうだった。アリエス可愛い。

最後はそうくるかという展開。{netabare}漂流は仕組まれたもので、漂流させられた彼らは違法なクローン人間だった。しかも地球の歴史が改竄されていた。漂流して冬眠していたポリーナのおかげで判明。{/netabare}

割と綺麗に完結しているし、裏切る奴がいても最後は呉越同舟ではなく、完全に和解して一致団結する姿も良いなあと。仲間のために自分の身を挺するカナタの存在が大きい。腕の機能面白いし。


OP
star*frost 歌 nonoc
ED
Glow at the Velocity of Light 歌 安月名莉子
挿入歌
Star of Hope
アストラ号の冒険 歌 ユンファ・ルー(早見沙織)
この作品でnonocと安月名莉子の歌が自分に刺さった。彼女達のさらなる活躍に期待。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?「マンガ大賞2019」大賞を受賞!『SKET DANCE』の篠原健太が描く大人気SFサバイバルストーリーが待望のTVアニメ化決定!


1. 第1話 前半 PLANET CAMP
生き残れ、宇宙の彼方で 宇宙旅行が当たり前になった時代。ケアード高校の生徒アリエス・スプリングは、初めての惑星キャンプに胸をときめかせていた。同じ班になったのは、宇宙港で顔を合わせたカナタ・ホシジマら計9名。一行は無事に惑星マクパに辿り着つくが……予期せぬ事態が発生する。

2. 第1話 後半 PLANET CAMP
生き残れ、宇宙の彼方で 宇宙旅行が当たり前になった時代。ケアード高校の生徒アリエス・スプリングは、初めての惑星キャンプに胸をときめかせていた。同じ班になったのは、宇宙港で顔を合わせたカナタ・ホシジマら計9名。一行は無事に惑星マクパに辿り着つくが……予期せぬ事態が発生する。

3. 第2話 WILDERNESS
20日分の食料と水を手に入れるため、惑星ヴィラヴァースに降り立ったカナタたち。特異な生態系に翻弄されながらも生存のために協力し、メンバーは少しずつ環境に順応していく。しかし、十分な食料と水が確保できるとわかった矢先、再び謎の球体が現れる!

4. 第3話 METEOR
通信機を壊した犯人がこの中にいる--。カナタはメンバー一人一人に疑いの眼差しを向けるが、証拠となるものは見当たらない。猜疑心に苛まれながら、ついにメンバーに事実を打ち明けるカナタ。誰もが混乱に陥り、疑心暗鬼になる中、アストラ号の壁が突然爆発する!

5. 第4話 STAR OF HOPE
墜落の危機を乗り越え、アストラ号は第2の惑星シャムーアに到着する。犯人を探すことをやめ、全員で生き抜くことを優先するカナタ。惑星探査は順調に進み、食料と水の見通しも立った。色めき立つカナタたちだが、ユンファだけはどこか表情が曇っていて……。

6. 第5話 PARADISE
B5班を救い、メンバーと打ち解けたユンファ。旅の楽しさを分かち合いながら、アストラ号は次なる惑星を目指そうとしていた。一方、ケアード高校にはカナタたちの親が集められ、行方不明の子どもたちを死亡扱いとする失踪宣告の手続きが始まろうとしていた!

7. 第6話 SECRET
ルカの父親マルコ・エスポジトは、ウルガーの仇だった。大切な兄を奪ったマルコに復讐するため、ウルガーは銃の腕を磨き、その機会をうかがっていた。ルカを殺せば、マルコに同じ苦しみを与えられる。その引き金に込められた憎悪に、ルカは……。

8. 第7話 PAST
惑星イクリス到着を前に、B5班に衝撃が走る。シャルスはもともとケアード高校の生徒ではなく、惑星キャンプの直前に転校してきたというのだ。なぜ、シャルスは転校生であることを不自然に隠していたのか? 今明かされるシャルスの出自に、カナタたちは……。

9. 第8話 LOST AND FOUND
アストラ号と同型の宇宙船を発見したカナタたちは、船内でコールドスリープ状態の生存者を確認する。彼女の名前はポリーナ・リヴィンスカヤ。この宇宙船、アーク6号の機関士だったという。さらに、アーク6号の発見によってアストラ号の修理にも一筋の光が差し込む。

10. 第9話 REVELATION
キトリーとフニシアはまったく同じDNAを持っていた。ザックから告げられた衝撃の事実に、カナタたちはとある仮説にたどりつく。そしてこれまでの全ての出来事がパズルのピースを埋めていくように仮説を裏付けしていく。

11. 第10話 CULPRIT
カナタたちの目指す惑星を見て驚愕するポリーナ。次々と判明する新事実に困惑しながらも、B5班とポリーナはお互いの知識、認識をすり合わせ、様々な仮説を立てていく。そして次なる惑星ガレムへの到着を前に、カナタは意を決しアリエスの部屋を訪れる。

12. 第11話 CONFESSION
刺客の正体が明らかになった……! 戸惑いを隠せないB5班のメンバーたち。旅の中で絆を深めてきた仲間が、なぜメンバーの一斉殺処分という使命を背負い続けるのか? 仲間の問いかけに、刺客はその出生の秘密と自身を突き動かすに至ったある事件の顛末を語り出す。

13. 第12話 前半 FRIEND-SHIP
【前半】右腕を失いながらも、誰も憎まず今まで通りを貫くカナタ。惑星ガレムを出発する準備も着々と進み、5012光年の旅はいよいよ終着点を迎えようとしていた。そして、故郷への帰還を前に世界の真実を知るカナタたち。果たして、この真実をどう受け止めるのか。

14. 第12話 後半 FRIEND-SHIP
【後半】右腕を失いながらも、誰も憎まず今まで通りを貫くカナタ。惑星ガレムを出発する準備も着々と進み、5012光年の旅はいよいよ終着点を迎えようとしていた。そして、故郷への帰還を前に世界の真実を知るカナタたち。果たして、この真実をどう受け止めるのか。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 17

86.1 20 高校生で漫画原作なアニメランキング20位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (774)
3394人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Open the world!

稲垣理一郎さんとBoichiさんによるSF漫画のアニメ化作品。「週刊少年ジャンプ」で現在も連載中。単行本は既刊13巻まで。(放送終了時点で)

原作の稲垣理一郎さんは小学生時代からPCで自作ゲームを作って遊んでいたという筋金入りのゲーマー。漫画連載中でも新型ゲーム機の発売日に店頭に直行した経験もあるそう(笑)。一方で、仕事に取り組む姿勢は心から尊敬すべきもので、作中に登場する科学の料理を一から作って食してみたり、工房や道場へと自ら足を運び生の知識を得たりと実直そのもの。科学的素養充分な方とお見受けした。

作画のBoichiさんは目標に一直線なパワフルな方で、漫画を描く為に大学では物理を、(芸大)大学院では映像を専攻し、また学業の傍ら、一般書を含む膨大量の科学関連書籍を読み漁ったという努力家のツワモノ。「攻殻機動隊」の原作者として今や世界的に有名な士郎正宗先生の作品群に触れ、知識が漫画を面白くする事を学んだそうです。そしてこの方も仕事の鬼^^。ソユーズを生で見るためにロシアまで足を運んだり、土器の蓋のデザインで悩んだりするほど(笑)。作画担当に留まらぬ精緻な仕事振りが光ります。

それではレビュー。

物語の発端は世界各地で発見された石化したツバメ。やがて眩いばかりの閃光が地球全土を覆う。全ての人類は石となり、その活動を停止する。

3700年の眠りから覚めた高校生、石神千空は※1人類が消えた世界「ストーンワールド」で生きる術を模索し、人類文明滅亡の謎を探ります。


一見するとトンデモな出だしですが^^;、娯楽性やドラマ性一辺倒な作品とは一味違い、ファンタジックな少年漫画の皮を被りつつも、芯(サイエンス)は厳格。やたらと高度な最先端科学や新種の造語で、それとな~く知的な雰囲気を醸し出し視聴者を煙に巻く、数多の作品群(ファンタジーとして楽しいので否定はしない)と比較すると、本作の性質は概して真逆。

アニメはあくまでも娯楽なので薀蓄必要無し!もまた真なりですが、それはそれ、これはこれとして、作中台詞の一部を借用させてもらって両者を表現するならば「前者の言葉は羽の様に軽く甘く、後者の言葉は石の様に重く苦い。」となるのではないでしょうか。一見して余計な、この雑味に当たる重さと苦さが、アニメ(物語)という娯楽に深みを与える最高のスパイスになるのです。

作中で取り上げられている「サイエンス」は、汎用性が高く物語に組み込みやすい物理、化学を中心に、その枝葉に当たる、工学、薬学、地学に料理^^と多岐に渡りますが、それら全ての要素が、作中における主人公達の第一目的である"生存"と深く結びついているため、物語を回転させる動力としても、歯車としても、より強く堅実に機能している印象を受けました。科学を利用する必然性があるので押し付けがましさが目立ちません。

物語序盤は、多様性をガバガバ受け入れ、科学の力で奔放に人類の栄華を取り戻さんとする、主人公千空とその仲間達が作る科学王国、徹底した選民思想と独裁、武力による支配、原始の生活を旨とする獅子王司率いる司帝国、両者の対立と抗争のお話。

話は横道にそれますが、15年くらい前になるのでしょうか、当時のNHKで「※2アーサー・C・クラーク氏が舞台設定をした(開拓地の)火星で展開されるドラマを、日本の漫画家やアニメーターが短編アニメ作品として映像化し、それを同氏に見てもらう」という趣向の番組がありました。

正確な引用ではありませんが、完成した作品の一つに対してクラーク氏が与えた評価は「火星を第二の地球にはしたくない。わたしたちにやり直すチャンスがあるはず」といった内容のものでした。氏の残念そうな表情がおぼろげな記憶の中から思い出されます。

欲望のままに生産と消費を繰り返す科学王国のあり様は、一見すると、わたし達の住む世界の写しに見えますが、前者が"無い"から作っているのに対し、後者が"ある"のに作っている点で大きく異なります。ただし裏を返せば、搾取する対象がある限りは安泰でも、敷かれたレールに沿って突き進めば、崩壊前の地球の姿に逆戻りする危険のある楽観に満ちた社会とも言えます。

千空の頭脳に刻み込まれた人類200万年の知識の遺産と父親から受け継いだ優しさと勇気は、人類の新たな希望となりうるのでしょうか? 歴史は決して繰り返しませんが、科学王国がクラーク氏の見た火星の開拓地の様に、わたし達の世界をなぞらないよう切に願いたい。


一方の司帝国は、獅子王司という個人による権力一極集中体制。

霊長類最強の高校生の異名を持つ司というキャラは、一言で例えるなら※3スーパーマン、なのですが、過去の苦い経験から"大人"への深い憎悪、あるいは絶望を抱く、憂いを帯びた人物として描かれています。

多かれ少なかれ、多分誰でもそうですが、わたしも例に漏れず、少年時代に大人の冷酷さや狡さ、理不尽な暴力というものを嫌というほど見てきているので、司の憤りには一部共感出来る部分はあります。…でもですね、何ともはや、大人になってから平たい目で思い返してみると、同世代にも似た様なのがいたんですよね。大勢。ただ大人より小さくて怖くなかっただけで(笑)

司の唱える、"若者は純粋で大人は不純"とする極端な世代間差別は、わたし達の世界をしつこく蝕む人種差別や性差別と同種の、憎悪を下敷きにした一種の思考放棄に当たりますが、集団をあたかも(妄想で肉付けした)人格を持った個人の様に錯覚すれば、ある小規模なグループから始まって、家柄、人種、国、性別、最終的には極端な単純化の過程を経て、とんでもない事に、全人類さえもその様に認識してしまう危険さえあるのです。(こんな世界大嫌い!的なやつ)

この「1を聞いて10を知る」試みは反証可能な科学の分野においては割と有効に働きますが、人を集団として見る時、その判断材料となる有機的かつ情報量膨大な最小単位"ヒトおよび個人"の理解が不十分であれば、せいぜい残るのは穴だらけの統計データ程度のもので、その評価は必然として恣意的なものになってしまいます。ヒトは1単位として数えられるほど単純なものではないのです。

複雑にして複雑な世界に背を向けて、嫌いなものは一括り、括ったものはまとめてポイッ! 独断と偏見とで要と不要を分け、自らの殻に閉じ篭れば、かくて名前の無い怪物の一丁出来上がり、"僕の考えた最強の世界"展開の下りとなる訳です(汗)

妄想という脆い足場の上に居を構えた司帝国は、髪の毛一本で吊るされたダモクレスの剣の例えがぴったりと当てはまります。

科学王国と司帝国、皆さんならどちらの国の住人になりたいですか?


かつて"科学者の良心"と称された※4カール・セーガン先生がそうされた様に、学校で聴きかじった科学を、目に見える形、手で触れられる形へと落とし込み、学問への恐れや不審の垣根を取り去る試み。偏見の解体。

文字情報が先行して「解った」と錯覚する事が容易な現代において、嫌煙されがちになってしまった、手で触れ、耳で聞き、鼻で嗅ぎ、口で味わいながら確かめる、知る事の大切さ。収集、分類、調合、加工、試行錯誤を繰り返し、どこにでもありそうなものから、ありとあらゆるものを造り出さんとする情熱。

仕事も遊びも生活も、あらかじめ用意されたものから選択する事を常とし、釈然としない気持ちを抱えながらも惰性に身を委ね、耐えながら生きる。あるいは飽きたら乗り換える。

完成品の世界の中で、わたしたちは世界の仕組みについてどこまで理解していると言えるのだろう?

本物とはズレた世界に浸かりがちな現代人にこそ、この世界は尽きる事のない磨けば光る宝石、ヤベースゲーモノ(笑)で満ち溢れている事を改めて思い出して欲しい。

そんな願いが込められた作品の様にわたしは感じました。


※1:ジャーナリストのアラン・ワイズマン氏による同名タイトルの書籍がある。様々な分野の専門家の知見を得て、3700年どころか 人類の消えた後の云億年先の未来の地球の風景を映し出す壮大な科学エッセイ。本作(漫画原作)の参考文献リストにも同書の名を確認出来る。

※2:「2001年宇宙の旅」の原作者としても有名ですが、一流の科学者としてテレビ解説者としても活躍。プレステのゲームにも出演してる(笑)静止衛星を使った電気通信リレーの発案者でもある。

※3:アメコミの人ほどではないです(笑)でも素手でライオンの群れを撃退できるくらい強い。加えて頭脳明晰で判断迅速の人。

余談ですが、神話や伝説は別として、紀元前400年頃の古代ギリシャではパンクラテオンのチャンピオンポリダマスが、近代でも1898年にボディビルダーのユーゼン・サンドウ氏がライオンに勝利したという記録がある様です。(後者は爪と牙を封印した状態で)

それでもまぁ、第6話で司が石槍で大木を叩き折る描写はいくら何でもやり過ぎでしたね。槍が折れる^^;。杠の頭のアレとか、スイカのゴロゴロとかと同類の、突っ込んじゃいけない演出だと思うので、てきとーに脳内補完しましょう^^

※4:地球外生命の探査計画でも有名な人ですが、代表作の「コスモス」は天文学、生態学のお話を中心とした、国境や学問分野の垣根を越えた様々な挿話からなる科学エッセイ集。最高の科学入門書の一冊なので老若男女全人類にお薦めしたい!

※:物語5点の理由はシナリオや脚本もさる事ながら、科学考証の緻密さ、設定の素晴らしさがズバ抜けていたため!

ふろく1 石化について(ネタバレになるかも知れないので畳んどきます。)
{netabare}
メカ千空に習ってQ&Aの形で。

Q1:仮死状態とは言え3600年以上もヒトは生きられるの?
{netabare}
A1:千空は3689年158日もの間、脳だけはしっかりと活動させていました。活性状態の脳の寿命は長く見積もっても200年弱なので、結論を言えば不可能です。
{/netabare}
Q2:石化したツバメって一体なんなの?
{netabare}
A2:実験動物だった可能性が大ですが、それならネズミでもよかった様な気もしますし、これについては全く分かりません^^;ヒトとの繋がりは生活圏くらい? もしかしてウイルスキャリア?
{/netabare}
Q3:人類石化ってファンタジーなの?
{netabare}
A3:結論から言うと違うと思います。科学考証のしっかりしたお話なので、物語のキモとなる部分をおろそかにするとは考えづらい気はします。作中で石化と形容されている状態は、どちらかと言うとミイラ状態に近いと思われます。アニメ2話の大樹と千空の危ないキャッチドール^^;は、単なるギャグ演出とも取れますが、杠の軽さを暗示しているのかも知れません。
{/netabare}
Q4:石化した人類が蘇生するってやっぱりファンタジー?
{netabare}
A4:結論から言うと違うと思います(笑)

考えられる理由の一つは石化人類は既にヒトではないという事。

古典的には進化の原因は、交配による遺伝子の組み換えと、自然淘汰、突然変異の3要素という事になっていますが、近年の研究で明らかになった事によれば、第4の要素として後天性の遺伝子変異を可能にするものとしてレトロウィルスの組み込みというものが挙げられる様です。(エピジェネティクスというむつかしい獲得形質もありますが、あまり関係なさそうなので端折ります。)

レトロウイルスと言えば、乳腺に関連するウイルスやHIVウィルス(それとゾンビもののネタ笑)が割と有名ですが、ぐぐって調べてみたところ、ヒトゲノムの約8%がなんと内在性レトロウイルス(ヒトの遺伝子に定着したもの)由来の配列で占められているとのこと。ヒトって92%しかヒトじゃない!(笑)

SF的な想像をするなら、石化は単に外見的な特徴に過ぎず、実際の所は乾燥状態。全人類はレトロウィルスの感染によって不老の肉体と※クマムシの様な性質、それと、つぎのQ&Aにも関連しますが、もしかしたら光合成可能な体質も手に入れているのかも知れません。

※:クリプトビオシスと呼ばれる"乾眠状態"で長期間生存でき、水分が与えられると活動を再開する。蘇生時に体の損傷箇所を修復する種もいるらしい。
{/netabare}
Q5:約3700年もの間、生命活動を維持させ続けたエネルギーって何?
{netabare}
A5:ウィルス感染から肉体全体の変異、そして乾眠状態に至るまで、どれだけの年月が必要かは不明ですが、栄養供給源は作中の説明を素直に受け止めれば、外皮の何か(放射性物質が含まれている可能性あり)、あるいは微生物の類の助けを借りているという可能性も考えられます。前者ならヒトが※放射線を人体で直接吸収して光合成を行なうという単純なからくり。後者なら、例えば外皮の金属?層の内側に封じ込められたゲノム操作済みの微生物(あるいはナノマシン)が、前述の放射線やヒトの代謝物で成長・増殖し、その分泌液や排泄物でヒトを養い畑にして、共生関係を作っているとか。

※:もちろん普通の人体には有害ですが、遺伝子改造された人ならもしかして…。因みに放射線をエネルギー源にできる生物はチェルノブイリ原発事故現場付近で発見されており、地球上に存在する。ゴジラじゃないよ(笑)
{/netabare}
Q6:石化時間に個人差があったのはなぜ?
{netabare}
A6:A5に見落としがありました。脳の使用率によって石化時間が変化するんでした^^;

これを踏まえると、人体が直接光合成を行なっていたという線はあっさり消えてしまいます(汗)表皮の金属層に放射性物質が含まれているとしたら、それはその元素の持つ半減期に従ってほぼ一定の早さで減少していくので。

脳を使えば使うほど表皮を形成する物質の消費が激しいのなら、A5でもう一つの可能性として挙げさせてもらった微生物(あるいはナノマシンに類するもの)が表皮を食べていると考えるのが妥当と思われました。

まとめると

1.脳を稼動させているヒトのカロリー消費は激しい

2.共生関係にあるヒトを生存させるためには微生物はより多くの栄養を必要とする

3.栄養を得たり与えたりする効率を高めるため増殖する

4.微生物の総数が増えれば表皮の消費速度(食べる早さ)も上がる

こんなところでしょうか。

最後に残った疑問は、蘇生に必要な水の供給源。復活液(ナイタール液)が表皮に含まれる"何か"と反応した結果、水が生成された可能性が考えられますが、知識外なので今後のお楽しみにしておきます(笑)
{/netabare}
Q7:人類文明を滅ぼしたのは誰? その目的は?
{netabare}
A7:これについても全くの憶測ですが^^;、首謀者は政治的干渉をある程度無視できる財源潤沢な科学集団で、目的については地球の生態系の回復である可能性が高そうです。現在の地球も砂漠化が進み過ぎてボロボロですが、千空の生きた時代(2049年)はもっと切羽詰った状況だったのかも。前述の集団が強硬手段に訴えなければならなかった背景ドラマなんかも今後描かれたりして…。
{/netabare}
以上全部妄想です(笑)あれこれと思考する機会を与えてくれる、SF(ミステリー)好きには垂涎もののアニメだと思います^^
{/netabare}

ふろく2 4つの力について
{netabare}
電磁気力:光、電気、磁力の事。物に触れたり、燃したり、切断出来たりといった身近な現象の殆どをこの力で説明できる。

重力:質量のあるもの同士が引き合う力。時空の歪みを作る。自由落下、潮汐、惑星運行、星の成長や崩壊に関わる。

弱い力:原子核が自然崩壊する力。原子力発電所の燃料棒や※ラジウムで光る時計の文字版などに利用される。

強い力:原子核を繋ぎ留める力。便宜上の物質の最小単位とされるクォーク同士、陽子と中性子を結びつける。超近距離でしか作用しないため確認しづらい。

11話の回想シーンで小学生千空がここに触れていたシーンには感動させられました。学校で習う科学って、幹から枝葉じゃなくて枝葉から幹に向かうものが殆どで、教える順序があべこべな気がしてたので…。素直にここから学んだ方が勉強のモチベーションも上がるんじゃないかと思いました。

※:危険なので現代では生産されていない(と思う)。現在流通している蓄光素材は半導体の原理を利用しており、これとは別物。100億%安全です(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメ作品における、「ご都合主義」とは、何を指すかの個人的な定義

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
まず、☆4なので、全体としてはかなり高評価をしているという前提で。

科学アニメ。少年漫画原作らしいワクワクが詰まっています。

私、このアニメかなり好きです。設定だけなら、☆5のチャンスもありました。

でも、とある「ご都合主義」により、評価を下げました。その「ご都合主義」がナニを指すのかは、ネタバレになるので、レビューを読んで下さいっす♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ご都合主義とは、「主人公にとって都合の良いことが偶然にやってくる」ことを指す。では、このどちらがより「ご都合主義的」だと思いますか?

①クロムが便利な石を偶然にも拾いまくっている。

②大樹と杠が司帝国に行く。

私はこの2つなら、②をよりご都合主義的だと感じる。

①は、「偶然」が成り立つ。勿論、圧倒的に低い確率だが。

一方、②は、「必然」。誰にとっての必然かというと、作者にとっての必然(必要と言ってもよい)。

本作の6話目で、千空は、大樹と杠を司帝国のスパイとして送り込む。その後、コハク達と出会い、抗生物質を作るために、製鉄を行う。そこで、マンパワーを得るためにラーメンを作り、、、となるが、、、製鉄(のマンパワー)は、大樹一人いたら大丈夫だったんじゃね? と思った。

この時の千空にとっての最悪は、「司に自らの生存を知られること」。であれば、まず「出来るだけ遠くに行かなければならない(箱根止まりではなく、関西とか中国地方まで行った方が良い)」。近場の村を見つけても諦め、遠いところまで逃げ、蝙蝠のいそうな洞窟見つけて、人口を1から増やしていき、科学兵器を作りまくる方が、安全である(石神村の戦力はあてにしない)。

また(杠はともかく)大樹は巨大な戦力(体力)であり、司の元に送り込むのは勿体ない。司がいくら復活液のレシピを知っても、アルコールの醸造などは時間がかかるが、大樹がいればかなり時短になる。大樹だって、杠と共にいる以上、働かなければならないし。

さらに、司はバカではなく、大樹はバカで真っ直ぐな性格という設定だ。司も、大樹の人間性は知っている。大樹がウソを突き通せるかということ以前に、「千空を殺した司の軍門に、大樹が自ら下るなど、100億%ない」。百億歩譲って、杠を人質にとられた時、仕方なくといったところか。大樹が司の軍門に下りたいと言ってきた瞬間に、「千空は生きている」とバラすようなもんである。

せっかく、「司が千空を殺した」と思い込んでいる以上、余計なリスクを背負う必要はない。「大樹は死んだ千空を埋葬し、杠と共に逃げ去った」と思わせておく方が良い。

武力サイドがどれだけ兵を増員しても、科学サイドは、毒ガス弾1発作れば勝てる。これはそういう戦いで、時間があれば有利になるのは科学サイド。諜報などは、最終局面で必要になることであり、武力サイドがある程度大きくなり、人員を把握しきれなくなったあたりの方がスパイを送り込みやすい(また、その段階になれば、科学による誘惑で、現代の科学の恩恵を受けてきた武力サイドの人間を簡単に懐柔できる)。

よって、大樹と杠を司の元に出すのも、石神村に滞在するのも、最低レベルの悪手。

こんな簡単なこと、「頭の良い設定」の千空が気付かないわけがない。つまり、この選択は、千空が考えたものではなく、作者が考えたもの。新しい展開(石神村編)を生み出したいがために。

これが、私の思う「ご都合主義」。つまり、「自らの生み出したキャラクターに命を与えず、作者の都合に合わせて信念や発言を曲げる行為」。

選択をミスることも、正しい選択をすることも、「こいつなら当然そうするよな」と思えるかどうか。

例えばONE PIECEで、 {netabare} ルフィに心理描写がないのは、「ルフィなら考える前に行動しそう」 {/netabare}と、尾田さんが考えたから。例えばロードス島伝説で、 {netabare} 作品の途中で、語り部だったナシェルが主人公に昇格したのは、「ナシェルが思った以上に成長し、一人歩きし始めた」{/netabare}と、水野良先生がキャラクターをコントロールしないから。こういう生きたキャラが、私は好きだ。

つまりは、作者が、自ら生み出したキャラクターに負ける、覚悟。器の広さがあるかどうか。

本作の設定は抜群に面白く、科学実験などはドキドキしたし、文明を1から作り上げる過程はワクワクした。1話につき1つ物語が進む(素材ゲットや実験成功など、成果が出る)構成の確かさ。特に終盤は、少し泣けるくらい良い出来。科学の実利の面だけじゃなく、「科学とは、人の生活を良くする、助けるものだ」という力強く温かいメッセージには心震えた。

せっかくの良いアニメなのに、勿体ない。創作物全般において、私はそこに作者の気配を感じると、少し、萎えてしまうのです。

簡単に言うと、「ラッキースケベ(①)は許せても、魅力のない主人公に惚れるチョロイン(②)は許せない」ということなのですw

(とはいえ、☆5に近い☆4。今年観たアニメでも、五本の指に入る面白さなので、当然、2期は観ます♪)
{/netabare}

【余談~ 石化の理由、予想 ~】
{netabare}
私は原作未読なので、すでに答えが出ているのかもしれませんが、一応、アニメしか観ていない立場で、予想を(結果、的外れかもしれないし、ネタバレになるかもしれないので、一応隠します)
{netabare}
まず、石化が人為的なものか、自然現象かという点についてですが、私は、人為的なものだと思います。根拠は、そうじゃないと話が盛り上がらないからです(笑)

まあ、「人間とツバメだけ石化する」というのは、何かしらの実験くさいですしね。

じゃあ、人為的なものだと仮定した時、「動機は?」というと、「地球環境を守る」か、「人類を疫病(バイオハザード)から守る」のどちらかでしょうね。これは、どちらの可能性もあると思っています。

「地球環境を守る」とした場合、人類と燕以外の動物が無事なことにも理由がつくと思います。石化が解けた後、真実に気付いた人類は、「もう2度とこの悲劇を繰り返さない」と思い、科学の力を正しい方向に使っていくラストは、少年漫画、、、というよりは青年漫画らしいですが、話としては成り立ちそうです。

また、「人類を守る」は、悪者がいないので、少年漫画らしい展開だと思います。近い将来、人類が滅亡してしまうようなバイオハザードが起きて、それを回避するための苦肉の策なのかなと。本作の疑問点として、「何千年も脳を使い続けてきた、千空は、そのエネルギーをどこから得たか」というのはありますが、石化の石がエネルギー源になる仕様なら分かります。ただ、石化に伴い、(ビルの崩壊に巻き込まれるとか)必ず死ぬ人は出るわけですし、「だったら疫病のウイルスがいなくなるまで(数年)とかで石化が解けるようにしたら?」というのがあるんで、微妙な気もします(まあ、千年以上しないと死滅しないウイルスなら別ですが)。

他にも、どこかの国が戦争用の兵器を暴走させたとか、宇宙人が攻撃してきたとか、可能性はいくつかありそうですが、なんかそれだと、「物語としてつまらない」なと思います。あくまで、少年漫画ですし。
{/netabare}
さあ、皆さんの予想は? 2期で謎は明かされるのかな?
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
随分と壮大な話だな。なかなか面白い設定。これはちょっと久々に新鮮に楽しめるかな?

2話目 ☆4
お、ちゃんと人体実験したか。なら、ユズリハ復活の選択も納得。武力は危険だよな。ただ、お互いがお互いを必要な間は、身内を攻撃してもしょうがないよな。これ、人口が増えるにしたがって、鬱展開あるだろ。

獅子王はチートだな。このキャラはあまり便利に使うと厳しいが、少年漫画らしい分かりやすさはある。

4つ目の使い道は、火薬かな。

3話目 ☆4
蝙蝠の糞尿=硝酸て、なかなか頭良いよな。大仏の理論、良いね。

4話目 ☆2
狼煙をあげるのは、どう考えても悪手だろ。箱根で隠れて火薬をつくり、獅子王を倒し、その後に狼煙をあげるのが良いだろ。それで会えればよし、会えなければ仕方なし。優先順位の1位は、獅子王でしょ。この作風で、こういう「ミス」はいただけない。

5話目 ☆3
てっきり、狼煙をあげたもう片方が、止めるかと思ったら。銃か何かで、かすり傷ひとつも負わないのかよw 石化の伏線は、なかなか良いね。回想か~。ここでじゃなく、1話前のBパートのが、よくない? んで、首バツーンで、引きを作る。

6話目 ☆2
構成にやや疑問は残るが。考えてた分のエネルギー、なるほど。それが自発的に石化を解く鍵か。ん? なら、脳みそだけはもともと生きてたってことか。なら、脳みそは不老不死にならないか? なるほど、人類を助けるための石化。

いや、スパイよりも、貴重な戦力、労働力を自陣から敵陣に送り込むリスク、あと、司はバカじゃないんだから、生きてることがバレるリスクの方が大きくないか? 合理的に考えて。アルコール作りだって、司の一人の方が時間かかるだろうし。

生き残った人類。血が濃くなりすぎないか? つか、紐の強度が心配。

7話目 ☆3
言語と人種を混ぜてるのか。ギャグが強めに。自力でたどり着いたなら、天才だよな。素材を楽に集める装置。病気を治す科学ね。少年漫画らしくなったといえば、そうだが。

8話目 ☆3
便利な鉱物がたまたまあるとか、こういうご都合のところはもう、見逃さないといかんかね。猫じゃらしが穀物ってのは、初めて知ったな。

9話目 ☆3
電気ね~。一気に文明が進んだな。対照的な2つの国の争いになるが、それを1から創り合うのはおもしろい。

11話目 ☆4
スイカ、顔芸w 眼鏡美少女の誕生は、文句なく、正義だな(笑) 世界がクリアになった後に、涙で再び歪む演出は素晴らしい。科学って、本当に多くの人を救っているのな。。。でも、あれ? 眼鏡美少女は?(笑) 金狼にも眼鏡活かすのか。技術力はな、確かにムズい。SimCityみたいで、ちょっとワクワクする(笑)

12話目 ☆4
火山ガスって、そこまで危険なのか。死にいたるものだとは知っていたけど、1秒以下で死ぬほど危ないのか。少年漫画らしい熱さは嫌いじゃない。

13話目 ☆3
村に初めて降り立つ一歩目を、月の表面風の作画にしたのは、上手い。いやいや、じゃあマントル止めなけりゃ、勝ちやがな。スイカの手助けで金狼を、「勝ちなのに負けにする」ための伏線だろうけど、整合性がないな。

14話目 ☆3
騙し討ちとは、想像以上に卑怯だったな。発火は、あんなに一気に起こるものなの?

15話目 ☆4
科学は、人を幸せにするためにある。根元的なことだけど、忘れがちなこと。

16話目 ☆4
なるほど、宇宙に行ってて、難を逃れたってことか。ロマンだな~。

17話目 ☆3
司らしくないな。自分が単騎で行って、解決やん。とはいえ、違う武器を急に持たせて、どうする? 琥珀以外は、鉄の槍の方がよくないか? 各自の能力をちゃんとフル活用するのは、レベル高い。

18話目 ☆3
3人同時に木から落とすのは、「ちゃんとしていない」。時間差で一人ずつ落とし、安全を確認するべきだろう。スマホか。毒ガス弾とかの方が良くない? ビンにつめて投げようぜ。

19話目☆3
ワタアメに水力発電。常に見張りをつけとかないと、発電所のヤバさが分かる焔に破壊されそうだた。

20話目☆3
だから、焔は何してるのかな? タングステン、まあ、こういうご都合主義は許せるけどね。

21話目 ☆4
素敵な友情話。最後の、木に復活日彫ってたあたりの伏線の活かし方は素晴らしかった。

22話目 ☆3
マグマが仲間に。少年漫画だな~。

23話目 ☆5
あれは、友情だったのか、、、良い話だな~。争いのための科学が人を豊かにする。歌を入れたりして、あきない演出。

24話目 ☆5
レコード。科学は時空を超える。科学の素敵さだな。歌を、文化を残す。1本とられたな。実用だけが科学じゃない。人を豊かにするのが科学。まあ、ここで切るなら、2期の情報流さないと暴動起きるわな(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 42
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

100億パーセント唆るぜ、この作品は!

評価は観終わってからします。
ただ9月位まで色々とあるので作品が観れないのは辛いなぁ。
(2019:07/31執筆)
※(2019:12/14更新しました)

原作・ジャンプ掲載分全て。
アニメ・四話まで視聴済み。(30分アニメ)


うん、期待通りな展開で嬉しいですね。かなり好きな作品なので綺麗に表現してもらいたいです。

超!簡単に書くと…
普通な日々を、学校生活を過ごしていた『石神 千空(いしがみ せんくう)』『大木 大樹(おおき たいじゅ)』『小川 杠(おがわ ゆずりは)』。
そんないつもの日常生活が一変する。原因は分からないが【人類のみが石化する(一部ツバメも)】という事変が起きた。
…そこから数千年の時が流れ何故か『千空』と半年後に『大樹』の石化が解ける。
文明は滅び、建物等は腐って無くなっていた。
「科学は地道な探求」という持論を持つ科学少年『千空』はストーンワールドでどう奮闘するのか!?
…と、簡単ですが。

ここから下は隠してますがネタバレは無いです。視聴前+数話観た感想です。

{netabare}

最初この連載作品を見た時に思ったのが『マインクラ○ト』+『学生時代の理科や化学・科学』+ファンタジーと言ったとこですかね。
ちょっと能力部分だけを例えるなら『ダンガンロ○パの【超高校級の○○】』みたいな感じがありますね。『千空』も『大樹』も『杠』も『獅子王 司(ししおう つかさ)』もそれ以降に出てくるキャラも何かしら凄いです。(全部じゃないですがね。早くメンタリスト出てこい。)

この作品って番組後半にも注意書きが出てますが「やろうと思えば出来てしまう」という事。(危ないやつもあるので自己責任でやって下さい)
科学監修も『くられ』がやっている事。
数千年後なので緯度経度等のズレや人工で作られた自然は無くなってるというリアル表現。

料理も衛生面も武器も現象も全て科学でやってやんぜ!って感じの『千空』が面白く、でも合理的と言いながら甘いとこもあるキャラに惹かれました。


最初この作品を見た時は『大樹』が主人公かな?と思ってました。1話目観ると…ね。

『千空』役の『CV小林 裕介さん』はちょっとウザいキャラが似合う声優さんになったなと個人的に思いました(笑)

ちょっと『司』がキレ者過ぎかな。ストーリーの流れ的に仕方ないけど色々と気付くまでは良いとしても物体・物質等の知識も凄い。記憶力が凄いからか?
『司』の考え方は結構納得しますね。今の世の中の…、老害共が…、と、詳しく書くとつまらなくなるのでこの辺で。
ま、独善的な価値観って感じですね。

アニメではまだですがジャンプ本誌で書いてあった物を試しにやってみました。ある話数で『麺料理』を作るのですがそのレシピを試しに作ってみました。…作って、…(汗)
食用としては問題ないけど味が…、食感が…、薬膳としても…(汗)

ある飲料もいずれは試してみます。


これから科学で発展させたり、謎を解いたりと色々と熱い展開があります。現代社会にあるものがほぼ全て無くなった世界でどう『千空』達が行動するのか!?科学ファンタジーをお好きな方は是非!

個人的にはOP曲もED曲も合って無いかな?と思いました。

{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(2019:12/14執筆)

全視聴しました。ここから先の感想はネタバレ含みます。

{netabare}

いやー、結構楽しめました。
文明が無くなった世界で『マインクラ○ト』に『化学・科学』を駆使し困難を切り開いていく、ってのは子供心をくすぐりますね。

因みに『化学』は物質の性質ならびに物質相互間の反応を研究する、自然科学の一部門。

『科学』は一定領域の対象を客観的な方法で系統的に研究する活動。また、その成果の内容。特に自然科学を指すことが多い。

って感じです。どっちも読みが「かがく」なので分かりやすいように一般的に『化学』は『ばけがく』と言ってます。(千空も作中に言ってます。)


謎がかなり残ってますが1番気になるのは『石化』ですね。『千空(考えていた)』と『大樹(想っていた)』だけでも解け方が違うのに『杠』はもっと違う。『杠』は何も分からないと言ってました。『千空』とは違う。
『司』はすぐ順応してたけど解け方としては『杠』に近い。
さて、一応は『復活液』で石化が解けてますが条件が違う物で石化が解けてます。この謎はまだ原作でも解明されてません。
石化された理由・原理やなぜそうなったのかが非常に気になります!


『司』の考えは結構共感しますね。
権利や税、先に産まれて文明を切り開いた年上だからそれを敬え!って世界が気に食わない、浄化しようという考えは歳が若ければ若い程共感を得られるのでは無いでしょうか?
大体文明を切り開いたお偉い人なんて少数だろうに。

そうなれば意見は割れ、『千空』VS『司』みたいな構図は遅かれ早かれ出てくる争いの種になってるでしょうね。
人間を増やす、増えると考えも様々な物が出る、そうなると…ってね。



この作品は一応現代社会(連載された時は2017年)を題材にして石化しておよそ3700年後に石化が解けてストーリーがスタートしてます。
私は鉱物とか物質の経年劣化とかよく分からないんですが今から3700年後には何も残らないもんなんでしょうか?作中では青銅製の大仏は残ってましたけどどうなんでしょう?
一応前に見た科学ニュース記事では1000年単位の月日が流れるとほとんど無くなるとは見ましたが…。
CDやDVD等はちゃんと保存しないと寿命は20年〜30年って言われるし電子データも『M-DISC』以外はちゃんと管理しないと数十年で劣化・場合により消えます。
データはともかくここまで何も残らないのかな?ま、証明は難しい…というより無理でしょうね。見る事は不可能でしょうし。でもやはり気にはなります。


後は気候かな。現代社会でも計測しだしてから赤道は徐々にズレてるし世界的に気候も変わってます。
3700年後に日本に四季はあるのかな?と、疑問。
日本が気象情報を取り出したのは明治5年(1872年)から。たった150年しか経ってない統計データで異常気象とか言ってる気象予報士ってどうなん?って思うけどそれでも気候は変わってる。
確か現在(2019年)から約2000年後には今の北極星ポラリス(こぐま座α星)は北極星では無くなり、ケフェウス座ガンマ星【エライ】が北極星になります。(科学ニュースより)
そうなると地軸とかは今よりかなりズレてると思うのですが。地球の地軸は約2万5800年周期で微妙にズレてる計算なはずだし…。
ま、高卒の素人の疑問なんでそこまで対した事じゃ無いのかな。
日本であるかは作中の簡単な例で『杠』が石化してた場所で分かります。


個人的に好きだったのは食事ですね。
流石に『ねこじゃらし』を見て「よし、ラーメン作るか!」とはなりませんが(汗)
ただ発想力やこれをネタに持ってくるのは凄いと思います。普通思い浮かびません。
…味は …オェッ
私だったらストーンワールドにある物で味付けを変えるくらいか知ってる調理法で調理するしか出来そうに無いです。

結構食事に関する製品や家電製品って化け学・軍事転用で作ってるの多いんですよね。『レーダー』=『電子レンジ』とか有名なのはナポレオンが採用した『瓶詰め』のちに『缶詰・レトルト食品』が作られる。面白いのはお掃除ロボット『ルンバ』は『地雷探知ロボット』だった等本当に面白い。
だからこそ私はこの作品が好きだし食事のエピソードであの発想力は痺れました。
『パクチー』『炭酸水』『ハチミツ(焦がしたカラメル)』『ライム』で『コーラ』は私も試しましたが『コーラ』でした。
ただパクチーが苦手なのでそこがちょっと(汗)
個人店で料理を出してるとこにはたまに自家製のコーラやジンジャエールとか出してるとこもあるのでこーゆーのは簡単に作れるんですよね。
…今度は『炭酸水』を作るとこからやってみようと思います。

もしこの作品のようなストーンワールドになったらお酒よりコーラとかジンジャエールとかの嗜好品の方が重宝されそうだなぁ。多分。


ストーリーを観て思ったのが70億人の復活は出来るかもしれませんが、1番ムリゲーなのはストーンワールドから現代社会の技術まで復活させられるかどうか。
ほぼ無理だと思います。科学ニュースでも取り上げられたのを見た事があるんですが、鉱石やエネルギーや資源など取りやすい所から取ってしまってる為に作るのが困難なアイテムや不可能になるものが出るそうです。簡単に言えば取り辛いとこまで行かないと行けないからって事です。
『スマホ』が現代社会ではかなり普及してから『砂マフィア』が砂を乱取りして砂不足、枯渇してるそうです。サハラ砂漠の砂を使えば?と思うかもしれませんがサハラ砂漠の砂はスマホやガラス、電子機器や鋳型等を作れません。ある成分が入ってないのと丸くて小さ過ぎるので。

こーゆー問題があるなか『千空』がどうやって復活させて行くのか、楽しみで仕方ないです!
『千空』で完結させるのか、何世代も掛かるのか、どうなるのかな?


{/netabare}



合理的だけど非情では無く甘さのある『千空』、そこは結構人間臭くて好きですね。『コハク』と『クロム』との絡みも良いし『大樹』と『杠』との関係も熱い!バトル部分もジャンプらしい。
次回予告の理科の実験みたいなんはとても良かった。

少し設定に疑問点もありますが全て完璧な作品は無いと思います。

第2期が1期放送後に制作決定が発表されました。
『千空』の言葉を借りて「唆るぜ、2期も」と締めようと思います。
長い感想を読んで頂きありがとうございます。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

70.5 21 高校生で漫画原作なアニメランキング21位
君と僕。 第2期 (TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (522)
3073人が棚に入れました
熱血からは程遠い、でもこれが青春ってやつですか!? 双子の兄弟、悠太&祐希と要、春は幼稚園からの幼なじみ。 仲がいいのか悪いのかいまいち微妙なところだが、高校生になった今もつるんでいる。最近は転校生の千鶴が仲間に加わり、5人になった彼らのスクールライフもちょっと賑やかに!? 目立った事件や熱血もない毎日だけど、笑ったり、驚いたり、恋をしたり…。たくさんの日常の中で、少しずつ成長する彼らが送る、ほのぼの青春グラフィティ!
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あたたかな想い出

毎週欠かさず観てきた4本のうちの1本。
ついに最終回を迎えてしまった。
男子高校生の仲良しグループが主人公なのだけれど
『男子高校生の日常』と比較すると、こちらはギャグのテンションも
けっこうあえての抑え気味で、唯一ハイテンションな千鶴が
ウザく見えるほどみんな静かな男の子たちなんだよね。

でもそこが、「こういう高校生たちだって多いよな」と思わせ
案外リアルな会話もあったり、懐かしくもあったりで
少女マンガ的などとよく言われてるけれど僕は好きだった。

ごく一般的に認識されているような「イケメン」は登場しないし
それぞれみんなどこにでもいるような平凡さがあって
おそらく幼稚園時代からの友達同士っていう、幼かりし自分らを
知る者だけに許される独特の関係が、しっかり描かれていたのも好感持てた。

{netabare}
1期よりは今回の2期のほうが恋の話が多かったように思うが
結局みんな誰も進展しなかったのは、良いのか悪いのかww
{/netabare}

で、この作品をじっくり観ていると・・恋愛感情というよりは
「憧れ」というものを色濃く打ち出したかったようで、

そのあたりも、純情な高校生として描かれた彼らがなんだか
とてもかわいく思え、その清潔感がこの作品の最大の魅力なのかもしれない。


<7話まで視聴>

今回はヴァレンタインデーにまつわる2日間が描かれた。
相変わらず、要くんのママには爆笑。
子離れできない母親も、あそこまで息子ラブなおバカっぷりを
発揮してくれたら、もう何も言うまい、って感じになる。

春くんに片想い中のまさきちゃんの健気さも可愛く、
彼女をひそかに想う千鶴くんの目線が、いつも
まさきちゃんをいち早くみつけ、窮地を救ったり、励ましたり。
普段はウザいけど、本当はいい奴なんだよね。

で、双子兄弟にしても、まさきちゃんの恋心を知りつつ、
決して煽ることなく、一定の距離を置きながら協力したり
見守ったりしてる友情がまた心地良い。

こんな友達は高校時代にしか作れないような部分があって、
かなりな宝物だよなぁって思う。

{netabare}他校の女の子から告白されて、翌日丁重に断っていた春くん。{/netabare}

彼の本心はどうなんだろう?彼女に興味がないのはわかるけど
恋愛自体に興味がないようにも見えるし、
あの中で一番、自分の高校時代のキャラに似ている彼なので
ちょっと探りたくなる。

それにしても、キュンキュン度高めの今回だったね~♪
「嬉しい。 涙がこぼれるくらい、君が好きで。嬉しい」
ってラストのポエムが良かったよ~

(以下は第1話視聴後の感想)
===========================================
登場人物は1期と同じ。

面倒見がよく、女子からモテる浅羽悠太と、
漫画とアニメが好きでスポーツ万能な浅羽祐希の双子兄弟。
ツッコミ担当にして優等生な塚原要。
趣味と外見が女の子チックな女子キャラ要員の松岡春。
ドイツと日本のハーフでちょっとチャラ男な橘千鶴。

相変わらずの5人。ゆるゆる~な会話で始まり、
時折シーンの心情にマッチした猫の姿が挟まれる演出も健在。

にゃんこがにゃんともカワイイ^~^

そして、要の母キターーーーっ!
息子ベッタリなあの感じは、自分がやられたら死ぬほどいやだけど、
アニメで見ていると平和に笑っていられるのが可笑しい。

要の家に押しかけて強引にお泊まり会してしまった4人の、
くだらない話をしては眠れず深夜のコンビニに出かけたり、
天体望遠鏡覗いたり~の、ギリシャ神話や星座の話を聞かせる春など、
自分にはやっぱりこっちの男子高校生たちのほうが懐かしいやw

OP、EDとも、個人的には1期のほうが好きだったけれど、
OP映像見ていると、今期は女の子の登場が増えそうな気配?

☆評価、レヴューは今後随時 再編集させていただきます。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 37

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「嬉しい。涙がこぼれるくらい、君が好きで…。嬉しい。」

君と僕。2期。
1期と変わらない空気が流れています。

1期よりも恋愛話が多くなったような…♪

考えてみれば、
男の子目線の恋のお話がこんなに多い作品って珍しいかも。

全13話です。


● ストーリー
高校2年生の男の子5人。

◇浅羽悠太(あさば ゆうた)cv.内山昂輝
・・・双子。5人の中で一番人の気持ちを察している。
   
◇浅羽祐希(あさば ゆうき)cv.木村良平
・・・双子。運動神経抜群だけど何事にもエンジンがかかりにくい。
   漫画やアニメが大好き。

◇塚原要(つかはら かなめ)cv.小野友樹
・・・メガネの優等生。大抵イライラしているツッコミ。

◇松岡春(まつおか しゅん)cv.豊永利行
・・・よく女の子に間違えられるお花畑の住人。

◇橘千鶴(たちばな ちづる)cv.入野自由
・・・自由奔放に周りを振り回すムードメーカー。金髪。

過ぎていく時間にちょっぴり不安を感じながら、
今日は何をして過ごそうかなーとぼんやり。


登場人物は千鶴以外、
あまり大騒ぎも大胆な行動もしない人たちなので、おっとり。

千鶴がみんなをかき回すから、
にぎやかになって行動の幅も広がっています(笑)

2期は“青春”の匂いがプンプン!

後輩の茉咲(まさき)ちゃんとの
三角関係を含む恋の話、

もうすぐ高校3年生、そして卒業…
進路はどうすればいいのだろう?

などなど、
等身大の高校生の姿がほんわかと描かれています。

切なかったり、きゅんとしたり、
そんな雰囲気のお話が多いです。

特に2期は恋の話がよかったな~!


そして5人はいつも仲良しで、
とっても楽しそう♪

玉ねぎを切って涙を流しながら、
「食べられることへの最後の抵抗としか思えない。」
「こんなの絶対俺たちだけじゃなくて、全米が涙するもん。」

淡々とした会話の中でも、
こんなやりとりが笑えるww

私は特に祐希の言葉がツボに入ることが多かったw
(上の2つも祐希の台詞です。)


● キャラクター
ストーリーは切なく、
キャラは明るく。

そのバランスの心地よさに
1期以上にハマっていきました♪

ポエムな台詞もちらほらありますが、
声優さんの良い声に癒されて…(*´ω`)

5人はイケメンだから、
目の保養にもなる♪

そしてストーリーに心が洗われる心地。

耳と目と心の癒し。
一石三鳥です♪


● 音楽
【 OP「ずっと」/ 佐香智久 】

今回も切ない曲で来ましたね~!
切ない恋心にぴったり!

EDもいい曲ですが、
私はOPの方がお気に入り♪


【 ED「君と僕の挽歌」/ さかいゆう 】

こちらも切ない曲。

毎回切ない話にきゅんとなって、
その気持ちの仕上げにぴったり。

この曲のおかげで、
毎回がクライマックスのような完成度(笑)


● まとめ
進路に恋に思い悩む高校生の等身大の姿を描き、
何もない日常を楽しむ姿をぼーっと楽しめる。

2期になって、
よりこの作品が好きになりました♪

彼らがどんな進路を選び、
どんな大人になるのか…。

それを見てみたい気もするけれど、
今はこの中途半端な終わり方でも充分満足です。

あ~青春っていいな♪

投稿 : 2025/03/01
♥ : 18

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

でもそんなメリーに首ったけ

原作者の堀田きいち先生という方、ウィキペディアにも載ってませんがそもそものデビューのキッカケが本作でして、代表作も他に特になし
月刊少年ガンガンの勝ち抜き制ギャグマンガ投稿企画で見事3ヶ月間勝ち抜いてデビュー権を獲得した方なのです
(この企画は後に『スケッチブック』の作者でもある小箱とたん先生も輩出してます)


その投稿マンガが一応今作の前身となる作品ってことで多少設定は違えど、既に悠太と祐希が登場してたので同シリーズ扱いしていいと思います
そう、つまり先生自身は今作をギャグマンガとして描いてるおつもりなのですw
笑えねーってw


そしてテレビシリーズ第2期
とりま相変わらず第1印象は最悪ですw
久しぶりにワンカット繋ぎのOPを見たと思いきや、もはや何がしたいのかワカランレベルの仕上がりw
(クイーンズブレイドも似たようなことしてましたがw;)
あと猫がじゃれ合うような1話の掴み方もホント大嫌いですw


でもその辺はどうでもいいです(゜д゜)クワッ


とにかく抑えていただきたいのは春ちゃんに恋するメリー、そしてそれに恋する千鶴
淡い恋の三角関係が描かれる【第2,7,10,11話】
それと普段はダウナー系でやる気nothing、でも天性のモテ要素を孕むムカツク男の子代表な祐希が、『自覚なしに年上女性への憧れ』に浸ってしまう【第6話】
泣き虫器用貧乏の要っちと相田姉妹
幼馴染同士の気持ちが、しず姉ぇの結婚を期に迷走していく・・・年上女性への憧れ、を扱いながらも6話とはまた違った視点となっている【第12話】
それとあくまでギャグで推すのなら・・・ってことで厨房冬樹くんの手探りな恋と春お母さんのお節介が衝突する【第8話】


ぶっちゃけこの辺以外は観なくていいんじゃないか?;
とまあ本気で思う今日この頃なワケですよ


第2話に関しては12月の話なのに本編中雨降り過ぎだろwと脚本のショボさを指摘したいし
第5話は単純に面白くなかった
第12話でしず姉ぇの袖を捲るくだりも“エロ過ぎ”て不自然w
それと劇中BGMめっさオサレで大好きなんですが、『ベン・E・キングのスタンド・バイ・ミーみたいなイントロ』の挿入歌だけはなんとか汁!


とまあぶっちゃけイヤな思い出の方が多いですw
でも大好きなメリーの恋を応援しちゃう不器用な千鶴
それに遠藤綾のお姉さまvoiceっぷりまさに食堂のシンデレラだぜ!(゜∀゜)ヒャッホーイ
ってオイラのハートはときめきキュンキュンだったのですw


結局のところ、いつも楽しくやってる男子一同に女子が混ざったところでよぉ!
男女の間に友情なんざ生まれんのですよ!(ーдー)クワァッ
もっと他のなんかが起きるんですよ!いつも事件なんすよ!w


だからのぉ、きいち先生よ?
ギャグとか自負してないでガチ恋愛漫画が読みたいのじゃよwオイラとしてはw


それが出来んのならOPのラストカットの一番右端(メリー、高橋さん、食堂のシンデレラが女子会してるw)みたいなのやってくれ頼むw


ところでサントラは・・・ブルーレイ買えってことすかー;
ですよぬー;

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15

75.2 22 高校生で漫画原作なアニメランキング22位
恋と嘘(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (641)
2934人が棚に入れました
満16歳になると結婚相手が通知される超・少子化対策基本法、通称ゆかり法が施行されている世界を舞台に、少年少女たちの未熟で儚い禁断の恋模様を描く。

声優・キャラクター
花澤香菜、牧野由依、逢坂良太、立花慎之介、谷山紀章、黒沢ともよ、喜多村英梨
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ダビスタ的日本?での恋愛ストーリー

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
ラブコメではなく、恋愛アニメ。一風変わった恋愛モノとして、見処もありました。

なんかこう、色々惜しいです。良い設定を生かしきれてないと感じました。私は全く感情移入も出来ませんでしたし、ニヤニヤ眺めることも出来ませんでした。好きな方には申し訳ないっす。

レビュータイトルですが、なんかもう「結婚」というより、「交配」に近い設定で、「ダービースタリオン(競馬ゲーム)」みたいだな~ということで。人権侵害甚だしいしw


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まあ、本当に好き同士なら、国籍うつせば全て解決するんじゃないかと、思ってみたり(苦笑)

政府通知にどれだけの強制力や罰則があるのかを、早い段階で明示しておけば良かったと思った。それがあれば、「なんで黙って従うの?」という疑念が、少しは解消されたと思います。(→政府通知断ると、就職等、社会的に不利になるらしいとの指摘を頂きました。これは完全に私の見落としでしたね♪)

このアニメ、どうなんでしょうね? 原作はかなりエロいという話ですが、なんか設定的には、むしろプラトニックな恋愛話の方で生きるのかな? と感じました(設定はかなり面白いと思う。それこそ、男女逆転させて、少女漫画でもいけたんじゃないかと思うほど)。肉体的な繋がりを廃して、心理描写に力を入れてった方が良かったというか。

しかも、ラストは(アニオリとはいえ)両取りって、結果的にただのクズ男の話なのでは(苦笑) 夕方をバックに叫ぶ主人公の声がこれだけ響かないとは思わなかったです。よし、(一夫多妻が認められる)イスラム圏の国に行こうw

さて、自分がこのアニメにハマりきれなかった理由が大きく5つあって、

①キャラデザが合わない(好きじゃない)。

②1話目でいきなりディープキスかましといて、その後に揺れる乙女心とかやられても、響くものがなかった。

③ネジと美咲、二人とも互いを好きになる理由が希薄なのに、あそこまで深く愛せるということに、やや恐怖を感じた。

④ようは三(四)角関係のダブルヒロインものだが、美咲と莉々奈を比べると、自分的に莉々奈一択だった点。(莉々奈の可愛さは、本作唯一の長所であり、☆1をつけない最大の理由です)

⑤作品のキモとなる政府通知の設定がわりとガバガバ且つあまりに理不尽。


特に②かな。あそこ(1話目)でディープかますから、恋愛というよりもっと性欲的なものを感じてしまった。だったらもういっそ、ヨスガくらいやっちゃってから悩む主人公が観たかったかも。そこまでやらないなら、普通のキスで良かったんじゃ?

なんかそこに、「原作」と「アニメ」間にある壁というか、両方に配慮した結果、ちぐはぐさが生まれた感じがしました(原作はかなりエロ成分多目と聞きました→読んでみましたw)。

それから本作の設定的なキモである政府通知は、「面白い発想だけど雑」と思いました。「遺伝子的に最適なカップルを政府(コンピューター)が抽出して結婚させる」というシステムですが、遺伝子的に劣っている人はどうなるんでしょうか?

例えば、学力、運動能力、人格、健康等全てに優れた遺伝子の持ち主(甲)がいたとして、その相手(乙)は誰になるのでしょうか? だって、その甲と結婚すれば、大抵の乙は幸せになれて、優秀な子供が産まれるわけでしょ? みんな甲の遺伝子がほしい。そんな中、乙の選択基準は? 甲並みに優秀な遺伝子を持つ者が選ばれ、さらに優秀な子供を作りたいのか、優秀な甲だからこそ、あえて優秀ではない乙を選び、平均化を図るのか。この辺のことを「相性」という一言で片付けているのは些か乱暴に感じます。

それ以外に、例えば、生まれながらに様々なことが苦手だったり、何らかの遺伝子的な病を抱えて生まれてきた方はどうなるのか? 現実はそういう場合でも、出会いや人柄、様々なことに惹かれて結婚に至るケースはあると思うけど、果たして「遺伝子的に最適」という基準だとどうなるかを考えると、怖さを感じます。

私は性格的に、「選ばれなかった人間」のことを心配してしまいます。美咲のように「好きな人に選ばれなかった人間」ではなく、「誰にも選ばれなかった人間」のことです。それとも、必ず全員が誰かには選ばれるのでしょうか。「人間は誰しもが何らかの良さを持っていて、平等で、みんな誰かの運命の人だ」は、確かに綺麗だし素敵だけど、少々頭の中がお花畑過ぎないでしょうか。

だから、贅沢な環境にありながらウジウジしているネジくんに、イライラしたのだと思います。

(全員が誰かに選ばれるとお花畑モードだと仮定して、じゃあ、遺伝子レベルでサイコパスな猟奇的殺人犯はどうするの? 一定数は必ずいるんだよ? その趣味趣向を理解できるサイコパス同士を結婚させ、更に大量殺人をさせるの? それとも、それを遺伝子的に更正させられる人間なんているの? 機械に良し悪しは判断できない。もし機械に良し悪しまで判断させたいなら、誰か人間がそれを入力しなければならないけど、そうなるとやっぱり客観性は失われると思います。全員が選ばれるなら、大なり小なりこういう問題は起こりますし、全員が選ばれないなら、遺伝子的、社会的な弱者は結婚なんてするなと政府がお墨付きを与えるひどいシステムなんだと思いますし)

「アニメ(漫画)だから」と言えば、まあその通り。

アニメ(や漫画など)に整合性を求めすぎるのは私の悪い癖ですが、「アホガール」みたいにアホな話はアホな見方をするから良いんだけど、このアニメのように、なんか科学的? とか論理的? 法律? みたいな方向でくると、本当か? と難癖をつけてしまうんですよね(汗)

あとどうでも良いんですが、OPがちょっとだけ「釣り球」っぽく感じました。作風にはこれっぽっちも合っていなかったけど、曲単品なら結構好きでしたw

あぁ、あと、最終話の「月がきれいね」で、アニメ好き数万人の「オーーイ(ビシッ)!」っていう、総ツッコミが聞こえ(た気がし)ましたw
{/netabare}

【余談~引き裂かれた恋物語の傑作といえば~】
{netabare}
近代小説ですが、伊藤左千夫の「野菊の墓」は素晴らしいですよ。愛し合う二人が周囲によって引き裂かれ、「望まぬ結婚」をするというテーマは「恋と嘘」と共通してるけど、深みがまっっったく違いますよ(当たり前だけど)w

「恋と嘘」は政府のシステムによって、「野菊の墓」は古い日本の常識や大人達の思惑によって、両思いの二人が結ばれることなく、引き裂かれていきます。似ている設定なのに、なぜこうも切なさが違うのか……。

「野菊の墓」は、夏目漱石も絶賛した小説です。漱石曰く、「名品です。自然で、淡白で、可哀想で、美しくて、野趣があって結構です。あんな小説なら何百編よんでもよろしい。」

文量も(70ページくらいで)大したことないので、1時間くらいあれば読めるんでないかと思うので、超オススメします♪ 近代の恋愛小説で一番好きかもしれん。
{/netabare}

【余談2 ~ 原作の今後を予想 ~】
{netabare}
他の方のレビューで、美咲の不妊説があって、確かにありえるな~、鋭い考察だな~と思いました。

そのレビューを拝見して連想したのは、「美咲が不治の病(余命幾ばくもない)」もありそうだなと。例えば発症したのが第1話目のあたりで、それまでなネジ君の相手が美咲だったから書き換えに時間がかかり、ミス(1度メールが届いた)につながったとか、1話目にネジの待ち合わせに5時間も遅れたのは、その病気の説明を厚労省からうけていたからとか、美咲がネジ君を莉々奈に譲ろうと頑なこととかの説明がつきそうですね。

んで、美咲とくっつく→美咲の死→悲しむネジ&莉々奈→なんだかんだあって莉々奈と付き合い結婚→莉々奈が女の子を出産→美咲と名付ける(最終回ラストシーン)

は、ありそうな展開かと。美咲がネジ君につき続けた嘘ということで、タイトル回収にもなるし。莉々奈を魅力的に描いている理屈にも合うなと。

つーか、マジでどっちかが死ぬか、一夫多妻か、むしろネジ君が死ぬwしか、解決しなさそうな展開だしね。

アニメが好きになれなかったので、逆に原作が気になって、漫喫で読破。原作の最新刊、6巻の途中までをアニメ化していて、7巻はそろそろ発売ですか。たぶん買わないけど、完結したら最終巻だけ読もうw
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
作画はなんか残念な感じ? 設定をひねったラブコメになるのかな? なんかこう、ムズムズするな。なんか、好きになるきっかけがめっちゃ希薄な気がする。ファーストキスでいきなりディープとか(汗) 深夜に居所にダイレクトとか、怖いぞ、厚生労働省w

2話目
正論w これ、主人公がリリナに惚れていく流れだな。んで、政府の通知が間違ってたとかなんとかで、また美咲とくっついてみたり、両方好きで悩むパターンだな、きっと。

3話目
いや、人は容姿で恋をするでしょ。愛、というとどうかは分からんけど。いや、厚生労働省、住所くらいググれや。

4話目
以下、書く気をなくす。

5話目


6話目


7話目
キスしながら耳をすりすり触る童貞、絶妙に嫌だな。え!?? 政府通知に強制力ってないの!!?

8話目
以下、書く気をなくす。。。

12話目
えーーー!? その流れで練習したい!? 衝撃なんだが(苦笑) だったら略奪に流れてほしい。これが恋じゃないならこの感情を、、、って、性欲じゃない(笑)? いや、月がキレイって、ギャグかよ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 36
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

続きはWEBで

少子化対策で16歳の誕生日を迎えた日に、決定された将来の結婚相手が伝えられる
政府通知という制度が存在する近未来の世界を舞台に、初恋の人と婚約者の間で
揺れ動く少年・少女を描いた学園恋愛物アニメ。
WEBマンガアプリ、まんがボックス連載中の作品です。
ちなみに単行本は全冊持っています。

先に結論から申し上げますと、タイトル通りの終わり方でしたw
何もかもブン投げて終わったので、
これからアニメ版を見る価値はほとんどないんじゃないかな。
いわゆる販促アニメというやつですね。

■ハイブリッド作
{netabare}
本作は古典的なダブルヒロイン学園ラブコメに少女漫画のエッセンスを取り入れているのが特徴です。
少女漫画っぽい丁寧な心情描写を入れることで
2人のヒロインをより魅力的に見せることに成功しています。
また、作者が女性なこともあって女の子同士の仲の良い感じがうまく表現できていて、
三角関係のドロドロした感じはなく全体的に柔らかい雰囲気になっています。
ようは少年漫画と少女漫画、両方の面白さを楽しめる作品だということですね。
マンガが男性も女性も見るアプリで配信されるようになると、
こういう作風が自然と生まれるのではないかと思います。
{/netabare}

■ヒロイン
{netabare}
「恋と嘘」の魅力は2人のヒロインがほとんどだと言って良いくらい。
恋人にするなら美咲、嫁にするなら莉々奈という感じでしょうか。
どちらも魅力的なヒロイン・・・なのだけども、
いろいろな場所での反応や投票結果を見ると莉々奈の方が人気のようです。

「どちらに共感できるか」を考えると理由は明白かと思います。
美咲はやはり嘘をついている(というより隠し事をしている)のがネック。
小学校の時消しゴムを渡してくれたという恋のエピソードも弱い。
どれだけ切ない胸の内を明かされても、
肝心の秘密が何かが分からない限りは美咲にはある程度しか感情移入できません。

一方の莉々奈は分かりやすい性格である上、
ネジを好きなる理由も相性で選ばれた相手という設定だけで納得できます。
そして彼女は「友情を取るか、恋を取るか」という大きなテーマが与えられたヒロインです。
これは莉々奈を応援したくなるのが人情というもの。

両ヒロインのパワーバランスが崩れているのはあまり良いことではありません。
というのも、主人公の由佳吏は莉々奈に惹かれつつも初恋の人の美咲にこだわるため、
見ている側が「もう莉々奈でいいじゃん」と思うと彼の言動に共感できなくなってしまう。
莉々奈に傾いたバランスを均衡させるには、美咲が秘密を暴露するしか無さそうに見えます。
弱みであるはずの彼女の秘密が、逆転の切り札になっているのが面白い。
おそらく美咲にも「家族を取るか、恋を取るか」といったテーマが隠されているように思います。
ただ現状は分からないため莉々奈に分があるといえます。

え?お前はどっちが好きなんだって?
そんなの圧倒的莉々奈に決まってるじゃないですかwwwwww
{/netabare}

■目がデカイ
{netabare}
キャラの目がでかすぎるという声をよく聞きます。100回は書き込みで見ました。
アニメのキャラデザの方が大きく見えますが、マンガでもやはり大きいです。
これはおそらく男が感じる「かわいい」と女が感じる「かわいい」の違いです。
原作者のムサヲさんは女性。
「恋と嘘」のキャラは萌えアニメのように男性向けを意識したかわいさではなく
作者自身がかわいいと思うキャラを描いているからこのデザインなのだと思います。
マンガを読んだら、この人はかわいい女の子を描くのが楽しくて仕方ないんだろうなと分かりますよ。
お気づきでしょうが、主人公のネジも目が大きい。
ネジはかわいい男の子として描かれている、つまり…これ以上何も言うまい。
{/netabare}

■主人公
{netabare}
「優柔不断」「見ててイライラする」とすこぶる評判が悪いです。
確かにアニメ版のネジは見ていると背中を蹴りたくなりますね。
猫背を強調した作画、たどたどしく話す演技からネジを「情けない男」
として演出しているように見えますが、これは違うんじゃなかろうか…
尺の都合上、基本的にアニメ版は原作からの引き算で作られていて
カットされている台詞やエピソードが数多くあります。
その煽りを一番受けたキャラがネジでしょう。
原作では2巻のラストで莉々奈を不良からかばう場面があるのだけど、
アニメ版ではカットされてしまっています。
また美咲と莉々奈の間で気持ちが揺れる描写が減ったため
誘惑に負けるという結果だけが目立ち、不誠実な印象を強く受けます。
彼は女から見てかわいいキャラというイメージで描かれていると思うのだけど、
これじゃまるでハーレムアニメの国の王子様だよ。
{/netabare}

■オリジナルエンド(ネタバレ有)
最終12話のBパートからがアニメオリジナル展開になっています。
{netabare}
これも相当評判が悪いですね…
ダブルヒロインものでどちらも選ばない結末(通称:俺の翼エンド)は好まれないのですが、
本作の場合第1話から引っ張った謎、結局美咲が隠している秘密が何だったのか
分からずに終わってしまうので不満が残ります。
特にアニメから入った人は「続きは漫画でお楽しみください」
的な終わり方では納得できないのではないかと思います。

原作未完の状態でアニメ化されている時点で期待する方が間違いなのかもしれませんが、
それなら「原作者のムサヲさんと考えたオリジナルエンドです!」なんて宣伝はやめてください。
僕みたいにまんまと釣られるアホがいるんだから。

実は第11話の時点で、原作と微妙に違うシーンがあります。
それは、仁坂の兄の結婚式でのブーケトスです。
原作ではこのブーケを莉々奈が受け取ります。
私が受け取っていいものかと困惑しつつ、
「由佳吏も美咲もどこに行ったのかしら?」と言います。
実は教会の扉の向こう側では由佳吏と美咲はキスをしている最中という皮肉な状況。
幸せの象徴であるウェディングブーケで不吉さを演出をしているのが上手いところで、
ここから物語は莉々奈にとってつらい方向に傾いていきます。
それがストーリーの展開力というものです。

しかしアニメ版では莉々奈はブーケを受け取らず、
由佳吏と美咲がキスをしているところを目撃してしまうシーンに変更されています。
これだとキスを見て2人の愛の深さを知り、
美咲に由佳吏を譲るという話の流れになりますが、
結局はただのメロドラマにしてしまっただけなのですね。
変えるにしても気の利いた脚本家なら第3話の回想シーンを流すところでしょう。

「私と根島くんがキスしようとしたの、イヤじゃなかった…?」
「そんな思ってないわ」
「…そうかな。今はイヤじゃなくても、その内イヤになるかもよ?」

という会話です。
そうすれば莉々奈が自分の恋心を自覚する、という流れが作れるのですが。
友情と恋を天秤にかける葛藤はなくなり、
最終話の莉々奈とのキスシーンも今ひとつ切なさがない。
原作では莉々奈の思いに応えてネジはようやく男らしく、
美咲に交際を申し込むという流れになるのだけどアニメ版では最後まで情けない男のまま。

これがナツコ・クオリティーなのでしょうか。
異世界スマホの脚本はさらにひどかったので、
もう構成が高橋ナツコのアニメは避けようかなと思います。
{/netabare}

■ガジェット
恋と嘘の良い点をもう一つ挙げておきます。それはガジェットの使い方のうまさです。
先ほどのウェディングブーケもそのひとつだし、第6話での埴輪ストラップもそうですね。
莉々奈にプレゼントする場面ではギャグに使っているのですが、
この後の講習会で莉々奈はストラップを握りしめます。
本当はネジの手を握りたいのだけど、ここで手を触れ合うほど心を預けられない、
だから代わりにストラップを握りしめる。
莉々奈の気持ちと今の二人の関係性を表現したなかなか上手い演出ではないでしょうか。
他にも小物の使い方が光るシーンが多いと思います。

■作画
良くはないですね。
演出ではダッチアングルを多用していましたが、あまり効果的ではなかったような気がします。

■声優
莉々奈のCVが牧野由依なので自動的に満点になります。
他の評価点を下げてでも満点。これだけは譲れないんや!

■音楽(酷評)
{netabare}
このアニメ一番の問題は劇伴の質の低さでしょう。
ストーリーに関しては原作が完結していないということである程度許容できますが、
音楽の悪さだけは許しがたい。
フリー素材のような安っぽい音楽を延々流していてメリハリがない。
曲調も場面と合っていないことが多く、始まるタイミングも切るタイミングも悪い。
崖から足を滑らして落下する場面でロマンチックな音楽を流しているのはギャグなのだろうか。
ムードが大切な恋愛物でこれは致命的だと思います。
脚本にも難癖をつけたけれど、僕の不満の原因の8割はBGMです。
{/netabare}

■総評
というわけで残念ながらアニメの出来はあまり良くありません。
これでは莉々奈がかわいいだけのアニメじゃないですか。
未視聴の方にはマンガ版の方をお勧めします。アニメより面白いですよ。
「原作も莉々奈がかわいいだけのマンガじゃねーか」と言われると反論しにくいのですが、
こっちはきれいに終わらせてくれると信じています。頼みますよムサヲさん!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 24
ネタバレ

空知 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「好きってなに?」を視聴者にきちんと考えさせられなかったストーリーと構成の甘さがもったいない

原作未読

原作の存在すら知りませんでした。
しかも、2017夏のアニメに、男子と恋愛してるのに、実際は百合百合してる作品があるという情報があり、恥ずかしながら、この作品だと思い込んでました(笑)。
制作者の方々すみません(>_<)

初めて観たときの感想は「目、デカッ!」でしたが、段々と慣れてきました。
ラストがモヤモヤっとする終わりかただったので、その点が実に残念。

しかし、超少子化社会を改善するために政府が結婚相手を決めるという設定はアニメならではで興味深い。

が、そこから派生してくる人間本来の心の問題に切り込むストーリーと構成に甘さがあったことが秀作たり得た作品を目立たない作品にしてしまった感があります。

ヒロイン2人はどちらも非常に魅力的です。根島が最初に好きになった女の子と、政府から通知された女の子の間をフラフラするところは、「このヘタレ!5年間想っていた女の子をなぜ選ばないんだ」とイライラしました。が、政府通知の女子も、これまた性格の良い子で、行動を共にするにつれて主人公の心が惹かれて行く気持ちも非常によく理解できます。


高崎美咲と真田莉々奈の間で葛藤する根島の姿こそがこの作品のテーマです。
(簡単に言うと、「運命の赤い糸」と「科学的な赤い糸」のどちらが強いか?です)


また、高崎さんが隠し続けていた秘密とは何なのかが分からないこともモヤモヤ。
(下のネタバレ部分に個人的推論してあります。)



ラストは結局どういうことなのか、よく分からないまま終了。
どっちも選べないなんていうラストなら、作品のテーマ自体に切り込めなかったということになります。原作に欠点があるのか、脚本が駄目なのか、尺が足りなかったのか、どれかなんでしょう。

すっきりしないラストでしたけど、テーマは良いですし、いろいろ考えさせられたりする面白い作品でした。

個人的には67点くらいあげたい佳作の上くらいの作品。


以下、ちょっと考察してみました
ネタバレありますし、長いので読みたい方だけお読みください。


{netabare}

通称「ゆかり法」は、人間の遺伝子情報、生育歴など、ありとあらゆる個人の情報をスパコンに入力し、(「京」に似た緑色の大型コンピューターが一瞬出てきたので、スパコンでやってると推測)、これをもとに、満16歳以上は、結婚相手として最もふさわしい相手が誰であるかを国家が決めてしまうという国の管理システム。

ですが、馬鹿らしいと一蹴できない部分があります。

幾つか感じた点を、述べてみたいと思います。



1.いわゆる「遺伝子決定論」

たとえば、数学的能力とかスポーツ能力などは、遺伝子によって8割程度が生まれながらにして決定しています。病気もそうです。一部の病気は100%遺伝によります。

性格や気質も遺伝子によって決まっているとか。
もちろん、後天的要素も含まれるため、性格は遺伝子決定論だけではすまされない問題です。


作品中に、「好きってなに?」という言葉が何回か出てきますが、
この問題を考えることがこの作品の命題であるはずです。


「人が誰かを好きになるのはなぜ?」
「どうしてその人でないといけないくらい好きになるんだろう?」
というのがこの作品のテーマだと思います。

誰かが誰かに会う。なぜか好きになる。
どうしてでしょう。

a. 好みの容姿や体格。
b. 性格・気質や言動・行動。
c. 趣味や嗜好性向
d. なぜだか分からないけど惹かれてしまう不明部分。

a,b,cは、遺伝子情報プラス生育環境等の情報をスパコンに入力して演算すれば、かなり相性の良いマッチングカップルが誕生するかもしれません。周囲の人間がお見合い相手として紹介してくれるよりも、相性は抜群かもしれません。

要するに、超少子化基本対策法というのは、非常に優れた仲人システムと考えても良いわけです。


問題は、"d"です。
"d"だけはスパコンでも分かりません。
つまり、遺伝子決定論が破綻する部分です。

誰もが思うように、人間は遺伝子で全てが決定づけられているわけではないありません。

「あいまいさ」というファジーな部分は、スパコンでは演算しずらい箇所です。


上記を踏まえると、

2. 高崎美咲と真田りりかの違いとは?

高崎は、1の"d"のドストライク。a-cは根島の目からみた主観。
真田は、AIが客観的にa-cの相性は最善と判断したが"d"を持っていない。

ところが、根島が真田と見合いし、実際に接してみると、確かにa-cは自分に合っているし、高崎との恋を応援してくれる真田の性格の良さから、なんとなく根島の中に真田への情が生じてしまう。

つまり、真田にも"d"の「なんとなく」が生じてきてしまうのです。

ここから話がもつれてはじめてしまう。

何とも難しい三角関係になってしまったものです。
この三角関係は、人工知能であるAIが図らずも生み出したものです。

原作者がこの問題をどう取り扱うのか、非常に興味があります。


3. 高崎が隠している秘密とは何か?(私の推測)

(原作を読んでいる方で、この部分の推測が当っていたら教えて下さるとうれしいです)

初めて公園で根島が高崎に告白したあと、スマホに厚生省から結婚相手として高崎の名前が通知されます。通常、文書通知のあと、スマホに通知される仕組みのようですから、順番が狂っています。

高崎と表示されたあと、電波障害のような感じですぐに消えてしまう。

厚生省の矢嶋が「何者かが政府通知システムに進入した形跡がある」と根島に直接伝えていますよね。


∴ これが高崎の秘密です。依頼者が高崎、侵入者は五十嵐柊

五十嵐は、中学生のとき高崎が嫌いだったが、行事で写された根島の写真を購入する高崎を知る。この時の高崎の一途な想いを知り、五十嵐は高崎を大切な友達だと考えるようになり、高崎の恋の応援をするようになります。

高崎は、五十嵐だけをファーストネームで呼んでいる点も注目に値します。


五十嵐は、ゆかり法創設者の孫にあたり、スパコンのシステムに就職するらしい。しかも、スパコンのシステムを操作?している部分もありました。


僕の推測:

高崎は五十嵐に「自分を通知相手にしてくれないか」と五十嵐に頼み込んだのではないか?

これなら、初めて公園であったとき、なぜ高崎が5時間以上遅れてきたのかも理解できます。

「根島が自分に告白しようとしている」と知った高崎は、このチャンスを逃したら二人が結ばれることはないと感じた。しかし、高崎も根島も気持ちを素直に告白できるような性格ではない。でも、通知がくれば、お互いに「実は前からずっと好きでした」で全て解決する。


根島から「今日、6時に公園でいつまでも待ってる」と言われたあと、高崎は五十嵐に連絡を取り、「私を政府からの通知相手として根島君のスマホに送信してほしい」と言った。

それから五十嵐はシステムに入り込む。準備ができた段階で、高崎に「やったよ」と連絡を入れ、その連絡を受けた高崎は慌てて公園に現われた。これが大幅に遅れた原因じゃないでしょうか?

ところが、五十嵐は高校生であり、真田から高崎への完全な書き換えを行なうだけの技術がなかった。


というのが僕の推論。


そして、再度、第一話を鑑賞すると、

根島と同じクラスの男子が、

「高崎さんって、4月に16歳になったのに、まだ政府から通知がないんだってさ」という場面があります。

これも、高崎から五十嵐への依頼によるものと推測されます。


エンディング・アニメーションで高崎が口に×点してるのは、人は機械よりずる賢いですよってことかも。

{/netabare}

花澤さんの演技良かったですね。
彼女にこの手のヒロインやられたら、観てる男性はやられちゃいます。

しかし後半、牧野由依さん演じる真田に心を持って行かれる僕がいました。

すばらしいお二人の演技でした。

EDは良かったです。

伊藤依織子さんが作画監督すると、女子キャラは魅力的だなといつも思います。

最近、ツイッターが止まっていましたので心配していましたが、こうしてご活躍されているので安心しました。
(第3話のイラスト、良かったです!)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 32

72.7 23 高校生で漫画原作なアニメランキング23位
GTO[ジーティーオー](TVアニメ動画)

1999年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (426)
2812人が棚に入れました
高校時代は親友・龍二と共に「鬼爆」として湘南最強の不良だった鬼塚英吉。
ひょんな事から教師を目指すこととなり、臨時教員として採用される。
様々な問題を抱えるクラスの3年4組の担任となり、生徒との対立や嫌がらせ、その生徒自身が抱えている苦悩、あるいは学校内に発生する困難やトラブルに巻き込まれながらも、自身の持つ人脈・悪運・頭脳・腕力・コネ・行動力等を総動員させ、受難を見事に乗り越えて、生徒達の信頼と人望を得ていく「Great Teacher Onizuka」の破天荒な物語が始まる。

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

当時の中学生の気分と教育崩壊を鮮烈に描いた教師モノの名作。

 作画が結構ひどくて笑いました。アニメとしては1999年の本作。ガンダム、マクロス、ナディアとかもそうですけど、深夜以外のアニメって結構ひどいのがたまにあります。人気が出たのか30話以降は比較的安定してきたので、そんな中ではマシなほうなのかもしれません。

 ただ、本作は雅、麗美、朋子という3人の美少女がいい作品なだけに作画が良くないのは作品の良さを半減させています。あと雅の青髪が黒いのもちょっと残念です。

 本作は、いわゆる切れる17歳と言われる1999年に大事件(※下記参照)が起きたことをきっかけに注目された世代です。1982年生まれが問題視されています。1996年の作品で中学生ですから、まさに世紀末の中学生の恐ろしさというテーマが垣間見られます。時代を知るための資料としても貴重です。

 また、14歳が1995年のエヴァで注目された時期でもあり、牧歌的な中学校を舞台とした学園物から離れ(過去は不良はいましたが彼らがやるのは非行。本作はほぼ犯罪になっています)、教師の敵としての中学生というのは今見ても非常にインパクトがあります。ギャグとシリアスを上手くミックスしながら時代を描いた本作原作は教師モノの作品の名作と言えるでしょう。

 菊池と麗美は天才なだけに、かえって型にはまらない鬼塚に傾倒してゆきますが、雅の不気味さは原作では最後まで迫力がありました。テレビ版ではその辺がちょっと甘い気もしますが。

 不良という分かりやすい反社会行為ではなく、優等生の方が裏でひどいことをしているという描き方が当時としては斬新でリアルだったのでしょう。バブルが崩壊して信じられる年功序列のレールが崩壊した時期を感じ取れます。

 また、教育の機能が崩壊したという文脈でも教頭にカリカチュアライズされていますが、彼の家族や学校での立場・振舞は教師=聖人ではなく、サラリーマンであり、保身し、安易で短絡的な結論に飛びつく小人として描かれます。当然、親たちや大人たち全般のネガティブな側面が描かれています。

 こういう時代のアンチテーゼとして、湘南の暴走族出身の鬼塚というある意味アンチヒーローが教育の破壊者として描かれます。この教育現場をぶっこわそうというマインドは原作者の意図がしっかり入っていると思います。既存の教師像を明確に否定…というより教師も人間であり性欲も金銭欲もある、と宣言した本作は、教師モノのアニメ…というよりコミックスとして高く評価できると思います。

 今だと40話以上の本作は全部見るのは辛いかもしれませんが、コミックスは25巻でブックオフ等でもまだ見かけると思います。絵柄も奇麗ですのでそちらの方がお勧めです。若干下品さの度合いが極端ですけど。

 ということで、原作込みでストーリーとキャラを4.5とします。アニメ版はちょっと言葉足らずだったと記憶しています。あとキャラデザが残念。
 ただ、その他の要素は3でいいかな。作画等は古くて見辛いしキャラは安定しません。2.5でもいいですけど、時代を考慮して。



 ※参照 神戸連続児童殺傷事件、秋葉原通り魔事件、西鉄バスジャック事件、岡山金属バット母親殺害事件の犯人がすべて1982年生まれ。1982年の呪いと言われています。キレる17歳、理由なき犯罪、メディア型犯罪も特徴になります。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

こめった さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

鉄拳「こんなGTOは嫌だ。G(学校の)T(トイレで)O(お昼ご飯)」 

物語の内訳(平均計算:.2や.7までは切りさげ、.3~や.8~は切り上げ)
ストーリー:4.5/構成:3.5/世界観:3.0/キャラ:4.0/テーマ性:3.0
平均3.6、よって物語3.5

点数にしてみると、そんなに高得点のアニメではないが、とても楽しめた。物語の内訳を見るとわかる通り、ストーリー自体はそんなに悪くない。最終回の駆け足気味なところはマイナス。

ソーシャルキャピタル(社会関係資本)という言葉があって、簡単に言うと、人と人のつながりを資本と見なそうっていう概念で、パットナムっていう学者によると、「社会的ネットワーク(横のつながり)、信頼、互酬性(簡単に言うと、Win-Winの関係)」っていう意味なんだけど、これが蓄積されていけば、幸福とか健康とか教育とか色んな領域でいい結果をもたらすって言われている。

そんな学術的なことが言いたいわけじゃないけれど、「先生―生徒」みたいな縦の関係では、「信用」はあっても「信頼」は生まれない。鬼塚は生徒たちと対等の立場(横の関係、つながり)になって、生徒に色んな面でプラスな影響を与えていったんじゃないのかな。村井、吉川、神崎、菊池及びその周辺の人たちは間違いなく鬼塚を「信頼」していた。

別に先生、生徒が対等になれって言いたいわけじゃないんだけど、生徒と先生との間に多くのコミュニケーションがあることにこしたことはないし、コミュニケーションが多い生徒ほど成績がよくなる傾向にあるっていうことも実証されているのも確かなことだ。

鬼塚みたいな先生が欲しかったわけじゃない。ただ、先生が先生として生徒に接する時間ではなく、同じ目線で、鬼塚に言わせれば「人として接する」時間がもっとあれば、学校はより楽しいものになるんじゃないかなって視聴してるときにふと思った。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 1

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

前作、原作のほうがぜんぜん好き派。

教師ものに新たな息吹を持ち込んだ名作。
毎度キレのいい、くだらないギャグと超暴力的かつ熱い展開で問題を解決していく。原作の修学旅行あたりまでやります。
ゴールデンなので規制でギャグやアクションはぜんぜんダメ・・・。でもいまよりはマシなほう。

個人的に前作純愛組中期、GTOの初期までのテーマであった、
真の『かっこいい漢とは』?ってのがなくなてからきらいになった。
作者もいってたけど世間からの評判のよさ、「教師もの」としての認知度、からあまりアホになれなくなったのもあるし、鬼塚が熱血「一教師」キャラとして完成してしまったのもある。飽きられるし、ネタ切れもある。ワンパになってしまった。

私も愛車ですが、ZⅡ、Z、と呼ばれるケンジ君や七五十、風神雷神、御神苗と数々のキャラクターが愛用してきたバイクですがこの男こそ最も似合ったったヤツ。だった・・・・。昔は・・・。私のあこがれた鬼爆はどこへ・・
黄門さまの印籠のようにかならず最後は愛車に乗って決着をつけるという様式美。
現在のGTOでは乗りもしない・・
バイクにそして川崎に乗れば言いや的な。

ドラマ版でも非常にクレームの多かったバイクは.反町さんが免許が間に合わなかったからみたいで、映画では無事取得 なつかしい・・。
原作はドラマ版とのメタなギャグも面白かったです。
正直いまマガジンでやってるのはまったく面白くない・・思い出クラッシャーですよ・・。

アニメ版はOPが秀逸です。






投稿 : 2025/03/01
♥ : 8

75.5 24 高校生で漫画原作なアニメランキング24位
賭ケグルイ××(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (449)
2177人が棚に入れました
良家の子女が集う名門、私立百花王学園。ギャンブルで支配されたこの学園の頂点に君臨するのは、弱者の人生を支配し、政財界にすら影響力を持つ絶対的な支配者、生徒会だった。しかし、生徒会長の桃喰綺羅莉は突然、生徒会の解散・総選挙を宣言する。選挙のルールは一人一票。全生徒に学園の頂点を目指すチャンスが与えられる。カオスと悦楽を求める綺羅莉の思惑による選挙戦。さらに、その機に乗じ、新たな脅威が訪れる。百喰一族――綺羅莉と夢子に連なる者たちが。蛇喰夢子と友情を深めてきた鈴井涼太、早乙女芽亜里、皇 伊月の4名は、この仕組まれた総選挙の中、自らの信念をかけた闘いを迫られる。弱肉強食の学園で「餌」となるか、他を喰らい生態系の「長」となるか。ギリギリの選択が心を揺さぶる「究極の選挙バトルロイヤル」がいま始まる!

声優・キャラクター
早見沙織、田中美海、徳武竜也、若井友希、奈波果林、伊瀬茉莉也、芹澤優、杉田智和、鵜殿麻由、福原綾香、沢城みゆき、潘めぐみ、井上遥乃、竹達彩奈、内山夕実、大久保瑠美、高垣彩陽、北原沙弥香、斎賀みつき、細谷佳正、石田彰、朴璐美
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

飛び道具は確かに強いが、弾が尽きると尚更弱い

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
1期視聴済み。相変わらずの、ギャンブルと顔芸アニメ。

知略戦という部分もなくはないけど、結局、「ギャンブル」と「顔」を魅せるアニメですね。

楽しめた度でいえば、一期をやや下回った感じでした。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1~6話目は、一期の雰囲気を維持。

7、8話目の税金ギャンブルは良かった。まずまずの知略戦だったし、そこに1期からの人間関係がからみ、ラストはなんか良い話に。後味も素晴らしい。こんなことも出来るんだなと、感心した。

9、10話の「五十嵐清華 編」もなかなか楽しめたのだが、ちょっとした違和感を感じた。

あれ? ストーリーアニメ、人物重視になってない?

1期レビューに書きましたが、本作はあくまで、「賭け事に狂う人、こと」を描いていると思う。それが魅力的だったんだけど、少しズレてきた。

微妙な違和感が確信に変わったのは、11、12話の「×喰 零」編。清華のように一期から出ているならまだしも、よく知らないキャラクターの背景をいきなり掘り下げられても、ふ~んとしか思わない。また、その背景自体も、浅いというか、とってつけたようなエピソード。小者感が漂い、2期のラスボスとしては完全に力不足。

大体、ギャンブルを魅せるアニメなのに、4話連続でストーリーを重視されてもね。

あと、根本的にギャンブル(100票オークション)がつまらない。まず、早乙女芽亜里がいきなり10票入れて、ん? と思った。周りが被せないと思っていたなら、まずは1票を入れるべきじゃない?

それから、出品者且つオークショニアがオークションに参加してたら、ダメだろ、普通に。だって、オークショニアだけは、自分で買った票が自分に入るんでしょ? しかも、累計で。極論を言えば、100票を200票で買うこともできて、100票に至るまでの票も懐に入るとか、あり得ない。のくせに、他のオークション参加者には「談合は許さない」て。これだけのインチキを「確認してない(○○とは言っていない)からOK」って、何が絶対中立だよ。このギャンブルで、黄泉月 るな の魅力も半減したと思う。

てか、夢子がやった1票での競り落としローテーションなんて、誰しもが最初に思い付くことだから、何の驚きも無かった。×喰にしても、2回くらいやられた時点でオークションから降りれば良かった。まだ、収支はギリで+くらいか、-だとしても、まだまだ票はあるんだから、次に可能性を残せた。

という具合に、ラスト2話は飛び抜けてつまらなかった。と思ったら、アニオリと知って、やや納得。いくら原作者が監修しているとはいえ、元々ある練られたストーリーにノイズなくアニオリをぶちこむのはかなり難しい。

この、7~12話を見て感じたのは、「賭ケグルイ」という作品自体に、もうムリがきているということ。

元々、「蛇喰 夢子」という圧倒的に魅力的なキャラ一人の力で成り立っていたような作品。しかも夢子には、「成長」という要素があまりない。最初から飛び抜けて狂っていたキャラクターだけに、毎回狂う夢子を観ても、やはりマンネリ化が進む。だから、サブキャラクターで作品を深めようてしているのだが、如何せん、誰も夢子以上には狂えない。魅力もない。唯一、夢子に対抗できそうな桃喰 綺羅莉を出し惜しみしてるんだから、そりゃこの2期は面白くない。

結局、「狂いっぷり」と「顔芸」という飛び道具に頼りきると、こうなってしまうよなという意味で、こんなレビュータイトルにした。あと、剣士としての矜持で(笑)

もし、この連続する4話を好意的に捉えるなら、蛇喰夢子というキャラクターの本質が見えたということ。「SERVAMP -サーヴァンプ」というアニメに椿というキャラがいるが、彼の言葉に{netabare} 「戦争はコミュニケーションの手段だよ」{/netabare}というものがある。この言葉を借りるのなら、まさに夢子にとっては「ギャンブルとはコミュニケーションの手段です」ということなのかもしれない。

そう考えれば、大金を積んでまで、×喰の人間性を知ろうとしたり、101票連続落札でコミュニケーションを図るのも、夢子の「コミュ障」ならではなのかな、と思った。3期は、、、ないかな? 生徒会長戦は観たいけどね。
{/netabare}

【余談~ 実写化 浜辺美波さん ~】
{netabare}
本作の「蛇喰夢子」を演じることになった、浜辺美波さん。他にも「咲」の「宮永咲」、「あの花」の「めんま」と、人気作のヒロインを演じてますね。また、「亜人」の「永井慧理子」、「となりの怪物くん」の「大島千づる」と、アニメでも高評価の作品の実写化に出演してるようです。

いや、一作たりとも実写版は観てないんで、どんな演技だったかは分かりませんが(笑)

でもまあ、これだけ短期間で人気アニメの実写化を立て続けにやるのは凄いな~と。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
OP、おしゃれだな。これ、鉄板以外の何かを取り外したんだね。いやー、作風だから分かるし、一期観てきた人間としては全然OKなんだけど、いきなり色々と振り切っているので、2期から入ってきた方は戸惑いそうだな(笑)

2話目 ☆3
この方が1話目っぽいな、普通なら。まあ、インパクト重視か。さっきの麻雀や花札の時、選挙管理委員いた? まあなんか、予想の範囲内。100%より50%の方が尊い。なるほど、ドMとの価値観の違いが良く出ていた。

3話目 ☆3
まあ、拳銃でバン、が最強ではあるわな。

4話目 ☆3
まあ、歌はなかなか。シンフォギアとかもやってるしな。私も、結構ナメテルナ、女優を。

5話目 ☆3
書き忘れ

6話目 ☆3
書き忘れ

7話目 ☆4
今までのギャンブルで一番面白いかな、心理戦で。

8話目 ☆4
ドMの仲間に引きずり込むなや(笑) なかなか楽しいギャンブルだったし、後味も悪くない。こんなん、できるんやん。

9話目 ☆2
あの塔は、ネタバレしたら終わりじゃない? あと、会長色々しゃべりすぎじゃない? ギャンブルというより、謎解きだな。

10話目 ☆4
なかなか良いラスト。理解できないのはお互い様。理に生きる女、嫌いじゃないけどな。

11話目 ☆2
レゾンディートル?

12話目 ☆1
その、負けて終われないって感覚が分からないんだよな。これはつまんなかったな~。だって、1票落札なんて、すぐに出来たことだし。×喰も、はよ逃げりゃ良いし。2回目くらいで。
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 26

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

闘え、それぞれの誇りを賭けて。

この作品は、「賭ケグルイ」の2期に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、1期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

劇画調の作画が、私立百華王学園の生徒たちがギャンブルに乱れ狂う様相を後押ししてくれた作品です。
本作の主人公である蛇喰 夢子の赤く艶めいた瞳が彼女のギャンブルに対する狂気のスイッチが入った証…
そんなヒロインの魅力を最大限引っ張り出すのがはやみん…
この最強タッグが功を奏した作品です。
1期から相当盛り上がった作品だったので、2期の視聴が楽しみな作品の一つでした。

物語の舞台となる私立百華王学園は、創立122年を迎え上流階級・政財界の子女が数多く通う名門校…
そこは、生徒同士のギャンブルによる階級制度によって支配されたこの学園の頂点に君臨するのは、弱者の人生を支配し、政財界にすら影響を持つ絶対的な支配者、生徒会だった。
しかし、生徒会長の桃喰 綺羅莉は突然、生徒会の解散・総選挙を宣言する…

公式HPのIntroductionの一部を引用させて頂きました。
何て言うか…どうして物語ってこうも面白くできるんだろう…と本気で思わせてくれる作品です。

百華王学園の生徒会は、絶対的な権限を持っているんです。
そしてその門扉は全生徒に対して均等に開かれている…
より良い人生を送りたいと考えるなら、喉から手が出るほど欲しい…そのためなら何の犠牲も厭わない…
人間であるが故に惹きつけられる権力なんです。

そりゃ気持ちも揺れますよね…
目の前に転がっているのはこれまで絶対的な権力を持っていた桃喰 綺羅莉の椅子なんですから…
まぁ、事はそんなに単純でも無かったんですけれど…
何故ならそんなに美味しい話に食い付くのは一般の生徒だけ…という訳ではありませんでしたから…
そう、綺羅莉が籍を置く桃喰家を本家とする百喰一族が総選挙に名乗りを上げてきたんです。
しかも一癖も二癖もありそうな人たちばかり…

これで物語が盛り上がらない筈がありません。
この強制イベントによって否が応でも視聴意欲が増しましとなった私なのですが…
完走して頭をよぎったのは、私たち視聴者以上に蛇喰 夢子がこの状況に興奮していたんじゃないか、ということです。
こうして総選挙の火蓋が切って落とされ…物語が動いていきます。

この作品の最大の魅力は賭け狂う蛇喰 夢子の言動なのですが、その源泉であるギャンブルそのものの面白さが回を追うごとにヒートアップするので何とも堪りません。
1期でも狂気の沙汰のようなギャンブルはありました。
でも、今期の方がギャンブルの内容・質ともに1期を凌駕していたと思います。

まぁ、こんなギャンブルは現実では起こり得ないのでしょうけれど…
でもギャンブルが身を亡ぼす爆弾である点だけは、現実でも変わらないと思います。
若い頃は、パチンコや競馬を嗜んでいましたが、今ではすっかりご無沙汰です。

でもパチンコで気になっている事が…
実は私の通勤経路にパチンコ屋さんがあるのですが、「新台入荷!」のパネルが壁に大々的に張り出されています。その中に結構アニメの作品を目にするんです。
つい最近ではリゼロ…その他地獄少女、ガルパンやゆゆゆなど、様々な作品があるので、「今度は何の作品の新台なのかな…?」という視点でパネルを見るのが密かな楽しみになっていたり…

気になるのは、登場時期です。
「何故その作品が今なの…?」というのを多く感じるんです。
メディアアミックスの一貫とも考えましたが、周囲の脈絡が正直良く分かりません。
パチンコはしないので、知らなくても問題は無いのですが一アニメファンとして気になっています。
最近は、パチンコ台の前でじっと座っている時間があるなら、その時間をアニメの視聴に充てたいという気持ちの方が強いですから…^^;

という訳で、私自身はギャンブルとは縁遠い生活を送っている…という訳ではありません。
人生そのものがギャンブルみたいなモノですから…
でもそんなスローなギャンブルより急転直下の早さと幅が半端無いのがこの作品の真骨頂…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、JUNNAさんの「コノユビトマレ」
エンディングテーマは、D-selectionsさんの「AlegriA」
どちらも抜群に格好良い曲です。
エンディングはAmazonMusicのFRESH ANIMEにチョイスされていました。

1クール全12話の物語でした。
はやみんとみゆきちの戦いを楽しみにしているのですが、もう暫くかかりそうですね。
時間はたっぷりかけて頂いて構いません…
この総選挙の行方がどうなるのか、続きもアニメ化されることを切に願っています。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 24
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キワモノたちの賞味期限

原作未読 1期視聴済


生志摩妄(いきしまみだり)をそこそこ愛でる私。
のっけからエンジン全開で粘膜の至るところから体液まき散らすみだり女史を拝めたとあってはなんて俺得なんだー!

となるかと思いきやそうでもない。
作品へのツッコミは数多くあれど、1期は構成の手堅さを評価してました。
2期は良くも悪くも1期と同じと言いますか、同じ路線で顔芸に磨きがかかって、新たな敵!?が現れとインフレ方向で話が展開しました。

 少々飽きました

1期踏襲となれば『賭ケグルイ』世界に対する評価も大きく変わらないので、詳述している1期レビューに詳細は譲ります。


・生徒会長を超える逸材が出てきてない ←ここが大きい!
・メアリや鈴井ら主役級がカースト下位から這い上がるサイドストーリーのあった1期


百喰一族大量投入の2期は早々に登場人物が確定し、学園内という狭いコップの中の水を掻き回す作業に似ておりました。
作中のギャンブル(ゲーム)はどれもよく練られたもので、原作者さんの苦労が伺えます。しかしながら新鮮味は薄れていきました。
好意的に捉えれば円熟味が増したということですね。ギャンブル(ゲーム)のアイディアが尽きなければ3期でも4期でも続けていってもらいたいです。
少し飽きがきた理由も


 キワモノたちの賞味期限


が到来したわけで、キャラ先行の鑑賞だと遅かれ早かれということで間違いありません。生徒会長のキャラ幅を広げるか、もしくはそれを超えるキャラの登場が待たれます。


さてマンネリ感漂う2期の特徴について、


1.底辺が底辺を動かす
一発逆転はギャンブルの醍醐味。カースト下位奴隷が“取り戻す”物語を鈴井やメアリら主役級がはったのが1期とすれば、脇役らが演じきったのが2期。
{netabare}×喰(ばつばみ)良いキャラでしたね。男装の麗人ということで動きがイチイチ宝塚だったのがツボでした。{/netabare}
{netabare}主体が脇役。モブが×喰に託し、、という構図だったため{/netabare}カタルシスみたいなのは希薄でした。
底辺にとってかわられる恐怖すら楽しめる連中(キラリや夢子)との勝負には勝てる気がしませんよ。


2.魂の解放!?
身の破滅ではなく呪縛を解き放たれた人達がいました。擦り切れて倒れる弱肉強食の世界なのでほっとできます。作品としてはOK!
自分はどうしても違和感が拭えませんでした。なんかいい話に収めてますが、賭博と心温まるエピソードとの相性の悪さが見え隠れします。
{netabare}さやかが吹っ切れたように晴れ晴れとした表情を見せ、×喰さんも復讐や誰かのためのギャンブルから自分を解放できて、と。{/netabare}
賭博ものにどうしても求めてしまう“身も蓋もない絶望感”が足りないんですよね。その期待値をキャラが上回った1期はともかく、今期は弱かったです。
解放された二人とも対象への執着をけっこう簡単に捨てられる状況にあったのにぃ、と思ってしまいます。



蛇喰夢子がことあるごとに“賭ケ”の対象がそれでは手ぬるいとベットを上げてきました。天井は人生です。
ただどうしてもその人生の上限値というものは、背負うものの多寡という点で高校生ではまだまだ低い。負けても悲壮感はなく勝っても高揚しない理由はここにあります。この作品はそこで勝負しちゃいけません。
あくまでキャラでいきましょう。責任はもちろんとりませぬ。

{netabare}俺たちのギャンブルはこれからだ!{/netabare}

頼みますぜ3期!
鈴井も今回は影薄かったしね。



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2019.09.21追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.22 初稿
2019.09.21 追記

投稿 : 2025/03/01
♥ : 44

82.2 25 高校生で漫画原作なアニメランキング25位
ハイスコアガール II(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (423)
1723人が棚に入れました
少年は好きだった、ゲームが。少女は出会ってしまった、ゲームと。勝利への渇望と、技術の探求心と、個人の自尊心が渦巻くゲームセンターで生まれ、育まれていく友情と恋。友人や家族、そしてゲームキャラクターに支えられ、少年少女たちは強く、大きく成長していった。あきらめなければ無限コンティニュー?ハルオ、晶、小春が挑むファイナルステージの行方は!?

声優・キャラクター
天﨑滉平、鈴代紗弓、広瀬ゆうき、赤﨑千夏、新井里美、興津和幸、山下大輝、伊藤静、チョー、御堂ダリア、中村悠一、植田佳奈、井澤詩織、鈴村健一、寺島拓篤、諏訪部順一、小野賢章、安元洋貴、三宅健太、武虎
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

14話までの感想{netabare}
原作未読、アニメ1期は評価高し。
二期スタートだやったー、と思ったら15話だか16話までは1期終了直後に配信されてたもの、らしい。
あれ?じゃあその感想どこに書けば良いんだ?と迷ったけどこちらに書きますね。

13話、相変わらず登場キャラが良いヤツばかりで泣ける、爺やお前両親以上に親してないか?
ゲーセンパートでは奇ゲー推ししてたのにデータイーストが無かったのが気になる、見落としただけ?、
なんでもこの作品は権利関係でグレーな部分を行ったり来たりしてたらしいのだけど…。
14話、うっはw夜ゲーかよ、大丈夫これ、時代は1985以降だよね?
ゲーセンってのはパチンコ店なんかと同じ風営法の対象で、深夜12時以降は営業しちゃイカンとかなんとか(更に東京だと開店は10時から)。
夜ゲーはあくまで友人宅での夜通しゲームの延長って扱い…になるのかな?とりあえずめっちゃグレーゾーン。
参加するには基本一見さんお断りで、もし紹介があったとしても…18未満かぁ、こええなぁ。
作中では上手いことスルーしてるけど無断外泊でしょ、アレ。
実は今までで一番アブない表現だったのかも?


余談
当時はまだ台がネットに繋がってるワケもなく、時限式の隠し要素なんてのは基盤一枚一枚に仕掛けられてた(調べたら「タイムリリース」って呼ぶらしい)。
中には「○時間起動して電源を落とすと一日としてカウント、それで△日カウントすると隠しキャラが出現」なんて数え方のものがあって、上記の風営法に当たるゲーセンでは問題無いのだけど、これが24時間営業のドライブインのゲームコーナってなると話が違う。
まぁ、いつまで経っても隠しキャラが出ないw
逆に内部日数を早回ししていち早く隠しキャラを使えるようにしたゲーセンなんてのもあって、そういうところを探すのがまた大変だったなぁ…という昔話。

余談2
首領蜂はボムを使えば使うほど上限値が増えるというヘンなシステムで、クリア優先だけなら回復ポイントを抑えつつ敢えてボムを使う方が良い。
そうはいってもやっぱスコア気にしちゃうんだよねーw{/netabare}

15話感想{netabare}
ゲーセンが思い切り登り調子でそろそろピークを迎える時期、逆に言えばそれを超えた後の蔭りの予感がチラホラと見え出す時期…。
東亜プランが倒産したのってこの頃じゃなかったっけ。
この後の凋落っぷりを知ってれば知ってるほど切ないというかノスタルジー感が増すんじゃないかな。
実際AOUショーで紹介されたソウルエッジもファイティングバイパーズも「予算かかってそう」系だったり、「家庭用ゲームがどんどん進化していくが、まだまだアーゲードゲームも負けてねーぜ」とヒヤっとする台詞が飛び出したり。
そこに反応する自分が過敏なだけ?
原作未読ですので、本編がそこら辺触れるのかどうか知らないけど…どうなんだろ?
楽しいところばかり追い続けるのも良いけど、だったら1期で止めとくべきだとも思ったり…。{/netabare}

17話までの感想{netabare}
前回の感想が言葉足らずだったのでそのフォローから。
15話まで内容は非常に良かったのだけど、自分だけかも知れないけど作中の時期的に不穏な予感を感じてしまって…正しい意味での二期(16話以降)は大丈夫かなぁ?と余計な心配が湧き上がってしまいまして。
「これだったら1期だけで終わらせといたほうが良かった」ってことにならないでくれよー、と祈るような気持ちだったり。
と、不安が先走って妙な文章になってしまいました。

で、肝心の二期、不安は杞憂に終わった?大丈夫かな??
OPに映るゲームが殆ど格ゲーで、確かに格ゲーに絞る分にはまだ暫くは(新声社が潰れる1999まで?)アーケード業界は安泰…かと。
けどなー、自分は格ゲー全然知らないんだよなー。
なんてことを思ってたら17話、ちょw渋谷会館ww頭と指先が鍛えられるwww
店内の描写がかなり正確(あの暗い階段とか特に)で笑える。
自分がギャラクティックストームが稼動してるのを見たことあるのはここだけですね。
カイザーナックルのジェネラルはbiimの動画でも扱ってるので有名かと、ミカドの動画でも特集やってなかったっけ?こっちが先なんかね?
ダラ外は連射付きかどうかで難易度が段違い、渋谷会館はどうだったっけ…ってなんでキングフォッスルで稼いでるんだw
ABDGLQVが一番簡単だと思う、パズルボブル2は死ぬほどやったなぁ。
というかこの回は妙にタイトー推し。
エレベーターアクションリターンズ・ルナーク・ダラ外・プリルラが並んでるのはある意味壮観。
もうちょっとしたらサイキックフォースでも扱うんだろうか。

先生のリングアウト描写は正にポリゴンゲーのアレ。
フワフワっというかぬるぬるっというか、お前重力と摩擦どうなってんだよとツッコミたくなるアレ。
まさか!これをやるために3Dアニメにした!?
なんて長い伏線なんだー!!!って冗談は置いとくにしても、再現度の高さに爆笑w{/netabare}

18話感想{netabare}
ずんずん教じゃねーか!
一期のピストル大名といい、メーカーが黒歴史にしたがるのをぶっ込むなぁ…それでいてやっぱしゲームdisは一切しないところが凄い。
ジェネラルがラスボスの風格?いやいや単なる設定ミスだよwテストプレイ不十分だっただけだよ?
アルゴリズムのスキを突いた攻略がたまたま「発見」されただけで、当時はクリア不能のクソゲー呼ばわりですよ、タイトーの汚点といってもいい(タイトー汚点多いんだけど)。
で、自分も詳しくないのだけど、ジェネラル倒せる可能性があるのはキャラも限定されてて、作中アキラは不可能とされてるキャラで倒したってことなのかな?
ここら辺ちょっとワカラン、解説あった方が良かったような?
でもって、これは2人で渋谷で夜を明かしたってことでいい…のか?
どうしてもね、色々と思うことがあって愚痴愚痴した話になってしまうのだけど…ってことで畳んでおきます、ただのオッサンの愚痴です。
{netabare}
最近“PSO2ジアニメーション”の感想書いて、「いま一つパンチが足りない」ってことで思い当たることを書いたんだけど愚痴が過ぎるかな?と思ってボツにした文章。

SAOのキリト的行為を現実のネトゲでやったら大問題で…ってか実際にそれで迷惑被った人も多いんじゃないかな?
判断能力の薄い中学生が18禁サイトの年齢認証を通過して「こんなん意味ねーぜw」「余裕だったぜw」とドヤる(※)のと同じノリでキリトごっこをするのが一時大量に居たのも事実、今は知らん。
少なくとも自分がネトゲ廃人してた頃はSAOの登場時人物をキャラ名で使ってる奴とは関わらないほうが良いというのが暗黙の了解で…今は知らん。
良い悪いは置いといてSAOにそれだけの影響力があったのは事実で。
そこら辺考えると、ちょっとハメを外す描写さえも描くことはできなかったのかなー、とつい思ってしまう。

↑ここまでがPOS2ボツ文章、以下がハイスコアガールについて↓

その一方でハイスコアガールが結構そこら辺攻めた内容になってて…マンガ原作の強み?
店からしたら台バン勘弁してくれ・台を蹴るなんてもっての外・夜ゲーは黙っててくれ…または16才未満は夜何時以降は保護者同伴じゃないとゲーセン居ちゃダメだとか、グレーゾーンに迫る描写が多くてヒヤっとする。
原作自体が元々著作権関係でモメただけのことはあるんだろうけど…ヤバいこと描いてあるから面白いとまでは言わないけど、なんだ攻めようと思えば出来るんじゃないか、とは思って。
それと同時に思うのは「まぁあの時代は大らかだったし」と、あくまで過去の世界だから許されてるのかなぁ、とも(JOJOがノーヘルでバイクに乗れてたのもそのおかげ?)。
なんつーかね、もしそういう理由だったら、現代を舞台にした作品がほんっと息苦しいモノしか無くなっちゃいそうでイヤ~なカンジ。


実際に遭遇したことがあるんですけどね。
その場で説教しない自分も大したことない大人だけど、「いやいやそれはあんたのためにあるんじゃなくて、親御さんに向けてのパフォーマンスだから」とは思って。
もしくは「何かあった時は責任そっち持ちな」という保険みたいなもので、その保険がどれだけ効力あるかは不明だけど実際に「何か起きるまで」はその(年齢認証の)存在理由は表に顕れないというか。
(「アニメを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」ってのも、あれも保険だぞ?万が一ポケモンショックが再び起きた時に「注意喚起してたしー」とTV局側が言い逃れするための)
詳しくは伊織事件でググれと言いたかったけど…言えないよねー、現実に目の前で起きたら。
まぁぶっちゃけ、やっても構わんけど大きな声で話すな、と。
因みに“俺妹”について調べてみたら、どうやら作品世界は伊織事件より前と設定されてるみたいね、分かっててやってるわコレ、ホント悪質だわ…。{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

TM360 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

グランドマスターチャレンジ

1期からの続き。
大野のねーちゃんのうつけ者っぷりがとても魅力的。
ハルオのかーちゃんも竹を割ったような豪傑で魅力的。
この2人のコンビは良いね。

1期は「ゲームを通じてラブコメ進行」が主な流れだったと思うが
2期に入ると「ラブコメを通じてゲーム史実を重ねる」という逆転が起きてたと思う。
だからといってゲーム部分の描写が疎かになってるという訳ではないから問題無し。

舞台も溝の口に移ったり渋谷会館が出てきたり実在したゲーセンも出てきたね。
あの96年当時の渋谷を描写しててドリンクサーバーがあって寝っ転がりながらマンガ読める漫画喫茶の描写が入ったけどそんなのあったかなぁ?という所が気になった。
カラオケはシダックスというチェーン店があったけどマンガは今のようなチェーン店形態の店舗は無かったような気がする。ネットカフェなんか当然無かったし。
マンガだとどちらかと言うと貸し本屋という形態がまだ残ってたような年代だったかと。
史実を元に描写してるから気になってしまいます。

関西滞在時に登場した10円ゲーセンも本当にあった場所ですね。
確かフェラーリって名前のゲーセンだったと思います。
当時遠征先のゲーセンの場所を知るには伝聞か、タウンページを必死に探すかしか無かったと思うんだけど、ゲーメストの付録で「全国ゲーセンマップ」という冊子を付けた事があってあれはとても有能だったと思います。


気になると言えば唐突に出てきた「そーだよそーだよソースだよ」というセリフ。
これは80年代に流行った言葉で「旨い焼きそばソースだよ」まで続いて1セットになるセリフ。90年代に再ブームが起きたというわけでもないのにどういう意図で差し込んできたんだろう。

物語は終盤の3回くらいは駆け足になっちゃったね。
でも最後は色んなゲームのキャラを画面中に散りばめたり煌びやかで版権の垣根を越えてオールスターが揃った感じが良かった。

物語はここで終わったけどゲームの史実として96年は業界の最盛期だったろうね。99年頃になると格闘ゲームのブームは一度静まり2000年台初頭にギルティギアがカプコン格闘と肩を並べて第三次格闘ブームが始動したという感じ。
続編を描くとしたらどういう切り口になるんだろう。今後があるなら期待。



↓↓↓ 以下おまけコラム ↓↓↓



・90年代のゲーセンに大野さんや小春みたいな女の子は居たのか?問題。

クレーンゲームとかプリクラのアミューズメントを除いて純粋なビデオゲームを遊ぶゲーセンという場に女の子のお客さんが本当に居たのかどうか。
感覚的には100:1どころか200:1くらいの割合だったと思う。
ゲーセンに女の子が居た時点で二度見して開口一番「なんで?」って言葉が出るような時代だったと思う。
だからといって女子供は出ていけ!というヘイトが飛ぶような環境でもないんだけど、大抵はゲーセンのルールを把握しておらずに後ろに人が並んでるのに連コインとかしちゃってそこで嫌われる人が心折れてもう来なくなっちゃうとかそういったパターンがあったのかなぁと。

それと大抵のゲーセンは常に薄暗くてタバコの副流煙が滞留してるのを目視出来るくらい空気も悪いし、そもそもトイレが男女分かれてるなんてゲーセンもなかなか無かったですからね。
女がトイレ行くには男が小便器に用を足してる所の後ろを通って男の“大”用の個室を使うしかないという環境を強いられる場でした。

そりゃゲーセンに女が居るわけないんですよ。

でも女性ゲーマーがゼロだったというわけじゃなく女性ゲーマーはネオジオの方に多かったです。家庭でゲーセンと同じものが遊べるというネオジオは女性ゲーマーにとっての救世主だったろうし、当時のSNKはキャラや演出に関する表現が特に秀でていたのでこれも女性の心を掴みやすかったというのもあると思います。

そんな時代背景なのに当時ゲーセンにキャミィのコスプレをした女の人が来たのを強烈に記憶してて…。メーカー広報の販促かなとも考えたんだけどどうやら一般のお客さんのようで、いざ対戦に座ると何故か春麗を使用して「えっ?」となった感じがとにかく忘れられなくて。(特に上手くは無かった)
だからよっぽど強靭なメンタル持ってる場合そういう人も居た。
今だったらそういうのはすぐスマホで撮られて晒されるだろうから逆に今の時代ほど無いよね。
あの人今どうしてるんだろう…。本当に謎。



・スト2Xである理由

ハイスコアガールの作中でもメインに取り上げられた94年稼働のストリートファイター2X。やっぱりこのゲームが格闘ゲームの頂点だと思います。
操作やシステムが軽快である事もあるが、プレイを見る側もゲーム内で「今何が起きているのか」がしっかりと伝わるゲームだと思う。
それが稼働から30年近く経とうとして、今でも現役でプレイされてるゲームの持つ力です。
あまりゲームを知らない人がこのアニメを見てもちゃんと伝わるものだと思います。

そんなスト2Xも計算し尽されて出されたタイトルではなく時間の無い突貫工事で出されたタイトルであるというのが非常に面白い。

というのも遡って前作のスーパースト2が満を持して登場したが、正直実際の評判というものがそこまでのものではなく、瞬間風速的にライバルのSNK格闘ゲームが人気を追い抜いてしまったという事態になってしまいました。
当時挙がった第一の不満はゲームスピードの低下。初心者に向けて遊びやすくゲームスピードを落としたらそれが大衆の不評を受けて仇になってしまった事。
ライバルSNKのゲームが「龍虎の拳」より採用し始めた一発逆転の大技「超必殺技」に大衆が大ウケしてカプコンのゲームが地味に見え始めていた。
主にこの2点がスーパースト2に足りなかったものとして認識されました。
この問題点を至上命題として可能な限り最速のタイミングで改善版を市場投入する事がカプコンの生命線となり登場したのがスト2Xとなります。
その投入までの期間はおおよそ半年。
そんな余裕の無い突貫工事でそこから30年遊ばれるゲームは誕生しました。

これは開発陣のセンス、意地、そして運にとても恵まれたものだと言えます。
SNKゲームの多くは研究が進む事によってゲームシステムが破綻してしまうタイトルが多かったです。本当にキャラコンテンツや演出が上手くてあの当時の勢いで乗り切ってた感じ。
それに対してスト2Xは研究が進んだ上でバグも見つかったりするけど、ゲームの面白さに作用する前向きなバグになる結果が多く発見されてそれがスパイスになって更に遊ばれるという感じでここまで研ぎ澄まされたという感じ。
これはまさに運です。
製作者の手から離れて一人歩きを始めても未だに製作者が意図したゲーム性の範囲内で楽しく遊べるというのはもう金字塔というべきもので囲碁とか将棋とか、そういったものに一番近い格闘ゲーム。もはやスト2Xも学問のひとつであるという領域まで昇華しそうなくらいです。

そういったゲームがこのようなゲーセンを題材にしたアニメ作品のメインで登場する事はやはり納得という感じです。

ここから「このアニメを見てスト2X始めてみました」って人も出てくるんでしょうか?そういう人が居たらぜひ対戦してみたいですね。そして完膚なきまで叩きのめして欲しいです。そこでやっと次の世代にバトンが渡せます。
今からこのゲームやってみたいという人は「ストリートファイター30th アニバーサリーコレクション」のSteam版を購入するのが良いと思います。オンライン対戦が料金不要で楽しめますしね。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゲームから始まる純愛ラブコメ完結編

第1期からの続きの第2期です。なので、第1期を見ていないと話がよくわからないと思います。
初見の方は第1期(1話~12話)とOVA(13話~15話)の視聴をおすすめします。
OVAのレビューは1期に書かせていただきました。

ゲームが詳しくなくても充分面白く見れてるので、ゲーム好きの方が見るとさらに面白いんでしょうね。
16話のアキラ視点からの導入はうまいなーと思いました。
OP変わったけど、雰囲気似てるから悪くない感じです。
最終話、見終わりました!ラストも原作通りで、すっきりした感じで終わりましたね。でもその後の話もちょっと見たかったなあ、という思いもあって、ネットでつらつらと検索してたら・・
「ハイスコアガールDASH」発表の記事が(゜o゜)な、なんですって!
しかも舞台はあれから10年後で主人公は中学教師になったコハルとか!
コハルびいきの私にとっては朗報でした(*^_^*)
各話のレビューは以下のとおりです。

16話
{netabare}まずは1期の頃のアキラ視点の話から始まったけど、これはこれでアキラに感情移入しやすくなって良いと思います。
奔放な姉の代わりにゴウダから容赦ない指導をされて身も心も疲れ果てるアキラ。
たまらず家から逃げだして街を歩いてるとそこには気になっていたゲームセンターが!
ゲームで不遇な扱いをされてるキャラに自分を重ねたのかな、そういうキャラを使いこなすアキラ。
あ、ここで1期1話につながるんだー。こういう導入いいな。アキラの心の応援キャラはザンギエフなんだね。
いちゃいちゃって何するんだ?って真顔で聞くハルオに笑った。。
コハルは色々あってご機嫌ナナメ。でもハルオの家に誘われて一緒に行くけど・・
そこにはアキラもいて、微妙な空気になるけど鈍感なハルオはお菓子食べてて平気な感じ(-_-;)次回どうなる?{/netabare}
17話
{netabare}重苦しい空気の中、突然始まったアキラとコハルの対戦!
密かにコハルを応援してる私。。コハルが恋敵としてだけじゃなくて対戦相手として純粋に勝ちたいと思ってるとこはいいなと思った。コハルがハルオに対してイライラしちゃう気持ちもなんとなくわかるなー。
コハルとの対戦から、ハルオを目の敵にしてる溝口勢が嫌で、渋谷のゲーセンに来るハルオ。
ハルオの腕が認められて渋谷勢に入っちゃうけど。。コハルとの再戦もある?
ガングロとか懐かしすぎる。。eggとかまだあるのかな?{/netabare}
18話
{netabare}ずんずん教の野望ってすごい名前のゲームだと思って調べたら、本当にあるゲームでびっくり(゜o゜)
渋谷に来たアキラ姉に怒られるハルオ。
でもアキラが寂しい思いをしてるって言われてるのに、ハルオはアキラのしているゲームと対戦することしか考えてないし(-_-;)
渋谷勢と溝口勢の対戦。コハルはすごく強くて、最後にハルオと戦うけど、あっさりコハルが勝っちゃって。。
コハルってホントにハルオが好きなんだね。こんなに思われてるハルオは自分が幸せ者だって気づけよ(-_-メ)
大雨で電車が動かなくなって、お泊りしたいコハルと、タクシーで帰りたいハルオはとりあえずファミレスへ。
コップの水滴を指でなぞったり、足を絡ませたり。こういう演出はコハルの気持ちを表してていいな。
コハルの話をごまかそうと必死にゲームの話をしようとしてるハルオくんかわいい(*^_^*)
朝になって・・コハルの感じだと上手くいかなかったのかな。
ぎゅっとしてと抱き着くコハル。でも目の前にアキラが立っていて(゜o゜)次回修羅場?{/netabare}
19話
{netabare}どうなることかと思ったけど、泣いて立ち去ろうとするコハルをアキラが引きとめて。
帰りの電車でハルオとコハルにアメを渡すアキラ。アキラは夜通しでハルオを探してくれてたんだね。
ハルオと一緒に過ごしたいと思ったアキラは黒服にハルオを拉致させてアキラの自宅に(-_-;)
アキラもコハルと一緒のハルオを見てヤキモチ焼いたのかな。。
じぃの買ってきた大量のゲームをプレイする二人。
お菓子が取れなくなってるアキラに、トレイをさりげなく回してあげるハルオ(*^_^*)優しいなあ。
次の日。コハルを訪ねるアキラ。なぜか一緒にゲーセンに行くけど、対戦ゲーじゃなくて普通に遊ぶアキラ。
次回、二人の再戦ある?{/netabare}
20話
{netabare}アキラと対戦するコハル。
コハルはすごく闘志を燃やしてるけど、アキラはちょっとわからない感じ。
なんとなく、アキラはコハルと勝負というよりも、一緒に遊びたかっただけなんじゃないかな。
ハルオママのホットケーキ食べたい(*^_^*)イチゴトッピングとか美味しそう。
なにこのおじさんのグラビア映像?で笑った(^○^)確かにそう思うよねー。
そしてラストのアキラの表情。。原作読んでるからちょっとせつない。。{/netabare}
21話
{netabare}アキラの思いつめた表情が気になって、なんとなく憂鬱なハルオ。
それをきっかけに、アキラのことが好きなんだとやっと自覚して。
ハルオは大阪のストⅡ大会でアキラに告白しようと思う。
でも・・アキラは今月末にロスに移住してもう日本に戻ってこない・・
古典的恋愛ものの展開ではあるんだけど、こういうストレートなのって最近あまり見ないから心にきますね。{/netabare}
22話
{netabare}新幹線の中の二人。アキラってほんとしゃべらないんだね(-_-;)
こんなアキラと楽しそうに動物数えてるハルオって優しいな。
表情としぐさだけでアキラが何言ってるか解読してくれるし(*^_^*)
ホテルの絵の裏のお札って本当にあるの?でもめくって確認するのは怖いかも(>_<)
結局一緒にシングルベッドで寝る二人・・これ寝れないでしょ(>_<){/netabare}
23話
{netabare}ベッドの中でハルオを見つめるアキラ。
手を握ってきたり、くすぐったり、ハルオを噛んだり。。もうハルオくん好き好きモードでしょ。
でもアキラに何もしないハルオくんって純粋というか何というか(-_-;)せめてキスくらいしてあげなよ。
寝不足だけど、アキラとの対戦を目指して勝ち進むハルオ。
でも・・アキラはなぜか1回戦で敗退・・しかし敗者復活戦で勝ちあがって決勝トーナメントに!
そして準決勝。ついにアキラとハルオの対戦に!{/netabare}
24話
{netabare}試合は僅差でアキラが勝利!
でも、勝って告白しようと思ってたハルオはがっかり・・
大会の後もずっと元気がないハルオ。アキラが遠くに行ってしまうと分かったのもあるのかな。
好きなんだったらうじうじしないで告白すればいいのにって思うけど。。
アキラからあの指輪がハルオに返されて、自分たちの関係は終わりなんだと思い込んでしまって・・
でも、コハルに会って、コハルに背中を押されて、アキラに会いに行くハルオ。
そんなハルオを見送って泣いちゃうコハル。。ここでちょっとうるっとしちゃいました・・
なんとか間に合って、アキラに告白して。。抱き合って涙を流す二人・・{/netabare}

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